大丈夫ですか? 歳には勝てない!

  • 2024年思い出の釣行記No.5
  • 大丈夫ですか? 歳には勝てない!
  •             釣 行 日:4月14日(日)
                入釣場所:しびの岬
                天   気:晴れ 波風共に穏やか 気温8℃→14℃
                釣   果:アブラコ  403 ㎜ 1/4
                     ホッケ   398 ㎜ 4/10
                     クロガシラ       2
                     重量    305 0g
                     合計点数 1106 点
                成  績:第5位(累計点16⑪⑤)
  • しびの岬での大物2種
  • 4月9日(火)「しびの岬」検索
     今回の大会範囲は、熊石港~元和港で、私にとっては未知の釣り場となる。パソコンでその範囲の有名どころ「しびの岬」を調べている内に、また例の大音量の警告音と共にMICROSOFT社からの案内があり、画面が固まって動かなくなった。案内の内容を無視して、すぐに電源ボタンを長押して強制終了とした。また修復するための労力と時間を費やせなければならないのか?と憂鬱になりながらも、気持ちを落ち着かせるために一旦間を取って地下室で煙草をくゆらせた。
     書斎に戻り、再度、電源を入れると元通りパソコンが動くようになっている。そして、「いくつかのページを開いている間、MicrosoftEdgeは閉じました。」とページ復元の案内が出た。復元するに必要な作業はしてないと思ったので、復元ではなく×をクリックした。パソコンは正常に機能しているようだ。

     その後、ニュース速報を開いていくと「大谷翔平自身初の5戦連続安打!左翼線2塁打で好機演出」。そしてすぐに「大谷翔平が自身最長の試合連続マルチ。クリケット効果で2塁打2本、打率3割4分に」と嬉しいニュースが飛び込んでくる。その時は先ほどの不安な気持ちはもう吹っ切れていた。

     ついでに天気予報を調べてみた。昨日は、20℃を超える気温で冬タイヤから夏タイヤに変えたのだが、今はチラチラと雪が舞い降りている。大会のある14日の天気予報は、晴れで気温も5℃~14℃で波もさほど高くはならないようだ。
     そして、今回入釣予定候補にあげている「しびの岬」を再度調べ直していると、熊出没とのニュースが出ていた。「乙部町豊浜の住宅街そばで連日クマが出没している国道脇の斜面に、3月17日は2度、18日は1度クマが現れた。これで8日間連続の出没となり、江差署は目撃情報などからいずれも同一個体とみる。17日午前に現れたクマは人を恐れず、町職員やハンターが警戒する中、2時間以上も現場をうろついていた。」というものだ。その熊が駆除(捕獲)されたという情報はない。

    しびの岬実釣
     今回の大会では仲間の宮野一成氏が、しびの岬に向かうというので同行をお願いしていた。その宮野氏がぎっくり腰になってしまったので、どうするか思案中だと心許ないことを言う。万が一、宮野氏が行けなくなったときのことを考えて、その道順などをGoogleMAPで調べておいたので一人でも大丈夫だと「しびの岬」入釣に迷いはない。熊出没だけは心配で釣狂一人では行かせられないと思ったか、無理を押して宮野氏が案内してくれることになった。比較的なだらかな神社横の細道をストックを付きながら下りていった。途中、魚魂を奉られていた石碑があったが、荷物が多く手が塞がっているので、心の中で大漁祈願をした。岬に下りていくところは階段になっており、比較的安全に辿り着くことが出来た。最後の柱状節理状の岩壁の下りは、一旦リュックを置いて、竿袋だけを持って下りた。取りに戻ったリュックを担いでしまうと、私も一緒に転び落ちそうなので、リュックだけを先に転がした。何とか無事に付いたようだ。
     宮野氏が少し小高いところで竿を設置したので、私は、その左横で竿を出した。いつものようにゴロ2本ネット仕掛けをチョイ投げ、ゴロ1本ネット仕掛けを近投、コマセロケット仕掛けを中投した。
  •  まず、宮野氏が魚を掛けたようだ。
     35㎝ほどのホッケだった。小物だがソイ、ガヤ、ハチガラ等もあげている。
     私の最初のアタリは根掛かりさせてしまった。またまた根掛かりに悩まされるのかと思っていると、ホッケと分かるアタリが出た。大きく竿を煽り一気に寄せたものは、やはりホッケで、35㎝ほどのものだった。
     しかし、それっきりアタリが出なくなってしまった。丁寧に打ち返しを行っている宮野氏も同じようだった。空が明るくなってきた5時頃、私にアタリが出た。ロケットカゴ仕掛けに糸ふけが出て左の方に流されている。赤みを帯びて丸々と太ったホッケだった。もう一本の竿もロケットカゴ仕掛けに取り替えた。それから間断なくホッケのアタリが続いた。小アブラコに混じって35㎝ほどのクロガシラも釣れたので、これが嫁かなあ?と思っていると、40㎝強のアブラコも来てくれた。全て、中投のロケットカゴ仕掛けにだ。
  •  背後の岩山の頂きに、仲間の福村 徹氏が現れた。
     しびの岬の付け根でカジカを捕った後、アタリが出ないのでこちらに向かったというのだ。そして、私のすぐ左横で竿を出した。動きが本当に素早い。竿先を注視しながらも、予備の仕掛けにエサを付け、ネットにコマセも入れている。ホッケを引きあげると、すぐに予備の仕掛けに付け替えて、打ち返しているのだ。大きなクロガシラも釣り上げた。ビシュ、と勢いよく飛ばした仕掛けは私の2倍は飛んでいるように思える。体格はそんなに大きくはないのだが、惚れ惚れするような逞しい姿だ。

