Noisy Days in October, 2004

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2004.10.01 (Fri)

[movie] Le Transporteur

 Louis Leterrier 監督作品、2002 年。邦題「トランスポーター」。
 元軍人だが France に移住して危ない運び屋をやっている Frank Martin (Jason Statham)。ある日彼は、手荷物一個の仕事を請け負う。しかしその中には美人姉ちゃん Lai (Qi Shu) が入れられていた。それでも仕事をやり終えた Frank だったが、その報酬は Frank の車が爆破されるという形で支払われた。Frank は依頼主の館で大暴れして落とし前を付けたが、そのどさくさに紛れて Lai も助けてしまう。さらに組織は Frank の館に報復の銃弾をぶち込んでくる……やがて Frank は、Lai から組織が人身売買をしているとの話を聞き、その事件に深く関わることになっていく。

 運び屋と言いながら中身は拳法格闘家な Frank さんであります。そういう映画は Steven Seagull や Jean-Claude Van Damme にやってもらってください。
 Frank さん、設定上は cool な運び屋らしいんですが、自分の掟は守らない、ハダカの女に甘い、直ぐ人を信用する……と駄目振りを発揮。強盗団は間抜けすぎ、Lai は状況を弁えぬ躁病女、Tarconi 刑事 (Francois Berleand) は身内よりも拘置所の怪しい男を信用する非常識男……と、これまた無理矢理な布陣。こういう人たちのお話なので小生は途中で寝てしまいました。この場を借りてお礼を言わせていただきます。熟睡できました(爆)。
 "Lock, Stock and Two Smoking Barrels" は良い映画だったのに、Jason Statham、この調子だとどんどん安くなってしまうんでないかいな。

diary

 喉の調子は相変わらずよろしくない。唾飲むだけでも苦痛。楽になりたいのぅ。

log modified: 2004/10/03 03:10:36 JST

2004.10.02 (Sat)

get
  • Boredoms / Seadrum, House of Sun
  • Dark Comedy / Funkfaker: Music Saves My Soul
  • Slam / Year Zero
  • Steve Reich / Early Works
  • Don Cherry / Eternal Rhythm
  • Soup / (no title)
  • Otomo Yoshihide / Anode
[movie] Drunken Master II

 Liu Chia-Liang 監督作品、1992 年。邦題「酔拳 2」。
 清朝末期。武道家でもあり薬事にも詳しい Wong Kei-ying (Ti Lung) の息子である Wong Fei-hung (Jackie Chan) は、若くして酔拳の達人となっていたが、父親から酔拳の使用を固く禁じられていた。Kei-ying と共に薬草の買い出しに行っていた Fei-hung は、その帰り、薬用人参の入った箱を盗人に取られてしまう。犯人を追いかけていったところ、同じ箱を狙っていた Fu Wen-Chi (Lau Kar-Leung) と戦う羽目になるが、何とか箱を奪還。しかし箱の中には、薬用人参ではなく中国皇帝の玉爾が入っていた。それは英国領事館が母国への手土産にしようとしていた宝物だった。そのため、Fei-hung は玉爾を狙う暗闘に巻き込まれることになる……。

 前作は未熟な青年の成長物語として筋の通った映画にしてましたが、続編の方は何だかごちゃごちゃした展開でしたなぁ。とはいえ拳闘の場面は流石に気合いが入ってます。歳取っても更に高みを目指す、その妥協の無さこそ Jackie Chan なのであります。うひゃ、頑張りすぎ。
 しかし笑いを取ろうとするあざとさが裏目に出ていて、それが映画の印象をちぐはぐにしてしまっている。まぁ、それも Jackie 映画らしいんだけど。

 ラスボスの脚兄貴 (Kenneth Low) の美技を観ていると、vf4 の対 Sarah 戦を思い出して非常に息苦しくなったりします。いや、苦手なもので……。

[news] RECLOOSE, joins the Peacefrog camp.

