燦然と輝く優勝の二文字

  • 2025年思い出の釣行記No.12
  • 燦然と輝く優勝の二文字!
  • 札幌竿道会第4回大会
    釣 行 日:6月22日(日)
    入釣場所:歌露
    天  気:小雨 波風穏やか 蒸し暑い
    釣  果:タカノハ   480 ㎜ 1/2
         カジカ    454 ㎜ 4/8
         クロガシラ ハゴトコ ワラズカ 
         重量     640 0g
    成  績:合計点数  1574 点(優勝 1点)
         年間累計点   17 点(⑦ ⑦ ② ①)
  • アタカノハ480㎜、カジカ454㎜、重量6400gの1574点で初優勝を飾った
  • 今素敵な幸運を運んでくれた好青年
    「釣れ釣れなるままに北海道」に訪れた江別市の竹田潤司氏から次のような嬉しいメールが届いた。

    「鯉やナマズを狙った川釣りがメインで、海釣りは数えるほどしかやったことが無く、海で竿を出してみたいと思う気持ちと、知識や技術の向上の為に釣り会に参加してやってみたいと思いインターネットで探していた所、竿道会さんに凄く興味を持ったので突然ですが連絡させて頂きました。」

     そして、メールでやりとりを繰り返している内に、6月22日の大会に参加してもらえることになった。さて、彼を案内するとなると、まずはなにをおいても安全を考えなければならない。太平洋の潮位の変動の激しいところで、干潮時に前の岩に前進して釣り座を確保するようないつもの釣りはできない。となると、エリモ港が無難なところか。7月末から8月にかけて40㎝台のクロガレイを大釣りしたことはあるが、この時期に狙うとなれば一寸早い気もする。クロガレイが居ない場合、非常に寂しい思いをさせてしまうかもしれない。通い慣れた東歌別か。舟揚場がたくさんあり干潮時に岩場に前進しなくても十分釣りになる。アブラコを狙うとすれば赤潮の影響で難しいが、カジカぐらいは釣れるだろう。YouTubeでクロガレイが紹介されていた歌露も捨てがたいところだ。満潮時は防潮堤の上から竿を出して、潮が引けば磯に下りることも出来る。この日は朝方に潮が大きく引くので長靴で磯に立つことも可能なのだ。竹田氏にはイソメも準備しておいてねと連絡しておいた。そして、事務局には臨時会員の参加に加えて、座席が私の隣になるように依頼しておいた。その彼が、私にも素敵な幸運をもたらしてくれることになった。

     張り切って、Mゴロ40本、コマセも堅さを調整している内に随分と重たくなった。カツオ4本に冷凍にしておいた前回の残りも加えた。エリモなので昆布やホンダワラの根に届くようにと40号鉛を5個も持った。荷物が重たくて、それを背負うのに苦労してしまった。

     出発当日を迎えた。4歳になる孫の運動会を応援してから大会準備を整えて集合場所に向かった。バスは先に着いており荷物を積んでいる最中に竹田氏が見えられた。依頼していたとおり座席は私の隣で、前は宮野一成氏、後は菅原信幸氏で固められていた。道中、矢継ぎ早の質問にも丁寧に応えてくれて、寂しい思いをするどころかのんびりする暇も無かったことだろう。
     他の会員に予定の釣り場3箇所の状況を聞いてみると、エリモ港のクロガシラはやはりまだ早く、東歌別のアブラコは壊滅状態だという。幸い、小林茂之氏が歌露に向かうというので、私にとっては初めての釣り場になるが一緒に下りることにした。

     バス停からの坂道を下っていくと、動画で見覚えのある防潮堤に着いた。そして、小林氏を挟むようにその右に竹田氏、左に私が竿を準備した。小林氏の言によると、私の場所が一番釣果を期待できる所だということだった。譲ってくれた小林氏に感謝!
     まずは狙う対象がクロガレイなので竿3本ともゴロやネット仕掛けにイソメを付けた14号カレイバリで打ち込んだ。3度ほど打ち込んではみたが、アタリは皆無だ。それで、竿3本ともチヌ7号ハリの仕掛けに変え、カツオの身エサを付けて振り込んだ。間もなく、カツオを咥えた30㎝ほどのハゴトコがきた。そして、40㎝弱のカジカもやってきた。
     竹田氏がBXの竿を大きく曲げている。近寄っていくと見事なクロガレイだった。彼にとっての海釣り初獲物がこんな大物だったと興奮気味にメジャーを当てた。震えるメジャーの指し示す目盛りは43㎝前後を示している。彼はもちろんだが、彼を案内した私、そしてエサをイソメからバナメイエビに変えるようにアドバイスした小林氏も安堵の胸をなぜ下ろした。
     今度は小林氏が竿を大きく曲げて魚と格闘している。35号のスピンパワーを更に大きく曲げて防潮堤の陰から姿を現したのは48㎝ほどのカジカだった。うーん、羨ましい。

