風雪に心が折れる 第1回大会

  • 2025年思い出の釣行記No.8
  • 正面からのベタ雪に心が折れる
    竿道会第1回大会
  • 釣 行 日:3月30日(日)
    入釣場所:貝取澗
    天  気:晴れ後吹雪 南東の風2m→西の風10m
    釣  果:ホッケ    423 ㎜ 1
         アブラコ   367 ㎜ 1
         カジカ          1
         ハチガラ   27? ㎜ 2/4(参考記録として計測されたが失念してしまった)
    重  量       280 0g
    成  績 合計点数 1070 点(第8位 7点)
  • 本日の釣果 オッと、小ガヤと小ゾイはリリースした。
  • 釣り場に悩む
     さあ、いよいよ本格的な海釣りシーズンを迎えることになり、竿道会第1回大会が開催された。天気予報は朝方、西風が強まり吹雪模様となっている。波1.5m→2.5mと磯で釣りをするには微妙なところだ。それでまたまた、釣り場に悩むことになる。波が高ければ熊石漁港に逃げ込むしかないのだが、何とか平磯でやりたいものだ。貝取澗で大釣りしたことが忘れられず(👇2019年思い出の釣行記No.7👇)、そこに向かいたいのだが、どうも怪しい。
     平田内で波模様を観察すると、なんとか竿を出すことができそうである。果敢に3名の会員が下り立っていったところをみると貝取澗でも釣りになりそうである。熊石漁港に着いた。ここでは我が会の名手を含めほとんどの会員が下りていった。波が高かった初冬に1度だけ竿を出したことのある護岸(👇2022年思い出の釣行記No.19「行雲流水の如く」👇)には越智靖基氏が向かうらしい。試しに、彼の隣で竿を出してもよいかと尋ねると、「全く構いません。是非、一緒にやりましょう」と言ってくれる。しかし、彼と一緒となると、魚が彼のところにだけ集まり、自分のところには回ってこないで惨めな思いをすることになるだろうと判断せざるを得ない。
     結局、貝取澗に向かうことに決めた。平田内で下りた仲間がいるぐらいだからなんとかなるだろう。

    エサにしたワカサギに
     いざ、釣り場に下り立ってみると、狙いとしていた低い盤には波が上がっており、少し小高くなった盤で竿を出すことにした。先端はささくれ立って足場が悪いのだが、釣り場の前に連なる高い岩が波を消してくれのだ。
     ロケットカゴ仕掛けを中投、ゴロ1本ネット仕掛けを近投、ゴロ2本ネット仕掛けをチョイ投げとして、無事に3本の竿を出し終えた。投げ込んで間もなくチョイ投げに大きなアタリが出た。根掛かりさせてしまわないように大きく合わせてから引き上げてみると25㎝を超えるハチガラだった。砂川遊水地で釣って冷凍保存していたワカサギに食いついていた。7号チヌバリにはワカサギがあまりにも小さいので3匹を房掛けにしていたものだ。
     ポツン、ポツンとアタリが出てハチガラが3本となった。40㎝を超えるホッケもこのワカサギに来た。何だか使えそうである。35㎝ほどのカジカまで釣れた。
     またまた、大きなアタリだ。竿を煽ると、道糸が隣の竿と交差している。魚が付いているのでそれに構わず、強引に抜き上げようとしたが、その魚が隣の竿の道糸を伝って空中に浮いたのだ。隣の竿を操作しながら道糸を送り出し、魚を引き寄せた。しかし、またもや磯際で取り込めなくなってしまった。波が高くなっていることもあって慎重にやりとりをくり返しなんとか取り込んだ。なんと、ホッケだと思っていたものはアブラコだった。これで嫁がカジカからアブラコに昇格した。

