Noisy Days in August, 2004

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2004.08.01 (Sun)

get
  • Panasonic / LF-P667C (portable DVD multi-drive)
  • Hori / Real Arcade Pro. (game stick for PS)
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 む、ウチの note PC は USB 1.1 だったか。USB 2.0 用の controller 買わないと、市販の DVD とか観るのは辛そうだな。

log modified: 2004/08/02 02:56:39 JST

2004.08.02 (Mon)

Umek / Audio

 Slovenia の minimalist、Umek の 1997 年作。
 2002 年発表の "Neuro" でのメロメロな展開が嘘みたいな、ド直球の minimal techno です。精神性や叙情性なんて端から放棄、荒削りな音でがつんがつんと攻めまくる。わお。Umek ってこんなに一本気な人だったのか。
 この荒々しさは気分を高揚させるというよりむしろ荒廃させると言った方が適切かも。hardcore punk にも通じる、出口無しの暗黒世界。真夏の肝試し的な一枚と言えようか。まぁ何にせよ、怖い album です。

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 昨夜は暑くてあまり寝られず、なので今日はへろへろでした。謎仕事も舞い込んできてかなり消耗。体調に気を付けねば……。

森 博嗣 『恋恋蓮歩の演習』
 たちまち池を横断して、二人が乗ったボートは再び売店の前の岸辺まで戻ってきた。
「降りる?」保呂草はボートを岸につけながらきいた。「それとも、僕が降りるのかな?」
「今からどこかへ二人で行っても良いわ」亜樹良は多少違った声で話した。その台詞が小型レコーダで再生されたものだったとしても、保呂草は驚かなかっただろう。
「それは意外だ」保呂草は今度は吹き出した。「いや、すまない」彼は首をふる。「実は予想外でもない」
 しかし、亜樹良はじっと彼を見つめている。
 沈黙。
「もしかして、それも脅しかな?」保呂草は囁く。
「降りる」バッグを手に取り、彼女は立ち上がった。(page 94)

 って、ここだけ引用すると片岡義男の昔の小説みたいですが、ちゃんと V series ですのでご安心を。講談社文庫版で読了。
 紫子は保呂草の誘いで豪華客船ヒミコ号に乗り込み有頂天。保呂草は仕事がらみで乗り込んでいるのだけれどお土産選びに余念がない。保呂草たちを見送りに来た紅子は仮病を使ってヒミコ号にただ乗り、練無も巻き添えくってただ乗りしておろおろ。でもって紅子の知り合いである大笛梨枝も恋人と一緒にヒミコ号に乗っていたのだけれど、その恋人が銃で撃たれて海に落ちてしまったらしい。うひゃあ大変だとごつい警備員の片平がどたばたしているうちに、大富豪の鈴鹿が船に持ち込んでいた絵もいつの間にか消失。その絵を狙っていた大富豪のボナパルト氏も同じ船に乗っていたので話がややこしくなり、遂には管轄外なのに祖父江七夏までがヘリで船に乗り込んできて捜査の指揮を執り始める……。
 今回は助走がやたらと長い分、事件が起こってからの展開は引き締まっていた感じ。梨枝の彼氏ドボンの謎と、絵画消失事件とで引きを二つ作ってます。でもってその糸引きをしてるのが鈍くて華麗な泥棒ということで、いやはや保呂草さん、あんた悪い男だね。
 練無も紅子さんも、言動が紫子さん化しているような気がする、てのは気のせいにしておきましょう……。

log modified: 2005/01/22 13:17:37 JST

2004.08.03 (Tue)

Gastr Del Sol / Camoufleur

 David Grubbs と Jim O'rourke の Unit、Gastr Del Sol。そこに Oval こと Markus Popp も加わっての作品で、1998 年発表作。
 面子から予想される通りの folktronica な音像です。牧歌的なメロの冴える minimal acoustic な guitar に vocal、弦楽器や管楽器も多く配して昔懐かしのゆるゆるな mood を作り上げてます。そこにさりげなく、本当にさりげなく noise が混じり込んでいる。本来 noise は異音であり雑音である筈なのだけれど、ここでは空気と調和し郷愁を煽るような優しさが感じられる。それは例えば、LP 盤を鳴らしたときの針の擦過音や、窓ガラスの向こうを吹き渡る風のような音を連想させる。擬似的な作りでありながら自然でもあるという不思議。Gastr Del Sol の疑似懐古趣味がここで臨海点を迎えたのも納得の傑作。1998 年だからこそ生まれ得た、境界線上の album ですなぁ。