     釣り上げた魚をバッカンに入れるために海水を汲みに行っている最中、ガタッと音がするので振り返ってみると、左の竿尻が跳ね上がり、さらにグングンと竿を伸している。ホンダワラが浮き沈みしていた場所に打ち込んでいた竿だ。バッカンをその場において、竿に駆け寄るとそのアタリは続いている。腰を溜めて思いっきり竿を煽ると大物の気配が漂っている。獲物が近づいてきたが、防潮堤の影でその姿は見えない。竿を限界にまで曲げて、キリキリとリールを巻いている内に、その先に見えたのは大きなカレイだった。クロガレイの鰭の模様とは少し違うようだ。竿の反動を利用してドシリと防潮堤下に取り込んだのは、紛れもないタカノハだった。竹田氏がメジャーを当ててくれると、これも48㎝を指し示していた。ロケットカゴにフロートの付いた7号チヌ針のカツオをガップリと飲み込んでいた。これで2魚種は揃ったのであとは、クロガレイの大物を追加するのみだ。

     続けて、私の真ん中の竿が変な動きをする。ゴンゴンと引くものではなくて小さなアタリを告げながらゆっくりと移動しているようだ。クロガレイでも付いたかなと思いながら竿を煽ると、これまたどっしりと思い。時折グググッと刺さり込んでいくのをみると大物クロガレイに間違いない。防潮堤の陰まで道糸がきた。後は魚を取り込むだけだ。しかし、防潮堤の影から現れるはずのクロガレイは持ち上がらない。長年使い込んだボロクソリールが悲鳴を上げている。何とか持ち上げようとするがままならない。無理矢理竿を曲げながらリールを巻いた。魚が海面から少し浮いたかなと思う瞬間、仕掛けが宙を舞った。残念ながら取り逃がしてしまったようだ。大クロガレイだったのかな?それとも大カジカだったのか?大アブラコにしてはグングンと刺さり込むような引き込みではなかった?大タカノハだったのかもしれない?
     こんな大物が潜んでいようとは思いもしなかったのでタモは準備していなかった。今更ながら念のためにタモを用意して防潮堤に立て掛けた。そして、自分を慰めるように、「タモを準備したから、大物が掛かったときには慌てないで自分を呼んでね」と小林氏と竹田氏に声をかけた。そして、エサを付け替えようとすると奇妙なものがハリに刺さっていた。よくよく見るとタコの吸盤だった。道理で上がらないはずだった。

     それからしばらくして、またもや大物のアタリだ。防潮堤に陰まできたところで、またもやボロリールが悲鳴を上げた。今度はタモを準備してあったので、小林氏や竹田氏を呼んだ。すぐに駆けつけてきた若い竹田氏が素早く防潮堤の上に跳び乗り、タモを差し出した。「大カジカです。掬いましたからもう大丈夫ですよ」とタモを引き上げた。またもや竹田氏がメジャーを当ててくれると、これも47㎝ほどのものだった。大物2魚種が揃った。
     その後、タモを必要としない40㎝ほどのカジカも上がった。タカノハもきたが、これは審査基準に満たない30㎝ほどのものだったので海にお帰りいただいた。

     雨模様の空が白々と薄明るくなってきた。竹田氏も40㎝ほどのカジカを上げ規定の5匹を揃えた。小林氏も、クロガレイを釣り上げ、カジカを混じえ規定の5匹を釣り上げた。私もハゴトコが混ざっているが規定の5匹を揃えた。

     潮がグングンと引き、右方向や左方向の岩盤が出てきた。私は、様子を伺いに左右の盤に向かってみることにした。大きな溝もなく簡単に盤の先端に出ることができた。海況はすこぶるよい。小林氏は前に出る気はないというので、釣り溜めたバッカンと竹田氏のことは彼に託して、右側の盤に乗ることにした。昆布原や青草が広がっており、いかにもアブラコの大物が潜んでいるような海況だ。
  • 目の前の青草や昆布原の中に竿3本とも40号の鉛を付けて遠近投げ分けた。
  •  しかし、ここではハゴトコばかりが竿を揺らしただけだった。根掛かり覚悟で正面の昆布原の向こう側に仕掛けを送り込んでみた。それに、アブラコを予想されるグググググインと大きなアタリが出て竿を煽った。しかし、途中の昆布原に捉まってしまった。今までのエリモでは道糸にPE2号を使っていた。今日はクロガレイが主な狙いだから、リールに巻いてきたのはナイロン5号だ。今までなら道糸を強く張ったままにしておくとグリッ、グリッと魚の方が根負けして動き、昆布根から出てきていたのだが、ナイロン5号だと伸びがあるのでその調子が分からず獲物が上がってこない。こちらが甘い操作をしている間に完全に昆布根に潜り込んだようだった。そして、それは決して出て来ることはなかった。

