9月18日浜厚真アナゴ55.5㎝

  • 2018年思い出の釣行記PART.21
  • 今一番したい釣りを楽しもう
  • 9月18日
    浜厚真港
    アナゴ55.5㎝
    クロガシラ
  •  8月18日の前回の釣行から1ヶ月たった。その間、岩見沢で最大瞬間風速37.6mを記録した台風21号、震度5強を記録した胆振東部地震があった。この5強は私が初めて体験する震度だった。
    その地震から12日間が経過した。余震を感じることはあるがそろそろ震源地である厚真も落ち着いてきている。昨年のこの時期、浜厚真でアナゴの大物を釣り上げた記憶が蘇る。アナゴ釣りに行こう。いつも利用している安平町早来から鵡川に抜ける道道10号線は通行止めになっていた。先へ進んでいくと、遠浅で門別本町に抜ける道道129号線が開いていたのでそこから入り、国道235号線、苫東中央IC、厚真ICを抜けて浜厚真には午後3時に着いた。
    釣り人は誰もいない。地震があったので自粛しているのだろうか。それとも釣りの最中に再び地震が起こって津波にでも飲み込まれてしまったら大変だとも思っているのだろうか。
    「人は必ず死ぬ」というのは誰にも共通した自明の心理だ。しかし、普段からそんなことを考えてはいない。「自分とは無関係だ」と思っている。「人は、いつかは必ず死ぬということを思い知らなければ、生きていることを実感することも出来ない」とは、ドイツの哲学者ハイデッカーの言葉である。常に死を意識して生きることが、充実した人生につながる。そんな意味にとらえていいだろう。
     防波堤に竿を出しながら「もし今、大きな地震が起こったら、自分は何をするだろう。手ぶらで逃げることが出来るだろうか。スピンパワーの竿だけでも持って逃げようか。津波が襲ってくるまでの時間を考えて荷物をすべて片付けてから逃げようか。いやいや、この防波堤は前方に大きな外防波堤を抱えている。その防波堤を乗り越えてここまで襲ってくるのは、そうとう大きなものだ。先日の大地震でも津波はなかったと報じられた。でも、東日本大震災でのあの惨劇を映像としてではあるが見ただろう。そうなると命はないな。そもそも、今乗っているこの防波堤だって崩れてしまって海に放り投げ出されることだろう。どのみち助かることはないのだから、今一番したい釣りを楽しもう。」なんてことを考えてしまった。
     竿は、大物の上がった外海に2本を遠投にして、港内にはロケットカゴを付けて2本を中投した。そして、竿先が視界に納まるようにと竿を交差する様に並べた。
     アタリは頻繁に出る。外海はソイやガヤ、内海はクロガシラやアカハラ、ドンコが竿を小刻みに揺らした。 太陽が西に聳え立つ苫東厚真火力発電所の陰に隠れてしまった。地震の影響で損傷し、緊急停止中だった1号機の再稼働が今日だったはずだ。全道的に停電した「ブラックアウト」の元凶である。煙突からは白い水蒸気が立ち上っているのをみると無事運転が稼働している様だ。
     夕闇がすっかり落ちた8時ころ港内に打ち込んでいた竿に、小刻みなアタリが出た後、一気に竿先を曲げた。50㎝を超えるアナゴだった。竿をまだ投入したばかりでロケットカゴにコマセが残っている状態だった。
  •  急に元気が出てきた。しばらく沈黙が続いた後、再度大きなアタリが出た。これはアナゴではなく30㎝ほどのクロガシラだった。その後もアカハラばかりが元気を出して釣れてきてエサが無くなったところで終了とした。
     帰りは、来たときの反対方向へ進めばいいのだが、苫東中央ICを下りて、次の信号を右折するところを通り過ぎてしまい、気が付いたときには沼ノ端ICに来ていた。少し遠回りをしてしまったわけだ。家には2時過ぎに着いた。それからお決まりの様に晩飯に残しておいた照り焼きチキンをつまみながらウダウダと酒を飲み3:30には就寝した。
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