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 今日のお勉強、FQDN。いきなり仕様書の中に出てきてなんじゃらほいな感じでしたが、はぁ、そういう意味ですか。

log modified: 2004/08/04 02:28:41 JST

2004.08.04 (Wed)

Thunderhead / Were You Told The Truth About Hell?

 german metal band、Thunderhead の 1995 年作。
 speedy な曲の多い metal ですが、新味は欠片もないので普通な出来。melody も印象に残らないし。まぁ、tension だけは高いので景気づけにはいいかも。

筒井 康隆 『ジャズ小説』
 その月の収入はついに三十万円を切った。家賃を支払ったり楽器の修理代を払ったりしたあと、国彦は食費にまで困るようになった。一度、飯代がない、と言うと平田は恩に着せるようにレストランで夕食を奢ってくれたりしたのだが、そんな料理の味などわかったものではなく、以後国彦は彼からレストランに誘われても断り、むしろ空腹を我慢するようになった。
 国彦に対して客は、常により以上の過激さを求めた。国彦の演奏はついには人間わざとは思えぬ域にまで達した。狂気であり、鬼であり、地獄であった。その夜のライブで『ザ・サイドワインダー』のソロをとり、十五分以上も吹きまくったあげく、彼はついに倒れた。救急車で運ばれ、彼は病院にかつぎ込まれた。診断の結果は栄養失調であった。(page 117)

 文春文庫版で読了。短篇が 12 篇、disc guide と山下洋輔の長文解説付き。
 全編 jazz に彩られた作品集ですが、雰囲気はいつもの筒井康隆らしい軽ノリなので気楽に読めます。dixieland jazz への郷愁を湛えた SF 小品「ニューオーリンズの賑わい」、暴力 drummer から真夜中じゅう逃げ回る jazz 評論家を描いた「ラウンド・ミッドナイト」、遠距離恋愛の愛憎が latin jazz の狂騒と共振する「ムーチョ・ムーチョ」、恥ずかしがり屋の lion が vocalist として band に加わることによる騒動を描いた「ライオン」等、悲喜こもごもな虚構譚が揃ってます。
 個人的には Ella Fitzgerald の歌声に懐かしさを覚える秘密を描いた「懐かしの歌声」と、天才的な free jazz player とその manager の確執を描いた「ボーナスを押さえろ」が印象的。前者は筒井康隆流の techno 耳解釈、後者は悲劇の天才は実は悲劇だからこそ天才たりうるという話とも読めて面白い。
 disc guide はちと古めの selection。「ボーナスを押さえろ」は Eric Dolphy、Albert Ayler、阿部薫あたりで押さえてほしかったな。

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 SMAF の site なんてあったのか。仕様も公開されていてなかなか好印象。というわけで SMF とは別物ですよ K 井さん。

 時計の band を交換。皮の band が好きなんだけど、夏場は直ぐに痛んじゃうんだよな。
 VF4FT は連敗街道爆走中です。

log modified: 2004/08/05 02:41:52 JST

2004.08.05 (Thu)

Carl Cox / Phuture 2000

 UK の大物 techno DJ、Carl Cox の 2nd album、1999 年作。
 Carl Cox と言えば顔ジャケ、でもこの album は何気にフツーと思ってたらやっぱり顔が(爆)。あんたは techno 界の Phil Collins か。
 音の方は trance、house、minimal を視野に入れた techno で、variety 豊かな展開で楽しめます。良い感じに肩の力が抜けているというか、一曲入魂な気合いはあまり感じられなくて、楽しく踊らせるならいろいろ詰め込んだ方がいいよね、てな風情である。tr.1 "Phuture 2000" や tr.6 "Black Shaolin" といった歌ネタもあるし。この人、artist というよりは entertainer ですな。
 明るく楽しい techno が好きな人は聴いてみるよろし。