 Peacefrog から、2005 年の春に 2nd album を発表予定とのこと。

diary

 Slam と Dark Comedy の album、日本盤出てました。techno 冬の時代も雪解けだと良いんですが。

 で、今頃 Helmet 再結成という news に仰け反ってしまったわけで。丸くなってるとやだなぁ。

log modified: 2004/10/03 04:26:44 JST

2004.10.03 (Sun)

[movie] Chinatown

 Roman Polanski 監督作品、1974 年。
 1930 年代の Los Angels が舞台。私立探偵の Jake Gittes (Jack Nicholson) はある日、裕福そうなご婦人から夫の浮気調査の依頼を受ける。彼女の夫は水道局の部長 Hollis Mulwray (Darrell Zwerling) で、彼は町が水不足解消のため押し進めようとしている dam 建設を、地盤が緩いため逆に災害の元になると主張して反対していた。Jake は地道に調査を進め、Hollis が水のことばかり考えている生真面目な男であり、その一方で若い女性と船遊びもしていることを突き止める。しかしそれが何故か新聞にすっぱ抜かれ、また Hollis の妻である Evelyn Mulwray (Faye Dunaway) から名誉毀損で訴えられかける。Evelyn は最初に浮気調査に来た女とは別人だった。その数日後、Hollis は立入禁止の貯水池から溺死体で発見される。事件に疑いを持った Jake は深夜に貯水池に忍び込むが、そこで水不足の最中なのに放水していることを知る。そして謎の二人組に、この事件から手を引くよう脅され、その際に knife で鼻を少し切られる。それでも Jake は自らの信念に従って調査を進め、事件の背後には水道局内での利権争いや、かつて水道会社を Hollis と共に経営していた Noah Cross (John Huston) の野心があること、そして Evelyn が Noah の娘であり、Hollis の浮気相手が Evelyn とも関係のある意外な人物であることも知る。調査が進むにつれて Jake と Evelyn は男女の仲にまで発展するが、その一方で Jake は、Evelyn が黒幕ではないかとの疑いを捨てきれない……。

 Roman Polanski と言えば血飛沫で怪奇で謎謎謎という印象があるんですが、まぁそれだけ "Macbeth""The Ninth Gate" が強烈だったってことでもあるんでしょうなぁ。で、この "Chinatown" は Polanski 監督作品にしては真っ当な hardboiled 映画であります。生々しい死体描写や鼻血ブーな場面に Polanski 臭はありますけどね。
 組織や権力者の企みに個人の力で立ち向かおうとするとか、大事の前の小事にはこだわるなとばかりに立入禁止の場所に不法侵入したり飯屋の新聞や登記所の台帳を勝手に破って持ち帰ったり、事件関係者の美人さんとはすぐ仲良くなったりするところが、Philip Marlowe 的な優男型の私立探偵ぽいわけで。そういう役柄にこの頃の Jack Nicholson は適役と言えるでしょう。善悪ではなく自分の信念に従う男の顔。こういう顔だとどんな役でもこなせそうだし、得な顔ですなぁ。特に今作では鼻血ブー後の gauze 当て顔がまた強烈です。キャラ勝ち。相手役の Evelyn を演じる Faye Dunaway も色気があってよろしい。bed から身を起こしたときの裸の背中に色気があって。あと特筆すべきは Noah Cross 役の John Huston。登場したと思えばいきなり Jake の名前を呼び間違えまくったり、Jake の問いかけをボケ老人の振りでとぼけようとしたりで狡猾な老獪爺らしさを発揮。笑みを絶やさず、地元の名士らしい人柄の良さを appeal しながらも、自分の望むとおりに事を進めるためならどんな手段を取ることも厭わないという腹黒い一面も持つ、大人な悪人振りでした。
 story が結構入り組んでいて解りにくい、派手な action が少なくて盛り上がりに欠ける、ってのが難点と言えば難点ですが、様々な謎が二転三転しながらも一枚ずつ剥ぎ取られていく様は、hardboiled novel の手法を忠実に映画で表現しているようでもあり、個人的にはかなり誠実な作品と思いました。その誠実さの極みは、やはり悲劇で終わる点にあるのではなかろうか。hardboiled は敗者の文学である、と言ったのが誰なのかは知らないが、強かな探偵は最後に読み違え、個人は組織に敗れ、男女の夢は虚空へと消える。chinatown の仕事は手抜き仕事、全て忘れてしまえ……。作品の中で反復されるそういった台詞が、この映画の隠れた方向性を暗示している。Jake は敗者としてしょっぴかれ、全ては Noah の思い描いていた通りに進むのだろう。切ない現実感が見終わった後に効いてくる、そういう映画でした。

