3月17日浜厚真港 血痕を見逃すな

  • 2020年思い出の釣行記No.4
  • 血痕を見逃すな
  • 3月17日
    浜厚真港
    クロガシラ46㎝以下23枚
  • 今日は46㎝㎝以下23枚(内リリース5枚)
  • シンクにいっぱいになった
    (46,45,45,44,43,43,42,42,42,41,41,40,39,39,39,37,31,30)
  • 血痕を見逃すな
     午前1時、勇払マリーナに向かった。先日の「つりしん」で、川本隆志、木下秀則によって[安平川河口海岸、二人でクロガシラ18匹、手応え十分]と掲載されたからだ。安平川河口は私の友人や浜厚真の釣り人たちからも聞かされていた。昨年度、その話を頼りに出かけてみたが1枚も釣れなかった。もう一度、様子だけでもみてみようとグーグル地図で下調べをしてから向かったのだ。マリーナにある防波堤の入口には柵が施され「釣り禁止」の看板が掲げられていた。次に、安平川河口に向かう砂利道を進んでいくと、暗がりでもあり、砂浜との境が分からなくてタイヤがスタックしてしまった。幸い、冬道走行を思い出しながら前後に車を揺さぶっているとなんとなんとか抜け出すことができた。
     雰囲気は分かったが100m以上の遠投での釣果だったことと、遠浅の海岸で波も少し高かったことに加えて向かい風でもあったので浜厚真港へと向かった。
     本日の潮は、午前7時の満潮から午後3時の干潮、そして次の日の朝までだらだらと潮が混んでくるというあまり潮が動かない日だ。釣れなくて当たり前と思っていれば気が楽である。いつもの釣り場に向かうと2名の釣り人が手広く竿を出していた。それで、外海側にテトラが入っていない防波堤先端方向に向かって歩を進めた。すると、途中、防波堤上にいくつものどす黒い血痕が広がっているところがあった。スミイカ釣りのことが頭によぎる。いつの血痕かは分からないが、ここで大釣りした人がいたのだ。他を確認すると、まばらに血痕が残っているだけだ。それで、その跡が多いところを釣り場に決定した。
  • 朝の内は冷え込んでいたが、青空が広がり暖かくなってきた。誰もいない釣り場で手広く竿を広げた
  • 他人の仕掛けに
     まだ、暗いので竿先ライトを点けて遠投を中心に振り込んだがアタリは出ない。アタリが出ないままに放っておくと保安官ばかりがついてくる。昨年釣果があった港内にも竿を出してみたがそこでもアタリは全く出ない。港外に向けてコマセカゴ付きの仕掛けを中投してみた。午前6時頃、その竿に待望のアタリが出た。40㎝強のクロガシラだった。
  • 最初の獲物はこれだ
  •  午前8時頃、糸ふけがでた。合わせを入れてからリールを巻いていると軽い。すると見慣れない道糸が仕掛けに絡んできた。隣の竿の道糸にも絡んでいるようだ。胸壁に上ってその道糸を手で引っ張った。最初はスルスルと引けていたのだが、途中で重みが乗った。その重みに動く気配もする。それはまぎれもない他人の仕掛けをくわえ込んだ40㎝ほどのクロガシラだった。前日か前々日に入った釣り人の仕掛けに食いついて道糸を切って逃げ切ったヤツを釣り(?)上げてしまったのだ。
  • さっきより少し大きくなったか?この後の大物は忙しくて写していない。
  •  午前10時頃、また同じような大きさのクロガシラが来た。朝早くから釣り始めてアタリも無く、今日は無理なのかなと思っていたが、今年は釣り上げていない40㎝強が3枚(自分の仕掛けではないものも含まれてはいるが・・・)となるとまんざらでもない気持ちになった。

