6月11日東歌別アブラコ49㎝

  • 2017年思い出の釣行記PART.12
  • 岩見沢釣遊会第3回大会
    身長優勝に輝く
  • 【6月11日(日)】
    東歌別
  • アブラコ49㎝ 
    カジカ38㎝ 
    重量4630g 
    成績1333点 5位
  • 身長優勝を果たした49㎝のアブラコ
  •  岩見沢釣遊会第3回大会が笛舞港~東洋港で開催された。釣遊会6名、「とんとん会」6名の計12名がレンターカーで襟裳へと向かった。第1回の15名寿司詰め状態よりも若干マシだったがこの数を超えてしまうと問題が出てきそうだ。4回大会はとんとん会との合同で遠距離ということもあり2台チャーターしようと思う。
     運転手は、事前に釣り場マップにコースを描き込み、参加者から入釣予定場所を確認して、そこに☆マークを付けて手渡した。私の責任はそこまでとして、いつものように東歌別で釣り場に立つことにした。バスのワイパーはひっきりなしに動いていたが、笛舞漁港で着替えをするときになって雨は止んだ。それからは満月も覗くようになって快適な釣りになりそうだが、あとは魚の気分次第だ。
     いつものように、防潮堤の上から溝を狙ってドボンと振り込む。まずは25㎝ほどのカジカが釣れて一安心というところである。またまた同じようなカジカが釣れた。今度は婿になるはずのアブラコのことが心配になってくる。チョコチョコッとしたアタリは出るが魚が乗らなかったので、一応アカハラの嫁もあるかも知れないとアカハラ仕掛に替えて打ち込むと、案の定チョコンチョコンと悪戯を繰り返していたのはアカハラだった。30㎝は超えているので、ハゴトコよりはマシであろうとバケツの中に放り込んだ。
     一番大きな舟揚場には釣り人が入っている。その釣り姿から推察するとおそらく北海道名人会の森田正実氏だろう。北海道名人会の山本周平氏が様子を伺いにやってきた。顔に見覚えがあった。昨年の忘釣会大会のバスで私が座った前の座席にいた御仁だ。何でも彼は左1番目の舟揚場でやっているが獲物はまだ無いと言う。一番右に入った釣り人の様子を確認しにいったが彼もまだ坊主と言うことだった。
     40㎝を頭にしてカジカが4本になった。アブラコはいないのだろうか。私も周囲の釣果が気になりだして偵察することにした。右隣の舟揚場に入っていた金漁会の御仁はハゴトコ1本、左隣の舟揚場に入っていたのはやはり森田氏で、まだ獲物はないということだった。更に左の舟揚場に入っているだろう山本氏を訪ねた。更にその左隣に入っていたのは同じ名人会の越智靖基氏で彼も小カジカしか釣れていないという。潮が引いてきた7時頃にはその前にある平盤の先に出て釣りをする予定だという。昨年金井泰樹氏が大釣りをしていたところだ。
     夜が明けて潮が引き出し、私が乗る予定の岩もチョコンと頭を出してきたが、今日の潮では渡れるのが8時くらいになるだろう。森田氏はアブラコの50㎝ほどを2本あげて彼の得意とする盤に出ていった。もう一度、左側の盤の様子を見に行く。以前打ったことのある高い盤は乗れるようになっていた。越智氏と山本氏は盤の前に出て打ち出していた。越智氏はすぐにアブラコを釣り上げてバッカンに確保していた。
     私は自陣に戻って更に遠投を繰り返した。しかし、そこから釣れるのはアカハラにも負けるハゴトコのみだった。今日のアブラコはご機嫌斜めのようだ。6時になると昆布取りの舟が一斉に出撃してきて周辺で漁を始めた。昆布は少ないようで少しずつその数は減っていった。昆布が駄目だとするとアブラコも薄いのかも知れない。
  • いつもの溝で3本の竿を出す。いつもの年より舟が少ないようだ
  •  8時半、ようやく前の岩に乗ることが出来た。10時半まであと2時間の勝負だ。1本を2本針で遠投、2本をゴロネットで近投して打ち始めた。しかし、アタリは出ない。竿1本を1本バリにして正面の岩めがけて遠投するとその岩の向こう側に入った。アブラコが来たら抜きあげることが出来ないかも知れないなと思いながらもそのままにしておいた。その竿にチョコチョコとしたアタリが出たので、竿を煽るとグンと重みが乗った。アブラコだ。しかし、ハゴトコがエサを咥えて昆布根に潜ったらしく、その重みの乗った昆布とハゴトコを引き上げることになった。
