Noisy Days in August, 2006

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2006.08.01 (Tue)

Suzukiski / Ozma

 Ozma ちうと有川雄妻先輩のことでしょうか、等と平均的日本人な反応をしてしまう小生ですが何せ tr.2 に "hint oyaji" と名付けてしまうスキスキスー先生なので迂闊なことは書けないのです。ということで Suzukiski の 2006 年作 album であります。
 初期は danceable で detroit な techno に傾斜していた Suzukiski ですが、作品を重ねる毎に electronica な宅録路線へ shift していき、この最新作では私小説風 chill out なぽよよん音響を展開しております。よくよく聴いてみれば四つ打ちありの free jazz ありの ambient ありので variation 豊かそうな雰囲気ですが、通して聴くと統一感のある album で、それは音が安いとか音色が似かよっておるとかいう level でのみ語れるものではなく、鱸は背伸びしなくても鱸であるというよく解らない自信に裏打ちされているが故の統一感なのであります。でもってそこはかとなく沸き上がってくる懐かしい感情は、小生が techno 聴き始めた頃に感じていた underground で何でもありな自由な音の響きをこの album から感じ取れるが故のものでもありましょう。
 枯れてもなお青いという、今どき珍しい pure techno な作品であります。細々と愛し奉るべし。

log modified: 2006/12/13 01:14:57 JST

2006.08.02 (Wed)

Rei Harakami feat. Ikuko Harada / Colors of the Dark

 Rei Harakami が日本科学未来館の planetarium 用に書き下ろした曲と、Clammbon の原田郁子が谷川俊太郎の詩を読む 1 曲からなる album。2006 年発表作。
 Rei Harakami の音は例によって mellow でまろやか、角のないぽわんぽわんな音による点描と drone で、何時にも増して ambient な雰囲気。人工的な音なのに暖かい。宇宙なのに暖かいのは planetarium だからです。ほんまかいな。まぁ、宇宙の音楽ではなく planetarium の音楽、ということで、Star Trek の theme に比べれば宇宙ぽくないですが和める一枚であります。

log modified: 2006/08/03 02:12:48 JST

2006.08.03 (Thu)

Manabu Namiki & Mitsuhiro Kaneda / Espgaluda II Original Sound Track

 並木学と金田充弘による、Cave の STG "Espgaluda II" の original sound track。2006 年発表。
 さんざん聴いたので今さら言うこともないが全体的に素晴らしい。trance な cliche に彩られてはいるものの、dramatic な melody 展開で聴かせる辺り、やはり王道の game music であります。げせんの五月蝿い音場でもこういう音だと目立って聞こえるので良いです。
 しっかしなぁ、CD で聴いていても頭の中では game 中の画面が auto replay されてしまって、曲展開に合わせてあの弾幕この弾幕と甦ってしまうのはむしろいただけないのです。もう少し忘れた頃に聴けばまた印象が変わるかもしれませんが……。

log modified: 2006/08/04 02:22:37 JST

2006.08.04 (Fri)

栗本 薫 『劫火 (グイン・サーガ 84)』
「何がなんだかさっぱりわからないわ」
 リギアは悲鳴のような声をあげた。
「いったい、何がどうなったというの。いったい、どうして……私を、どこから見ていたですって? 私は……ああ、ディーンさま、本当にあなたが、あの、十六歳でパロを出ていった巻毛の少年のなれのはてなの? それとも、これもなにか黒魔道の手のこんだ罠なの?」(page 183)

 何がなんだかさっぱりわからないわ。早川文庫版で読了。
 ナリス軍を離れて放浪の旅を続けるリギアは、謎の軍勢がナリスの居るマルガへ進軍しているのを見掛ける。それは先日来ナリスに助力しようとしていたゴーラのイシュトヴァーン率いる軍勢で、どうやら掌を返してナリス生け捕りの為に動いているらしい。この事をナリスに知らせようと思い定めたリギアだが道が判らず往生。そこに何故かマリウスが現れ、マリウスとリギアは導師イェライシャの術によりマルガへ送られる……の巻。

 操られているとはいえイシュトがヤンダル側に付いたことで情勢はすっきりしてしまいましたなぁ。まぁグインがどう動くかはまだ解からんのですが。マルガのナリスは風前の灯火であります。また死んだふりとかは無しでよろしく。
 リギアが結局ナリス軍に舞い戻ってしまったのはちと残念じゃのぅ。あんな貧乏神にくっついてもろくなことにはなりゃせんて。

log modified: 2006/08/05 12:39:00 JST

2006.08.05 (Sat)

Isaac Asimov 『The Caves of Steel』
He turned to R. Daneel in an automatically defensive explanation. "Jessie's full name is Jezebel. She is not fond of it and doesn't use it."
R. Daneel nodded gravely and Baley thought: Jehoshaphat, why waste worry on him? (page 200)

