12月2日忘釣会9位凍える寒さの中で

  • 2018年思い出の釣行記PART.28
  • 凍える寒さの中で
  • 12月2日
    忘釣会大会
    9位 1312点
    入船漁港
    カジカ432㎜
    カンカイ362㎜
  • 準備万端整えて 
     竿道会の菅原信幸氏から忘釣会参加の案内があったので、これが今年の磯釣りの納め時だと考えてお願いした。
     前回の釣行で靴底のフェルト部分が剝がれた胴長を修理したが、ガッチリとくっついたようだ。今回は入船漁港外防波堤の予定で海に入ることはないが、寒い時期はネオプレーン製の胴長が温かくて一番だ。朝方は特に冷え込みそうなのでホッカイロも両腿に2個、腹に1個、背中に2個を貼り付けるつもりだ。寒くなっては、釣りそのものが出来なくなってしまう。防波堤の先端までの予定だからキャスターを用意した。使ってもいいのかが気がかりなところだ。防波堤上なので、大型の取り込み用にとタモも用意した。
     雨の心配はなさそうだ。到着したときが満潮から干潮へ向かう潮で最干潮が4:22。 朝まずめに潮が込んでくるので、タカノハを狙って集中して頑張ろうと思う。外防波堤上を移動するのもよし。漁港内のクロガシラはどうだろう。夏に訪れたときは漁港内の浚渫工事がなされていたので、ヘドロが掻き出されてそこにクロガシラが溜まっていそうな気もする。カンカイもあるぞ、アカハラもあるぞと長軸天秤仕掛けと塩イソメを用意した。
     岩見沢では大会前日の土曜日に大雪が降った。気温は零下でツルツル路面が心配なので余裕をもって午後5時に出発した。案の定、解けた雪が氷になってアスファルトを覆っていた。他車がゆっくりと運転していたこともあり私も安全運転に心がけた。集合場所の手前にある王将で夕食をとった。焼きめしと餃子のセットとした。
    潮鱗会大間氏と再会
    午後7時前には指定された駐車場に着いた。駐車場では役員の車が5,6台停まっており、その中の1人が案内してくれた。続々と釣り人が集合してきて、バスも到着した。荷台にバッカンが積み込まれる中、私はバッカン入りのリュックを積み込んだ。キャスターも積み込みたかったが、そうしている者は誰もいなかったので積み込むのを遠慮した。そして、岩見沢釣遊会のチョッキを上に着てバスに乗り込んだ。指定された一番後の特等席に向かおうとすると、潮鱗会の若い会員から声を掛けられた。今年の7月20日、入船漁港でタカノハを狙っていたときに隣に並んで話し込んだ大間氏だった。いかにも人懐っこい笑顔の風貌で、その時のことが一瞬に蘇った。帰りは入船漁港に寄ってくれるのかが心配になり篠田世話人代表に確認すると立ち寄ってくれるという。港から国道までの長い距離を大カジカや大アブラコを入れた?バッカンを持ち歩かなくてすむのだ。
    手の悴み対策
     午後11時前には入船漁港に着いてしまった。バスの中で着替えを済ませていたので、荷物を担いでそのまま外防波堤先端へと向かった。しかし、向かう方向を間違えたようだ。国道の方向に向かって歩いていた。誰よりも早く釣り場に立ちたいという焦る気持ちがそうさせているのだろう。
     内防波堤では何名か竿を出していたが、外防波堤には釣り人は誰もいない。波は穏やかである。防波堤先端が濡れていたが波を被るようなことはなさそうだ。時折やってくるうねりが防波堤に打ち付けて波飛沫が上がるが、強い北風に遮られて海へと戻されていく。
     灯台の右角でセオリー通り、右からゴロ2本ネット仕掛を近投、ゴロ1本ネット仕掛を中投、タカノハ狙いで2本バリ仕掛けを正面遠投として順次打ち込んだ。昨年は大物タカノハを逃しているのでこの時期でもタカノハはいると思われる。それに加えて今年は例年になく海水が温かいのだ。
     正面から吹いてくる強い北風が体の熱を奪う。極力、手を濡らさないようにと気をつけた。エサ付け等の作業では直接海水に指が触れてしまう。手ぬぐいで海水を丁寧に拭う。それから裏に起毛の付いたゴム手袋をはく。そしてコマセを団子にしてネットに詰める。ゴム手をはいたままでは感覚が鈍るのでそのゴム手を脱いで振り込む。取り込んだカジカは軍手で掴んでペンチでハリを外す。という一連の動作を繰り返した。タオルや軍手が濡れてきたときは別の乾いたモノに変えた。また、ゴム手の中が湿ってきたときにも新しいゴム手に履き替えた。体のほうは重ね着した下着とその上に貼り付けたカイロで万全である。特に背中がぽかぽかと温かい。