    生イソメが足りなくなるかも
     午前11時頃、右隣に鵡川から来た釣り人が入った。3.6m程の年代物の3本の竿を出して、去年残って冷凍にしてあったという塩イソメを付けて振り込んだ。彼の邪魔にならないように、私の右端の2本の竿を左端に移動させた。私の竿も年代物だ。プロサーフは20年前、サーフリーダーは30年前、レッドカーボンとなると40年前になる。それぞれ3本ずつそろえたのだが、破損してしまったのをつなぎ合わせながら2本ずつになってしまっている。
     頻繁にアタリが出るようになった。右隣が、「その竿ばかりに釣れるね」と言った。そう言われてみるとそうだったと振り返ってみる。50m~60mで振り込んだロケットカゴ仕掛けばかりの竿に食いついてくるのだ。ロケットカゴ仕掛けを4本にして増やしてみたが、やはりその1本の竿ばかりにアタリが出るのだ。
     隣が「やっぱり生イソメがいいのかね」と聞いてきた。使い古した塩イソメではアタリも全く出ないという。そう言われてしまうと残りのエサが心配になってきた。今日は午後12時までという設定をしているので、今のうちに補充しておく必要がありそうだ。(前回は午後3時から午後12時までで3箱を使い切ってしまったのだ。今回は長丁場を考えて4箱にしている)隣の鵡川の人から釣具店を聞いて、閉店してしまった釣具店の横にあるホーマックでもエサを置いていると教えていただいた。生は売り切れてしまっているかもしれないが塩イソメならあるということだ。その鵡川のホーマックに向かった。やはり生イソメ売り切れてしまって塩イソメしかおいていなかった。途中のコンビニで飲み物を補充し、お昼にするカツ丼を買った。

    50㎝の大物はまやかし
     午後3時頃、その鵡川から来たという釣り人が獲物もなく引き揚げてしまった。チョンチョンとしたアタリをしばらく放っておくと大きなアタリが出た。大きく合わせると何やら大物の感じがする。これまでは45㎝級でも胸壁の上へとキリキリとリールを巻いて取り込んできた。それとは違う次元のモノで、梯子を登ってタモで掬わなければならないかと考えていると、ここの常連らしい若者が後ろを通った。その方から「タモで掬いますか」と声が掛かった。ありがたくお願いする。彼は素早く脚立を上ってタモを手に持った。私もリールを巻きながらで足取りも危なっかしく脚立を上った。さらにリールを巻いていると魚が浮いてきた。しかし、残念ながら40㎝級が2枚だった。これが1枚だったらと少しがっかりした。ともかく竿だけでは持ち上がりそうもないのでその若者に掬ってもらった。その若者が2枚を掬い取ったところで「ベールを返して下さい」と言った。はじめ何のことだか分からないでいたが、「もう掬い取ったので大丈夫ですよ」という思いで言ってくれていたのだ。その若者は、隣の道糸と絡んでいたのを直してくれてもいた。その若者が自分の釣り場に戻ると、付近にいた釣り人が訪れて様子を尋ねてきた。
     午後4時頃、フラシに入れてあった魚を車に運んだ。フラシを引き揚げるときに重たくて防波堤の壁面についている牡蠣貝に引っかかったりしていたのだ。
     富川から来たという釣り人が右隣に入った。手慣れた様子で準備してすぐに振り込んだ。投げる距離は50m~60mぐらいだそうだ。そして、すぐにクロガシラを釣り上げた。この場所の常連らしく、その付近にクロガシラが溜まるということだ。そして、高価な竿を振り回して遠投している若者の竿にはアタリが出ないというのだ。

    ドンコの来襲には勝てず
     周辺が薄暗くなり竿先ライトを付けた。すると、小さなアタリが頻繁に出るようになった。そして間もなく6本の竿が同時に揺れ出したのだ。1本ずつ引き揚げていくとその全てがドンコだった。クロガシラは全く釣れなくなってしまった。クロガシラが食いつく前にドンコが食いついてしまうのだ。
     松前出身の人が様子を見に来た。今日、何度か顔を合わせていた人だった。その人が言う。「ドンコはうまいのだ。アルミホイルにちゃんちゃん焼きのように肝を入れて、焼き上がったところで肝を混ぜて食う。これが絶品だ。道南方面では昔からこの方法で珍重されている。」
     今は絶命しているので持って帰るが、朝方釣ったソイやアブラコをフラシに入れていた。今までは当然のように持ち帰っていた手の平級のクロガシラもリリースしてきたのだ。ドンコの猛攻に嫌気がさしてきて引き揚げることにした。日付が変わる頃までが目標だったがもういいだろう。午後8時、荷物を片付けた。その時は新たに40㎝強のクロガシラが4枚収まっていた。あ~あ、楽しかった。
  • 一番の大物は46㎝と計測された
  • 全てを並べてみた。少しは激釣ぶりが分かるだろうか