9月22日 苫小牧東港 フクラギ43㎝

  • 2021年思い出の釣行記No.14
  • 初フクラギ:息子に来ちゃった
  • 初フクラギ。釣ったのは私ではないけれど・・・
  • 入釣月日  2021年9月21日~22日
    入釣場所  苫小牧東港フェンス前    
               釣  果  フクラギ   43㎝   1(息子)     
          カンパチ   39㎝   1
            小サバ    25㎝以下 多数 

  • さてどうしたものか?
     9月16日、竿道会の湯浅氏から箸別川河口のサケ釣りについて訪ねられた。「釣れ釣れなるままに北海道」から過去の私のサケ釣りの記事を見て連絡してきたのだ。説明をくどくどしても伝わらないと考え一緒に釣行することにした。
     しかし、湯浅氏の情報に寄れば、駐車で利用している増毛港に抜ける三叉路にある空き地が立ち入り禁止になっているようだ。この空き地が使えないとなると、釣り人は極端に少なくなるだろう。混み合う中でのサケ釣りは周りに気を遣うが、のびのびとサケ釣りを堪能できるのではないかという思惑が働く。さて、どうしたものか?
     湯浅氏は定年退職後の余暇を楽しんでいるようだ。サケ釣りも何度か挑戦したみたものの未だ釣果に満足できていないらしい。「つりしん」では日本海沿岸のサケ釣り情報が好転していない。二人とも時間はたっぷりあるので、焦ることもなかろうが、さて、どうしたものか?

    結婚45周年
     息子夫婦が私たち夫婦の結婚45周年を祝ってくれた。女房には、愛情や気遣いをうまく表現できない私によく連れ添って来てくれたものだと感謝している。その折に、息子からサケ釣りに誘われた。孫を嫁と女房に任せて釣りに行こうというのだ。息子の方は仕事との関係で今月の休みが決まっている。22日を約束したが、駐車出来る場所には不安がある。しかも長期予報では22日が雨模様となっている。さて、どうしたものか?

     お祝いの膳に、先日、苫小牧で釣ったカンパチのフライとサバの味噌煮がのせられた。息子に釣りの様子を聞かせると、それにも興味を持ったようで、どちらでもよいという。天気予報も気になるし、さて、どうしたものか?

    サケ狙いからカンパチ狙いに
     話を煮詰めていくうちに息子とはカンパチ狙いで一致した。
     さて、二人分の道具立てである。前回の釣行でおおよその釣り具は分かったが、リールが心許ない。満月のように弧を描いた竿が三日月のように伸ばされた後、道糸にしていたナイロン2号を引き千切って行ったヤツがいたのだ。それが2度あった。おそらくフクラギの大物だろう。新たにリールを購入し、それにはナイロン3号を巻いてもらった。視力が衰えてきたこともあり、色は蛍光ブルーにした。新しい釣りを覚える度に道具が増えて散財してしまう。
  • 新たに購入したリール:ダイワレガリスLT4000D―CXH
  •  それになんといっても泳がせ釣りには欠かせない小サバのほうだ。小サバを生かしておくために蓋が網目になったビニルバケツを用意した。これに釣り上げた小サバを入れて海水に浸けておこうというものだ。前回はフラシだったので、引き上げたときには海水が抜けており、そのために小サバが弱ったのではないかと考えたのだ。
    また、フェンス越しのために二人分の足場がいる。私は低い脚立を利用してきたが、70㎝ほどの踏み台を使うことにする。息子は184㎝あるので間に合うだろう。

    見込み違い
     9月21日、嫁と孫を乗せて息子がやってきた。わが愛車にはカンパチ狙いの道具をすでに積み込んである。夕飯後に孫を嫁と女房に任せて出発した。
     午後9時頃、フェンス前に着いた。雨模様の予報だったので釣り人は少なく、前回大漁した場所に竿を設置することが出来た。雨は落ちていないが風が少し強いようだ。私は早速エサとなる小サバ釣りに専念した。すぐに小サバが釣れてそれを息子の泳がせ釣りのハリに付けてやった。
     しかし、すぐにでもやってくるだろうと思った肝心のカンパチが釣れない。周辺でも全く釣れていないようだ。今日は中秋の名月である。時折流れる雲に姿を隠しながらも煌々と周辺を照らしている。前回は新月だった。この満月の明るさがいけないのだろうか?
     前回あれだけ釣れた30㎝級のサバも全く姿を消していて、エサとなる小サバだけが釣れ続いたので、私もカンパチ狙いに徹した。しかし、前回、サバの群れに隠れるようにして泳いでいたカンパチの姿が見えないのだ。
     私の左隣に入っていた釣り師の講釈が凄かった。仕掛や釣り方など一方的なもので、私の疑問などには全く聞く耳を持たないというものだった。しかし、親切で言ってくれていることは分かるので頷きながら聞いていた。
     私たちは、カンパチやフクラギ用に磯竿3号:5.3m、サバ用に磯竿2号:4.5mを使っている。しかし、左隣からは竿が長すぎると指摘された。カンパチやフクラギは岸壁近くを回遊しているので、もう少し強度のあるルアー竿がよいというのだ。一応、サケ釣りに利用している10フィートのルアー竿は持ってきているが、竿先が硬くて自分の好みではないのだ。私は、食い込みを重視して柔らかく、そしてスリル感を楽しめる磯竿に拘りたい。何より、竿先が柔らかいことで魚がすんなり寄ってくることもあると考えているのだ。前回の経験でもカンパチのファイトも凄かったが、磯竿だからこそ、その威力をいなすことが出来たのだと思っている。フェンス越しに魚を上げることが出来るかが心配だったが、これも竿をフンと煽ると、無事にフェンスを越えて来たのだ。

