11月19日 苫小牧東港 立入禁止にもの申す

  • 2021年思い出の釣行記No.16
  • 「立入禁止」にもの申す
  • 結局小サバだけの釣果だった。数は100を超えていたけれど・・・。
  •       入釣月日  2021年11月19日
          入釣場所  苫小牧東港フェンス前
            釣  果  小サバ  25㎝以下  117
                小アジ           3

  • 今年はあと何回釣りに行けるのだろう
     ホッケの抱卵ものも釣れ出したとある。昨年の12月に神恵内で大漁だったホッケは、どれも産卵後で脂の抜けきったものだった。いわゆる青ボッケと称されているものとは違う茶褐色に色づいたホッケでも非常に不味かった。釣りだけを楽しむのではなく、釣った魚を食するという行為も大切にしたい自分にとっては残念な釣行となった。
     6月に雄冬で好釣したソイやハチガラもある。この獲物は私にしてみれば大物の部類でしかも非常に旨かった。そして、体力のなくなってきた私にも湯泊岬先端までの行程を攻略できたという自信を新たに生み出した。過去の釣行では11月にソイ類を爆釣した記録があるが、寒さに弱い私が一晩あの先端に立ち続けていられるのだろうか。
     晩秋のクロガレイやアナゴも気になるところだ。苫小牧ではこの時期でも大物が竿を揺らすことがあった。しかし、残念ながら西港は立ち入り禁止の措置がとられているという。「つりしん」釣況MAPに載せられていた苫小牧港の情報がなくなった。唯一、漁港区や公園での釣果が載せられているのみだ。

     それでもって、今回は苫小牧東港に向かった。天気予報では、18日、風は弱いが雨模様。19日、午後からは晴れ。15時で気温が12℃、南西の風9mとあるが、徐々に落ち着いてくるというものだ。しかし、全道各地で暴風雨警報が発令され、岩見沢でも朝方霙が舞った。
     今年になって初めてフェンス前で釣りをしたのだが、カンパチやフクラギ、大サバの新たな釣りの魅力に遭遇してしまった。11月のこの時期でも、火力発電所からの温水が流れ出ていることには変わりないのでそれらの魚が群れをなしているのではないか。前回は、サヨリを好釣している御仁がいた。私には釣り上げることが出来なかったが、サヨリの小さな口に合うサビキ仕掛の持ち合わせがなかったからだろう。今回は、紋別港で使った3号程度のチカ釣り用サビキを引っ張り出して準備した。

     苫小牧東港に着いた。埠頭で新たな工事が始まっていたが、幸いフェンス前では釣りが出来た。天気予報が悪いせいか釣り人は比較的少なく、竿を出すスペースもある。まずは、自陣の展開前に周辺のゴミを拾った。ここフェンス前は比較的ゴミが少ないのだが、切れたサビキ仕掛が落ちていたりして仕掛に絡まってしまうことがあったのだ。今回もサビキ仕掛の他に使い古した軍手や濡れたビニル袋等があった。
     まずはカンパチやフクラギの餌となる小サバやサヨリのサビキ仕掛を出した。すぐに小サバが鈴なりに釣れ、それを泳がせ釣り仕掛けに付けて振り込んだ。フェンス上部に取り付けたロッドホルダーからサビキと泳がせ釣りの磯竿2本体制での釣りとなった。しかし、釣れたばかりの活きのよい小サバを次々と泳がせているにも拘わらず、カンパチやフクラギが食いつくことはなかった。
  • 「立入禁止」「釣り禁止」にもの申す
     サヨリを釣り上げている地元の御仁がいたので様子を伺った。私と同じようにサヨリ用のサビキ仕掛と泳がせ仕掛を出しているのだが、釣れるのは小サバとたまに釣れるサヨリだそうだ。カンパチは港から出てしまったようで居残りのフクラギを狙ってサヨリを泳がせているという。小サバにはなかなか食いつかなくなってきているともいう。
     そして、このフェンス前も来年の2月からは工事が入り立ち入り禁止となるそうだ。春のサクラマスやアメマス、そして秋のカンパチやフクラギ釣りを楽しんできたのだが、これから何を楽しみに釣りをしたらよいか分からないというのだ。何十年もこのフェンス前で釣りをしていた常連客も嘆いているという。私も、先人達が開発してきたであろうフェンス前の釣りを今年初めて味わったわけだが、何だが悲しくなってきてしまう。

     考えてみるとどうして私達が「立入禁止」「魚釣り禁止」等の看板やバリケードのような高い柵の前で泥棒猫のようにビクビク、コソコソと立ち去らなければならないのか。思えば、看板の方が違法であり、柵を作る方が「越権行為」なのではないか。
     古来海は万人のものであり、海浜に出て散策し、景観を楽しみ、魚を釣り、泳ぎ、あるいは汐を汲み、流木を集め、貝を掘り、海苔を摘むなどの生活の糧を得ることは、地域住民の保有する権利であったはずだ。それが、国民から集めた税金を使って海浜をどんどん埋め立てて、公の浜でまで占有地にする大企業が続々と出てきた。それが多数を占め、港湾管理組合などを設立し、一般住民には立ち入り出来ないようにしてきたのだ。それを犯すと警察まで出動させているという有様だ。おそらく、一国民では敵いそうもない緻密な法律が出来上がってしまっているのだろう。
  • 家族の仲睦まじい光景も
     風が強くなり大雨も落ちてきたので、一旦、車の中に避難した。夕方にはその天気も回復してきて風も弱くなり晴れ間も見えてきた。このフェンス前での釣りの名残を惜しむように、釣り人が一人二人と訪れた。ルアーを飛ばし、フクラギを狙っているようだ。投げ竿を出している夫婦連れもいるが、未だに釣果はないようだ。
  • 大谷翔平が2刀流でメジャーリーグのMVPに輝いた。まあ、当然のことだけど。私はサビキ釣りと泳がせ釣りの2投流で竿を出した
  •  右隣にサビキ釣りの子連れ夫婦が入った。小学校入学前の2人の幼児が、夫婦が出した竿で小サバを釣り上げている。下の子は2歳ぐらいだろうか。さすがに小サバは親の手によって外されていたが、上の子は手慣れた仕草でリールを巻き、魚を外してバケツに放り込んでいる。家族が仲睦まじく楽しんでいる姿は微笑ましい光景だ。この姿も来年からは見られなくなるのだろう。

     前回は小物のソイが釣れたので泳がせ仕掛を底まで落としてみた。しかし、ソイからの便りはなかった。三日月が上った。不思議である。今日は満月のはずだった。それが雲の加減か三日月に見える。月の輪郭は見えているのにだ。雲が流れても、三日月のままだった。翌日のニュースを見ると全国各地でこの月の姿が確認されたということだった。この日は部分月食だったのだ

     女房には明日の朝帰ると言い残して出てきたのだが、結局、午後9時を回った時点で帰るコールをした。帰路は土砂降りになったので丁度よいときに引き上げたのかなと思う。しかし、小サバは沢山釣れたがなんだか不満が残る釣行だった。何より、毎年のように釣り場が少なくなっていく現実に心が苛まれたのだ。さて、この次は何処で竿を出そうか?
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