     しかし、強く吹いてくる向かい風はどうしようもない。冷たくて前を向いていられないのだ。灯台の陰に隠れてみたが、竿先ライトが見えないので結局、顔を北風に曝してしまうことになった。横山秀視から教えて頂いた穴場からも音沙汰がない。おそらく向かい風が邪魔をして距離が届いていないのだろう。

    石川雅人氏に再会
    ハゴトコが竿を揺らした。いや、小型のアブラコのようだ。ドンコに続いて35㎝ほどのカジカが上がってきた。そして、40㎝強を頭とするカジカが釣れ続いた。それでも正面から吹いてくる冷たい北風は容赦ない。1旦防波堤の階段下に避難することにした。万が一漁船が通った時の為にと、仕掛を上げて階段下に向かった。階段下には釣り人がいたが、思わず「温かい」の言葉が出てしまった。気温はマイナスのはずだ。それでも温かく感じるのは風に曝されないからだ。斜めに折り曲がった高い防波堤が風を遮って、階段下には全く当たっていないのだ。
    釣り人は、潮鱗会の石川雅人氏だった。3年前、初めて忘釣会大会に参加したときに、彼が本目漁港先端まで道案内をしてくれて一緒に並んで竿を出した。この時も防波堤の陰で風を凌いでいた石川氏の側に避難したことが何度かあった。今回も同じだった。またしても同じような場所を選んでしまったのだ。人の縁というものは不思議なものだ。
    彼はカジカに加えて型のよいカンカイを確保していた。少し温まってきたので、お互いの健闘を誓い合って、私は吹き曝しの先端に戻った。そして、カンカイ狙いの長軸天秤仕掛けをとりだして塩イソメを付けて振り込んだ。まもなく正面に打っていたゴロ仕掛の方がカジカとは違うアタリを告げた。竿を煽ると道糸を通して首を振る感触が伝わってくる。何とそれはカンカイで、ゴロ仕掛の孫バリを銜え込んでいた。38㎝ほどのものなので、カンカイ仕掛は必要なくなった。

    2つのハリに3匹の魚
    タカノハを狙って2本バリ仕掛を更に遠投した。小カジカはもう必要ないのだが、大型が来るのを待ち望んでゴロ仕掛も併用した。以前、ゴロにタカノハが喰い付いてきたことがあった。最近では南東洋でクロガシラが喰い付いてきたのもゴロだった。もちろんアブラコもある。大型なら今回のようにカンカイだって・・・。
     遠投の竿にチョコチョコとしたアタリが続いていたが、ハゴトコかドンコがイタヅラしているのだと思いしばらく放っておいた。エサを取り替えようと竿を煽ると、重いがカジカの引き込みとは違う雰囲気だ。方向を変えながら動いているのだ。またカンカイだろうか?それとも大アブラコだろうか。下に刺さり込むような引き込みも見せる。タカノハだったら嬉しいな・・・。8号のリーダーがリールに巻き込んだことを確認して、ドッコラショと取り込んだ。カジカのダブルだった。上バリに掛かったカジカと下バリに掛かったカジカが向きを変えながら引っ張り合ってきたのだろう。しかし、よくよく見ると3匹いる。2本バリなのに3匹の魚・・・? その犯人はドンコだった。1本のハリにカジカとドンコの2本の魚が掛かっていたのだ。先に喰い付いたドンコを狙ってカジカが銜え込んだのだろう。ドンコはカジカの口からはみ出していた。ということはドンコもよい餌になるようだ。
  • 2本のハリに三匹の魚?ハリに掛かっていたドンコを狙ってカジカが喰い付いたのだ。
  •  石川氏は階段下から防波堤上に上がって釣りをしている。手の冷たさに耐えきれなくなってもう一度、階段下に避難した。風がないのでゴム手を脱いで手を擦り合わせた。階段を利用して座っていると、背中のカイロが効いてきてウトウトとしてきた。手の痺れも回復してきた。今日が竿納めなのでゴロやコマセをなんとかして使い切りたい。無くなったらカツオだけで勝負するのだ。もう一度釣り場に戻り打ち始めた。強く吹いていた風も少し治まってきたようだ。
  • 大ゾイ釣りの名手五十嵐明氏