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 連日眠くてたまらん。社会人になっても夜型体質は変わらず、か。

log modified: 2004/08/06 02:38:37 JST

2004.08.06 (Fri)

[news] Sony's PS3 to use Blu-ray Disc [CNET news.com]

 前々から噂になっていた件ですが、どうも本当らしい。BD-ROM の仕様策定は 9/30 に終わらせるようです。
 PS2 が DVD の普及を促進したように、Blu-ray Disc も PS3 で押し進めようって魂胆か。今回は HD DVD との主導権争いも絡んでるし。はてさて、どうなることか。

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 仕事の後で、仕事場の納涼祭を少し覗いてみたり。工場だとこういう event があって楽しいです。川越に居たときもこんなのあったなぁ。
 社員以外の一般な人達も意外と多く参加していたのが印象的でした。

[movie] Striking Distance

 Rowdy Herrington 監督作品、1993 年。邦題「スリー・リバーズ」。
 殺人課の刑事 Tom Hardy (Bruce Willis) は、若い女性ばかり狙った連続殺人犯を追っていたが、父親で警官の Vincent と一緒に犯人追跡中に車が横転。意識が戻った Tom は、父親が犯人に射殺されたことを知る。犯人は数日後に逮捕されたが、Tom は警察の内情に詳しい者が真犯人だと言い張り、犯人逮捕を認めようとしない。一方 Tom は、同僚の警官 Jimmy Detillo (Robert Pastorelli) の暴力行為を法廷で公認したことにより、Jimmy を追い詰め河へ身投げさせてしまう。警察内では、Tom は仲間を売った男として白い目で見られることに。2 年後、river rescue に左遷されていた Tom の元に、新しい相棒 Jo Christman が配属される。また、行方不明だった Jimmy の弟 Danny (Tom Sizemore) も町に戻ってきた。そして、再び若い女性の猟奇殺人事件が起こる。被害者が Tom と馴染みのあった女性ばかりであり、Tom に見せつけるように河へ死体を投げ捨てるやり方に、Tom は怒りに燃えて真犯人捜査に当たるのだった……。

 主人公が river rescue という点に目新しさはあるものの、全体的には TV の刑事もの 2 時間 special みたいな作品。story の意外性を追求した作品らしく、Tom に近付いた Jo の真意とか、意外な真犯人とか、Tom の父親を撃ったのはほげほげだったりとかで、終盤はそれなりにばたばたします。でもねぇ、scale 小さすぎ。
 psycho ものとして見ても、観客を怖がらせる仕掛けは殆ど無いし、Tom も macho なはぐれ刑事として孤軍奮闘しているので、終盤になっても追い詰められている感じがしない。真犯人が意外な人物でも、その人物が阿呆面晒してうひょひょと言っておるだけでは面白くなるわけがない。で、幾つか仕込まれているどんでん返し的な趣向は、本筋と噛み合ってないのでその場凌ぎの捻りとしか見えない。そんなこんなで 2 時間 special なわけよ。凡作認定。

log modified: 2004/08/08 23:26:21 JST

2004.08.07 (Sat)

get
  • David S. Ware Quartet / Dao
  • David S. Ware / Surrendered
  • Miroslav Vitous / Emergence
  • Jan Garbarek / Sart
  • Harold Budd / By The Dawn's Early Light
  • Foo Fighters / The Colours And The Shape
  • Foetus / Boil
  • Paul Weller / Illumination
  • Silent Poets / Potential Meeting
  • Yuki Kajiura / Madlax O.S.T.
  • Akino Arai / Natsukashii Umi (CDS)
  • Taito / Strikers 1945 I & II (PS2)
  • Capcom / Street Fighter III 3rd Strike (PS2)
  • Buffalo / IFC-CB2U2V UC (USB 2.0 Interface Card)
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 ちと買い物で日本橋へ。時間も余裕があったので中古盤屋も覗いてみたり。で、この有り様。

