初優勝か?おっ、惜しい

  • 2023年思い出の釣行記No.7
  • 竿道会第2回大会
    初優勝か?おっ、惜しい!
  • 大 会 日 4月16日(日)
    入釣場所 藻岩
    釣  果 アブラコ  511 ㎜ 以下 5 (内4提出)
         ホッケ   403 ㎜ 以下19 (内1提出)
         ハチガラ           1 
         マゾイ            1
           重量    560 0g
           合計点数 1474 点
    成  績 準優勝(点数 2点) 累計点④②
  • 会心の1本。アブラコ51.1㎝
  • 釣りに思いをはせる
     4月2日(日)~9日(日)1週間ほど孫守りで旭川に滞在した。その間も雪解けが進み気候も暖かさを増すばかりだった。その気持ちのよい春風に頬をなぜられながら海原への思いが強くなっていった。
     大会日16日の天気予報を調べてみると、当日は降水確率90%の雨模様である。12日、13日は晴れだが、強風で波も4~5mとなっている。波は徐々に穏やかになるはずだったが、大会当日は少しずつ波が高くなっていく予報に変わってきた。
     雨の中での釣りを考えると、瀬棚港の屋根付き岸壁に気持ちが向かってしまう。私は入ったことはないのだが、岩見沢釣遊会の面々が好釣してきた場所だ。それで釣遊会仲間だった前野達志宅を訪問し、カジカやアブラコのつく根を教えていただいた。
     波が穏やかなままだったら、久し振りに島歌川河口(★2002年PART.1★)で釣りをしてみたい。大きなゴロタ石で足場はよくないので苦労するだろうが、舟揚場があったので、そこを釣り場にするのもありだろう。近くには、吹込漁港もある。今年から防波堤の釣りも許されたことから、そこに逃げ込むことも出来るだろう。周辺には釣りの出来る平盤も多々ある。第一の候補を其所にした。べた凪でないと釣りにならないので、悩むところだが、現地に着いてから波の状態を見てから判断しよう。
     砂取場(★2016年PART.5★)は、100m程沖に波よけテトラが入っているので多少の波でも釣りになる。今まで一番釣果が上がったところだが、雨なので砂まみれになるのは御免被りたい。雨や雪代の影響で利別川が増水して、浮遊ゴミで釣りにならないことも予想される。
     波高だった場合はどうだ。藻岩岬(★2012年PART.1★)も魅力的である。岩場から一気に深くなっていかにも大物が潜んでいるような気がする。梅花都(★2009年PART.1★)は、波の死ぬところも覚えているので無難なところか。あれこれ考えているばかりではどうしようもない。まずは天気がよくなることを念じるのみだ。
     前回の大会でゴツゴツした岩場を歩いていると、靴底のフェルトが剥がれてしまった。ネオプレーン製の軽くて柔らかく履き心地のいいもので気に入っていた。膝パッドも付いているので、岩場で膝をつくときなども安全である。その時は持っていたビニルひもをグルグル巻きにしてなんとか凌いだが、今回は安物のウエーダーで間に合わせることにする。修理は、落ち着いてからにしようと思う。

