Noisy Days in April, 2005

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2005.04.01 (Fri)

[movie] あずみ

 北村龍平監督作品、2003 年。
 関ヶ原の合戦以降も、反徳川を標榜する浅野長政 (伊武雅刀) や加藤清正 (竹中直人) が居る限り天下の平安は得られぬ、と考えた幕府の一派は、身よりのない子供達を山奥で修行させ、刺客として養成していた。あずみ (上戸彩) もそうしてそうやって訓練を受けた一人。やがて刺客一団の長である小幡月斎 (原田芳雄) は山を下りる決心をし、最後の試練を乗り越えたあずみ達もそれに随行する。首尾良く浅野長政を討ち取り、追っ手の忍者達の攻撃を交わしながら加藤清正の首を狙うあずみだが、虐げられた民衆への手助けは禁じられており、また死にかけた仲間を容赦なく見捨てていく小幡月斎のやり方に反感を覚え、やがて彼の元を去る。しかし加藤清正に雇われた変態剣士の最上美女丸 (オダギリジョー) に仲間を殺され、また小幡月斎も捕らえられたと知ったあずみは、単身で助けに向かう……。

 時代劇つーのは相撲と同じで、静と動の切り返しとか見えざる力の拮抗とかを楽しむもんやと思ってるんですが、その点で言うとこの映画、全然駄目っすね(爆)。あずみはばっさばっさと敵を薙ぎ倒しとるわけですが、だからと言って彼女が馬鹿強いという印象は殆ど残らなくて、ひょいひょい刀振ってたら敵がばたばた倒れていくといった趣。アルミの刀でも観て「アルミやなー」と思わせられたらそれで負けっすよ。或いは一対多の乱戦を盛り上げるにゃ数出さにゃならんのだ、という趣向かも知れませんが、その手の作品には "The Matrix Reloaded" という極北がありますので、どうしても見劣りが……。まぁ、半端な演技と演出で燃焼不足、ということでしょう。
 美女丸は最高でしたがあずみにあっさり倒されてこれまた物足りん。力の賭け所を尽く間違えている映画でしたねぇ。

diary

 参った、疲れた。

log modified: 2005/04/03 14:40:30 JST

2005.04.02 (Sat)

[movie] Road to Perdition

 Sam Mendes 監督作品、2002 年。
 禁酒法時代。街を牛耳る権力者 John Rooney (Paul Newman) お抱えの hitman として働く Michael Sullivan (Tom Hanks) は、家庭では妻 Annie (Jennifer Jason Leigh)、二人の息子 Jr (Tyler Hoechlin) と Peter (Liam Aiken) に対して真っ当な父親として接していた。息子達は父親の仕事を知らなかったが、ある日 Michael と John Rooney の息子 Connor (Daniel Craig) とが車で外出するところに Jr が忍び込み、Connor と父親が組織の金を横領した疑いのある男を殺す場面を目撃する。Michael は息子に口止めし、Connor もそれで納得する振りをする。だが Connor は John の信頼厚い Michael を妬み、彼を殺そうとする。辛くも命拾いした Michael だが、家に帰ると既に Annie と Peter は Connor に殺された後だった。Jr の口止めを果たしたと勘違いした Connor は John に激しく叱責されるが、出来が悪くとも息子は息子、John は Michael に多額の金を渡して国外逃亡するよう計らうが、Michael は妻と Peter の復讐を果たすまでは平穏な暮らしには戻れないと腹を括る。Michael と Jr は、追っ手の殺し屋 Harlen Maguire (Jude Law) の追撃を交わしながら復讐の機会を窺う……。

 父と息子の絆地獄を描く暗黒街映画、なんですが、John と Connor の Rooney 親子については John の親馬鹿 & Connor の臑齧り坊ちゃん振りが描かれるだけで設定以上の揺れは無い。Michael と Jr の Sullivan 親子の方は守る父親と守られる少年という関係を保ったまま進んでいきますが、途中で Michael が Jr に車の乗り方を教えたりします。が、基本的には強い父親像を描き込む展開で、この親子関係も揺れませんね。なので、話の起伏がどうも平板で、観ていて地味な印象。監督はあの "American Beauty" の Sam Mendes ですが、あの映画で駄目親父撮ったから今度は tough な昔気質の強い父親を撮るぜ、てな意気込みだったんですかね。Michael の背中を Jr が見つめるという場面が多用されてるのはそういう意図もありかのぅ。
 美しい場面は多いです。John と Michael が piano 合奏で場を和ませる場面とか (それを笑いながら拍手する Connor、眼が笑ってないところが高得点!)、Harlen と Michael の最初の対決場面の緊迫感とか、John と Michael が雨の中で対峙する場面とか、そして最後の白い家での出来事とか。見せ方には充分気を使っている模様。残念ながら親子愛の物語の方は映像に負けてますが、まぁ悪くない映画でした。