 音楽は大御所 Jerry Goldsmith が担当。小編成で鳴らされる、乾いた詩情を帯びた score は見事でした。

diary

 本屋に行っても買う物はなし。未読の本が山になってるから、そっちを先に片付けないとなぁ。

log modified: 2004/10/04 03:19:42 JST

2004.10.04 (Mon)

Miroslav Vitous / Emergence

 Miroslav Vitous (b) の bass solo album、1985 年録音。ECM から。
 この人は Chick Corea の "Now He Sings, Now He Sobs" で bass 弾いてた人。あの album は bassist 即ち地味という先入観をぶち壊してくれる傑作なので小生も散々聴きました。その後も Terje Rypdal や Jack Dejohnette と組んで ambient な album 作ったりして、ふと気が付けば Vitous の音に接してるという展開がちらほらとありますな。そんなこんなで微妙に注目している bassist さんです。
 で、この bass solo 作。何せ楽器は bass のみ、overdubbing は一切無しという世界です。でも適度に melodious で間を生かした音作りに仕立てていて、流麗な弓弾きも披露。早弾きでも安定しまくりな technician 振りも垣間見えますが、基本は内省的で丹念な演奏。図太い低音が余韻を残しながら減衰していく様に震えます。
 まぁ bass 一本での album なので万人向けとは言い難いんですが、丁寧な作りが光る佳作と言えます。秋の夜長に浸りたい時に聴きましょう。

diary

 ここ数日、目が覚めると喉が痛いという症状に悩まされていたので、対策として口に tape 張って寝たわけよ。すると……寝てる間に窒息して死にました。嘘。喉はそれなりに快適な状態で目が覚めました。
 そのせいかどうかは知らないが仕事中は眠かったなぁ。今日が〆切のネタに手間取って残業。仕事後はゲセンにも行かずに帰宅。疲れた……。

log modified: 2004/10/05 02:36:45 JST

2004.10.05 (Tue)

Domu / Discotech EP

 west london の奇才、Domu の 2004 年作。
 ええと、disco で house で detroit techno というのが本作の concept ですかね。Domu の噛んだ track はどこかしら手抜きで踏み込みの甘い印象があるんですが、そこが奥ゆかしいというか、Jazzanova 一派のようなごった煮で満腹な詰め込みがない分だけ、風通しが良くて susumu yokota 的な隙間を感じたりもします。本作は意図的に house 狙ってるだけあって、Rima や Yotoko 名義作に比べれば jazz 度は低め、でも detroit 的な伸びやかな synth が印象的な track が多くて個人的には良い感じです。特に tr.5 "Not In Common"、tr.6 "The Long Way Up"、tr.7 "Howe Change" の synth 三連作の流れが美しい。そして締め括りは Marc Mac の手による tr.8 "The Long Way Up (Nu Era RMX)" で泣き必至。こういう展開があるから Domu 離れできんのじゃよ。この調子で次もよろしくです。

[news] 東芝、RDシリーズのセキュリティ設定を呼びかけ [itmedia]

 セキュリティ機能を on にしとけ、ということらしい。素直に従っておきますか……。

diary

 CEATEC 開幕しましたねぇ。vodafone 関係の news が少ないところに時代の流れを感じます……。

 今日も風邪気味でへろへろ。

log modified: 2004/10/06 02:22:13 JST

2004.10.06 (Wed)

