5月19日天塩1本防波堤マガレイ

  • 2018年思い出の釣行記PART.8
  • 黒子に徹する
  • 5月19日
    天塩1本防波堤
    マガレイ30㎝以下12
    川ガレイ22、
    ホッケ、カジカ、イシモチ
  •  釣行の1週間ほど前に、息子から女房に電話が掛かってきた。なんでも嫁と一緒に釣りに連れて行って欲しいとのことである。私に直接電話してこいと思ったけれど、女房のスマホにラインで繋がっており、すこぶる便利だというのである。私は未だにガラケイなのだ。最近では息子との連絡は女房を介してのことが多くなっている。二人一緒の休暇は5月19日だということでその日に指定してきた。
     釣りものは真ガレイかホッケ。釣り場は嫁に配慮してトイレ完備の場所を選択することになった。昨年のこの時期に真ガレイを好釣した天塩1本防波堤には近くに鶴沼海浜公園キャンプ場があり心配はない。天塩の手前にある遠別釣り突堤にも遠別河川公園キャンプ場がある。先日真ガレイやホッケの大物を仕留めた美国漁港導流堤はその釣行の折に確認済みだ。防波堤の付け根に立派なトイレが完備してあった。釣り場からトイレまでの距離ではここが一番近くて無難なところか。ホッケのウキ釣りだけを想定した寿都政泊平盤には弁慶岬灯台駐車場のトイレがある。一応、3人分のウキ釣り用の竿や仕掛も用意した。
     そうなると当日の天気が心配である。毎日天気予報を検索しながら、当日の天気と波、風を調べることになった。なんだか釣行するには怪しい天気予報である。曇りの予報が3日前は雨予報に変わってきた。道南方面は嵐の予報になってきたが、道北方面は雨になっても波風はさほどではなく、天塩に釣行を決行することにした。雨が降れば、3人一緒にドライブや温泉を楽しむことだって出来るのだと自分に言い聞かせた。女房は弁当づくりに精を出し始めた。私一人の釣行の時は、コンビニ弁当で済ませているのだが、おにぎりの中身まで息子と連絡をとって万全を期している有様だ。
     前日の午後6時、女房が作った弁当をもって息子のアパートに出掛けた。息子と私は弁当を食いながら、嫁の帰宅を待つことになった。私は酒を持参してきたので口をつけた。嫁は仕事から午後9時に帰ってきた。仕事の持ち場が変わり、朝7時出勤からずーっと働きずくめだったらしい。嫁がシャワーを浴び終わるのを待って、午後10時に息子の運転で天塩に向かって出発した。嫁は女房の弁当に「おいしい、美味しい」と舌鼓を打っている。私の前ではそういわざるを得ないのであろうが、今日の弁当のおかずには私の卵焼きも入っているのだ。
     私が蟹入り卵焼きを作ってやろうと、女房に「蟹缶」を買っておいてくれと言うと「蟹缶ですか?蟹缶って高いのよ」と念を押され、実際に女房の買い物に付き合っているときに見た蟹缶には高額な値段が付いていた。カニ蒲鉾で我慢するかとも思ったが、一回り小さな蟹缶を女房の買い物カゴに忍び込ませたのだ。私が作り終えて味見してみると、残念なことにあまり蟹の風味はしなかった。嫁は、仕事帰りの疲れもあって後ろの座席で眠り込んでいる。私は、酒をチビチビ楽しみながら天塩1本防波堤の真ガレイに思いを馳せていた。
     午前1時には天塩1本防波堤に着いた。眠り込んでいる嫁をそのまま車内に残して、息子と一緒に防波堤を進んでいった。防波堤には釣り人の姿がない。喜び勇んで先端で釣り座を構えようと行ってみると、そこには三脚が2台、それに続いて10m程のロープを這わせてあった。その隣に3人分の三脚を3台立てた。三脚にぶら下げるバケツは3つ。岡田氏との浜厚真釣行では用意したバケツに水漏れがあったので水漏れのないモノを確認して持ってきていた。釣り場を確認したところで、息子は、帰路の運転を考えて一眠りしようと車に戻っていった。
     右の東方向から強い風が吹いているが波は穏やかで濁りもさほど気にならない。三脚には25号竿それぞれ2本に2号ナイロン道糸と2本バリ仕掛けを、30号竿2本に5号ナイロン道糸とロケットカゴ仕掛を付けて振り込んだ。まだ暗いということもあって上バリにサンマ、下バリにイソメを付けた。すぐに反応があり、予想した通り川ガレイが上がった。そして恒例のキュウちゃんと続いた。思いがけず小さいが真ガレイも1枚来た。
     明るくなり始めた頃、息子と嫁がやって来た。1本の竿にアタリが出ていたので一旦軽く合わせて、魚が付いていることを確認してから嫁にその竿を持たせた。アタリに合わせて竿を煽り、リールを巻きながら少し前に出て、魚が岸壁の近くに見えたら竿を大きく持ち上げて取り込むようにとレクチャーしながら見守った。30㎝ほどの川ガレイが岸壁の上に姿を見せた。