     ボックイに向かって投げていた2本バリ仕掛にハゴトコが喰い付いてきた。距離が足りないようで1本バリにして思いっ切り竿を振った。距離は出たがこれにもハゴトコが喰い付いてきた。ハゴトコが悪戯するのでは1本バリは不利だと考えてまた、2本バリに戻して遠投を試みた。2本バリでも徐々に遠投が出来るようになってきて、その竿にアブラコと分かるグングンとしたアタリが出た。喰い渋っているために何度かハリ掛かりしないですっぽ抜けていたこともあって、竿を手に持ち慎重に次のアタリを待った。しばらくすると、グングンのあとにグググググンと竿先が入った。竿を大きく煽ると、今度は間違いなくアブラコだ。一度昆布根から抜き出してもまた、ググググンと刺さり込んでいく。この感触がたまらないのだ。このやりとりが釣り心に火をつけて虜にしてしまうのだ。
     無事、アブラコが上がった。予想したよりも大物だった。50㎝は超えているだろう。10時10分のことだった。あと残り20分。2本を2本バリ仕掛けにして遠投したが、次の獲物はなかった。
     11時にようやく東歌別バス停に辿り着いた。するとまもなくバスが迎えに来た。時計をみると11:10だった。東洋を11時に出発してから10分しか経っていないのだ。どの様にしてやって来たのだろう。バスのドアの入口でウエィダーを脱いでようやく席に着いた。
     様似の車屋ラーメンで審査が始まった。優勝は十八番の坂岸に通い詰めた西川氏だった。岡氏を案内して坂岸に入ったが暗い内は釣りものが無く明けてからの釣果だった。まずは岡氏が今回の身長3位となる48㎝のカジカを釣り上げ、アブラコをも立て続けに抜いた。その釣果に発憤した西川氏は狙った溝へのゴロコマセ打ちを繰り返して大物カジカをとり、竿上げぎりぎりに50.3㎝のアブラコを抜きあげたのだ。岡氏は4位の成績だった。
     準優勝はオノドリに下りた矢根氏だった。十八番の磯には1時間ほどしか乗れなかったがそこから大物アブラコやカジカを抜いてきたのだ。さすがにオノドリの主といわれた矢根氏だった。3位は吉井氏だった。西脇氏を案内しながら西東洋に入ったが、横澗には波が高くて乗れず、仕方なく入った右の出岬でアブラコを抜いたのだ。西脇氏は1324点の5位だった。私は最後の最後に来たアブラコ49㎝で身長賞を獲得した。
  • 入賞者の面々。左から身長優勝:鹿島、準優勝:矢根、優勝:西川、3位:吉井
  • ヒザラガイ
  •  おかしなモノが釣れた。まるで貝殻の付いていないアワビの様だ。昆布取りの磯舟が近づいてきたのでその漁師に聞いてみた。名前をよく聞き取ることが出来なかったが、「食べて食べられないことはない」という評価だった。家に持ち帰ってから、インターネットで調べてみたが該当するものはなかった。「食べられないこともない」という漁師の言葉を信じて食してみることにした。包丁で外側を切ってみると意外に堅く蝶々のような骨が4枚並んでいた。よく海岸の砂浜などに落ちていて拾ったこともある代物だ。女房がナマコの仲間ではないかと言うように同じような内臓が出てきた。意外と身が少ないようだ。それでもなんとか切り終えた、カジカをソテーした油が残っていたのでそれで焼いてみた。漁師が言ったように「食べられないこともない」という代物だった。
  • 内側は全くのアワビだ。しかし、外側にはアワビのように貝殻は付いておらず硬い表皮で被われていた
  •  後日、テレビで扱っていた。「ヒザラ貝」(多板綱)というのだそうだ。磯では一般的に見られる貝でアワビの仲間ではないそうだ。あらためて、インターネットで調べてみると次のように教えてくれた。
  •  「多板綱(たばんこう)は、軟体動物の一群で、一般的にはヒザラガイ類として知られている。扁平な体で、背面に一列に並んだ8枚の殻を持っており、現生の軟体動物では最も体節制を思わせる体制をもっている。寒流域のオオバンヒザラガイは大型で肉質も柔らかく、その生息域では重視された。アイヌやアメリカ先住民(アレウト族など)は古くから食用としており、前者ではアワビとの間の住み分け由来話の伝承があるなど、注目されていたことが分かる。また、オオバンヒザラガイの殻の1枚1枚は蝶の様な形をしている事から、襟裳岬では「蝶々貝」と称して土産品として売られている。」
  •