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それはさておき Gregg Allman の 2011 年作 "Low Country Blues" です。本人名義では 14 年振りの album だとか。小生は Allman's での Gregg Allman しか知らないので solo album は初体験です。producer は T-Bone Burnett。微妙な薄毛のオジサマです。最近よく名前を耳にしますね。映画「O Brother」の劇伴士と言えば通りが良いかと思いますが、最近だと Robert Plant & Alison Krauss の "Raising Sand" で Grammy 賞貰ったり、Elvis Costello の近作を produce したりしてる人です。小生の印象としては、めりけん中産階級のちょい悪親爺をめろめろにさせる系の人という感じ。そういや "Raising Sand" も塔盤屋の試聴機で聴いたきりだっけか。まぁ小生はちょい悪にも及ばぬただのヘタレなので、T-Bone のよく出来た世界観にはちょいと付いていけぬところが無きにしもあらずではあります。
復活後の Allman's が重音路線で rock しておる事への逆流なのか、この album では blues classics を俎上に載せて、緩い歌と緩い演奏で聴かせる口。いやー緩すぎてやばい。普通に blues すぎてやばい。更に隙がなさすぎてやばい。このやばさは養命酒なみのやばさであります。hammond やら mandolin やらアコギやらの緩口な演奏は元より、曲によっては必殺の horn 隊で王道 blues やらかしたりと、これじゃあモノホンの演歌エンタメ blues ではないですか。いや上質と言えばこの上なく上質ではありますが、ここまで出来すぎていると寧ろ嫌味の域。嗚呼畜生め、T-Bone め例によってやりすぎじゃ。とはいえ真面目に blues やろうとした結果が真面目な blues album になった、という点では目論見通りの album ということになるのでしょう。
これはこれで良しとして、Allman's の次作ではこの反動でより泥沼な展開になることを望むのであります。