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  • Yes / Ladder
  • Jimmy Page & The Black Crowes / Live at The Greek
  • The Allman Brothers Band / An Evening with The Allman Brothers Band - First Set
  • Takumi / 翼神 Gigawing Generations (PS2)
  • Psykyo / Sol Divide & Dragon Blaze (PS2)
diary

 vf4ft、某所で Lion の帝聖の動きを観ましたが、ヤバイ動きしてましたねぇ。ありゃ勝てんわ。

log modified: 2005/04/03 16:41:24 JST

2005.04.03 (Sun)

[movie] ルパン三世 カリオストロの城

 宮崎駿監督作品、1979 年。
 偽札で知られるゴート札の出所を追い、ルパンは次元と共に西欧の小国カリオストロ公国に赴く。そこで逃走中の少女クラリスを救ったルパンだが、ドジを踏んでクラリスは謎の一団に連れて行かれる。しかしクラリスは指輪をルパンに残していた。彼女は公国の跡継ぎだが、摂政のカリオストロ伯爵は彼女を妻にして名実共に公国の実権を握ろうと画策していた。指輪に秘められた財宝の秘密やゴート札の謎を暴き、クラリスを伯爵の手から守るため、ルパンはカリオストロの城に潜入する……。

 少女に対して良いおじさまを演じる、というのはルパン的特性の一つですが、それを主軸に置いて徹底した冒険活劇に仕立てたのがこの映画です。舞台は中世の古城、囚われの姫君も居て、時計台に地下水路に拷問所に罠と道具立ても充分。まずは城の構造をルパンと共に一巡り、そして一度振り出しに戻してから姫君救出のための大仕掛けへと繋ぐ story 展開も隙がない。
 惜しむらくはこれがルパン映画ということか。良いおじさまのルパンなんて認めない! という方も多くいらっしゃることでしょう。五右エ門も次元も出番少なすぎとお怒りの方もおられるでしょう。不二子さん色気足りんとお嘆きの諸氏も少なくないでしょう。しかし宮崎アニメ的にはこのルパンは踏み台 (失礼) で、このルパンあってこそラピュタが生まれたわけです、多分。ラピュタもそのうち見直そう。
 徹頭徹尾悪役を演じ、最後は自らの強欲に滅ぼされる伯爵には助演男優賞を差し上げます。これぞ悪役の見本みたいな人で強烈な印象を残します。実写にするなら Robert De Niro にやってもらいたいもんです。

怒首領蜂、初 1 周 all

 C-S で達成。score は忘れました。
 最後は bomb 連打(爆)。

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 散髪。こりゃまた短くなったのぅ。

 vf4ft、千敗達成。未だに避けが上手く入りません。

log modified: 2005/04/04 02:30:23 JST

2005.04.04 (Mon)

Jimmy Page & The Black Crowes / Live at The Greek

 相変わらず Zeppelin 聴きたい病が進行中な今日この頃ですが、そこにきてこの album が空から降ってきましたよ。LA は The Greek Theatre での live 盤。2000 年発表の CD 2枚組。
 結局ペープラはどうしても新しくなりきれず、Zeppelin number ばかり演るのに疲れた Robert Plant は戦線離脱、Jimmy Page は前座で使っていた The Black Crowes の面々を Zepp 予備軍として洗脳し、かくして世紀末 Zepp 伝説が誕生したのであります。小生も当時は何かエライ事になっとるという噂は聞いてましたが、Eno 先生のぬるま湯な音にどっぷりだった小生が今更 Zepp を聴くわけもなく、当然のように黙殺してました。それが今頃になって聴くことになろうとはねぇ。人生いろいろです。
 で、音の方はやっぱ Crowes なんですな。Crowes と言えば暗黒 southern rock、とにかく粘っこい暑苦しい音太い汗臭いといったメリケン南部の濃い要素を狭い容器にぎゅうぎゅう詰めにしてドス黒い液状体になるまで漬け物石で寝かせ込んだような音なのです。blues 演っても Crowes 色に染まるととても blues に聞こえない、Crowes を通るとたちまち暗黒の heavy blues rock に化けてしまう。そういう強烈な奴らが Zeppelin number を演るとどうなるか。Crowes な音になっちまうに決まっている。本家 Zeppelin も UK の band にしてはどろどろした粘性のある曲を持ち味にしている band でしたが、Crowes が演ると粘度も三倍増しで言うことなし。まぁ、例によって地味目の選曲ってのもその印象作りに貢献してるのかも知れませんが、この演奏、90 年代 Jimmy Page の Zeppelin やりたい病の総決算と言える出来映えであります。
 disc 1 は tr.1 "Celebration Day" で早くも傑作認定。tr.4 "What Is And What Should Neber Be"、tr.8 "Ten Years Gone"、tr.10 "Your Time Is Gonna Come" と、要所要所でズバズバ決まる Zeppelin number が格好ええ。disc 2 は 1 枚目に輪を掛けて濃厚な瞬間の連続で、tr.1 "The Lemon Song"、tr.2 "Nobody's Fault But Mine"、tr.3 "Heartbreaker"、tr.4 "Hey Hey What Can I Do" と、core な Zeppelin 好きにはたまらん流れで持っていきます。blues 色は強めでも、Zeppelin らしい groove も充分に感じさせる number ばかり揃ってますな。中盤の blues はこの面子にしては珍しく真っ当な演奏ですが、終盤、tr.9 "Out On The Tiles" からはこいつら故の世界観でゴリ押し。tr.10 "Whole Lotta Love"、tr.12 "Misty Mountain Hop" といった live 受けする number も繰り出してもう腹一杯。濃い。濃すぎ。あ、tr.11 "In The Light" てのは小生知らない Zeppelin number なんですが、何も知らずに聴いたら Soundgarden かと思うこと必至な heavy rock であります。
 でも個人的に一番盛り上がるのは tr.6 "Oh Well" だったりします。これ、初期 Fleetwood Mac の number で、Peter Green 作なんですな。これが Zeppelin & blues number ばかりのこの album にあって全然違和感ない存在感を示しているところに、この project の真の成果があったんじゃなかろうか。古き物も新しい物も、この場では real な磁場を形成して生々しい音で響いている。懐古趣味に陥らない Zeppelin の姿が垣間見える傑作 album でした。また聴こう。