Chick Corea and Return To Forever / Light As A Feather

 R.T.F による 1972 年録音。Chick Corea (p)、Flora Purim (vo, per)、Joe Farrell (ts, fl)、Stanley Clarke (b)、Airto Moreira (ds, per) による演奏です。
 カモメジャケの album と同じ年に録音されただけあって、雰囲気もかなり似てます。でも演奏的にはこっちの方が好調かな。Chick は rhodes piano 弾きまくってるし、曲調も brazilian taste な躍動感に溢れているし。静のカモメに動の羽、という印象。何せこの album には tr.6 "Spain" が入ってます。小生は acoustic 版の方が好みではありますが、初演 ver. ですからねぇ。Chick 好きなら避けては通れぬ道でしょう。
 この頃の Chick は優れた演奏家であり作曲家であり、また未知の世界を具現化しうる organizer でもあったんだなぁ。fusion が明確な形を成していなかった頃の、その時代故に成立し得た fusion sound。面白い時代だったんだろうなぁ……としみじみ感じ入る秋の夜でした。

diary

 そろそろ査定の時期ですか。今期はいまいち動けてない気がするなぁ……。

log modified: 2004/10/07 02:33:07 JST

2004.10.07 (Thu)

diary

 仕事行って昼礼で speech。課内持ち回りの儀式なもので。まぁ、それなりに笑っていただけたようで何より。

 隣に座っている某氏と仕事の話をしていたら、某氏が話しながら目薬差したのでちょっと吃驚。顔を上向けずに差したように見えたので。思わず「も一度再生よろしく」とお願いしてしまいました。
 どうも、下目蓋を引っ張って窪みを作り、そこに滴を落としているらしい。器用だ器用すぎる。と話したら「これが正しい点眼法です。TV で西川き○しが言ってました」と真顔で返されました。ほんとかよ。小生も練習してみます。

 二十代半ばの独身男性同僚が Glay の live を見に行ったとのことで早速からかいに……否、話を聞いてみる。

はみ 「足太い女子高生にモミモミされましたか?」
同僚 「されません。客層は老若男女です」
はみ 「老若男女って本当かにょ?」
同僚 「本当です」
はみ 「でも女性多かったでしょう?」
同僚 「自分の親くらいの人も嬌声上げてました」
はみ 「その方々とお近付きになって犯行に及んだのですか?」
同僚 「違います。これは何の取り調べですか?」
はみ 「質問を変えましょう。あなたにとって Glay とは何ですか?」
同僚 「ろっくばんどです」
はみ 「びじゅあるばんどではないのですか?」
同僚 「びじゅあるだけで Glay を語る時代はもう終わっています」
はみ 「貴方は Glay の何処にろっくを感じますか?」
同僚 「我が道突っ走っているところです」
はみ 「それはどの曲聴いても同じに聞こえるということですか?」
同僚 「fan の期待を常に裏切らないということです。だから大衆が付いてくる」
はみ 「老若男女が付いてくる、と」
同僚 「そうです。だから僕も一生付いて行くでしょう」

 その後、The Who 命の別の同僚に「Glay って最高すよ老若男女すよ」と勧めてみたところ、呵々大笑されました。

 ちなみに小生は Glay 嫌いではありません。CD も 1 枚だけ買いました。接客用でしたが(爆)。それも実家の CD 整理した際に演歌好きのお袋にあげましたが、聴いたかどうかは謎。TRF は聴いたらしい……。

log modified: 2004/10/09 02:24:25 JST

2004.10.08 (Fri)

diary

 平日ですが小生は休日。仕事場がお休み日なもので。

 というわけで病院へ。顎の下あたりに少し脱色している部分があって、実家に帰るたびにお袋に「医者に見せろ早く見せろ放っておくと手遅れに」とうるさいので。実生活に支障はないので今までほったらかしだったんですわ。
 で、皮膚科のお姉様なお医者様の話では、何とか性白斑なのだそうな。免疫の異常が元で、色素細胞が上手く機能しなくなり色が抜ける、とのこと。根本原因は現状不明。はぁ、左様ですか……。
 つーことは一生直らないってことかいな、と訊いてみたらばそうでもないらしく、放っておいて普通に治ることもあれば塗り薬で治ることもあるらしい。そんな感じで塗り薬を get しました。
 まぁ効いたら儲け物、くらいの感じで塗り塗りしてみましょう。