    心が折れる
     南の風が西の向かい風になりそれが勢いを増してきた。打ち寄せる波も徐々に高くなり、自分の釣り場にも、時折大きなウネリがやってきて、足下を濡らしていった。それに加えて雪も混じり始めた。根掛かりも頻繁に起きるようになり、竿3本が2本に、そして、1本で打つことしかできなくなった。
     釣り場を少し安全な高いところに移した。正面からべた雪が襲ってくる。根掛かりが多いので竿先から目を離せないのだが、それがままならない。竿尻に視点を移しているとその竿尻が大きく浮き上がり、竿先を見るとバコン、バコンと揺れている。大きく竿を煽るとリールに道糸が絡まっており、それ以上巻けなくなった。リールはそのままに、後ろ下がりしながら取り込もうとしたが、小岩に躓いて腰からひっくり返ってしまった。ウネリで打ち上げられていた海水にも少し浸ってしまったようだ。
     竿尻を持ち上げた魚はどうなったのだろう。道糸を手で引っ張ると魚は付いているようであり少しずつ寄ってくる。しかし、またもや波打ち際の岩に引っかかってしまった。この時は、ウネリも大きくその岩に近づくことさえできず、やむなく道糸を切る羽目になってしまった。
  • 海のない方に竿先を向けているが、これは、竿3本とも少し高くなったところに避難しているのだ。左方向の溝に向かって1本の竿を出してはみたが、帰りの道程が心配になり、全ての竿を片付けた。
  • バス待ち時間の長いこと
     帰りの道程が心配になってきた。入釣時に通ってきた岩場にも波が打ち付けている。ここは、早めに竿を片付けるしかないだろう。まだ、6時前である。9時半の竿上げまで、どのように過ごしたらよいのだろう。
     なんとか、無事に国道にたどり着いた。風雪は更に勢いを増している。国道脇の歩道に置いたリュックや竿袋にも雪が降り積もりだした。立岩があったのでその影に一時避難したが、岩に遮られた雪が頭上から降り注いでくる。まだ、時間はたっぷりあるので、避難できる漁師小屋はないかと歩いてみた。しかし、どの漁師小屋も予想どおり鍵が掛かっていた。もう一度、立岩の影に避難したが諦めきれない。時間はたっぷりあるのだ。じっとしていてもしょうがないので、更に遠くまで歩いてみることにした。見つけた。立派な小屋付きのバス停車場だ。一旦、リュックの置いた場所まで戻り、降り積もった雪を退けてから担いだ。それからの歩みは軽快だった。人間の心理とはそういうものなのだろう。釣り場から追い出されて、トボトボとした歩みしかできなかった自分がやけに元気なのだ。
     除雪車が何度も通り過ぎていった。そして、待ちわびた釣りバスがやってきた。まだ、竿上げ時間の9:30前だった。奥に行った仲間達もこの風雪に耐えかねて早めに出発したらしい。慌てて、バス停の外に出て両手を振るが、見逃されたようで、バスが私の前を通り過ぎていった。遠ざかっていくバスに向けて、更に大きく手を振りながら合図を送ると、ようやくそれに気がついてくれたようで、ストップランプがついた。
  • 婿:ホッケ423㎜ 嫁:アブラコ367㎜
  • ハチガラは魚種別年間最身長の可能性もあるので、参考記録として測られた。しかし、身長は記憶にない
  • 【つれづれ】

    神谷悠山
     翌日、釣り上げた魚をお土産にして、孫たちに会いに旭川へと向かった。ホッケとアブラコはフライに、ハチガラは刺身に、カジカと魚のアラは汁にして食卓を飾った。どれも好評だった。
     更に次の日、娘と婿は仕事に出かけたので、孫たちがお昼にハンバーガーを食べたいと言うので、マクドナルドに向かった。そこで、奇遇にも雑誌で見慣れた顔に出くわした。神谷悠山氏だ。今は廃刊となった月刊誌「北海道の釣り」で「川の匂い」「ReFresh Water」という紀行文を連載していたのだ。現在は、構成作家、演出、ナレーター、そして、幾つものYouTubeチャンネルを開設し、多彩な肩書きを持つベストアングラーである。(神谷悠山で検索してみるとよい)
     図々しくも挨拶に向かったが、私が予想していた通りの好人物だった。見覚えのない私にも笑顔で丁寧に受け答えしてくれたのだ。

    穴あきウエーダー
     胴付きウエーダーに海水が浸入してきた。右足がグチョグチョする。しかし、ネオプレーン製なので足が寒くも冷たくもない。何度も、剥がれたフェルトの底を修理しながら使ってきたのだが、もう寿命のようである。このウエーダーは2016年購入(👇2016年思い出の釣行記PART.10「瓜二つ」👇)のものだから10年も愛用してきたことになる。仲間からは、「それだけ履き続けたのだからもういいんじゃない」と言われてしまった。そうだよねぇ~。)
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