     3つのヘッドランプがこちらに向かってきて、灯台の左に入った。そして、その内の1人は手早く3本の竿にコマセを詰めたネット仕掛をぶら下げた。タカノハを狙うにはいかにもという感じだ。若い方の2名は穴釣りを始めた。投げ釣りの方のお顔をよく拝見すると、どこかで見覚えがある。大ゾイ釣りの名手である五十嵐明氏だった。彼が「北海道のつり」の「年間優勝者が明かすポイントガイド」に寄せた記事が鮮明に蘇ってくる。特に大成町北国澗で釣りあげた大ゾイや大マガレイの写真が頭にこびり付いている。そして、その記事を参考にして北国澗に入って散々な目にあったのも思い起こされた。
     今日は大会ではなく、息子さん達とのプライベートの釣りだった。彼の最近の釣りのことを伺ったり、私の厚賀のタカノハ釣り、美国道流堤や天塩1本防波堤の真ガレイ釣り、苫小牧港のアナゴ釣りなどの自慢話を聞いて下さったりして会話が弾んだ。ついでにカジカの穴場を教えて頂いた。「対岸の右方向に見える岩周辺で50㎝台の大物がよく出る。左側の大きな岩の手前では45㎝止まりだ。」と明かしてくれたが、私の釣りとはスケールが違うことを実感した。
     息子さんが穴釣り道具では取り込めないような大物をかけた。五十嵐氏がテトラの穴を覗いてみると確かに大アブラコのようでタモで掬った。スケールを当ててみると48㎝を指していた。対岸では竿が林立している。禁漁が明けた静内川河口でサケを狙って竿を出しているのだろう。川の中まで竿が立てられているが、これは12月に入っても禁漁なのだが・・・。海水の濁りはない。
     その後はめぼしい釣りものはなく8時半には片付け始めて、五十嵐氏とお別れした。石川氏は先に上がっていた。内防波堤では暗い内から沢山の投げ釣り竿が並んでいたが、新たにチカを狙った釣り人が集まってきて大変な混みようだ。途中、チカ釣りの御仁に会った。以前にもこの御仁に会ったことがある。昨日から港内にキュウリの群が入ったらしく、混雑が嫌いでのんびりと竿を出せるのがいいらしい。
     舟揚場で竿2本を出して投げ釣りをしている釣り人がいた。話を聞くと「内防波堤で釣りをしている仲間と昨夜来たが、竿を出す場所が無くてここで竿を出したが何も釣れない。妻にカジカ鍋を約束してきたが、このままでは約束を破ることになってしまいそうだ。」とのことなので、審査には必要がなくなったなるべく大きなカジカ2匹をあげた。
     バスから下りたところで石川氏が待っていた。差し出されたロールカステラを頂きながら話を聞いた。私が酒や照り焼きチキンを差し出すと「昨年、体を悪くして入院して今では薬に頼っている生活だ。そんな体で釣りに行くのを家族が心配している。今では子どもたちより成長してきた孫が心配してくれるようになった。」と丁重にご辞退された。
    審査結果
     審査は新冠温泉レコードの湯で実施された。「あいうえお」順にバッカンが並べられて、次々と大物が提出された。しかし、タカノハは1枚も出てこなかった。
  • 左から優勝:中川弘氏、準優勝:岸千優輝氏、3位:山埼栄氏
  •  審査後、温泉で汗を流し、予約していたお弁当を食べた。温泉入浴と食事付きにバス代込みで7,000円は非常に安い。しかもバスは青バス仕様だ。まあ、これは当然のことといえば当然なのだが・・・。
     バスに乗るとすぐに眠りについたが、腰が浮き上がるような大きな振動で飛び起きてしまった。来たときは気にならなかったのだが、日高自動車道の道路状況が非常に悪い。胆振厚真地震の影響で波打っており何度も腰を浮かせた。札幌からの帰り道はツルツル路面が暖かな陽射しで溶けていた。しかし、幌向からは路面に雪が残っており、わが家の前は除雪の跡が残っていた。
     途中、堀部安兵衛から紋別港チカ釣りのお誘いがあったが、今週中に釣遊会の行く末を決めなければならない課題も残っており、丁重にお断りした。また、岩見沢釣遊会の存続が微妙なことを菅原氏に明かしたが、その折には竿道会入会をと誘われた。また、それを伝え聞いた大間氏からも潮鱗会への入会をお誘い頂いた。医釣会の岩本氏にもお誘い頂いている手前、すぐには答えを出せそうにもない。そうそう、「とんとん会」や「竿道会」を退会した矢根氏が、竿道会に復活し、個人の釣行も含めて年73回の釣行だったということだ。
  • このカンカイ、美味しそうな色をしているでしょ。大きなタチ入りだった。
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