3月3日浜厚真港今年の初物

  • 2020年思い出の釣行記No.2
  • 今年の初物
  • 3月3日
    浜厚真港
    クロガシラ38㎝以下14枚
  • 浜厚真港出陣 状況は最悪
     砂川遊水池のワカサギ釣りが駄目だとなると、自ずと心は苫小牧方面のクロガシラ狙いになる。「つりしん」では兜千畳敷や兜岬のカレイ釣りが絶好調のようだ。暖冬の影響で例年にない早いシーズンの到来を思わせる。私にはそんな遠征はできないので近間でお茶を濁すことにする。
     まずは、例年通り浜厚真港に向かってみた。午後3時、駐車帯に着くと何台か釣り人のものと思われる車が停めてあった。丁度、引き上げてきた釣り人がいたので話を聞いた。
     「2月中はよかった日もあったけれど、今日は全然駄目だ。朝早くからこの時間まで粘ったけれど1枚も釣れなかった。潮が悪いのか他も釣れている様子はなかった。」と話してくれた。
     防波堤付け根の【への字】に釣り人が入っていたので様子を聞きに向かった。いかにもタフな釣り人を思わせる体格のいい札幌から来たという御仁が悔しそうに言った。
     「さっぱりです。昨日も1日粘ったけれどボンズ。今日も朝早くからやっているが、これまた1枚のクロの顔を拝んでいない。昨日は5枚ほど釣った知り合いの釣り人から『魚をもらってくれるか』と言われたが悔しくてもらうことができなかった。今日も、たくさんの釣り人が来ていたが、皆引き上げていった。俺は、なんとしても釣り上げてみせるのだ。」
     天気はこの時期としては上々だ。晴れ間も覗いており、向かいに見える火力発電所から立ち上る煙も空の高いところからわずかに南に向かって流れている。しかし、今日は上弦の月で長潮だ。午後3時の最干潮時から明日の朝に向かってだらだらと潮が混んでくるというなんとも頼りがいの無いものだ。
     防波堤先端方向に向かって何人もの釣り人は見えるが、二人の話しぶりから何処も期待は持てそうにもなく、人の良さそうな彼の横に並ぶことにした。釣り道具を取りに戻ってから、広く空いている場所に三脚を2台おき、それぞれ2本の竿を立てかけた。
     これまた、人の良さそうな地元の釣り人が話しかけてきた。先日は、防波堤先端で42㎝のクロガシラをあげたとスマホを開いた。彼にいわせるとまぐれのようなもので、竿も年代物で1枚でも釣れるといいなと1本だけ竿を出した。西港でニシンをやっていたが駄目で、ここに来てみたというのだ。どちらかというと投げ釣りはサブでサビキ釣りをメインとしており、チカが終了したのでニシンでも来ないかと心待ちにしているがまだなようだ。アタリが出ないこともあって、3人で話は続いた。
    今年の初物
     午後5時頃、遠投していた私の竿にアタリが出た。チョン、チョンと竿を揺らす。竿を手に持ち、次のアタリを待っているとチョチョンの後にグーッ、グーと竿を引き込んだ。思いっきり合わせを入れてやる。乗ったようだ。クロガシラのそれと分かるなかなかの引き込みをみせて上がってきたのは35㎝ほどのクロガシラだった。ほぼ1年ぶりとなる、忘れかけていた感触だった。これで今年の初物を手にしたわけだ。釣り上げた瞬間、隣の札幌氏がオスだという。遠目でみても腹の膨れ具合から判断しているようだ。なるほど手に持つと白い精液がほとばしる。用意したフラシに入れて防波堤上から吊した。これで早々に今日の目標は達成したわけだ。
