3月19日 日の目を見たい 浜厚真クロ42㎝

  • 2021年思い出の釣行記No.6
  • 3月19日
    浜厚真
    クロガレイ2(42㎝、31㎝)
  • 日の目を見たい
  •  前回の丸坊主に納得できず、日の目を見てやろうと浜厚真周辺を彷徨き回った。漁港右横のガラ場や港内は釣り人で竿を出す場所がない。ガラ場は干潮のため岩場が大きく延びており、その先まで釣り人が入っていた。夕方に向かって潮が込んで来るとその釣り場はなくなるだろう。前回写したガラ場(満潮時)。今回は遠くに頭を出しているテトラまで続いていた。今回の釣り場は右に見える砂浜の湾洞。
  •  苫小牧東港に向かった。フェンス前はサビキ釣り師やルアーマンで満杯だ。遅い昼飯を掻っ込みながら様子を見ていると、サビキ竿を大きく曲げて魚を取り込もうとしている釣り人がいた。見ると大きなアメマスが尾にサビキを絡めて、逃れようと必死にバシャバシャとやっている。仲間がフェンス越しにタモ網を差し出すが今一歩で届かない。フェンスの隙間にタモ網を差し込むとなんとか届いて無事掬うことが出来た。50㎝強のものだった。他の釣り師もサビキ竿を曲げた。今度は少し小振りだったが自分で脚立に上がってからタモを差し出して取り込んだ。付近にいた釣り人の大型クーラを覗かせてもらうと、5、6本のアメマスが収まっていた。仲間内での釣果らしい。カレイを狙った投げ竿は無いようだった。私が竿を出すような隙間はもちろん無い。

     東港1本防波堤に向かった。ここでも投げ竿を出している釣り人が並んでいたが、釣果が上がっていないようだった。釣り人達は一様に潮が悪いという。今日は上弦の月に向かう小潮なのだ。

     とって返して浜厚真の砂浜の湾洞でやることにして周文埠頭に向かった。埠頭の端で一人の釣り人が竿を出していたので聞いてみた。朝から浜厚真港右のガラ場から湾洞の砂場を経由しながらでここで竿を出したが、1枚も釣れていないということだった。ガラ場でも湾洞でもほとんどクロを釣った人は見かけなくて、みんな諦めて引き揚げてしまったらしい。なるほど2、3名残っていた釣り人も帰り支度を始めている。ガラ場では昨日からテントを張って夜通し頑張っていた人もいたというが、そのテントも今は見えない。
     望みは薄いなあと思いながらもこのまま彷徨き回ってもラチがあかないとその砂浜で竿を出すことにした。
  • 砂浜の湾洞で4本の竿を並べた。砂浜なので1本竿立てを使った。ここも釣り場候補に挙げていたので用意していたのだ。
  • 右からの強い風で仕掛を振り込んだときに道糸がフケてテトラに引っかかった。PE0.8号が擦れてテーパーラインを失った。
  •  岸から50m程先まで昆布根が広がっている。距離を違えながら4本目の竿を振り込もうとしているときに奥から2番目の竿が激しく揺れたように感じた。強風の仕業だろうか?まずは頭上に上げた4番目の竿を振り込んでから、その揺れたと思われる竿を見つめていると竿先がピンと伸びて糸ふけが出た。静かに道糸を張っていっても竿先を引き込むことはないのだが、魚の気配を感じる。1年ぶりに感じるクロの気配なのだ。竿を大きく煽った。魚が乗った。結構な引き込みで、途中昆布根に刺さり込まれるような違和感があった。少し強引にリールを巻いた。道糸は今回買い換えたばかりのナイロン2号だが、昆布根に刺さり込まれてしまったら取り込むことは出来ないだろう。無事に昆布根を通り過ぎた。砂浜なのでタモを使うまでもない。上がってきたのは良型のクロガレイだった。今年の初物である。これは見込みがあるなと遠近投げ分けながら探っていった。
  • 初物は40㎝強のクロガレイだった
  •  水鳥がかかった。羽根の一部に白い文様がある小型のものだが、家族連れなのか7、8羽が竿を出している周辺に舞い降りた。盛んに海中に首を突っ込みながらエサを探しているようだった。道糸に絡まるとやっかいなことになるので手を叩きながら大声で叫んだが思うようにはならない。そのうちに集団で道糸に近づいてきた。無事に通り抜けてほしいという願いも虚しく竿先が大きく揺れた。水鳥の一羽が道糸に絡まったようだ。ナイロンなのですぐに外れるかと竿を煽ったがなかなか外れてくれない。仕方なく軍手をはめてから引き揚げることにした。すると、引き寄せている途中で2号ナイロンを切って無事に仲間と共に飛び立っていった。道糸に絡まっている様子もなくほっと安心した。

     アタリが全く出ない。エサを確認するために何度も引き揚げるが、塩イソメと生イソメのダブルの効果も無くそのままの状態で戻ってくる。初物はたまたま落ちてきた釣りエサの海底にいて思わず味見をしてみたのだろう。

     練炭コンロに火を入れた。この練炭が下火になるまで帰らないぞという決意を込めた。シュンシュンと蒸気を噴き出したのでコーヒーを入れて飲んだ。冷えた体が少し温まったが、すぐに強風が体温を奪っていく。カップ麺に熱湯を注いで掻っ込みなんとか凌ぐ。
     エサを付け替え振り込むとすぐにアタリが出た。これもエサが上から降ってきたので思わず食いついてしまったということだろう。30㎝ほどのクロガレイだった。
  • 2枚目は小振りのクロガレイだった
  •  フェリー埠頭に向かって新日本海フェリー「あかしあ」が近づいてきた。片付ける間もなくトラクタ(牽引車両)がフェリーに次々と吸い込まれていく。そして、フェリー内にあるトレーラー(被牽引車両)を引き連れて出てきた。私の愛車はトレーラーの行き交う道を挟んで停めているので、迷惑をかけてしまってはと帰ることが出来なくなってしまった。
     「あかしあ」はトレーラーを収納するところが2層構造になっているらしく、上部の出入口からも同じように作業が進んだ。それが1時間くらい経つと今度は荷積み作業に取りかかった。コロナの蔓延で人の行き交いは減ってしまったが、その分生活に欠かせない物流の方は順調らしい。
  •  新たにワゴンタイプの釣り人の車が2台入ってきた。ここの常連らしい。トレーラーが行き交う中、よく入ってこられたものだと感心していると、すぐに後部の荷台上部に収納された竿や三脚を取り出して砂浜に並べた。仕掛もつけたままになっているらしい。二人とも2台の三脚にそれぞれ2本の竿を置き、計4本の竿を出した。私を含めると計12本の竿が砂浜に並べられた。しかし、アタリは誰にも訪れず、彼ら二人は釣りの話に終始していた。

     フェリーの荷積み作業は終わったようだ。「ヴォーンーーー」と低く長い汽笛を鳴らして港から出て行った。私もこれを機に釣り場を後にした。夜中の12時だった。家に帰ってみると、食卓に晩酌のおかずらしいクロガシラの煮付けが用意されていた。女房は、私がまた丸坊主と見込んでいたのだろう。
  • クロガレイを捌いていると腸から釣りバリ(タラバリ6号)が出てきた。
  • 大きい方のクロガレイは刺身になった。コリッコリでしかも脂がのっていた
  •  
  •