 Spectra 版の paperback で読了。
 近未来の N.Y. で、刑事の Elijah Baley は上司の Enderby から Spacer 殺人事件の調査を命じられる。Spacer は郊外に住む特権階級者で、その居住区に一般の人間が武装して入ることはできない。Elijah は Spacer 側から派遣された robot の R. Daneel Olivaw と共に、事件の調査にあたる……。

 もう半世紀以上前の本ですが、ばっちり SF してますなぁ。Elijah の推理も未来ならではの発想で面白かったです。

diary

 revision 1 になったと思ったら次は version a ですか……。相変わらず調整多いですなぁ。

 焼肉はおいしゅうございました。

get
  • A Guy Called Gerald / Proto Acid - The Berlin Sessions
log modified: 2006/08/06 15:06:26 JST

2006.08.06 (Sun)

get
  • Zill O'll Infinite (PS2)
[movie] ルパン三世 ハリマオの財宝を追え!!

 出崎統監督作品、1995 年。TV 映画。
 第二次大戦中にマレー半島で活躍した強盗団の首領ハリマオ、その隠し財宝の在処は熊・鷹・猿の三体の像に隠されているという。首尾良く熊の像を盗み出したルパンは、他の像の在処を知ると言われる元英国諜報部員のアーチャー卿の身辺に探りを入れる。アーチャー卿はユーロトンネルの爆破事故により多額の負債を抱えてしまい、それを解決するため孫娘のダイアナと共にハリマオの隠し財宝を入手するべく動き出す。アーチャーより先に像を奪おうとルパンも行動を開始するが、武装したネオナチ軍団もまた財宝目当てにアーチャーらに迫る……。

 出崎監督作品に戻ってのルパンものということで、古き良き anime な香りが漂いますなぁ。止まっていても動きを感じさせる、ちゅーところに味があってよろしいです。
 character ではアーチャー卿がなかなかの好人物。007 の元になったと言われる凄腕諜報部員だったそうですがその凄腕の程はさほど披露されず、主に不二子とぱやぱやしてルパンを顎でこき使う役回り。良い身分ですなぁ。ルパンはツンツン娘ダイアナに叩かれつつもひたすら approach、五ェ門は時給で働かされ、次元は脇役に徹し、銭形は話に絡む事件に何故か巻き込まれつつも今作ではカップ麺への愛情を伝導する人となっております。変装趣味のネオナチな人も出てきますが印象はいまひとつ。
 お話はどたばたしてそれなりに面白いですが結局それなりで、隠し財宝の正体も南海の大強盗にしては何じゃそりゃな代物で、見ていて驚きは少ない。ということで評価は並であります。

log modified: 2006/08/07 01:16:26 JST

2006.08.07 (Mon)

Helmet / Monochrome

 New York の hardcore band、Helmet の 2006 年作。復活後の第 2 作め。
 tr.1 "Swallowing Everything" の初期 Sabbath 調ダサかっこ悪な riff においおい大丈夫かよと突っ込みたくもなりますが、tr.2 "Brand New" 以降は例によって例の如しな変拍子重低音鉈切り metal ですのでその筋の人はご安心頂いてよろしいかと。面子には首謀者 Page Hamilton (g, vo) を筆頭に、Chris Traynor (b, g)、Mike Jost (ds)、Jeremy Chatelain (b) が credit されております。
 どうやら方向性は原点回帰で、Page Hamilton の song writing による Helmet 節は健在、でもって Mike Jost の真面目な叩きっぷりに好感が持てます。絶妙の溜めと emotional な爆裂が square な配置の中で凌ぎを削るという Helmet ならではの曲展開に、この drummer は上手く適応しておるようです。いつまでも John Stanier の幻影を追い求めてもいかんということかの。
 ただ、やはりというか何というか guitar が平版。というか初期 Helmet を支えた Peter Mengede はやっぱ凄かったんだなぁと再認識させられるのであります。とはいえ、爆音最前線で体張る Helmet の新譜としては充分な出来栄え。若い人も聴いてください。

diary

 いや虫姫さまは苦手なんですが続編出るんすね。

log modified: 2006/08/08 02:18:38 JST

2006.08.08 (Tue)

King Crimson / Lizard

 King Crimson の 1970 年発表 album。
 何この Crimson ちっくな Soft Machine は。って実は Crimson です。管楽器 ensemble や acoustic guitar による中世趣味と jazz 嗜好、初期 Crimson の代名詞とも言える mellotron、そして Gorden Haskell の掠れ声が交錯する psychedelic prog rock であります。
 もう好き勝手にやらかしてええんやという開き直りの感じられる自由気儘な album で、tr.3 "Happy Famlly" なんぞは行き当たりばったりな曲構成がたまらん。tr.5 "Lizard" は大作ですがこれまた焦点定まらぬ怪しさ満点な track になっております。ここでは Yes の Jon Anderson が歌っておりますが Yes の歌に比べてこの邪悪さはどうよ。ということで裏 prog rock 番長たる King Crimson らしい一枚。でも Crimson 初心者にはお薦めできませぬ。

diary

 ずぼんが破けておけつに穴が空きましたとさ。弱いな。

log modified: 2006/08/09 01:53:14 JST

2006.08.09 (Wed)

