ブレないからブレブレへ

  • 2023年思い出の釣行記No.16
  • 札幌竿道会2023-7
    ブレないからブレブレへと
  • 大 会 日 10月15日(日)
    入釣場所 浦河町浜荻伏
    天  候 晴れ 風穏やか 15号台風の余波でウネリ高い
    釣  果 ハゴトコ  305 ㎜ 以下3
         重量     80 0g
    成  績 合計点数  385点(第15位)
  • 入釣予定にブレはなかったが
     10月7日、トラック諸島近海で発生した台風15号は、中心気圧が900hpaまで下がり、猛烈に発達しながら北上してきた。その後、進路を変えて14日には日本の遙か東で温帯低気圧に変わった。
    その台風の余波が残るかも知れないが、浜荻伏入釣に迷いはなかった。天気予報は晴れで、波も1.5mと告げている。しかも、過去の釣遊会大会でもなかなかよい成績を収めていたのだ。【👆2016年思い出の釣行記PART.19】,【👆2017年思い出の釣行記PART.20】【👆2018年思い出の釣行記PART.24

     途中、トイレタイムで海岸を眺めると、予想外に高い白波が押し寄せていた。山田裕一氏から釣り場を聞かれ、浜荻伏海岸と応えると、「この高波では釣りをさせてもらえないよ。築港などに逃げた方が良さそうだがなあ」とアドバイスされた。しかし、入釣場所にブレはなかった。浜荻伏は100m沖まで大きな根が張りだして、波が死んでいるところがあるだろうと考えたからだ。

    忠告には素直に耳を傾けよ
     浜荻伏への横道に進む三叉路でバスから降ろしてもらった。見慣れた防火水槽から浜へと下りていくと、なるほど予想したよりもウネリが高い。沖の高根を乗り越えて大きな波が岸へと押し寄せていたのだ。
     しばらく、波の死んでいるところがないか様子を見て回った。釣り人(北海磯釣会:Ko氏)が一人いたが、彼も釣り場を捜しているようだった。まずは、一番波が死んでいるだろうと思われる場所で、竿を出すことにした。右斜め沖に向かって岩盤が連なっているところの陰になるところだ。竿1本をゴロ2本ネット仕掛けでチョイ投げ、竿2本をゴロ1本ネット仕掛けで近投して様子を見る。アタリが出ることもなく、仕掛けが波にもまれながら少しずつ右に流されていく。それで、3本とも根掛かりさせて仕掛けを失ってしまった。
     我慢しながら根気よく打ち続けていると、ようやくアタリらしきものが出て、30㎝程の太ったハゴトコとドンコがダブルで上がった。後は、カジカが出てくれるのを待つだけだ。辛抱強く打っていれば、明け方にアブラコが竿を揺らすだろう。しかし、その後、ハゴトコが竿を揺らしただけでカジカのアタリはなかった。

     3時半の満潮時に向かってウネリは益々強まるばかりだ。もう一度、海岸沿いを歩いてみる。比較的波の死んでいるところで、Ko氏が竿を出していた。カジカがあがったということでバッカンを覗かせていただくと、型のよいカジカが3本ほど収まっていた。少し希望が湧いた。
  • 波は収まっているように見えるが、時より打ち寄せるウネリが背後の草原にまで押し寄せてきた。
  •  そこから更に進んでいくと、比較的波の死んでいるところを見つけたので、移動することを決意した。荷物を取りに戻って全てを格納し、重いリュックと竿袋を担いで、見つけた場所へと急いだ。砂浜に砂利が上がっているところで間違いなくカジカはいるはずだ。
     しかし、いよいよ満潮時で先ほどの場所と変わらず根掛かりを繰り返すばかりだった。Ko氏も、アタリが出なくなったのか嫁にするタカノハを求めて、元浦川方向に向かっていった。