 vf4ft、地道に勝率下降中。

[movie] Any Given Sunday

 Oliver Stone 監督作品、1999 年。
 american football team の Miami Sharks は、長い歴史と伝統を誇る老舗の team だったが、成績不振に苦しんでいた。その状況に追い打ちをかけるように、team の柱である veteran の quarterback、Cap Rooney (Dennis Quaid) が試合中の事故で負傷、戦線離脱してしまう。team の head coach を務める Tony D'Amato (Al Pacino) は無名の若手、Willie Beamen (Jamie Foxx) を起用する。Willie の若者らしい tricky な発想により、team は連勝を重ねる。しかし coach の指示を無視し、star 気取りで突っ走る Willie は、他の team member の信頼を失っていく。Tony は歳の離れた Willie に、team の quarterback がどのような存在なのかを教え込もうと手を尽くす。一方、team owner の Christina Pagniacci (Cameron Diaz) は、父親から受け継いだ Miami Sharks を、経営不振を理由に売りに出そうと考えていた……。

 スポ根! スポ根! スポ根!
 古い時代に生きた男が、新しい世代の選手に人生訓を垂れ、世間知らずで合理主義な娘に先代 owner の偉大さを吹聴する映画。映画初頭で呈示される様々な問題はスポ根な展開で解消され、老兵は有終の美を飾る……と見せかけてごにょごにょ。まぁ最後を除けばスポ根 theory に則った出来なので、熱い男の物語が好きな方にはお勧めできる作品でしょう。Christina が花を添える程度の存在感しかないのも宜なるかな。
 試合前の Tony の演説が一番盛り上がるところ。おっさん医師と Tony が言い争う場面もいいですねぇ。football の試合場面で slow motion が多用されるのには萎え。全体的には普通な映画という印象でした。

log modified: 2004/10/10 01:57:55 JST

2004.10.09 (Sat)

get
  • Gov't Mule / Deja Voodoo
  • Radiq / Graffiti & Rude Boy 67'
  • Date Course Pentagon Royal Garden / Stayn' Alive, Fame, Pan-American Beef Stake Art Federation 2
  • 藤木 稟 『テンダーワールド』
  • ジャン=ミシェル・アダン 『物語論 プロップからエーコまで』
log modified: 2004/10/10 01:04:34 JST

2004.10.10 (Sun)

[movie] Heat

 Michael Mann 監督作品、1995 年。
 プロの泥棒 Neil McCauley (Robert De Niro) は、手下の Chris Shiherlis (Val Kilmer) や Michael Cheritto (Tom Sizemore) と共に現金輸送車を襲ったが、新顔の Waingro (Kevin Gage) が誤って警備員の一人を射殺してしまう。口封じのため他の警備員も射殺して Neil らは行方を眩ました。市警殺人課の Vincent Hanna (Al Pacino) が事件を担当することになり、Vincent は血眼になって Neil の足取りを追う。Vincent は仕事に没頭するあまり家庭を顧みない男であり、妻の Justine (Diane Venora) や娘の Lauren (Natalie Portman) との家庭生活も上手く行っていなかった。一方、Neil はドジを踏んだ Waingro を始末しようと謀るが、事を成す前に逃げられてしまう。それでも一仕事終えた犯罪者たちは束の間の休息を得る。Chris は愛妻 Charlene (Ashley Judd) の元へ戻るが、Charlene は Chris が賭博で金を使い込んでいることを激しく責める。Neil は酒場で書店員の Eady (Amy Brenneman) に声を掛けられたことからいい仲になる。そんなとき、仕事斡旋屋の Nate (Jon Voight) から Neil に、銀行襲撃の仕事の話が来る……。

