ダニのように執念深い私

  • 2024年思い出の釣行記No.12
  • ダニのように執念深い私
  • 釣 行 日:9月24日(火)
    入釣場所:苫小牧東港
    天   気:晴天 向かい風6m 波穏やか
    釣   果:アナゴ 560 ㎜ 以下29
          ソイ ドンコ アカハラ
  • 私の執念に応えてくれたアナゴたち
  •  天気は上々、今日もアナゴ日和だ。明日、明後日と用事がないので夜通し釣り続け、アナゴの自己記録を更新するのだ。今年はまだ「大物・大量」に掲載する釣りをしていない。2年前10月の14本超えを狙うつもりである。あわよくば、カンパチやフクラギを狙ってみようと思うのでその道具一式も車に積み込んだ。
     早朝から出かけようと思っていると息子から電話だ。なんでも孫が高熱を出し、嫁は年休を使い果たし、自分の勤務は「明け」で昼まで預かってくれないかというものだ。嫁の出勤前に孫を迎えに行った。頬を赤く染めて、目が虚ろだが、やたらとおしゃべりする。こんなところは息子の小さかったときと同じだ。
     それでもって午後からの出発となる。DCMではイソメが通常の半額で売られていたので2パックを買う。隣のビッグハウスを覗いてみると、安売りの輸入冷凍イカがない。もちろんマイカは売っているのだが、例の高値でエサにするのは気も金も引ける。サイコロ目の入った厚切りの輸入モンゴウイカが安くて、目に留まったのでそれを購入してみた。

     15:30には苫小牧東港に着いた。小サバやイワシが寄っていれば、それを捕食するフクラギやカンパチのナブラも見えるところだが、その兆候はない。釣り人もまばらだ。サヨリを狙っている釣り人もいたが、不調なようだ。

     アナゴ釣り場に向かった。今日は珍しく明るい内から3名の先客が砂浜で竿を出していた。おそらくアナゴ狙いなのだろう。いつもは一人きりなので仲間がいると思うと心強い。時間はたっぷりあるので、ゆっくりと準備した。そして、準備が整った時点で缶ビールをプシュッとやった。
     竿2本をロケットカゴ仕掛けで、竿2本を2本バリ仕掛けで、イソメとイカを相掛けにして振り込んだ。すぐにアタリが出たが、足下がやたらと涼しい。上衣はスキーウエアーを持ってきたのだが、下に履くカッパズボンを車に忘れてしまって、パンツとジャーズボンだけなのだ。明け方には10度以下になると予報している。アタリのあった竿をそのままにして、取りに戻った。
  • 前回と同じ写真で申し訳ない。
  •  釣り場に戻ってみると、アタリのあった竿は平穏を保っている。引き上げてみると、エサが全くなくハリスが捩れている。アナゴが食いついて、得意のひねりを入れている内に外れてしまったのだろう。他の竿も上げてみると、ハリスにパーマがかかって獲物がいないものが2つあった。何をやっているのだろう。カッパズボンを取りに行っている場合ではなかったのだ。しかしこれが後々私に快適な釣りを約束してくれることになった。益々冷え込みは厳しくなってきて風も出てきたのだ。
     釣り場は足下が悪いので神経を使う。アナゴを5、6本あげたときだっただろうか。手元が狂って同じ方向に仕掛けを投げ込んだときがあった。道糸を張ってみたがラインが交差しているのかよく分からないままでいるとアナゴ独特のフワンフワンの後に竿先が刺さり込む大きなアタリが出た。アタリに合わせて竿を煽り、リールを巻いていると、隣の竿の道糸に絡んでいることが分かった。しかし、大きなアナゴが付いていたので強引に抜きあげた。アナゴは例の如く体をよじってハリから離れようとする。それで隣の竿のPEの道糸に仕掛けが縦横無尽に絡まってしまった。道糸を切ってしまおうかなとも思ったが、根気よく絡まりを解いた。そうしている間にも、風で煽られたPE道糸が更に追い打ちを掛けるように絡まった。ナイロンリーダーに近づいたところで、ようやくPE道糸を切った。今度はナイロンリーダーの先にある仕掛けが磯際にあるゴロタ石に捉まった。そして、長靴ギリギリの海水に浸かって仕掛けを回収したのだ。釣り大会だとこんな悠長なことはやっていられない。

     アタリは間断なく続いた。ハリスを捩る小物も多いけれど、50㎝を超える物も上がってくる。アナゴの合間に、アカハラやドンコやソイの外道もやってくる。寒くなる余裕はなかった。午前0時を回り、イカのおかげで節約できていたイソメも尽きたところで、引き上げることにした。その時はもう、フクラギやカンパチを狙う気持ちはなくなっていた。

     次の日、アナゴを数えてみたら、自己記録更新の29本だった。さすがに鉛筆アナゴはリリースしたが、40㎝超えを全て持ち帰ったのだ。
  • 数えてみると29本になった。自己記録更新である。

    【つれづれ】
    イソメを節約するために全てのハリにイカを切って使用した。イソメとの相掛けだったので、イソメとイカのどちらが良かったのかは分からない。帰ってから中アナゴの腹を割いてみるとイカの切れ端が出てきた。丸呑みだったのでいいエサになったのだろう。

    ハリスを千切って逃げたアナゴが2本いた。例の如くハリスがパーマー状になって戻ってきたのだが、ハリがなくなっていた。小物ならハリが付いたまま戻ってきていたので、おそらく大物だったのだろう。

    朝飯を食べていると、腕にごま粒のような赤い斑点が付いている。何かなあー?とよく覗いてみるとダニのようだ。抓んでみると、肌に食い込む前の小さなダニが剥がれてきた。ポイッとテーブルの上に置くとチョコマカと這い出した。指先で押し潰そうとしたが潰れないで這い回る。再度、指先の爪で潰すとようやく死んでくれたようで動かなくなった。本当に厄介な生き物だ。
     釣りから帰ってから、風呂を覗いてみるとまだ湯が張ってあった。少しぬるめの湯に熱々の湯をつぎ足して入った。背丈を超える草藪を漕いで釣り場に向かったのでダニが心配で入念に洗ったつもりだったがまだ取れていなかったのだ。ダニは本当に執念深い。人間でも「ダニのようだ」と揶揄されるが、こんなことが起因しているのだろう。本日のアナゴにとっては「ダニのように」執念深い私だったが・・・。
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