7月9日釣遊会 境浜7位

  • 2017年思い出の釣行記PART.15
  • 好奇心という起爆剤
  • 岩見沢釣遊会第4回大会
    【7月9日(日)】
    【えりも町境浜
  • アブラコ280㎜1
    アカハラ358㎜4
     重量1550g
    【成績】793点 7位
  • 入賞者の顔ぶれ 左から準優勝:吉井 博、優勝:前野達志、身長優勝:西脇 浩
  •  バスの手配のことである。12名参加の前回の単独大会が満員御礼で、7月の合同大会ではそれ以上の人数が見込まれるので、初めから2台を手配していた。火曜日の段階で参加者が14名となっていて2台依頼していてよかったなと考えていると、1人欠け、2人欠け・・・結局11名での大会となり1台で間に合うことになった。
     2、3日前から天気がよく波も1mと穏やかなようだ。オニトップにしようかとも考えたが、このような波の低い日は滅多にないことなのでピタタヌンケ川河口に入ることにした。20年前に釣ったタカノハのことが忘れられずに、近年になって3度ほど入釣したことがあるが、ことごとく高波の洗礼を受けていたのだ。
     岬トンネルを抜けると天気予報通り波が穏やかだった。河口の前で1本竿立てを3本差し、アカハラ仕掛を近投、タカノハを狙ってゴロネット仕掛を中投、2本バリ仕掛けを遠投した。アカハラが立て続けにきたが30㎝ほどのものばかりで大きなものはいない。そして、時折大きなうねりが襲ってくるので波打ち際から離れた場所に竿立てを移動しなければならなかった。
     私が入釣した後に、岬トンネル出口で大型バスが停まり、10名ほどが磯際に一列に並んだ。そして、波が高ければ入ろうと思っていた舟揚場付近にも竿先ライトが光っている。アカハラの他には釣れそうもないので、一旦、そちらの方を見学することにした。砂浜に陣取った8名を横目に見ながら、舟揚場横の防潮堤の上から竿を出している御仁(本間昭夫氏)に話を聞いた。
     「2週間前の大会でタカノハの大釣りを聞いた愛釣会のメンバーが同じ場所に入った。朝方、焼肉をやることになっているので自分も誘われている。自分は前回、干潮になってから乗れる岩で4枚のタカノハを手にしたが、現在は出て行けそうもないのでここで釣りをしている。潮が引いたらその岩に出るつもりだ。舟揚場は時化にでもならない限り、潮通しが悪いのでいい思いはしたことがない。」と話してくれた。岬トンネルの陰には1名の釣り人が竿を出していた。
     自陣に戻ってみると、1本の竿が斜めに倒れている。大物タカノハが付いたのかと勇んでリールを巻いたが、道糸のPEラインにゴミが大量に絡まっていたのだ。しばらく昆布根に纏わり付いたゴミとの格闘になった。それでも解けきらないので最後は道糸を切る羽目になってしまった。
     磯際には根があるようで、小カジカが釣れた。根掛かりも頻繁にする。遠投でタカノハが釣れた。しかし規定の35㎝には届いていない。そんなことをしながらも我慢の釣りを続けたが、陽が昇り始めてみると、アタリそのものもなくなってしまったので、岬トンネル前の出岬に乗ることにした。明け方になって私の左隣に入った釣り人が、「覆道前の折口階段の前がよいポイントで、過去に何枚も大物タカノハをあげている。今日は先客がいたのでここに入らざるを得なかったが、階段下に入った御仁は何枚かタカノハを釣り上げたようだ。」と話してくれた。
  • 境浜海岸に朝陽が昇り始めたが釣果の方はさっぱりだった。波が穏やかに見えるが、時折大きなうねりが幾重にもなって押し寄せた。
  • 宝浜方面、鬼岩が小さく見える
  • 岬トンネル方面、最後はトンネル前の岩場に渡ったが・・・
  • 6:00、荷物をしっかり片付けて移動した。岬トンネルの出岬先端には釣り人が入っていた。満潮の時は岬の陰で竿を出していた人のようだ。私は、その左の出岬で竿を出した。7:30、あと2時間の釣りができるだろう。しかし、釣り座が狭くしかも前方に岩が出ていて打つ場所が限られている。昆布根やホンダワラの中に仕掛が落ちていかないのか、大きなうねりで竿先が落ち着かない。ハゴトコが1本釣れたのみだった。
     さらに前方の開けた左の出岬に竿を移動した。昆布やホンダワラが鬱そうと茂っておりいかにもアブラコ場と思われるが、ここでもアタリは出なかった。そして締め切り時間が来てしまった。バス待ちをしていると本間氏がどうでしたと声を掛けてくれた。本間氏は狙いの岩にあがってタカノハを手にしたようだった。
  • 前が開け,昆布が揺らめいていかにも魚がいそうな雰囲気だったが魚はいなかった
  •  審査と昼食の会場となっている車屋ラーメンでは、医釣会のメンバーが先に審査を終えて食事をしているところだった。沈船根に入った岩本 満氏が優勝を果たしたらしい。
     私達の優勝は前野氏だった。猿留川河口では狙っていたタカノハが出ず、まずは嫁のアカハラを確保した。潮が引き始めてからは目黒市街地裏の根を攻め、テトラぎりぎりまで出て45.3㎝以下カジカ3本をとった。渚には、サーフィンを楽しむ若者たちがやって来て、歓喜をあげるほどの高いねりが襲ってきていたとのことだ。
     準優勝は、得意のタカエ浜に入った吉井氏だった。いつものようにアブラコやカジカの大物をゴロッと出した。実はタカノハも出したのだが若干寸足らずでそれがアカハラに替わってしまったのが惜しまれた。3位は山田氏だった。出発点の庶野漁港の釣り場で大物アカハラをとり、ツツミの方に向かってカジカの大物を仕留めてきたのだ。
     身長優勝は、美島の湾洞に向かった西脇氏だった。アブラコの47.9㎝に大物カジカを揃えていた。バス待ちしていたのは山田氏と同じ庶野漁港バス停だったので、どこで釣り上げたかは分からない。
     
  •  好奇心という起爆剤
     私達が愛する釣りは好奇心に支えられているように思う。おもちゃのピストルを手にしたら、子どもだって撃つ真似をする。私だって銃を手に取ったら、何かの標的に向けて撃ってみたくなる。バットを握ったら振り回してみたくなるし、竿をもったら無性に魚釣りに行きたくなる。原爆だって、作ってみたらどこかに落としてみたくなって広島や長崎に落とされたのだ。目的なんかはなく、行為そのものが目的になってしまう。
     なぜかは知らないけれど、神は人間に好奇心という起爆剤を与えた。人間が得た最大の贈り物は知能じゃない。好奇心だ。私は、イソメやエラコを手に取りながらどんな味なんだろうと思ってしまう。先人が鉄の塊をひらひらさせて魚を釣ってしまったのも好奇心からだろうと想像する。好奇心、それ自体が目的となって、人間は冒険を続ける。好奇心が、理性も倫理も道徳も飲み込み、人間をそれまで見たこともない山岳へと押しやる。その対象が、宇宙であれ、生命であれ、歴史であれ、大海原であれ。
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