     小林氏が手ぶらで見学にきて、「他の会員はアブラコが上がらず苦戦しているらしい。アブラコの大物が釣れれば優勝もあるぞ」とプレッシャーをかける。菅原氏から電話が掛かってきた。私の釣果をそのまま申し上げたが、菅原氏は小カジカばかりでアブラコは出ない。竿を揺らすのはハゴトコばかりだと言う。そして、この時はタカノハの話は出ていなかった。
    私は、ここでは40㎝ほどのカジカを2本追加したのみだった。
  • 初参加の竹田氏。クロガレイ425㎜+カジカ392㎜+4050gの1222点で10位入賞。彼が私に幸運をもたらしてくれた。
  •  審査はエリモ港で実施された。私は審査個票の並べ替えが当番だった。先に審査するお客さんとして乗って頂いた方達もなかなかよい釣りをしてきたようだった。小林(朋)氏が53㎝のアブラコを釣り、嫁のカジカも375㎜で1400点の6位入賞だった。竹田氏も1222点で10位入賞だ。竹田氏の案内役を務めた手前、嬉しくも微笑ましい成績だった。
     次に会員の成績が順次測られていく。島川昌幸氏がアブラコ448㎜を釣ってきていて1509点の成績だった。優勝常連の越智氏のバッカンが開けられた。皆さん固唾をのむ。アブラコ442㎜、タカノハ464㎜の1501点で惜しくも島川氏の後塵を拝する結果となった。歌露に一緒に入った小林氏が472㎜のカジカで重量を稼いで1420点。今のところ島川氏が優勝の見込みだ。最後から2番目の私の審査が始まった。冒頭にも記したが、1574点の好成績で島川氏の記録を追い抜いた。何だか優勝の二文字がチラついてきた。最後に菅原氏のバッカンが開けられた。真黄色に染められたタカノハは、516㎜の年間魚種別身長候補となる獲物だった。カジカも電話で聞いていたのと違い随分と大きい。あっ、駄目だぁ~。私は、また準優勝に終わってしまうのか~~~・・・。
     そして、集計された結果が発表された。菅原氏は1560点だった。たった14点差、重量にして140g、身長にして14㎜だ。個票並べ替えの私の手で菅原氏の個票を私の下に差し込んで、優勝の二文字が現実となった。竿道会入会4年目にして初優勝を手にしたのだ。ウレピー👌。
  • 左から準優勝:菅原信幸、優勝:鹿島釣狂、第3位:島川昌幸
    島川氏の獲物は仲間にあげてしまっていたので、越智氏の魚を持ってもらった。
  • 身長優勝に輝き満面笑顔の小林(朋)氏。彼も来年度から会員になる予定だ。
  • 40㎝以上のカジカを並べてみた。これが重量を稼いでくれて優勝に導いてくれた。
  • 優勝の景品:米 ななつぼし5㎏
  •  女房が「お米、助かる~。こんなの買ったら4千円もするのよ。まさか備蓄米の古古古米ではないでしょうね。こんなことは2度とないことだから、記念に写真を撮りましょう。」とパチリとやった。そしてそれを、早速、息子と娘にラインで送った。有り難いのだが、言葉の端々に癪に障ることをケロッと言う。
     どっぺんぱらりのちょん

    つれづれ
     思い出の釣行記No.11「👇オッツ惜しい!あと一歩 この惚け茄子が!👇」に軽臼平盤で出会った精鋭達のことを書いたが、その4人が「TURISIN」に掲載されていた。6月4日号では、「札幌好釣会第2回大会5/14」で竹園正勝さんが55㎝のアカハラと46.5㎝のアブラコ、重量8.42㎏でダントツの総合優勝。6月11日号では「北海磯釣会・水鱗会第3回5/18」で沢田隆郎さんが41.6㎝のマゾイ、46~51.1㎝のアブラコ4匹の1592点で総合優勝、竹園智昭さんは、身長賞となった57.2㎝のアカハラ等で1545点の準優勝、土本衛さんが40.7㎝のホッケ、43㎝~51.4㎝のアブラコ4匹の1537点で3位。金山泰三さんは、39.5㎝のホッケ、42~49.2㎝のアブラコ4匹の4位と紹介されていた。
    さらに、同紙の「釣り女子の自由気ままな釣り生活“ツリカツ”」では澤田友梨惠さんがドアップで登場していた。48㎝のクロゾイや51㎝のアブラコをぶら下げた姿が掲載されていたのだ。うわ~~~。凄い人たちと同じ平盤で釣りをしていたのだなぁ。