血の雨が降る 苫小牧東

  • 2024年思い出の釣行記No.13
  • 血の雨が降る
  • 釣 行 日:10月1日(火)
    入釣場所:苫小牧東港
    天   気:晴れ 波風とも穏やか
    釣   果:アナゴ 630 ㎜ 以下19
          ソイ ドンコ アカハラ
  • 前回よりも一回り大きくなった
  •  女房が学生時代の友だちと2泊3日で鳥取旅行に出かけた。なんでも、今回で全ての県を回り終えるのだという。そうなると暇になる。

     「TURISIN」に「石狩、積丹サケ ただ今ピーク直前」と掲載された。しかし、記事内容の詳細を見ていくと、「最盛期に向け釣果じわり上昇中」とあるだけで、今年のサケの不漁を翻すものではない。サケのモジリもハネもない海原に向かって竿を振り続けるのは、コクというものだ。自ずと前回過去最高釣果のあったアナゴに心が動く。

     予想できたとはいえ、苫小牧東港フェンス前では、釣り人がいたが全くの不調だ。前回、アナゴ釣り場に向かう細道は、背丈を超える草藪を掻き分けて向かうのでダニの被害に遭った。時間に余裕があったので、今日は秘密の通路を探索してみた。前回、車で釣り場に入っていた御仁を見かけたからだ。私が尋ねても「向こうの方から」と曖昧に言うだけで詳細については教えてくれなかった。
  • 朽ちかけた舗装道路へと続く抜け道を発見した(空想)
  •  その「向こうから」を探索するために、周辺を車で走ってみた。過去に工事車両などが利用していたとみられる舗装された道路の入り口はバリケードで完全に封鎖されている。一旦車から降りて周辺をあちこち歩いてみた。釣り場に向かうその舗装道路の両側は雑草が蔓延り、舗装も朽ちかけているのだが、そこへ至る抜け道が分からない。
     見つけてしまった。「となりのトトロ」で、神社の裏を探検しているときメイが「トトロの森への抜け道を発見してそれを潜っていく」に似た心境だ。やはり草藪で覆われているが、車輪でできた凸凹の轍のある曲がりくねった砂利道を発見したのだ。私が釣り場としていた所までは500m程もあるだろうか?徒歩で向かってみた。無事繋がっており車でも行けそうだ。
     朽ちかけた舗装道路の終点に車を停めて、そこから釣り場まで100m程の砂利道はUターンする広場が見当たらないので、釣り道具を担いで向かった。これで背丈を超える草藪を漕いでいく必要はなくなったわけだ。

     17:00に釣りを開始した。前回よりアタリは少ないのだが、随分と大きく成長しているようだ。全て40㎝以上はあり、ピン子鉛筆は全く釣れなかった。今までにない大物がかかった。丁寧に引き上げていると、最後のところでゴロタ場に引っかかってしまった。70㎝は超えるであろうその獲物はグリングリンと体を捩らせている。思いっきり竿を煽った。すると、その大物が外れてしまった。
     間もなく頭に衝撃が走った。どうしたのだろう。頭から生温かいものが流れてきて目を塞いだのでタオルで拭き取った。そのタオルに付いていたのは紛れもない赤々とした血だ。獲物が外れた拍子に、仕掛けが頭上に舞い上がっていたのだ。その鉛の弾丸が頭に落ちてきたのだ。被っていた帽子を取ると、その天骨にも血痕が付いている。
  • イカの切り身を置いていたタッパの蓋にも血が滴り落ちていた。
  •  あぁ~、何をやっているのだろう。このまま釣りを止めて引き上げようか。気持ちが収まるまで随分と時間を費やした。仕掛けをよく見てみるとハリスが切られていた。例のトルネードでハリを千切っていったのだ。その大物に逃げられてしまった悔いの方が大きくて再度、その仕掛けを取り替えて振り込んでしまった。
  • トルネードパワーで仕掛けがグチャグチャ
  •  逃げられた大物にはほど遠いが、前回よりは幾分マシなアナゴが釣れ続いた。そして、今回もドンコや小ゾイがうるさくなってきたところで釣りを終えることにした。大谷翔平はメジャーリーグ史上初の50本塁打、50盗塁を達成したが、盗塁数は59で60に一つ届かず、55本塁打は後1本という所でレギュラーシーズンを終えた。私の釣果も前回は29本、そして今回は19本ということで区切りのよい大台には届かなかった。
  • 先日百均のダイソーで買ったメジャーをアナゴに当ててみた。
  • 【つれづれ】

    旅行から帰ってきた女房に曰く付きの帽子を発見されてしまった。古くなっていたこともありゴミ箱に捨てたのだが、血痕が残っていたのだ。その理由をしつこく尋ねてくる。今後の釣り行きのことが心配で話したくはなかったのだが、笑い話としてつい話してしまった。女房には頭の傷を見てもらったのだが、「大したことないよ。頭だから血が吹き出たのよね。それにあなた、大物アナゴを見て興奮していたのではない?」 その言葉で傷口を守るために洗髪を控えてきていたのだが、ようやく風呂に入る決心が付いた。

    以前、大物クロガレイやアナゴの数釣りを楽しめた浜厚真漁港周辺を散策した。行き道はダンプや重機を積んだトレーラーがひっきりなしに通り、ワカメや昆布の豊かな磯は埋め立て工事の真っ最中だった。また一つ大事な釣り場が消失した。
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