     私は、8時に片付け始めた。8時半に出発して締め切りの9時半には、余裕を持って着けるだろう。私が片付け終わった頃に、宮野氏や福村氏も片付けだした。竿袋と魚を入れたバッカンを残して、まずはリュックだけを背負って岩山の頂上に出る。そこから、弾みが付いて階段を上り、魚魂の碑まで辿り着いた。この時点で足は痙攣を起こしている。そして、再度、竿とバッカン取りに戻った。バッカンと竿袋を手にした時は、もう息も絶え絶えだった。宮野氏や福村氏に置いて行かれまいと、休むことなく魚魂の碑に辿り着いた。宮野氏のリュックは見えるが本人はいない。リュックの横にアサツキが置いてあるところを見ると、行者ニンニクでも探しに行っているのだろう。そういえば乙部町の熊のニュースも、「行者ニンニクを食べに来ている」というものだった。
  •  魚魂の碑:往路は手を合わせることは出来なかったが、復路は安全と豊漁に感謝を込めて手を合わせた。ここが、中継点になった。

     再度の行軍だ。比較的なだらかに思えた道だが、復路はなんだか急勾配に見えてくる。途中で、バッカンと竿袋を手から離した。滴り落ちる汗をそのままにして、神社境内に着いた。そこでまた一休み。そうしている内に福村氏が現れた。そして、私の手を離れたバッカンと竿袋を取りに行ってくれた。神社の鳥居を5つほどくぐりようやくバスを降りたところに着いた。そして、すぐに福村氏が手にした私のバッカンと竿袋も届いた。
     バスに乗るなり、クーラーで冷やしておいたビールを一気飲みした。それでも足らず、ペットボトル内の氷が溶けてできた水をがぶ飲みして一息ついた。

     審査は帰路途中の駐車帯で行った。会う人、会う人が口々に「釣狂さん大丈夫ですか?」と聞いてくる。よほど酷い顔だったのだろう。そしてよたよたと歩く姿が惨めに思えたのだろう。それとも、難攻不落のしびの岬に向かった老人を気遣いでもしてくれていたのだろうか?
  • 左から準優勝:菅原信幸、優勝:本間健二、第3位:越智靖基

    【つれづれ】
    菅原信幸氏から、メールで「しびの岬」のドローン映像を紹介していただいた。グーグルマップとは違って、岬全体の高低差や海底の深さなども鮮明に映し出されていた。それを参考にしてここに立つことが出来たのだ。
    ◯今回は帽子を忘れてしまった。ヘッドランプが安定しないのでタオルで帽子の代用をしたが、そのタオルもビシャビシャになってしまった。帰りは防寒具やジャージを脱いでリュックに括り付けたが、そのタオルから滴り落ちる汗が眼に入って行く手を阻んだ。
     昼食に寄った「浜ちゃんぽん」でも水をがぶ飲みした。水ばかりで、体に塩気がないと熱中症や更なる痙攣を起こしてしまいそうなので、スープまで飲み干した。これだけの水を飲んでも、オシッコは遠いのだ。おそらく、体が干からびた状態だったのだろう。
    ◯今回の行程は相当厳しかった。今までで苦労したところは、大平海岸の中間にあるワスリまでの行程。大平川からも、トンネルを抜けた床丹川からもなかなかの距離で難儀した。この歳になっても行ってみたい気持ちはあるが、その気持ちを封印している。
     エリモ第2下り口からゴジラ岩までの行程もきつかった。今回のように、帰りの行程がだらだらと続く坂道で、息を絶え絶えに登ってきたものだ。
     オノドリ岩への急坂もしんどかった。ザラザラと小石混じりの急坂で、下りはズルズルと滑り落ちていく感じだが、昇りはその小石に足を取られ、一歩踏み出す度に、ズルズルと元のところに戻ってしまうのだ。
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