Jeff Mills / Blue Potential

 techno 仙人 Jeff Mills が、Montpellier National Orchestra と競演した CD & DVD。2006 年発表。Jeff Mills の solo 曲が大半ですが、中には tr.13 "Amazon" や tr.15 "Sonic Destroyer" なんてのも。
 思っていた程 minimal には聴こえなくて、minimal 好きの現代音楽家が beat と弦楽器で人力 techno こさえた風であります。こうして聴くと orchestra てのは音の引出しが少なくて、古の音楽家な人達は音の単調さから逃れる為に dramatic な曲展開へと流れていったんだのぅと思ったりもする。音圧は凄くても単調で乗り悪いにゃ。
 あーでも tr.13 "Amazon" は絶品ですな。元が白玉全開の壮大節なので、full orchestra 化して一層格調高く仕上っております。こういう曲をもっと聴かせてくださいよと。

柴田 錬三郎 『英雄三国志 二』
 周喩は、ほぞをかためた。
 自館に入るや、直ちに使者を遣して、魯粛を呼んだ。
「挙国一致、一兵のこらず、曹操が率いる大軍に当たらんと決した。この決戦、必ず勝たねばならぬ。いや、断じて、勝つ。もし敗れんか、わが江東は中原に併呑され、三代基業の苦心は水泡と帰し、あとかたもなくなろう。……われらに、この存亡の危機に際して、一大決意をなさしめたのは、諸葛亮孔明である」
「その通りでござる」
「それゆえに、孔明を亡き者にいたさねばならぬ!」(page 652)

 集英社文庫版で読了。全六巻の二冊め。
 劉備玄徳は相変わらず方々をふらふら、呂布は曹操の策に乗せられ殺される。曹操の食客に迎えられた関羽は劉備存命と知るや赤兎馬を駆って主君の元へ向かう。曹操は袁紹を下して版図を広げ、劉備は三顧の礼でもって諸葛亮孔明を迎える。孔明は天下三分の計を成すべく、単身で呉に赴き孫権に曹操との決戦をけしかける。孔明の才を恐れた周喩は彼を亡き者にしようと画策する……の巻。
 いやぁ、孫乾て良い奴だなぁと。策士ではないが口上手で、外交官として出世する人でしょうな。頭良さそうに見えて実は足りてない周喩も面白いのぅ。嫁さん取られたくないから決戦するってのは軍の重鎮の判断としては御粗末すぎやせんか。まぁ、こういう輩が居るから面白いのだけれど。

diary

 定時退社日に定退。最近では珍しい……。

 vf5、やっとこさ初段。

log modified: 2006/08/10 01:40:22 JST

2006.08.10 (Thu)

Tortoise / Tortoise

 Chicago 音響派の首魁、Tortoise の 1st album。1994 年発表。
 1st album にして枯れ枯れです。Tortoise と言うと Can だの Neu! だのが引き合いに出されますが、beat の組み方や音響処理が german rock ぽくてもやはり Tortoise は Tortoise、その肝は低音にあり、なのです。上物が少ないこの 1st album では何時にも増して bass が良く聴こえてます。後々に発展する出鱈目ぽいが緻密な minimal phrase の polyphony も、既にこの時期から試みておる様子。久々に聴き直しても面白いのぅ。

森 博嗣 『今夜はパラシュート博物館へ』
「ごめんなさい。失礼だったかしら?」彼女はにこやかに首を傾げる。私には地球上のあらゆる責任を免れる資格があるのよ、と言いたげな完璧な微笑みだ。
「失礼じゃないけど……、貴女、誰? 僕の知り合い?」
「いいえ、初対面だと思う」彼女の大きな瞳が天井を向く。思わず練無もそちらを見てしまったが、何かがそこにあるわけではなさそうだ。「えっとね……」彼女は指を立てて話を続ける。「私のことはフランソワって呼んでちょうだい。貴方はなんて呼ぼうかしら」
「僕は小鳥遊だよ」
「ロベルトはどうかしら?」(page 134)

 小鳥遊ロベルト。うーむ似合っとらん。講談社文庫版で読了。8 篇収録の短篇集。
 まぁ短篇集なので思い入れも程々ですな。いろいろ趣向を変えてはいますが森博嗣らしい humor と sense は健在でありました。「素敵な模型屋さん」はかなりべたべたで気恥しいもんがありますが、他の作品はそれなりに良質。
 いやしかし短篇集は苦手やね。すぐ読み終わってしまって物足りんよ。

log modified: 2006/08/11 02:02:52 JST

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