9月7・8日 苫小牧東 カンパチ 人間模様Ⅱ

  • 2022年思い出の釣行記No.12
  • 釣り人に見る人間模様Ⅱ
  • サヨリやサバに混じってカンパチが釣れた、1本は白髭男爵から頂いたもの。エサにしなかったサヨリは、持ち帰って天ぷらにしていただいた。サヨリは淡泊でおいしかった。
  • 釣 行 日   9月7日(水)8日(木)
    入釣場所   苫小牧東港 フェンス前 

    カンパチ    370 ㎜ 以下   5
    サバ      280 ㎜ 以下  33
        サヨリ     200 ㎜ 以下  28程   
  •  竿道会第5回大会は、会員の皆さんの釣果が上がらず低調なものだった。その帰りの道中、役員で相談したのだろう。この調子では9月の6回大会もこの方面では好釣果が見込めないことから、日本海留萌方面に変更するかが話題となったが、結局、大会そのものを中止にすることに決定した。
     菅原氏からは、「中止になったのでサケ釣りにでも行くのかい?」と尋ねられたが、私は「苫小牧のカンパチを釣りに行く」と応えた。同行した越智氏からは、尺山女魚や30本を超えるアナゴ釣りの話を聞いて触手が動くが、彼だからこその釣果だと思える。

     昨年は未熟な私でも小サバの泳がせ釣りにカンパチが相手してくれて、その鋭角的で力強い引き込みの魅力にはまったのだ。本来ならアナゴを狙ってこの界隈を彷徨うところだが、カンパチやフクラギに的を絞って釣行を重ねよう。
     今年の8月12日は、カンパチがまだ育ちきっていなかったが。代わりに35㎝ほどの大サバに魅了された。9月のカンパチは更に大きくなって迫力ある引き込みで私を楽しませてくれるだろう。
     8月下旬から天気予報やカレンダーと睨めっこすることになった。そして、9月1日(金)に苫東に釣りに行くことにして準備を整え終わった。その前日、息子から電話が入った。「職場にコロナウイルス感染者がでたので、自分は濃厚接触者となる。妻や息子にうつしてしまわないように避難させたいが、二晩あずかってくれないだろうか。」断れるわけがない。自分にとっても大事な嫁と孫である。

     6日、大型台風といわれた11号が日本海を北上し温帯低気圧に変わってサハリン沖に去った。9月7日は午後から天気が回復するらしい。まだ、風が強いと思われる早朝に苫小牧東港に出かけた。思った通り比較的空いていて、自由に釣り場を選択できる状況だ。火力発電所から流れ出る温水が今日は静かだったので、魚が居着く場所も変わっていると思われ、未だ入ったことがないフェンス右側に釣り場を確保した。
  • フェンス左側の釣り人たち
  • フェンス右側の釣り人たち
  • サヨリ釣り名人
     早速、サビキ仕掛けを振り込むと25㎝ほどのサバばかりで、泳がせ釣りのエサとなる小サバが釣れない。海面にはサヨリが群れている。大型魚が海面下からアタックしてくるたびに、その群れが波飛沫を上げながら縦横無尽に飛び跳ねている。サヨリが恰好のエサとなっているらしい。
     そのサヨリにターゲットを絞って釣り上げようとするがそう簡単なものではない。サヨリ釣りの名人といわれる方がいたので、その方に指導をお願いした。小ウキの付いた1本バリ仕掛けにシラスを付けて漂わすとサヨリが食いついてくるという。その仕掛等を見せていただいたがすぐにはどうにもならない。ハリは3号程度だというので、自分のサビキ仕掛けを捜した。3.5号のチカ仕掛けが出てきたのでそれを代用することになる。6本バリのチカ仕掛けをサヨリが群れている海面に漂わせると、コツッという小さなアタリが出た。それに静かに合わせると魚が乗った。ハラハラと溢れるような姿だ。しかし、しっかりと口に掛かっている。ツノのような赤い先端が長く突き出た下顎ではエサ取りの邪魔になるだろうと思うのだが・・・。
     早速その20㎝ほどのサヨリのツノを切ってから、ハリに付けて泳がせてみた。ねらい通り、すぐにカンパチが食いついてきた。しかし、その後は思うようにはいかなかった。サヨリは比較的よく釣れるのだが扱いに気をつけないとすぐに元気をなくしてしまうのだ。釣れたサヨリを手の平で優しく包むようにハリから外して、動きの鈍くなったサヨリと交換するのだが、その途中でサヨリを地面に落としてしまうのが常だった。小サバなら多少乱暴に扱っても元気に泳ぎ回るのだけれど・・・。
  • サヨリは20㎝弱、下顎から突き出すツノを切り取って使った
  • 釣りは上手くても
     右隣に釣り人が入った。すぐにワームでサバを釣り上げた。そのサバを竿を振って乱暴に外し、それを足で蹴飛ばした。一蹴りでは海に戻らなくて何度も蹴飛ばすことになった。嫌なものを見てしまった。その釣り人が私の左隣に移動した。今度は、大きなカンパチを釣り上げた。これは、さすがに丁寧に血抜きをしてからバケツに確保した。使ったワームが今日のカンパチにはアタリだったのだろうか、次々とカンパチを釣り上げていく。しかし、先ほど嫌な光景を見てしまったので彼に感心することは出来なかった。

