6月23日芦別川ニジマスお天道様に殺されてしまうよ

  • 2020年思い出の釣行記No.9
  • お天道様に殺されてしまうよ!
  • 6月23日 芦別川
     ニジマス36㎝以下20匹・イワナ1匹
  • マスクしないとコロナにやられてしまうよ!
     暑い夏が訪れようとしている。まだ6月だが、今年に限って、コロナの輝きが増しているように思う。陽が昇った途端、空は薄絹を引いたように、乳色に濁った。日盛りともなれば、川の水は滾(たぎ)り、目に見える水蒸気を天に向かって吹き上げるのだろう。白昼の路上に動くものは、散歩にも疲れたように舌を出し、尻尾をも垂らした飼い犬と学校の再開と共に溌剌としだした子どもらばかりで、その子どもらも、金切り声を上げて家から飛び出した母親に連れ戻された。「何してるの!お天道様に殺されてしまうよ」「マスクしないとコロナにやられてしまうよ!」と。
     前回の幾春別川は、渇水状態で残念な結果に終わった。あれから少しまとまった雨もあったので、芦別川は丁度良い水量になっているだろうと向かってみた。入渓場所は、かつてアスファルトで舗装されていた旧道を500mほど進んだ崖を下りたところである。その道は以前のように歩きやすいものではなく、倒れた柳や唐松が足下や頭上を覆い尽くし、うっかり引っかけでもすると、反り返っていた枝が鞭のように打ち付けてきた。道の両側はイタドリが密集し、破れた舗装の隙間からは背丈ほどもある笹藪やヨモギが生い茂って、行く手を阻んでいた。アオダイショウを踏んづけてしまったり、蜘蛛の巣に絡み取られたりしなければ良いがと慎重に進んだ。川への降り口にあたる崖は、大雨の度に傾斜を鋭くしたらしく、足元を滑らせないようにと灌木につかまりながら下りた。しかし、渓の流れは昔のままだった。
     早速、長く大きな溜りの先にある落ち込みで竿を出した。以前は必ずといっていいほどニジマスが相手をしてくれて退屈のしない瀬の縁だ。しかし、今日はアタリが全く出ない。もうそろそろ移動しようかなと考えていた時に、コツコツと小さなアタリが出た。コツッで慎重に合わせると、グインと竿先が引き込まれた。ピューゥー、ピューゥーと糸鳴りをさせて取り込んだのは、30㎝強のニジマスだった。
  • 懐かしい芦別川の流れ
  • 最初に釣れたのはこいつだ
  •  これで踏ん切りが付いて下流へと足を進めた。流れは少し変わっていたが、いくつかの落ち込みではこれも30㎝ほどのニジマスが相手してくれた。過去に50㎝オーバーのニジマスを釣り上げた深い淵は、瀬からの落ち込みの形を変えていたが、いかにも大物が潜むと思わせる渓相だ。足を忍ばせるようにして川縁に近づき、ソッとブドウ虫を送り込んでやった。小物が引ったくっていくようなアタリは少なく、コツコツといったアタリに合わせるとやはり30㎝ほどのニジマスが釣れ続いた。なかには、竿先を水面ギリギリに低くしているにも拘わらず、何度も飛翔するヤツもいた。
     渓流釣りではいつも持ち歩いているクーラーバッグがニジマスで満杯になってしまった。バッグから氷とお茶を取り出して、背中にかけた玉網に入れて持ち帰った。
  • お茶と氷にしたペットボトルを入れたクーラーバック
    鈴🔔は、熊よけのためにいつもぶら下げている。この音が透き通っていて心強い。
    竿は、春渓(ダイワ 硬調 53◀57◀61) 
    兜千畳敷でのホッケの脈釣りをしていて、無理に引っ張ったものだから竿先が引っ込まなくなってしまった。
  • クーラーバッグがニジマスで満杯になったので、空になったペットボトル類は背中に吊した玉網に入れて持ち帰った。
  • 全て3枚に捌いた。それは唐揚げやフライになって食卓に飾られた