 夕立のため避難所に駆け込んでケツイ。1-5 の最後のドッペルまで。色々忘れてて大変でした。
 Chaos Field が入っていたので遊んでみる。正式版で遊ぶのは初めて。んがしかし、どうにも rhythm の掴めない game だねこりゃ。
 公式 HP には攻略情報ページてのも開設されてますが、今のところは自機性能紹介だけで、あまり役には立たないなぁ。

[movie] The Negotiator

 F. Gary Gray 監督作品、1998 年。邦題「交渉人」。
 Chicago 市警察の人質交渉人 Danny Roman は、一仕事終えた後で相棒の Nathan (Paul Guilfoyle) から年金横領のたれ込みがあったと告げられる。横領には市警察や内部捜査局の大物も絡んでいるらしく、信頼できる相手にしか相談できないのだ、と。しかしその相談を受けた後、Nathan から呼び出しを受けて駆けつけた Danny は、車の中で Nathan が何者かに射殺されているのを発見する。翌日には内部捜査局の人間に家宅捜索され、遂には殺人と横領の疑いで起訴される羽目に。無実を証明するために内務捜査局に乗り込んだ Danny は、局の大物 Niebaum (J.T. Walsh) と、同席していたたれ込み屋の Rudy (Paul Giamatti)、Niebaum の補佐役 Maggie (Siobhan Fallon)、たまたま内務局に入ってきた同僚の Frost 警視 (Ron Rifkin) を人質に取って立て籠もる。すぐさま警察の包囲網が敷かれるが、警察のやり口を熟知している Danny が相手なので、どうにもやりにくい。そして Danny は、西地区の交渉人 Chris Sabian (Kevin Spacey) を呼ぶよう要求する。管轄内の人間は買収されている恐れがあるため、あえて外部の人間を引きずり込んで、この事件の真相を暴くのが Danny の魂胆だった。Danny と Chris、二人の交渉人は事件を収束させるために交渉を始める……。

 Chris が Danny に一言、「テメェのやってることは犯罪だ!」。同感。いくら濡れ衣を晴らしても、他人に銃突き付けて監禁したのは事実なんだから、Danny は責任とる必要がありますな。愛する妻の元に帰るためにとった手段がこれではねぇ。まぁ、それを言ってたら映画にならないか。
 3 年程前にも一度観てますが、内容はそれなりに忘れてました。でも Danny がでぶの交渉人に心得を伝授したり、Chris が「Shane は実は死んでるんだよ、少年に呼ばれても振り返らないのがその証拠だ」っていう辺りで漸く思い出してきた次第。そうそう、こういった駆け引きが面白かったんだよな。立て籠もりながらの犯人探し、市警察の動揺、FBI の介入、人質救助のための突入を口実に口封じを謀る一団……と、話の展開も thrilling で良好。
 二人の手練れ交渉人による虚々実々のやりとりを期待していると物足りないと思われることでしょう。しかし、お互いに相手を信用すると言いながらハッタリかましたりして、最後は連携 play で真犯人を逆に罠にはめる、って展開は、交渉人として経験を積んだ二人だからこそのものと思わされる点が見事。Samuel L. Jackson、Kevin Spacey 共に力演でした。

log modified: 2004/08/09 01:46:14 JST

2004.08.08 (Sun)

diary

 帰省準備で note PC の窓 XP 環境整備中。
 DivX player を初投入。これでとりあえずは遊べる環境になったかな。

[news] Momonga Linux 1 リリース [momonga-linux.org]

 開発お疲れさまでした。
 iso は CD だと 4 枚、DVD だと 1 枚。とりあえず CD-R には焼きました。install は後日……。

[movie] Hero

 Zhang Yimou 監督作品、2002 年。
 戦国時代の中国。中原に覇を唱えんと勢力を拡大していた秦、その王である秦王 (Daoming Chen) の前に一人の男が謁見を許される。無名 (Jet Li) と呼ばれるその男は、秦王の命を狙っていた三人の刺客、即ち長空 (Donnie Yen)、残剣 (Tony Leung)、飛雪 (Maggie Cheung) を見事討ち取ったのだという。秦王に請われてその顛末を語り始める無名、しかし彼には、心中に秘したある目的があった……。