     私もワームに取り替えて挑戦したが、全く音沙汰がない。どうも竿を煽るタイミングとリールを廻すタイミングが合わず、ワームがぎこちない泳ぎになってしまっていることが原因のようだ。それともワームやジグヘッドに問題があるのだろうか? ワームやジグヘッドを取り替えながらしばらく続けたが、カンパチが食いつくことはなかった。

    意外に?気持ちいい
     私の右隣に入ったご婦人に「ゴミ拾いご苦労様でした」と声をかけた。そのご婦人は「今日は仲間に混じってゴミ拾いをしたけれど、意外に気持ちのいいものですね。これからも心掛けようと思います」と晴れやかな笑顔で応えてくれた。彼女は、上手にワームを駆使しているように見えたのだが、残念ながらカンパチからの便りはなかった。

    ナッパ服群団
     その婦人と入れ替わるように、6人の若者群団が訪れた。全員がナッパ服で入れ墨をした者もいる。その内の一人がブラーを付けた1m程の簡易竿を出した。このままで釣れるのかと聞いてきたので、餌を付けた方が確率が高いと、サヨリをあげた。切り身にして付けて振り込んだが、すぐにリールがバックラッシュしたらしい。どうやっても直らないのでどうしたらよいかと聞いてきたので、上の部分のラインを切り取ってしまうか、丁寧に根気よく解いていくほかはないと話した。よく見ると、無駄にリールを回転させたらしく、スプールの中の軸の部分にまでテグスがくい込んで二進も三進もいかないようだ。ドラグノブを回しスプールを外させた。思った通り、軸にラインが何重にも巻かさっていた。
     しばらく悪戦苦闘していたようだが、なんとか回復させることが出来たらしい。しかし、ブラーにサヨリの切り身では釣れるわけもなく、しばらくすると引き上げて行ってしまった。これに懲りないでなんとか釣りに親しんでほしいものだ。

     夕闇が迫ってきた。釣りモノもなかったのでコンロで湯を沸かしてカップ麺にお湯を注いだ。しかし、割り箸が見当たらない。いつもは、何処ここかに入れてあるのだけれど、今日は忘れてしまったようだ。代用となるはずの木切れは、ゴミ拾いできれいに片付けられてしまった。港の外れまで歩いて木の枝を持ち帰り、それで代用したが、麺はすでにのびきっていた。情けない。
  • 応急の箸でカップ麺をすすった。
  • 入念な釣り支度
     午後8時頃になって二人の釣り人が現れた。発電機を回し、照明を海面に向けて煌々と照らしながら何やら忙しくたち振る舞っている。そして、海水を何度も汲み上げてはバケツの中の海水と入れ替えている。挨拶しにいくと、エアーポンプを取り付けた専用バケツの中で小サバや小アジが元気に泳いでいる。札幌北区からの彼らは「ここでは泳がせ釣り用の小サバが釣れないので、勇払埠頭でエサを確保してからここに運んだ。しかし、今日はカンパチやフクラギがいないようだ。明日仕事があるので、もう少ししてから帰ろうと思う。もしよかったら使ってくれ」とその元気な小サバや小アジを頂いた。釣りモノもないので帰ろうかと思っていたところだったが朝まで頑張ることにした。二人とも爽やかな釣り人だった
     私には、エアーポンプもなく、海水を取り替える元気もない。小サバが釣れたら活かしておこうと網目の細かいフラシをもってきていたので、それに入れて岸壁から吊り下げて海水に浸しておいたら、いつまでも元気に泳いでいた。それをハリに付けて泳がせたが、カンパチやフクラギは釣れなかった。昨年は、夜中にカンパチが面白いように釣れたのだが・・・。(👆2021年思い出の釣行記No,13👆) 
     カンパチは日没になってから港の中から出て行ってしまったようだ。朝方にもう一度回遊があることを期待して、車のシートを倒して一休みした。眠ったようだった。いつもは、胎内の赤ん坊のように体を丸くしないと寝入ることが出来ないのに・・・。相当疲れていたようだ。

