9月17日箸別サケ雌2

  • 2020年思い出の釣行記No.14
  • イクラ丼を腹一杯
  • 9月17日 箸別川河口右
     サケ2本(メス69㎝、61㎝)
  • 小ぶりだったが2本とも豊満な筋子を抱えていた
  •  スーパーで売っている生筋子が高くて手が出ない。しかし、特売広告で見つけものに100g500円程度の値をつけたらしい。女房が早速その安い筋子を買ってきてイクラの醤油漬けを作った。しかし、息子夫婦に食べてもらおうと持って行ってしまって、私の口にはほんの少量しか入らなかった。それではと言うことでサケ釣りに行くことにした。
     増毛町箸別の今年の開幕は早かった。いつもの年なら9月下旬にピークを迎えるところが、9月明けて間もなく爆釣の日があったという。少し出遅れた感はあるかもしれないが箸別に向かった。午前1時出発。留萌まで延びた高速を使って2時半には駐車帯に着いたのだが車が満杯の状態だった。胴付きを履く時間も惜しまれる。釣り場に着くとなるほど所狭しと釣り人が待機しており、電ケミの放物線を描いていた。最後に並んだ釣り人の右に陣取り、私もゼブラ蛍光模様ルアーにケミホタルを付けて飛ばした。1年ぶりで慣れないため、まずは近距離から打ち始めた。私の左の御仁も後から入った右の御仁も相当な距離を飛ばしている。その隙間を目がけながら徐々に距離を伸ばしていった。幸いオマツリするようなこともなく調子を取り戻した。暗い内は誰にも上がった形跡はない。こんなものだろう。
     少し薄明るくなり始めた頃左隣が竿を曲げた。銀鱗の立派な魚体ですぐさまエラにナイフを入れて海水につけ込んだ。そのうちに周辺でもサケが掛かるようになり右隣も左隣も取り込んだ。しかし、私には音沙汰がないまま時間が過ぎていった。7時頃、ようやく私の竿にもコツコツとした反応の後にグインと竿を押さえ込むアタリが出た。ハリを食い込ませるためにグイッ、グイッと竿を煽ってから引き寄せた。銀色の美しい魚体が朝陽を浴びてギラッ、ギラッと反転しながら近づいてくる。しかし、ゴロタ浜を引き摺り上げようとしたときにハリから外れてしまった。痛恨のバラシだ。
     8時頃には誰の竿にも掛からなくなってきて皆休憩しだした。釣り人に少し隙間が出てきたので、私はウキフカセにチェンジした。数投後、ウキが沈み竿先にも重みが乗った。少し軽いものだったが銀鱗眩しい立派なサケだった。左隣もウキフカセにチェンジした。またまた私に掛かった。これもきれいな魚体で先ほどより少し型がよくなった。右隣から「皆が釣れなくなってから急に釣れだしましたね」と言われたので「自分で作ったウキフカセバリに替えたら来るようになりました」と応えると、その御仁もウキフカセに替えた。ウキフカセ組が多くなり出した。これはこれでウキを流す案配が良い。
     しかし、そのウキフカセにも全く釣れなくなった。
  • 河口の流れ出しでは無数のサケの三角鰭が蠢いていた
  • ウキルアーが着水するとサケが一斉に水飛沫を上げた
  •  こんなにサケが口を使わなくなっても、河口付近ではひっきりなしにサケを取り込んでいる。よくよく見るとウキルアーにシャクリを入れながら高速でリールを巻いているのである。サケが全く口を使わなくなったので、釣り方を切り替えたらしい。それとも最初からその釣り方でサケを釣っていたのか? 背ビレや胴体にハリがくい込み、尾ビレに掛かったものは取り込みに手こずっていたが、背中に竿を担いで強引に引き摺り上げていた。そのトップはうら若き女性である。釣り上げたサケの処理を男性の相棒にまかせて、彼女は釣り続けるのである。ブナの掛かったものが多いが中には綺麗なものも含まれている。隣人も呆れて、「あれは釣りではない」と怒気を含んだ口調で吐き捨てるように言った。
     私の付近に新たな2名がやってきた。そして、「あの河口の背ビレの見えるところで釣りをするか?」と軽蔑を含んで話しかけた。「よしてくれまっぴらだ。ブナを引っかけで釣って何が面白いのだ。御免被りたい。」と、沖に向かって遠投しだした。私の2倍は飛んでいるだろうと思える距離だ。沖にいるフレッシュな魚を釣り上げたいらしい。沖の着地点でもサケの水飛沫が上がっている。沖にも相当な数のサケがいるらしい。遡上の2番手が真水に体を慣らすために集まっているのだろうか。私も彼らに負けずにウキフカセをウキルアーに替えて竿を振り続けた。
     ギュンと竿先が締め込まれた。サケが掛かったのだ。突進するかのようにすんなり寄ってきたサケが磯に近づいた途端、急に方向を変えて沖に向かって疾走した。隣人とのオマツリを避けるためリールを硬く締めていたこともあり一気に竿を伸され道糸を切られてしまった。相当な大物だったはずだ。
     沖にもこんなにサケがいるのなら、まだしばらくはサケ釣りを楽しむことが出来るだろう。その機会をこの次に譲ることにして今日は釣りを終えることにした。
  • 小ぶりなヤツの腹から筋子が出てきた
  • スマートなヤツもメスだった
  • この二腹でしばらくはイクラ丼が楽しめそうだ