 "Any Given Sunday" に続いて Al Pacino 主演作繋がりで。泥棒と警察の professional 同士が戦うというお話。
 この映画、観るのは多分 2 度目なんですが、前に観たときはとにかく地味という印象しか残らなかったように思います。観直してみても「プロ同士の鬩ぎ合い」という点での面白さはあまり感じられない。つか Neil の行動がプロに見えない。街中の飯屋出たところで Waingro を始末しようとするところ、そこは人気のない郊外あたりへ誘い出した方が確実じゃないのか。身軽が信条と言って家具も買い揃えないくせに堅気の姉ちゃんに熱上げたりするし、最後に逃げ込むのが空港の滑走路付近じゃ身を隠すネタも無いだろうが。馬鹿馬鹿馬鹿。追い詰める側の Vincent もいまいち。というか良い部下に恵まれていないらしく、Neil らの犯行現場を押さえようと張り込んでいるときには部下が立てた音に反応されて逃げられるし、Neil 一味を一時は盗聴器と尾行でほぼ完璧に把握したのにどちらも不首尾に終わって結局行方知れずにしてしまうし、Charlene を餌にして Chris を誘き寄せた際にも偽造 passport を見破れず取り逃がしてしまう。まぁその辺は、犯人側の手際良さを引き立てる効果もあるんでしょうな。でも犯行直前の Neil と Vincent が顔合わせて一緒にお茶しながら人生を語り合うってのは……お互いそれでいいのか? どちらも手の内曝しすぎに見えて仕方がない。そういう趣向は、Neil がわざと Vincent を埠頭に導いて顔を確認する場面だけで充分じゃよ。さらに最後の握手。あああ握手! やりすぎですやりすぎですそこまでやられると泣けません泣けませんてば。
 そういうわけで、professional な二人の熾烈な頭脳戦を期待して観ると見事に「どこが Heat だよ全然熱くねぇじゃねーか!」と罵詈雑言浴びせたくもなるんですが、heat には俗語で警察って意味もあるらしいですよ旦那。で、作中で Neil の愛用の台詞は "Don't let yourself get attached to anything you are not willing to walk out on in 30 seconds flat if you feel the heat around the corner." だそうで。べた訳だと「警察の気配を感じたら 30 秒で逃げ出せ、それが出来なくなるようなモノはそもそも持たない身にしておけ」てとこでしょうか。映画の title もここから来てそうですが、でもね、そのまま熱量と考えても良いんですよ多分。実は人間関係の中で生じる熱量の変化を描いた作品とも捉えられますし。
 Vincent と Neil、coin の表裏のように対照的な二人ですが、それは女性関係も同様。Vincent と妻の Justine は、一旦は破局寸前まで状況が切迫しますが、義理の娘 Lauren の自殺未遂を契機にして Justine は Vincent を受け入れるような気配を見せます。一方の Neil は、自らに課していた掟を破って Eady に心を寄せてしまう。計画が不首尾に終わった後、Neil は素性を Eady に明かして一緒に高飛びしようとする。一旦は同行を拒否しようとした Eady だが、結局 Neil に付いていく。しかし Neil は、最後の仕事を終えて Eady の居る車に戻ろうとしたときに、こちらへやってくる Vincent に気付き、Eady を残して滑走路へと逃げ込む……。一人は冷めた夫婦仲を修復し、一人は望んだ女を手に入れかけながらも、彼女を事件に深入りさせないために去る。まぁこの勝負、自分の rule に忠実になれなかった Neil の負け確ではあります。しかし、人生が理屈では割り切れないというところが何とも人間臭いわけで、そこを巧みに描いたのは見事。高飛びの手配を整えた Neil は、Nate から「これで君は自由だ」と言われる。隣に最愛の女性を乗せた車は、その瞬間 tunnel の照明に当てられ、闇に包まれていた世界は真っ白に変わる……ここの演出は美しいの一言。その後、次第にまた暗くなっていくのも、その後の展開を暗示していて良好。
 主演格二人だけでなく、Chris と Charlene の couple や、銀行強盗直前に雇われた Donald Breedan (Dennis Haysbert) とその恋人とか、とかく男女の絡みが pick up されます。事件を軸にしながら、その背景にある様々な人間関係も一緒に描き込むことで、作品に重厚さを出そうとしている様子。ただ、流石に盛り込みすぎの印象も残りますなぁ。何処が肝になる scene なのか解らないので、何気ない shot に見えても気が抜けないし。その妥協の無い作りが Michael Mann 監督らしいとも言えるんですが、視点が飛びまくる上に Vincent と Neil の戦いも描かねばならんとなると、個々の episode が消化不良気味になるのもやむを得ないか。もう少し焦点絞って撮ってほしかったな。
 まぁ何だ、格好良い Robert De Niro と Al Pacino を拝みたいときに観ると楽しめる映画ではあります。

log modified: 2005/04/11 00:50:45 JST

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