     昨日頂いた小サバを付けようとフラシをあげてみたが、すべて絶命していた。朝方の最干潮に向かっていたため、フラシが海水に浸かっていなかったのだ。せっかく頂いたのにその好意を無駄にすることになった。

    白髭男爵
     朝霧が出てきて水平線が白くぼやけて見え始めてきた頃、例の白髭をたたえた紳士がやってきた。これからは白髭男爵と名乗らせていただこう。彼は私の左隣に釣り場を設定した。「調子はどうだい」と聞かれたので、片手を広げて5本の指を出した。すると「50本も釣ったのかい?」と大袈裟に手を広げた。
     彼は早速、フライ竿を出して、きれいなループを描きながら毛針を振り込んだ。しかし、いつものようにカンパチを釣り上げることはなかった。周辺でも誰も釣り上げた姿を見ていないのだ。新たな釣り人が次々と現れては白髭男爵と挨拶を交わしている。ここの名士のようだ。いま時期なら河口でフライを振り込んではサケを爆釣しているのだろうと話を向けてみた。すると「先日、増毛の友人にメス、オス取り混ぜて10本送ってもらった。それで、そのお返しに落葉キノコ取りに行かなければならないのだ」と返ってきた。彼なら山菜採りも名人級なのだろう。
     白髭男爵が、カンパチを釣り上げた。この周辺では今日初めてのカンパチだ。それを私に差し出したので遠慮なく頂いておく。

    再びナッパ服群団
     8時を迎えた。お湯を沸かしてコーヒーブレイクとする。カンパチは白髭男爵が釣り上げた1本のみだ。彼が1本なら私に釣れるわけはないと、釣り具を片付けて引き上げることになった。ゴミ拾いをしていると、6人のナッパ服群団が入った周囲にタバコの吸い殻がびっしり落ちていた。入釣時にもゴミ拾いしたはずだがその時はなかったのだ。此畜生目!
  • 37㎝ほどのカンパチ。8月よりは大きく成長したようだ
  • 【つれづれ】

    ズブズブの焼きそば
     朝方、お湯を沸かして、カップ焼きそばにお湯を注いだ。しかし、調理方法を間違えたようだ。やたらと塩辛い。味付けは専用ソースだけでよかったものをスープ用の粉末も混ぜてしまったようだ。カップに注いでいたお湯を焼きそばにもう一度入れて、ズブズブの焼きそばにしてから掻っ込んだ。情けない。

    秘密のカラクリ
     体力の維持のためにパークゴルフを始めたが、最近は調子が上がらず、始めた頃のスコアーに戻ってしまうことが多々あった。しかし、先日、所属しているパークゴルフの会ではホールインワンを出すなどすこぶる調子がよくて98のスコアーを出して優勝することが出来た。これにはカラクリがあるのだけれど、それは秘密。この調子で釣りの運も上がってくれるといいのだけれど・・・。

    釣りで息抜き
     童顔で少年のような釣り人が私の右隣に入った。ルアー竿を盛んに振っている。仲間が大物を掛けたがばらしてしまったらしい。夜は投げ竿を出していてそれにアナゴが釣れたとのこと。年齢は21歳の大学4年生。就職内定が札幌市役所に決まったので、息抜きのためにやってきたとのことだ。息抜きに釣りとは、いいねぇ・・・。
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