    しとしとと雨が降り続く中
     大会当日、朝からしとしとと雨が降り続いている。釣り場候補を、藻岩、島歌川、梅花都、砂取場としていたが、この雨では瀬棚港の屋根付きにでも入らざるを得ないかなあと仲間に聞くと、雨は降り続くが波はさほど高くならないという。あれこれ考えたが、みなさんの話から、釣り場を藻岩に決めた。平盤は無理でも、周辺には小高い岩があるので、釣りは出来るだろう。
     しとしとと雨が降り続く中、山田裕一氏と一緒にバスから降りた。どうやら私とは狙い場所が違うようだ。何でも彼が向かう場所は、深い溝を渡るのでスパイクブーツが必要だという。彼と別れて、狙いとしている藻岩の先端へと向かう。ここは、先客がいると、釣り場を他に求めなければならない。なんとか譲り合っても二人が限度の釣り場だ。先客がいないことを願う。
     釣り場に向かっている途中で荷物が重たくて足がふらつくようになってきた。こんなところで岩に躓いて転びでもしたら大変なことになる。足下はささくれ立った岩でギザギザなのだ。まずは竿袋だけを担いで先端へと様子を見に向かった。先客はおらず、波が岩盤を洗うようなこともなく、べた凪の状態だ。安心してゆっくりとリュックを取りに戻った。
     しとしとと雨が降り続いている。雨を避けながら手間取っての第1投は午前2時だった。3本の竿とも両天秤ゴロネット仕掛けで近投する。まずは魚を寄せるために、ゴロ6本を打ち込んだことになる。しかし、アタリは出ない。もう一度3本の竿にゴロを付け替えて振り込む、これでゴロは12本。しばらく待つとチョコン、チョコンと小さなアタリが出た。しかし、その後は竿をくい込ませることはない。今回は魚の食い渋りを嫌って、道糸をフカすようにしていたので竿先にまでアタリが届いていないのか? 前回大会は魚の活性が低く竿先をくい込ませるようなアタリが出なかったのだ。もう一度ゴロを付け替えるために竿を引き上げると何やら獲物が付いている。25㎝ほどのハチガラだった。同じようにして似たようなマゾイも上がった。
     3時を回った頃だろうか。キャップライトを照らしながら二人の釣り人が現れた。遠くからしばらくこちらの様子をうかがっているようであったが、諦めて他の釣り場へと移動していった。ルアーマンだったのかもしれない。
    しとしとと雨が降り続いている。今度はチョンチョンの後にクイーンと竿先を引き込む明快なアタリが出た。ゆらゆら天秤仕掛けにホッケがダブルで釣れた。魚が寄ってきているのか? 打ち込みも頻繁になって40㎝を頭にホッケが釣れ続いた。婿となるアブラコがほしい。

    大アブラコをねらって
     竿1本をロケットカゴ仕掛けで中投した。それにグン、グン、グウィーンと竿先を引き込む大きなアタリが出た。思いっきり竿を煽ると重みのある魚が乗った。途中、深み目指してゴンゴンと頭を振る魚の動きが伝わってくる。待望の45㎝ほどのアブラコだった。
     これでなんとか形がついた。アブラコ450+ホッケ400+重量300で千点は超えているだろう。しかし、これでも竿道会では10位入賞は覚束ない。
     しとしとと雨が降り続いている。うっすらと近くの山並みの稜線が見えるようになってきた。竿2本をロケットカゴ仕掛けにして中投した。竿1本はあくまでもゴロ2本の捨て竿だ。これに重みのある大ゾイが食らいつけばよいのだが・・・。
     雨が大粒になってきた。またもや中投にアブラコのアタリが出た。きかん坊のアブラコが竿を伸す独特な引き込みだ。泳ぐ力も強い。50㎝弱の太いアブラコで婿が大きくなった。重量も増えた。その間もホッケが釣れ続いている。

     ヘッドランプが必要なくなった。少し、雨も小降りになってきたようだ。近投に竿尻を浮かす激しいアタリが出た。スワッ、念願の大ゾイか? 獲物はなかなか浮いてこない。こんな時のために持ってきたタモ網は竿2本を挟んだ反対側に置いてある。姿を現したのは大アブラコだ。よりによってホッケのオマケまで従えている。左方向にある海面から1m程の低い岩盤まで引き寄せた。5号のハリスが切れなければよいが。しばらく遊ばせてからおとなしくなったところ見計らって、ヨッコラショと岩盤に乗せた。ハリは、ゴロの頭をくわえ込んだアブラコの上顎の歯の近くの最も硬い部分に突き刺さっていた。

     雨が大降りになり、雨宿りと休憩を兼ねて背後のオーバーハングした岩の陰で腰を落ち着けた。すると、遠く立岩の裾野で釣り人が盛んに竿を振っているのが見えた。おそらく、一緒に降りた山田氏だろう。声は届きそうもないので携帯で呼びかけて手を振った。しかし、電話先の相手は幹事長の笹木泰広氏だった。彼は大会に参加しておらず、出勤前の忙しいときを襲うことになり、大変なご迷惑をかけてしまった。

