外国人労働者に想う

  • 2025年思い出の釣行記No.14
  • 負けないで頑張ってくださいね!
  • 釣 行 日:8月1日(金)
    入釣場所:苫小牧東港
    天  気:晴れ 波風穏やか
    釣  果:小サバ    300 ㎜ 以下沢山
         アナゴ    500 ㎜ 以下9
  • 35㎝~50㎝、残念ながら小物ばかりだった。この他に鉛筆2本もあったけれど・・・
  • 【小物釣りで憂さを晴らす】
     今回は、暑気対策を兼ねて苫小牧東港に向かった。連日30℃を超す岩見沢よりは、若干気温が低いという予報だ。まずは、カンパチやフクラギでも来ていないかとフェンス前を覗いてみる。誰も、竿を曲げている者はいない。唯一、仲間内でやってきたと思われる若者群団が盛んにルアーを飛ばしている中、その内の一人がサビキ竿を出していて中サバを上げていた。
  • よい情報が無いのか、フェンス前は閑散としていた。
  •  まだ、日は高いところにある。アナゴを狙うまでの間、サビキ竿を出してみた。小サバでも釣れれば、それを泳がせてカンパチやフクラギを狙うつもりだ。だが、釣れてくるのは25㎝以上の中サバばかりだ。一寸泳がせるには大きすぎる。
     今回は大型クーラーボックスに1.8ℓのペットボトル2本と540㎖の2本を凍らせて持ってきている。1.8ℓの方の1本は海水を入れたバッカンに、540㎖の1本もこれまた海水を入れたバケツに入れた。サバは傷みが早い。釣り上げた中サバを、鯖折りにしてまずはバケツに浸けて、血が抜けた頃を見計らってバッカンに移し替えていた。それでも陽射しは強烈である。海水も生温かくなってきたので、途中でクーラーに移し替えながら釣り続けた。
  • 25㎝~30㎝ほどの中サバが釣れ続いた。
  •  午後4時になった。まだまだサバは釣れ続きそうな勢いだが、今日の本当の狙いはアナゴだ。竿を片付けて場所替えのために移動した。まだまだ日は高いが、ロケットカゴ仕掛け2組、2本バリ仕掛け2組の計4本の竿を出した。小さなアタリが続き竿を上げてみるとエサがきれいになくなっている。おそらくフグだろう。フェンス前でも岸壁に群れる大量のフグを避けながらサバを釣っていたのだ。

    「あなた方も負けないで頑張ってくださいね」
     二人の海水浴客が現れた。お互いに楽しそうに声をかけながらだんだんと私の方に近づいてくる。そして、一旦海から上がって、褐色の体に海パン姿で私の前を通りかかった。
     「楽しそうですね。何か捕れましたか?」
     「はい。ワタリガニです」
     「浮いているワタリガニを手づかみしているのですか?」
     「そうです。2杯捕れました。貴方はアナゴ狙いですか?」
     「はい、そのつもりです。どちらからですか?
     「ベトナムです」
     「お疲れ様です。頑張ってくださいね」
     「ありがとうございます。」
     二人とも流暢な日本語で話してくれた。そして、再度海に入って、ワタリガニを探しながら遠ざかっていった・

     夕闇が迫ってきた。先ほどのベトナムから来たという二人組が背後を通った。
     「お疲れ様です。アナゴは釣れましたか?」
     「小物が2本だけ釣れました。まだまだこれからだと思っています。ところで、ワタリガニはどうでした?」
     「1杯追加できましたが、今日は駄目なようです。また、この次に頑張ります」
     「沢山捕れるように祈っています。頑張ってくださいね!」
     「ありがとうございます。貴方もアナゴがたくさん釣れるといいですね」
    と、来た方向に歩を進めていた。
     「ありがとう!!二人とも負けないで頑張ってくださいね!!!」


     見るからに日本人とは思えない。東南アジア系の海水浴客に思わず「どちらからですか?」と声をかけてしまったが、私の意図を理解したのか「ベトナムです」と応えてくれた。そこから、様々なことが脳裏をよぎった。
     苫小牧ということもあり、おそらく、港湾業務で働いているのだろう。どのようにしてここへやって来たのだろう?自転車だろうか?それとも徒歩だろうか?ここは住宅地からは離れた穴場的な場所なのだ。この付近には、宿泊できるような施設はない。あるのは、直方体のプレハブ倉庫のようなものばかりだ。窓が付いているので寝泊まりもできると思われるものが立ち並んでいる。

     最近はよくホテルやレストラン、居酒屋等で外国人労働者を見かけることが多くなってきた。肌の色やたどたどしい日本語から分かることなのだが、東南アジア系の顔立ちが多い。調べてみるとベトナム、中国、フィリピン、ネパール、ブラジルからの人が多いそうだ。技能実習生、永住者、留学生、外国語講師という肩書き等で形態は様々だが、夢や希望を持って日本に来ている人がほとんどである。稼ぎのほとんどを国に残してきた家族に仕送りしている例が多いとも聞いている。
     また、残念なことに雇用格差、悪環境、長時間労働、低賃金などの過酷な労働環境に苦しんでいることなどもニュース番組で取り沙汰されている。仕事を斡旋仲介するという詐欺まがいの闇ブローカーに引っかかり、仕事を失い、犯罪にまで手を染めていることも聞くようになった。
     労働力不足を海外に頼らざるを得なくなった日本。「ありがとう。二人とも負けないで頑張ってくださいね。」には様々な意味を込めざるを得なかった。
  • 本日の釣果は小物ばかりになってしまった。
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  • 【つれづれ】
    アナゴにはルミコ
     今回は、2本バリ仕掛けに以前作ってあった夜光タコベイトを被せたルミコ仕掛けを使ってみた。アナゴはこの仕掛けばかりに来た。コマセカゴ仕掛けには1本も来なかった。このことからコマセカゴは面倒なばかりで効き目がないことが分かった。この次は、このルミコバージョン仕掛け4組でやってみようと思う。

    新婚旅行
     私達夫婦は、新婚旅行に海外を選んだ。私は、どうせ海外に行くなら東南アジアの風土を見たいと思った。その時付き合っていた彼女は、「ハワイがいい」という。
     私には旅費がなかった。給料袋をポケットに入れて、毎日を生活するような状態だったのだ。結婚することが決まって、4月から9月の結婚式までの5ヶ月間、月々4万円を旅費として彼女に預けることになった。それでもハワイは無理ということになり、結局タイで折り合いをつけたのだ。

    どちらからですか?
     私は、釣り人に会うと「どちらからですか?」と聞くことが多い。ここ苫小牧では札幌や千歳、恵庭、地元からといったところだ。また、釣り会御用達のリュックや帽子などを見ると「何処の釣り会ですか?」と聞いている。そこからきっかけを作って、釣り場の状況や釣れる魚に合わせた仕掛けやエサ等の話も聞けることがあるのだ。