     その隣人に替わって、前回、キャンピングカーで来ていた釣り人が、そこに入ってルアーを飛ばし始めた。ここフェンス前の常連のようだったので、現在の状況を説明しながらもカンパチ釣りの極意を教わった。キャン氏(キャンピングカーで訪れた釣り人)も泳がせ釣りを始めるようだ。「エサの小サバは私が釣るので好きに使って下さい」というと、早速、活きの良さそうな小サバを持って行って釣り始めた。しかし、カンパチからのヒットには繋がらないようだった。
     また、キャン氏はパッカーに海水を汲んで、それに観賞魚用水槽のポンプを付けた。いちいち網目蓋付きのバケツに小サバを入れてから海水に浸けることもなく効率がよくなった。私も釣り上げた小サバをそのパッカーに入れて使い続けた。

     息子の方は、朝マズメに期待して眠りについた。私は、いつかやってくるだろうと思いで釣り続けたが、全く音沙汰がない。

    夜明けと共に
     港を煌々と照らし続けていた満月も姿を隠し、それに伴って背後の発電所の照明も光を失ってきた。
     キャン氏が、カンパチを釣り上げた。更に、フクラギと続いた。それを私に差し出したので遠慮なくもらうことにした。ここフェンス前の釣り人は、釣ることに情熱を注ぐが、魚にはあまり興味がないようだ。おそらく釣りすぎて食傷気味になっているのだろう。
     魚が活性を帯びてきた。私も活きのいい小サバに付け替えて泳がせていると、グインと竿先が入った。手首を返し、右や左に、手前や奥にと疾走するヤツをいなしながらフェンス越しに取り込んだ。
  • ようやくカンパチが釣れた。メジャーを当てると39㎝。前回よりほんの少し大きくなった。
  •  早速、息子をたたき起こした。日頃の勤務の疲れでぐっすりと眠り込んでいたのだが、釣れたことを知ると覚醒したように真剣に竿先を見つめだした。
     息子が竿を大きく曲げて、「来た!来た~!」と私に向かって叫んだ。磯竿が今は姿を隠した満月のように曲がって、その大物と格闘している。「落ち着け。周りに釣り竿が入っていないのでゆっくり引き寄せて・・。手前のスリットには入り込まれないように気をつけろ。よし、魚が浮いたぞ。竿先からカンパチまでの距離を詰めて一気に抜き上げろ」と私の声にも力が入る。私の方が興奮していたかもしれない。
     なんとかフェンスを越えて取り込んだものはカンパチとは違った。黄金色に輝くモノではなく、エメラルドグリーンに光り輝くものだった。フクラギだった。メジャーを当てると43㎝を指している。周辺ではあまり釣果がなかったことから、キャン氏や他の釣り人が寄ってきて祝福を送ってくれた。
  • 初フクラギ。息子もデカいが、フクラギもデカい。
  •  それからも二人は真剣に竿先を見つめ続けたが、カンパチやフクラギに竿を伸されることはなかった。午前8時、引き上げることにした。お世話いただいたキャン氏には丁寧にお礼を述べさせていただいた。私は自分のカンパチにビールで喉を潤し、息子のフクラギに日本酒で祝杯を挙げていたので、帰りの運転はもちろん息子に任せた。息子が熟睡している間、私はひたすら釣りに専念していたのだ。
  • ワタリガニ(台湾ガザミ)が泳いでいたのを隣人がタモで掬った。汁物にするとダシが出て旨いといって私にくれた。汁物は白い油がにじみ出て実に旨く、甲羅の下の肉もほじくり出して食べてしまった。キャン氏からはカンパチとフクラギの2本をいただいたので、計4本を刺身用に捌くことになった。キャン氏は3日間ぐらい寝かせた方が旨くなると教えてくれたが、それを待つことは出来なかった。
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