    おっ、惜しい!
     帰りは、ゴロやコマセがなくなったにもかかわらず、2度の往復で荷物を運んだ。釣り上げた魚が重かったのだ。釣り始めは小さなホッケも確保していたのだが、釣れ続けると、小さなものは釣っては放すを繰り返していたのだが・・・。
     山田氏が先に上がっていた。釣果を聞かれたのでようやくやっと運んできたバッカンを指し示した。釣りためたホッケの上に、審査に出すための会心の5匹を買い物袋に入れておいた。「頭は50㎝ほどある」と伝えたが、「50㎝と思っても、審査の時は48㎝ほどになっているものだ」と言われてしまった。自分の経験に照らしてみても確かにそうだった。

     審査が始まった。皆さん結構釣ってきている。瀬棚港組がよい釣りをしてきたようだ。佐々木忠義氏が大きな45㎝程のホッケを数揃えてきた。佐藤和郎氏はカジカをゴロッと釣りためていた。そして、泉清氏のアブラコは49㎝と計測された。さらに、矢根政仁氏が出したアブラコは51.3㎝の大物だった。
     私の審査が始まった。アブラコは矢根氏に及ばず51.1㎝、ホッケ40.3㎝、重量5600gだった。最後に樫山寿治氏の真打ち登場となる。会場から羨望のため息と共に響めきが起こった。胴回りの太い見事なアカハラが並べられた。私は「マスのようだ」と感じたが、誰かが「鯉のようだ」と呟いた。さもありなん、最身長は58㎝の大台に届き、嫁はカレイだが重量で7200gをたたき出したのだ。
     私は釣り終えた時点で、仄かに竿道会での初優勝かもと希望を膨らませていたが、その上をいく会員がいたのだ。竿道会には一筋縄ではいかない恐ろしい強者がゴロゴロといる。
  • 左から第3位:佐々木忠義、重量・身長優勝:樫山寿治、準優勝:鹿島釣狂
  • 本日の釣果 ウーム満足! だが・・・
  • 【つれづれ】
     今日は、根掛かりで仕掛けを失ったのは2組だけだった。それで手返しもよく魚を集めることができたのだと思う。

     ロケットカゴでの中投でこれだけのアブラコやホッケが釣れたのだからもっと遠投したらどうだったのだろう。沖には大物クロガシラや大ゾイがいたのかもしれない。その確認はこの次の機会に譲るとしよう。

     磯のエンカマの縁に磯ガニが這っていた。このカニをエサにしているYouTube(タクワンのフィッシングライフ)があった。私も試してみたかったが、そんな悠長な暇はなかった。冬に釣ったワカサギをつけてみたが、それを食ってくる魚はいなかった。

     海底はどうなっているのだろう。釣り場に着いたときに、ヘッドランプで海中を覗いてみたが、潮が透き通って底のゴロタ石もはっきりと見えた。明るくなってから、もう一度覗いてみると、底は見えなかった。光の加減もあるのだろうけれど、プランクトンが湧いてきて潮が濁ってきたせいもあるのではなかろうか?

     トイレ休憩で、「札幌釣り友の会」の笹崎充男氏に会った。今は廃刊された月刊「北海道のつり」で釣行記を連載していた御仁だ。挨拶をすると、彼も私のことを覚えていてくれた。今回、私が入ろうかと思っていた梅花都を誌上紹介していたのも彼だ。

     ウエィダーや防寒着の下は汗でジットリとと濡れていた。早く乾かしたいのだが、後ろの座席に陣取った私に、窓からの隙間風が吹きつける。ガタガタと体が震えてくる始末である。風邪をひいてしまわないだろうか? 窓は私の力では閉まらない。トイレタイムで運転手に告げると、トイレから戻ったときには、きっちりと窓が閉まっていた。それで、ようやく眠りにつくことができた。

     魚は、アブラコ1+ホッケ2を4組にして日頃お世話になっている方に配った。大アブラコは女房の提案でしゃぶしゃぶになって出てきた。ゴマだれとポン酢でいただいたが、絶品だった。ホッケはいつものように開きと煮魚になった。マゾイとハチガラは、小さいながらも刺身に卸した。

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