8月22日苫小牧西港アナゴ56㎝

  • 2020年思い出の釣行記No.13
  • 初アナゴ
  • 8月22日 苫小牧西港・南埠頭
     アナゴ56㎝1、クロガシラ29㎝以下5
  • 師匠と共に
     師匠の前野氏から電話があった。苫小牧西港のアナゴ釣りのお誘いである。車の都合が付かないので、前野氏がハンドルを握ることになった。行き先はもちろん彼の得意とする南埠頭である。彼は2週間前に64㎝を頭とする3本のアナゴを仕留めたと言うことだ。先日、私が見た南埠頭は立ち入り禁止区域になっていたと思っていたが、勘違いであった。
     南埠頭に着くと、サバのサビキ釣り師が埠頭いっぱいに並んでいる。丁度、片付けている釣り人がいたのでその後に釣り場を設定した。前野氏が左で私は右だ。アナゴの時間帯にはまだ間があるので、まずはクロガシラでも来ないかとイソメを付けて振り込んだ。
     タモ網を忘れていた。大物に掛かってほしいが、その大物をどのように上げたら良いのだろうと思案していると、グイーンと竿尻があがった。見るとカモメがバタバタと海面で翼を叩いている。道糸はナイロン2号だ。前野氏に助けを借りるために呼んだ。まずはカモメを岸壁に持ち上げられるかと言うことだが、前野氏もタモは持ち合わせていない。幸いまだ幼鳥だったらしく、すんなりとあがったが逃げようとバタバタとしている。例によって付近のカモメがミャー、ミャーと集まってきた。しかし、前野氏が渡してくれた手拭き用タオルで頭を覆うと静かになった。手で掴んでいる頭は生暖かく生命の鼓動を感じる。道糸は羽根や足首にグルグルと絡みついていたが、前野氏の手を借りながらなんとか道糸を切らずに解くことができた。釣り場から少し離れたところにカモメを持って行って頭を覆っていたタオルを剥がすと、一瞬戸惑ったような素振りを見せたが、自由になったことを感じたのか翼をそろりと羽ばたかせて飛び去っていった。
     前野氏と雑談していると、1本の竿が真っ直ぐになって糸ふけがでていた。大きく合わせると何やら獲物が付いていようで底へ底へと刺さり混む。30㎝弱のクロガシラだった。
  • 幸先良くクロガシラが釣れた
  • 前野氏にもクロガシラが釣れた
  •  右隣の年配のご夫婦は、楽しそうにサバを釣っている。型が小さいのでタタキや唐揚げにするそうである。今年の春に岩内港でホッケを沢山釣ったが、どれも痩せていてまずいものだったらしい。
  • 初心者に手こずる
     日が西に傾き、サビキ釣り師が帰っていて閑散としてきた埠頭にアナゴ釣り師が駆けつけてきた。私の右横には、若者のカップルが入った。夫婦だろうか?まずはサビキ釣りで小サバを釣っている。そのうちにサビキ釣りは女性にまかせ、男性の方が1本の投げ竿を出した。
     その彼がビシュッと勢いよく竿を振った。そしてすぐにリールを巻き始めた。私の左端の竿先がクインクインとお辞儀をする。そして真ん中の竿、右端の竿と次々と引き込まれていく。彼の道糸が私の竿全てを跨いでいた。そのまま巻き続けられると手に負えなくなりそうなので、彼の竿を受け取って仕掛けを引っ張り上げた。
     同じことを2度やった。2度目は悲惨だった。私の道糸PE0.8号ラインが途中で絡まってしまったのだ。それを解くのに彼の手を借り無ければならなかった。私がPEの撚りを解きながら、彼に「右の竿のリールを巻いて!その竿を置いて、今度は左の竿のリールを巻いて!」と何度か繰り返すことで絡みを解くことが出来た。その仕掛けにはクロガシラがついていたので「いるか?」というと「ほしい!」といったのでもらってもらった。
     彼には投げ方のコツを伝えることになった。彼はスリークォーターで思いっきり竿を振っていたのでコントロールが付かなかったのだろうと考え、上段に振りかぶって軽く投げるようにと話した。そして、お手本を見せようと彼の竿を振った。ガシャガシャと音がした。彼の竿のガイドがいくつか緩んでいたのだ。それでも真っ直ぐ飛んでいったようだったので、そのまま彼の三脚に立てかけた。
     その竿にアタリがあったらしく、彼が竿を煽ってリールを巻き始めた。私の右の竿がお辞儀しだした。そしてそのまま引き揚げるものだから彼の仕掛けが私の道糸に絡みついた。その竿の道糸はナイロン2号だったので解きやすいだろうと、彼にまかせた。彼はヘッドランプを付けていない。彼の連れ合いの近くにランタンが置いてあるのだがそれを使う気は無いようだ。港の薄明かりを頼りに奮闘している。連れ合いはと見るとスマホに熱中しているようで彼の困惑に気がつかないらしい。
     なんだかイラついてきた。いつまでたってもラチがあかないので、また手助けすることになる。まず連れ合いにランタンを持ってこさせる。それでもなかなか解けないので手を出すことになる。私の道糸を切ってしまえば簡単に外せそうなのだが、それをしたくない。そして、なんとか絡みを解くことが出来た。彼には「今日は投げ釣りを諦めて、広いところで投げる練習をしてから、挑戦したら良い」と話した。彼は投げ竿を片付けて、サビキでのサバ釣りに集中しだした。
     どれだけの時間を無駄にしたのだろう。話すのももったいないくらいの夕まずめのいい時間帯だった。私と同じ岩見沢市の東町からの釣り人たちだった。

    初アナゴ見参
     夜になると風が治まった。アナゴらしいアタリはあるのだが乗らない時間帯が続いた。おにぎりをぱくついていると、グイングインの後に竿尻を持ち上げる大きなアタリが出た。鋭く合わせると、グーッっと重みが乗った後にPE0.8号の道糸が切れてしまった。先ほどのオマツリで傷が付いていたのだろう。新たにナイロン3号~8号のテーパーラインを結び直した。
     午後8時頃、アナゴのそれと分かるファンファンの後、グググググッと竿先を引き込むアタリが出た。案の定、軽くなったり重くなったりのアナゴ独特の引き込みであがってきたのは50㎝オーバーのアナゴだった。フラシに入れるためにクロガシラの入ったフラシを引っ張り上げた。隣の女性は初めて見るアナゴに、感嘆の声を上げた。そして、私がフラシを引っ張り上げるまでの間、アナゴが逃げ出さないようにと靴の踵で押さえてくれていた。怖くはないようだった。
     その後も、午後11時頃まで粘ったがアナゴのアタリは出ず、ドンコとガヤのダブルが来たところで片付けることにした。
  • この写真を見ると3ヶ月ほど前から伸ばし始めた髭が汚く見えて剃ることにした