熊の気配に怯えながら 湯泊岬

  • 2023年思い出の釣行記No.9
  • 熊の気配に怯えながら!!
  • 釣 行 日  5月30日(火)
    入釣場所  雄冬湯泊岬
    潮(留萌) 干潮 19:50   9㎝
          満潮 01:19  15㎝
    天  候  晴れ 波風とも穏やか
    釣  果  ハチガラ 290 ㎜  1
          ガヤ         沢山
          ホッケ  400 ㎜  1
            ニュウドウ       1 
  •  6月11日の竿道会大会までまだ少し間がある。それで、腕慣し(肩慣らし?竿慣し?)のため雄冬湯泊岬に出かけた。自身の体力づくりのためにもとって置きの場所だ。
     ゆとりを持って昼飯後に出発する。昨年の釣行時には雄冬付近の釣り場に抜ける駐車帯に立入禁止措置がとられていたが、今回は開放されていた。先端まで距離のある湯泊岬よりももっと手頃な釣り場はないのかと眺めてみるが、結局湯泊岬の駐車帯で磯に下りる準備した。
     湯泊岬先端に向かっていると、途中のガラバに白骨死体が散らばっていた。もちろん人間のものではない。アザラシだろうか? いや違う。蹄が残っており明らかに鹿のものだった。こんなところで、どうして? 切り立った崖から転落して絶命してしまったのだろうか? いや、俊敏な鹿が崖を落ちるはずはない。もしかして、熊に襲われでもしたのだろうか?
     朱鞠内湖畔で釣り人が羆に襲われた痛ましい事件が脳裏をかすめる。雄冬は熊の巣窟とされる暑寒別岳を主峰とする増毛山地を背後にしている。いつ熊が海岸に出てきてもおかしくないところだ。ゾクッと背中に悪寒が走る。この光景を見たことで、釣りをしている最中にも背後のかすかな物音に神経を尖らせることになった。
  • 暗くなるまでにはまだ随分時間があるが、いつでも打てるようにと竿を設置した
  •  竿を設置したのは、午後4時を回っていた。カツオを切ったり、冷凍ゴロをパックから出したり、コマセの調整をしたりしていると、背後でガチャガチャッと音がして三脚が倒れ、竿が海中に落ちてしまった。原因は分からない。熊ではないはずだ・・・。仕掛けはまだ打ってはおらず、慌てて仕掛けから延びたラインを手繰り上げて竿を引き上げた。落ちた時に壊れてしまった三脚の1本の足だけは、引き上げることが出来ず、いつまでも浮いたままだった。さらに、プロサーフCXの竿先が折れてしまっていた。それにしても原因は何だったのだろうか?カラスだろうか?それとも最近見かけるようになったキツネだろうか?熊ではないはずだ・・・。

     ソイが釣れるまでにはまだ時間が早い。アブラコでもいないかとサーフリーダーEXで引き釣りを試してみる。根掛かり必至の海底でも引き釣りが出来るようにと改良した仕掛けだ。何度投げても根掛かりは起こさなかった。そして、それに40㎝ほどのホッケが来た。期待が高まる。
     その竿先に重みが乗った。大物だ! グイグイと引っ張る。しかし、その後は重いばかりでジワーッと寄ってくる。8本足の海底人だ。大ゾイが食らい付いてくるのではないかと足下にはタモを用意してあったので、無事掬い上げることができた。
     ガヤが釣れ始めた。辺りは暗くなり始めていたのだ。ソイもエサを求めて徘徊する時間になった。引き釣りはお仕舞いにして投げ竿にゴロやカツオを付けて投げ込んだ。しかし、ガヤのアタリばかりで竿先をガクンと引き込むソイやハチガラのアタリは出ない。ガヤのアタリは放っておいて、大きなアタリが出たときのみ竿を上げようと思っているのだが、時間が経って竿を上げてみると、ガヤがハリ数だけ釣れてくる始末だ。昨年あれだけいたシマゾイはいないようだ。
     一昨年は、クロゾイやハチガラの大物がウキ釣りに来たこともあって、ウキ釣りにも手を染めた。それにも小ガヤばかりが釣れてくる。ワカサギのエサを持ってきていたのでそれを付けてみた。投げ込んだ途端にウキが消し込んだ。やっぱりガヤだった。カツオのエサよりも瞬時に食いついてくるところをみるとワカサギもよいエサになるのだろう。

  • 投げ竿に久し振りに大きなアタリが来て、引き上げるとデップリとした29㎝ほどのハチガラだった。
  •  午前2時を回った。パラリ、パラリと雨粒が落ちてきた。アタリも少なくなってきたのでもう引き上げ時だろう。8本足の海底人で荷物も重くなった。2度の往復で駐車帯に戻っている間にヘッドランプが要らなくなった。帰りの道中も雨は止むことなくワイパーを動かせ続けていたので、丁度よい時に引き上げたのだ。

  •