 まぁ何だ、最近の中国映画を見ようとすると静止画ぴょーんを如何に笑わずに観られるかって点が評価の分かれ目になるわけですが、この映画は及第点ではないですかね。wire action は使ってますが、それが剣戟の流れを止めてしまうってことには充分自覚的な様子で、大一番での吊り技を敢えて slow motion で撮ることにより、緩急の rhythm を作り出してました。そうそう、必殺技はここ一番で出すのが効果的なわけよ。wire 使いすぎると韓流気道会になっちまうしな。水上の決闘とかはかなりやばい作りで寝かけましたが、あそこは観念の対決場ということで大目に見ようか。
 お話の方はそれなりにくどくどと。長空があっさり倒されてしまった時には今後の展開が危ぶまれ、残剣 & 飛雪戦を 3 度も見せられた時には「こりゃ東洋版 "Lola Rennt" かのぅ」等とうんざりし、でも最後はきっちり落とし前を付けてました。残剣の心中を量りきれなかった無名は、秦王が残剣の書の意図を見抜いた時点で己の敗北を悟ったのだろうなぁ。そして、秦王を封じうる力を滅ぼすことで、後に来る始皇帝の世の安寧を願ったのか。
 Jet Li、ひたすら渋い顔で通してるので重みが出てます。それに引き替え Tony Leung は世を悟りきった役柄なのに泣き顔な優男にしか見えん、Maggie Cheung は悪女にもなりきれんわ清楚さを装うには毒ありすぎるわでかなり微妙。それなりに各人の個性は出ていたので、まぁ面白く観られました。

log modified: 2004/08/10 02:45:58 JST

2004.08.09 (Mon)

David S. Ware Quartet / Dao

 Chico Freeman の "The Outside Within" を若い頃に聴いて思わず仰け反った小生ですが、あのような暗黒 spiritual jazz の潮流に詳しくない小生は、延々と jazz album を収集しつつも心の何処かで物足りなさを感じていたのも事実なのであります。そんなある日、無職で金無くて茹でた新聞食って日々を長らえていた小生は、とある CD 屋の店先で暗黒 jazz の息吹を今に伝える神の声を聴いたのです。free jazz 的でありながら、野太い肉声が咆哮しているような tenor sax を吹かしている。それが、"David S. Ware Quartet / Wisdom of Uncertainly" と小生との出会いでした。

 という嘘とも真実とも知れぬ与太話はさておき、"Dao" は David S. Ware (ts)、Matthew Shipp (p)、Whit Dickey (ds)、William Parker (b) の四人による 1995 年録音。
 いやはややっぱり強烈。後先構わず吹かしまくる Ware、すたばた叩きまくる Whit Dickey、負けじと我が道を突き進む William Parker ……、この三人は放っといたら一晩中でも暴走しつづけて宇宙の彼方まで行ってしまうことでしょう。しかし冷静かつ sensitive に楔を打ち込む Matthew Shipp の piano が、暴走特急をしっかりと制御しているのであります。この人の空気の掴み方は流石に上手い。Ware が吹かしているときの押さえた楔と、tr.5 "Dao Forms" の solo part の半端でない弾け具合の gap に、この pianist の冴えた感性が垣間見えます。この人が後ろにいるからこそ、Ware は安心してぶち切れて居られるんだろうなぁ。
 jazz に失望しかけたときに聴き直すと効果絶大な album でしょう。まぁ人によっては逆効果かも知れませんが……。

[news] ユーザーがIE 7に求めるものは? [itmedia.co.jp]

 アンインストーラですな(爆)。

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 Lei-Fei の投げ間合いって、見極めが難しいなぁ……。今日も負け越し。

log modified: 2004/08/10 02:57:28 JST

2004.08.10 (Tue)

Paul Weller / Illumination

 UK rock 界の若年寄、Paul Weller の 2002 年作。
 solo になって 10 年以上を経て、脱力路線も更に磨きが掛かってます。移り変わりの激しい music scene にあって、地道に我が道進むその姿こそ rock である。でもって殊更真面目を装わなくても british rock の美味しいところを体現できてしまうところまで Paul Weller は到達してしまった様子。かなり普通の大人向け rock な仕上がりですが、やはり渋くて上手くてふにゃあな感じで安心できる一枚。