     17時半頃、2枚目も来たがこれは小物だった。1枚目はたまたま通りかかったクロガシラが暇つぶしにイソメに食いついてみたというところかと思っていたが、腰を落ち着けて釣りをする必要がありそうだ。折畳み椅子や練炭ストーブを車に取りに行った。すると「どっかりと構えて延長戦に突入か?」と二人に冷やかされてしまった。練炭に火が燃え移りオレンジ色に熾ってきたので、ヤカンに水を入れてストーブの上に置いた。ヒュルヒュルともの悲しいような音を立てて沸騰してきた。カップ麺に熱湯を注ぎ、おにぎりを用意した。
  • 練炭コンロはオレンジ色に輝き、体の冷え込みを防いでくれた
  •  地元の釣り人が1本の竿を片付けて引き上げていった。すると、左隣が「アタっているよ」と竿先を指さした。竿を手に持つがアタリが続かない。竿を置こうとするとまたチョンチョンとアタってくる。なかなか食い込まないのに嫌気がさしてチョコンチョコンで思いっきり竿を煽った。これも小物だった。
     カップ麺に熱湯を注いでいたことを忘れていた。気がついたときにはずいぶんとぬるく、麺も思いっきりふやけていた。そのぬるいカップ麺をすすり、おにぎりを頬張った。
     左隣は、遠くテトラ越しの外海に向けて振り込んでいた竿を引き上げて、3本の竿の横に並べた。改造した3脚にこれもお手製の竿尻受けを配した4本組で見事なものだった。4本の竿もリールもお揃いのもので、高価そうに見えた。仕掛けはというと鉛を鋳造し、ミニロケットカゴを組み込んで遠投が効くようにしていた。ロケットカゴにアミを詰める容器もなかなか手の込んだものだった。そして、あらためて4本とも打ち直し、彼は休憩のために一旦車へと戻っていった。
     4枚目が来たところで、左隣が戻ってきて竿を片付けだした。疲れが取れないために明日に備えて眠ると言うことだった。昨日、今日、そして明日と連続3日間の釣行となるのだ。
     彼を見送ってしまうと一人となり、寂しい釣りとなった。それでもアタリは頻繁に出て、日を跨いだ頃にはエサ切れとなり、私も終了とした。フラシの魚を確認すると38㎝を頭に14枚の釣果だった。初釣りには申し分の無いものとなった。途中、昨年から冷凍していた塩イソメを使ってみた。たまたまなのか食いがいいようにさえ思えた。塩イソメにコーティングした調味料が効いているのかもしれない。柔らかくなるまでには少々時間が食うようだったが・・・。
  • 初釣りはクロ14枚と満足できる釣りとなった。
  • 新型コロナウイルス対策
     新型コロナウイルスが蔓延の兆しを窺っており、公立小中学校の臨時休校が実施された。そして、政府の付け焼き刃的な対応策がやり玉に挙げられている。危機管理がなっていないというのだ。私も現役の頃は様々な危機に対して神経を砕いてきた。後手、後手となりそうなことを想定しながら様々な場面をイメージして対策を練っておくのだ。幸い事件の中枢にいるような出来事は起きなかったが、小さな失敗はあり、自分の判断の甘さを痛感したものだ。
     今年の少雪やワカサギ釣りに行けなかったことで体が鈍っている。それに加えてホームページの立ち上げや読書三昧が追い打ちをかけていた。新型コロナウイルス対策が専門家から様々呼びかけられているが、一番の対策は体を鍛えておくことだろう。マスクや手洗いうがいはもちろんのこと、これだけ広がってくると自分に罹る可能性だってあるだろう。万が一罹患してしまっても、そのウイルスに打ち勝つ体力が重要なのだ。
     クロガシラ釣りに行ったことで、体の節々が痛い。上腕や太腿が筋肉痛だ。チョンチョンのアタリに合わせて立ったりしゃがんだり、エサはちゃんと付いているだろうかと繰り返しリールを巻き上げたり竿を振り込んだりでそれなりの運動にはなっていたのだ。これからもセッセと釣り場通いを続けてウイルスに打ち勝つ体力を付けていこう。
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