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minimal techno の開祖、Robert Hood による 2010 年作。
最新作なのに SE がしょぼい。往年の SF 映画なみにしょぼい。と思ったらこれは 70 年代の映画 "The Omega Man" の架空さんとらなのだそうな。何だ狙ってやってるのか。そういや映画の方は昔 BS で放送されたやつを HDD recorder に録画したような気もしますが今だに観ておりませぬ。きっと鉄腕あとむ的なぽよーんぽよーん音響な映画に相違あるまい、と勝手に夢想。
"Point Blank" や "Wire To Wire" の頃の Robert Hood は実験願望剥き出しの野生 minimal 道をひた走っていた印象がありますが、先年 reissue された "Minimal Nation" や、その流れを意識した観のある本作は、どちらかというと自ら定義した minimal method の実践に腐心しているような趣で、個人的にはあまり面白い音とは思わないのですよ。まぁこの素っ気なさと漸次変化の妙が minimal techno らしいと言えなくもないのですが、Hood 先生が手がけるならもうちょっと変化球が欲しいところです。
ex-Led Zeppelin の vocalist、Robert Plant の solo album、2010 年発表。
Alison Krauss との共演で Grammy を取った "Rasing Sand" は未だに未聴な小生ですが、それでも 00 年代の Robert Plant がかなり充実した音楽活動しておることは疑い得ないところであります。Zepp の呪縛から逃げまくっていた従来の彼が、地味平との再邂逅を経て素直に自身の roots music と向き合い、それが図らずも Zepp のどろどろ groove を roots music 側から再照射することに繋がった、というのが 00 年代の Robert Plant の活動指針でありました。その姿勢はこの "Band Of Joy" でも相変わらず保たれており、Plant の歌唱そのものは Zepp 期の high tone で血管拡張な歌い上げが殆どないにも関わらず、rough で地べた這いずる系のざらついた back 勢の音と Plant の歌が噛み合うと、そこに仄かに Zepp 的な得も言われぬ groove が立ち上ってくる。こういう音が自然体で出てくるようになるとこの人の歌も栄えるわけであります。
多分に country 風味の cover 曲が多い本作でありますが、だからといって長閑で牧歌的とは全然言えない独特の泥臭い緊張感がある音作りとなっております。泥臭い緊張感なんて言い方は意味合い的には矛盾しておるような気もしますが、alternative な 90 年代の音を吸収した上での音作りには違いないわけで、小生の耳には紛れも無い現代の rock album として聞こえます。しわしわ親爺もまだまだ現役で盛りが付いてたまらんわい、という活力の感じられる一枚でありました。