    ブレブレで、忠告に素直に従ったが
     私は、一縷の望みを託してKo氏のいたところに移動した。しかし、状況は同じだった。6時頃、副会長より着信があった。状況を説明すると、漁港に逃げた方が良いとのアドバイスがあった。わたしは、この場所でこのまま玉砕する覚悟でしばらく釣りを続けたが、陽射しも出てきて、少し元気が出てきた。
     グーグルマップで調べると、現在の釣り場から南防波堤灯台まで1.4㎞程ある。まあ、ここにいてもしかたが無いので最後のエネルギーを振り絞ることにした。荷物を再度片付けて灯台目指して歩き始めた。仕掛を失い、エサも残り少なくなって荷は軽くなったはずだが、気持ちは重たいままだった。
  • 漁港内は嘘のように静かだった
  •  ようやく、港にたどり着いた。中防波堤で二人、外防波堤の付け根で一人、防波堤先端手前で一人の釣り人がいた。外防波堤の付け根で竿を出している釣り人に様子を尋ねてみた。彼も浜荻伏で竿を出していたがウネリが高くて、早々に諦めて港に引っ越したのだそうだ。明けてからクロガシラが4枚釣れたとのことだった。先端で竿を出している釣り人にも聞いてみた。あまり芳しくないようだった。外防波堤の中間で港内に向かって竿を出した。残り少なくなったゴロやコマセ、まだ使っていなかったイソメを付けてチョイ投げした。しかし、全くアタリが出ない。
     午前9時。片付けもあるので、締め切り時刻まで釣りが出来るのは残すはあと30分。防波堤灯台の横に竿を移動させた。竿を出した途端、心細いが小さなアタリが出た。イソメを引っ張っているようだが本アタリは出ない。竿を上げてみると予想通りイソメが食いちぎられている。大きなアタリが出た。焦っているせいか本アタリまで我慢できなくて竿を煽った。スカッだった。その付近にもう一度余っていたイソメをたっぷりと付けて投げ込む。再度アタリが出た。竿を手に持って本アタリを待つがやはり我慢がたりなかった。
     9時半、虚しく竿を片付けた。引き上げ時になって、浜荻伏の海岸線をみると、最干潮に向かっているせいか、波は穏やかに見えた。焦らず、はじめに竿を出したところで最後まで粘っていたらどうだったのだろう。まあ、考えてもしかたの無いことだけれど・・・。

    ブレブレだった野生との共存?
     今回優勝した越智靖基氏は、三石大階段前でアライグマに遭遇した。アライグマに近づいていっても全然逃げようとはしないで、むしろ甘えるように魚をねだったと言うことだ。テレビアニメ「あらいぐまラスカル」に登場する主人公はなんとも可愛らしいが、凶暴だと聞いている。アニメの最終回と同様に、「動物は自然の中で暮らすのが一番良い」という名目で、意図的に自分勝手な飼い主によって自然へ帰された個体も少なくなかったと思われる。特定外来生物に指定されており、この北海道にも生息範囲を広げていて、農作物を食い荒らす害獣だとも言われている。スイカに前脚が入る程度の穴を開けて中身だけがくりぬかれて空っぽにしているのも手先の器用なアライグマの仕業らしい。

     私も可愛らしい野生動物に会ったりするとついついエサなどを与えてしまいそうだが、気をつけていかなければと思う。まあ、今日のような釣りでは、大事な獲物を与えるほどの余裕はないのだけれど・・・。カモメなどにも、うっかり釣り上げた小物を放り投げたりしたことがあったが、その後も釣り場に纏わり付き、道糸に絡まったりして解くのに難儀したことがある。氷上釣りでふんわりした冬毛のキタキツネに合い、そのかわいらしさに、釣れたばかりのワカサギをあげたりしたときも、同じように纏わり付いて困ったときがあった。
     最近よく聞くようになった熊による人的被害も、人間の方が熊のテリトリーを犯して、彼らの生育地域を狭めているのが原因らしいが・・・。
  • 身長優勝:福村 徹 カジカ46.6㎝

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