世界遺産での釣り

  • 2023年思い出の釣行記No.5
  • 道内外に釣り場を求めて
  • 世界遺産の釣り
  • 岩内港
     息子夫婦に1泊旅行に誘われた。なかなか予約が取れない人気旅館「岩内高島旅館」に予約が取れたので一緒にどうだというのだ。ウニ、アワビ、カニなど海の幸が豪快にもられた食事を堪能した。特に活き作りされたヒラメは、食事が終わるまで口をパクパクさせているほどの新鮮さであった。実は、岩内に誘われた時点で、ホッケ釣りでもするかと誘惑したのだが、体よく断られた。そんな暇はないというのだ。それでも、旅館に着くまでの一時を岩内港に寄ってくれた。
     向かいから強風が吹き荒れ、港内でも波立っており、釣り人たちはまばらだった。釣果も上がっておらず、朝からやってホッケが1,2本という程度だった。無理を言って釣り道具を準備しなくてよかったなと思った。
  • 岩内港の釣り風景。向かい風が強く、港内にも関わらず波立っていた。
  • 世界遺産「紀伊山地の霊場と参拝道」
     女房が熊野古道に行ってみようという。伊勢参り、高野山、熊野三山巡り、南紀白浜温泉の3泊4日の旅路だ。信仰心を持たない自分にとっては神社、寺詣でなどどうでもよいのだが世界遺産に登録された熊野古道が魅力的で行ってみようということになった。
     旅行中、川や海ばかりにやたらに目が行く。最初に飛び込んできたのは、鬼ヶ城の岩壁を掘削して切り開いた古道を散策しているときだった。鬼ヶ城の岩壁に張り付くようにして竿を出している2名の釣り人を発見したのだ。世界遺産の磯で釣りが出来るとは思わなかった。北海道でも知床で釣りをしているのだから同じことか。二人ともウキ釣りらしい。釣り上げている光景を見たく名残惜しかったが添乗員に急かされてその場を後にした。
  • 中央付近に二人の釣り人がいるのが見えるだろうか。
  •  そして、熊野川だ。どこから川に下りたのだろうと思われる急峻な崖が続く古道の下を流れる川で竿を出す釣り人を見かけたのだ。有名な鮎は解禁前で、おそらくアマゴを狙って入渓しているものだろう。仏閣などはどうでもよく、その釣り風景をしばらく眺めていたいという思いも虚しく、バスは瞬時に通り過ぎていった。

     七里御浜はウミガメの産卵場所で釣り禁止措置がとられているとのガイドの説明で興味を失った。しかし、あの広大な砂浜を禁止措置に出来るのか?という疑問が沸いて車窓から眺めていると三脚を立てた釣り人を何人も見かけた。家に帰ってからネットで検索してみると、七里御浜の釣り情報ばかりが掲載されていた。おそらくウミガメの産卵時期にとられる措置なのだろう。

     三段壁洞窟へは、地下36mのエレベーターで下りていった。平安時代、源平合戦で知られる熊野水軍が舟を隠したという伝説が残る洞窟である。和田竜の「村上海賊の娘」に出てきた水軍の先魁でもある。地上に出て展望台から海岸沿いを覗いてみると、湾洞を挟んだ岬の両先端で釣りをしている姿が見えた。あの、自殺の名所といわれる断崖絶壁をどのようにして下りていったのだろう。
  • 断崖絶壁をどのようにして下りていったのだろうか。左右の岬の先端には釣り人の姿が見えた。
  •  
  •