diary

 今週も忙しいので日記もそこそこに……っと思ってましたが色々書きすぎた。もう寝るべ。

log modified: 2005/04/05 02:37:07 JST

2005.04.05 (Tue)

Nirvana / Nevermind

 Nirvana の 2nd album、1991 年発表。
 当時の小生は金無し暇無しの苦学生(笑)だったので、音の情報元というと radio くらいしか無かったのですが、ある日流れてきたのが tr.5 "Lithium"。こういう曲を pick up して流していた NHK-FM は凄かったなぁと。当時の radio は chart 受けする曲ばかり流してましたからね。今でもそうかも知れませんが。
 んで "Lithium" ですが、静かなボヤキから爆音サビへと繋がる曲展開に半ばビビり半ば昂揚、metal ばかり聴いてた身にはなかなかに刺激的な時間を体験できたわけです。後のエモ系にも繋がり、メロコアにも繋がり、Helmet 的なタメ美学も内包し、Seattle 一派らしい諧謔味も感じさせるという奇跡的名曲。小生には彼らの出世作 tr.1 "Smells Like Teen Spirit" よりも印象的な track でした。あ、album 全体でも個々の曲の質が高く、pop な仕立てでありながらガサツでもあるという、如何にもな alternative rock を聴かせてくれます。
 しかし彼らが頭一つ飛び抜けた存在になりえたのは、punk でありながら folkie でもあるという approach、そして音そのものを皮肉と諧謔と反意語で成立させるという、メリケンの black humor な anime そのものの世界を映し出した点にあると思われます。しかしその試みはあまりに不完全だった、即ち Kurt の声は真面目すぎた、曲は pop すぎた、cheap で薄い音は major の力で真っ当な音に仕上がりすぎた、云々。だからこの album は必要以上に時代を照射する album と評価され、当時の若者文化の象徴と祭り上げられてしまい、笑って済まそうとした Nirvana の面々も否応なしに真面目路線を走らされることになった、と。まぁ、狙いが尽く外れるという Nirvana の悲劇 / 喜劇を体現した album とは言えるでしょう。
 にしても、ええ曲書いてますなぁ Kurt は。合掌。

[news] 豹頭王のサーガはまだまだ続く [./J]

 で、いつまで続くんですか……?

diary

 リポ D 飲んでもへろへろ。

log modified: 2005/04/06 02:41:37 JST

2005.04.06 (Wed)

Sonny Boy Williamson / Down and Out Blues

 流浪の blues harp 吹き、Sonny Boy Williamson (II) の 1959 年録音。
 枯れているが軽妙。胸を締め付けるというよりは、緩やかに relax させるような音です。blues は昔は大衆音楽だったんだよなーと思える一枚。
 久々に聴いてもすんなりと耳に馴染みます。この時代の録音は耳当たりが柔らかくて良いですなぁ。

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 傍から見てると小生は負荷高そうに思われているらしい。いや、単に仕事が遅いだけ(爆)。まぁ、難度高めの割り込み仕事が毎日のように舞い込んでくるので、普段の仕事が進まないのも確かではあります。と言って、人に振るのも心配だし。うーむ。

log modified: 2005/04/07 01:49:43 JST

2005.04.07 (Thu)