     嫁が息子と結婚する前、一度ワカサギ釣りに砂川遊水池に連れて行ったことがあって、その時に釣りモノ第1号は果たしている。そして今回は、彼女の海での釣りモノ第1号である。10㎝に満たないワカサギの大きさと比べるべくもないが、その大物に歓喜の声を上げている。次の獲物は40㎝ほどのアカハラだった。この魚も彼女にとっては見たことのない魚であり、流線型のビカビカと光る魚の引きの強さに驚いたようだった。
     ロープで場所取りをしていた2名がやって来てそれぞれ三脚2台に2本の竿を置いて、一人4本体制で釣り始めた。左の方は釣り人がまだ来ていない。新たな釣り人が来る前に、嫁に竿の振り込み方を教えた。第1投目は、綺麗に決まったと思ったが、5本の私達の竿を跨いで右方向にボチャンと落ちてしまった。それでも距離は出ていたことになる。左にも新たな釣り人が竿を出し始めたので、竿の振り込み方の練習はその1回で終わりになった。
     息子は、竿をビシッと鳴らして遠投している。私よりも勝る体力を生かして、私の投げる距離より遥かに遠くに飛んでいる。しかし、その分、生イソメが千切れてしまって、振り込んだと同時にイソメの残骸が海面にパラパラと落ちてしまっていた。息子がホッケを釣った。40㎝ほどの赤みを帯びた旨そうなホッケだった。
     一番右端の竿の道糸がふけて右隣の釣り人の方へと移動していた。隣に絡んでいてはやっかいだと嫁を呼ばずに私が引き上げることにした。ロケットカゴ仕掛から変えた2本バリ仕掛けに来たのだ。ハリスは3号ナイロン、4号チヌ針と繊細にしたものだ。45㎝ほどのカジカだったので、息子にタモ入れを頼んだ。このタモは万が一カスベが釣れた時の為に用意したものだ。
     嫁が重い重いとリールを巻いている。大きな真ガレイが浮き上がった。しかし、途中で隣の竿の道糸と交差していたためか道糸が切れてしまった。その切れてしまった道糸が隣の竿の道糸にぶら下がっている。息子に静かにその竿を引き上げてもらって切れた道糸をつかむことが出来た。その道糸を引っ張っていると魚が付いていた。逃がした魚は大きいといわれている如く、その真ガレイは意外に小さかった。
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  •  嫁は釣行の合間に盛んに友達と連絡をとっていた。厚岸出身の女友達からは羨ましがられて、今度は一緒に連れて行って欲しいとのことである。釣り好きな男友達は、釣り場状況を詳しく教えて欲しいとのことである。そんなことを嫁から報告を受けていると、自分もなんだか嬉しい気持ちになってきた。
     帰りは、苫前温泉「ふわっと」で温泉に浸かり、無事帰ってくることが出来た。息子夫婦がアパートで体を休めた後、本日の釣行の反省会と称してわが家に晩飯を食べに来るという。生憎、女房は友達とファイターズの試合(満員の中、有原が投げたが、楽天則本の前に5-0の完封負け)の観戦に出掛けている。連絡をとると、海鮮丸の寿司をとって間に合わせて欲しいという。息子は魚が苦手なので、トリの半身揚げやビーフサラダを追加しておいた。
     息子たちが来るまでの間に魚を捌くことにした。そして、メジャーリーグの大谷の活躍が気になってニュースをかけてみた。完封負け濃厚な9回に一矢を酬いるホームランを打っていた。これでピッチャーとしては3勝、ホームラン6本と毎日のニュースの中で特集として組まれるほどの熱狂ぶりなのだ。
     川ガレイは現地で頭と尻尾をとってフラシに入れて海水で洗っておいたので、すこぶる新鮮で、大きいものを3枚選んで刺身にしたらヒラメみたいな味で最高に美味しかった。
     まあ、今回の釣行は真ガレイの数こそ少なかったが、アタリが続いて嫁が楽しかったと言ってくれたことが何よりである。女房が、嫁の実家へのお土産として真ガレイを持たしてあげていた。
  •  後日の「つりしん」に、
    「来た!爆釣シーズン 38㎝頭に入れ食い 天塩港防砂堤」
    20日午前10時頃15人前後。先端部の岩見沢市の西村潔さん、4時頃開始と共に次々とヒット。38㎝を頭に60匹。実は2日連続の釣り。19日、昼過ぎから夕方までに100匹を超える真ガレイを釣ったそう。
    と載った。ということは、私達が引き上げてすぐに入ったと思われる。夕方までやれば、100枚だったのか・・・。私一人なら、次の日まで釣り続けていたと思うのだが・・・。また、
    「遠別町富士見海岸 25㎝~33㎝ 37匹 今後一層の上昇も」
    20日午前11時頃、釣り突堤の左端。4時半の開始から37匹の釣果、他にクロ2、コマイ2、ホッケ1。
    とある。この釣り場を選んで大変良かったことになる。私の感も冴えているなあ。
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