2月5日 ジジイ軍団のコロナ対策 遊水地ワカサギ

  • 2021年思い出の釣行記No.3
  • 2月5日
    砂川遊水池
    ワカサギ 162匹
  • ジジイ群団のコロナ対策
  • 旧討ち入りの会
     「大雪やコロナ禍で参ってしまいますね。体調はいかがでしょうか?お元気のことと思います。さて、砂川遊水地が開放されています。釣果は貧果と爆釣でした。出撃はいつでもOK。ご一緒しましょう。」
    と旧友の中川和裕(赤埴源蔵:我々同期が退職してから10年が経過し、組織していた「討ち入りの会」も解散してしまったので、差し障りもなかろうと本名を名乗らせていただく)にメールした。人づてに大病を患っていると聞いていたのだが、彼の心情を思うと、なかなか切っ掛けがつかめなかったのだ。
     彼からメールの返信と共に元気な声が返ってきた。積丹沖のブリ釣りや紋別のチカ釣りには行けなかったが、先日、朱鞠内湖へのワカサギ釣りに行ってきたという。この後、白老沖のサクラマス釣りの予定も入っていることで、ほっと安心すると共に2月5日にワカサギ釣りに出かけることを約束した。旭川の友達も誘ってみるということで「旧討ち入りの会」の4人が遊水地に合流することになった。テント等一式は私が持って行くことにした。
     旭川を5時に出発するということなので、私も5時には出発し、3人を待ち受けることにした。朝起きてみると車庫前には20㎝ほどの雪が積もっていたが除雪車が入っていなかったので雪を漕いで出発した。途中、遊水地入口にあるローソンに立ち寄ったが、おにぎりは全て売り切れていた。遊水地に向かう釣り人が買い切ってしまったのか? 幸いにもというべきか、辛うじて売れ残りのサンドイッチが1個あったのでそれを買った。
     遊水池には6時少し前に着いた。管理棟駐車場の入口には車止めが置かれ、1台の先行車が開ゲート待ちしていた。間もなく管理人が出てきて車止めを退けてくれ、すぐに後続車も入ってきた。遊水地周りにある堤防を進んで、前回下りたところを探したが、砂川も大雪で下り口が見当たらなかった。前回の場所は、しばらく利用した釣り人がいなかったようだ。新しく下りる道を開拓する元気もなく、一方通行の道をバックして本来の駐車場に車を停めてから管理棟前の坂道を下りていった。
     丁度、テントを張り終えた頃に旭川組がやってきた。中川氏はしっかりとした足取りで池の畔の急坂を下りてきたので電話を受け取ったときよりも更に安心した。それぞれを迎え入れてから竿に仕掛を結び池底に落としていった。深さは5m程である。まずは底付近を漂わせるとアタリがありワカサギが釣れた。

     今日がワカサギ釣り3回目となる土田聡氏は若田忍(討ち入りの会姓:大石内蔵助)の全面的な支援(仕掛の提供、竿やリールの取り扱い、エサつけの仕方、魚の取り込み方等々)を受けて、仕掛を落とした。初心者にも拘わらずワカサギを次々とあげていく。若田氏の丁寧な指導が功を奏したのだろう。それでもって若田氏が仕掛を落としたのは、入釣から30分程を経過した頃である。

    ジジイ群団の世迷い言
     若田氏が電動リールに替えたことで、対抗心を燃やした中川氏も電動リールにした。手返しが早くなったが釣果が上がるようになったかは謎である。アタリが少ないことから、若田氏が仕掛を2連結にした。仕掛が長くなる分、仕掛の絡まりに対応しなければならない。それで、車のスノーブラシを改造したポールを持ち込んでいた。伸縮自在だから仕掛の長さに自由に対応できるようにもなっている。私も前回から1本竿立てを持ち込み、エサつけ時等に利用するようにしていた。
     換気はマメに行った。旭川のコロナ集団感染も治まった。岩見沢も感染者数60を数えてからこのところしばらく出ていない。まあ、大丈夫だと思う気の緩みから感染が広がっていく。特に私たちは70歳を過ぎた高齢者だ。テント上部の風穴は開けっぱなし、それぞれが何度も小便や喫煙に出る度に自然換気することになった。石油ストーブに乗せたヤカンからはシュンシュンと蒸気が立ちこめている。湿度が高いほうが感染力を弱めるとのことだ。

     各々が釣りに精を出しながらも自ずと話題が持病の話になった。「一応自宅や畑を持っているのだから地主」ということから痔主に。いぼ痔、切れ痔の詳細な話からウサギのうんちに。「俺の知り合いに肛門科の先生がいるので紹介してやるぞ。」だが皆、手術になることが恐ろしいのである。この歳になっても臆病なのである。
     エサがなかなかつけられないでいると、若田氏がゴーグルのようなハズキルーペを取り出した。かけてみると目眩がしてくる。「近くだけを見るのだ」といわれてもそれが出来ない。テレビの音が聞こえづらいので、字幕スーパーを頼るようにもなってきた。
     「現役の頃の仕事がきついときには煙草を1日に2箱を空にしていたが、今は本数を減らし1日10本を限度目標としている。」「俺は1日6本だ。それなら止めれば良いのにといわれてしまうが止められない」「特に釣りに出かけたときは大幅に更新?してしまう」「ヘビースモーカーだったのだが世間の風潮に抗しきれず、惨めな思いをしている」「香りの良い煙草ならテント内で吸ってもいいぞ」「知らないうちに値上げされてしまって、馬糞のような匂いがする安煙草を吸っている」など諦めや愚痴がつい出てしまう。
     「氷が割れたら、自分たちはお仕舞いだろうな」「それは間違いないな。でもそんな心配をすることはない。自分たちはもう十分に生きてきたと思うぞ」「もういつ死んでも思い残すことはないと口では言ってきたが、死の声が聞こえてくるようになると、また生に対する執着心が出てくるものだな」

     10時を過ぎるとやはりアタリは遠ざかってしまった。アタリがピタリと止まったときに限って25㎝ほどのウグイが釣れてきた。ウグイを釣りあげてしまうとアタリがまた復活することが続いた。私に今までのウグイとは違う大物と思わせる大きな引き込みがあった。丁寧にやりとりを繰り返しながら引き寄せていると、道糸が氷穴の縁で擦れたらしく仕掛ごと持って行かれてしまった。姿を見ることができなかったことをいいことに、サクラマスやニジマスの大物だったかもと思ってしまう。

     私の釣果は162匹だった。それぞれ十分な釣果ではなかったが、久し振りにバカを言って腹の底から笑ったのでいい気分転換になった。おっとコロナには、大きな笑い声は禁句だったか? しかし、寒いオヤジ(ジジイ)ギャグを言って、政治家の悪口で鬱憤を晴らしたのがコロナ禍で溜まっていた憂さを晴らしたことになった。
  • ジジイギャグで鬱憤を晴らした。左から中川和裕氏、若田忍氏、土田聡氏

  •  
  •