「なまくらな剣」とは何か

 Wizardry の世界には「なまくらな剣」という item があって、これを装備すると呪われてしまうのであります。そんなことは wiz 界において常識中の常識なわけですが、「なまくらな剣」を装備して「呪われる」のは不思議なことである、と、研究家の間では噂になっていました。

 武器に呪を掛けるのはその武器に何らかの力を加えることであり、それをわざわざ「なまくらな剣」というありがちな名前の剣に掛けているという点がまず腑に落ちない。呪を掛けるならもっと大層な武器に掛けるのが筋ではなかろうか。
 また、「なまくらな剣」と呼称されるくらいだからそれはどうしようもなくへぼへぼな剣なのであろう。即ち外見上の特徴として「なまくら」であることが明らかな剣、と言えよう。そんな見るからに怪しげな剣をわざわざ装備して呪われるなんて、そんなお馬鹿な冒険者がいらっさるなんてお笑いである。しかし現にそういう冒険者はいらっさるのであり、故にこの item も wiz 界では知名度の高いものとなっている。

 この武器については Trebor が新米冒険者教育の一環として地下にばらまいておいたという説が古来より有力でありました。見た目の怪しい武器にほいほい手を出すと痛いしっぺ返しをくらうのじゃ、冒険者たるもの拾い物には細心の注意を払って扱うべし、との心得を伝授するための初心者向けの罠。しかし、この item は結構どの階でも拾えるものであるため、浅い階での初心者教育という観点のみでは充分な説明にはならないと思われます。
 別の説では、熟練の剣士が地下奥深くで非業の死を遂げ、その使い込まれた愛剣も置き去りにされた、そして持ち主の怨念やら地下階の怨霊やらが剣にまとわりつき呪いの品と化した、という曰くもあるようですが、それにしても「なまくらな剣」に見えるわけで、悪知恵に長けているはずの地下階の怨霊がわざわざ「なまくら」に見える剣に取り憑くのも変な話だと思われます。それとも怨霊が取り憑いたから「なまくら」に見えるのか? いややはりおかしい。それならば「あやしげな剣」と呼ぶ方が相応しかろう。誰が見ても「なまくらな剣」であるなら、それが「なまくら」であることには何らかの意味がある筈である。

 長年に渡る研究により、最近では「なまくらな剣」とは貴族の装飾用宝剣であるとの説が有力視されているようです。装飾用の剣の多くが実用に適さないなまくらな剣であることは周知の通り。しかしそうすると、それが地下迷宮にごろごろ転がっているという点、及びそれを装備することで呪われるという点が問題視されます。
 前者については、Trebor による貴族粛正により、地下迷宮に多くの貴族が放り込まれたことが原因であるとの説がありますが、確証は得られておりません。もしかすると異界の門から現れる monster 達が、この世に持ち込んだ品かも知れませんが、それも推測の域を出るものではありません。しかし、多くの階に偏在する理由としてはなかなか説得力のある説とは言えるでしょう。
 また後者の呪われるという特性については、異界の宝物であるが故にこの世の常人が持つに適さぬという説、Trebor に恨みを残して死んだ貴族による怨嗟の呪文が原因とする説、貴族の宝剣を手に入れて有頂天になった貧乏冒険者が捨てるに忍びなくなり、傍目からは「装備して呪われて手放しできない」ように見えるためとする説など、諸説混在しているようです。最後の説については、貴族の宝剣など実用第一の世界では二束三文にしかならないという点を考慮に入れれば常人には考えられない反応なのですが、それでも当人が価値ある物と思い込んでしまえば呪いの品となるという、人の業を端的に現した現象と言えるのではないでしょうか。げに怖ろしきは人の心の闇であります。

 当件については未だ研究の余地があると思われますので、研究者各位のより一層の精進が期待されます。

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 今日も眠かったなぁ。

log modified: 2004/08/11 02:44:24 JST

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