The Jazz Messengers / Hard Bop

 Art Blakey (ds) 率いる The Jazz Messengers の 1956 年録音。面子は大将以下 Bill Hardman (tp)、Jackie Mclean (as)、Sam Dockery (p)、Spanky DeBrest (b)。
 Horace Silver や Lee Morgan が名を刻んだ The Jazz Messengers の輝かしい歴史から言えば地味な面子で演奏してる頃の録音ですが、なかなかどうして憎めない album なのですよ。大将を除けば 10 代 20 代の若者編成、荒削りな演奏も勢いがあって好調。何せ title が "Hard Bop" ですから。その名の通り hard な疾走で突っ走ってます。
 Miles Davis のすかしっ屁な音だけが jazz ではないのじゃよ、と言わんばかりの blow 大会。迷いのない姿勢が痛快爽快、聴いて伝わる fight 一発。明日も頑張ろう。

diary

 上司と同僚が mail で喧嘩中。三歩歩けば話し合えるのにねぇ。かくいう小生も細かいところで絡まれ中。そこ突っ込みますか、と。先のない話なので早めに片付けたいところではあります。

 帰ってみれば 0 時過ぎ。一日が長いような短いような。

log modified: 2005/04/08 02:19:21 JST

2005.04.08 (Fri)

[movie] 風の大陸

 真下耕一監督作品、1992 年。
 美貌の薬師ティーエ、偉丈夫の傭兵ボイス、男装の少女ラクシの三人は、砂漠を渡る旅の途中で遺跡に立ち寄る。そこは死者の都、アゼクシストラと呼ばれる場所だった。都に眠ると言われる財宝を狙って先に都入りしていた盗賊団に襲われる三人。死者の眠りを妨げてはいけないと主張するティーエだが、盗賊の首領は聞く耳持たず、神殿の奥深くにある宝の箱を開けてしまうが、それが死者の呪いを解くことになる……。

 真下監督作品らしい目元アップがここでも炸裂。もう腹一杯見たって。
 死者の都を舞台にしての 1 時間 anime で、お話の広がりは感じられず、1 つの episode の紹介に留まっている風情です。これ観て原作読みたいとは思えんなぁ。あ、原作は今年完結するそうです。
 ラクシのずっこけ振りが何だか古くさい(爆)。

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』
 その男を先に見つけたのは、年とったココ椰子農園の監督だった。
 その日は熱い南風が吠えたけっていた。大きくのたうつココ椰子の下で砂浜が白く煙り、カリブ海は十億ひきの白い魔物が六百キロ北のキューバへ突進するかのように荒れ狂っていた。いったいドン・パッオ・カモールはなんに目をこらしているのだろうかと、わたしは監督のそばへ近づいたが、まぶしい砂粒が吹きつけてくるため、片目しかあけていられなかった。(page 17)

 少し前に早川文庫版で読了。浅倉久志訳。
 Quintana Roo は Mexico の Yucatan 半島の東海岸にある一地域。そこに住む american の老人が旅人や知り合いから幻想的な話を聞くという style の短篇が三篇収録されています。
 南米寄りということで magic realism であっちの世界に行ってしまう話なのかと思いきや、そこは Tiptree、昔語りの聞き役を主体とすることで filter かけてます。外部と内部の境界線を見つめ続ける Tiptree の視線はここでも健在ですが、やはり晩年の Tiptree は多分に感傷的ではあります。

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 今日も仕事三昧。親分は不機嫌だがこっちも一杯一杯なんじゃよ。

log modified: 2005/04/10 02:22:23 JST

2005.04.09 (Sat)

[movie] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ

 水島努監督作品、2004 年。
 古びた映画館のかすかべ座に潜り込んだ春日部防衛隊の面々。無人なのに何故か映写機が回っていて、西部劇に出てくるような風景が写されていた。それを鑑賞していた春日部防衛隊の面々は、しんのすけが用を足している間に消失していた。しんのすけからかすかべ座のことを聞かされたひろしとみさえは、風間君たちを探すべくかすかべ座に赴くが、映画を観ている内に映画の世界に取り込まれてしまう。そこは知事のジャスティスが支配する世界。しんのすけは風間君を発見するが、彼は街の保安官に成りきっていて、春日部なんぞ知らんと主張する。野原一家は危ういところをつばきと名乗る少女に救われる。住民達の話では、春日部からこの映画の中に取り込まれた人々は、次第に春日部の記憶をなくし、世界に順応してしまうのだと言う。野原一家は春日部に戻りたいという一念を捨てないと決心するが、次第にその世界の住人らしくなっていく。そんな中、この世界の時間が止まっていることに気付いたボーちゃんとしんのすけは、時間を進ませれば映画を終わらせて春日部に戻れると考え、行動を起こす……。

 残念、つまんねぇ!
 前半は単調、春日部防衛隊の面々が西部劇の世界に染まりきってるのは situation としては楽しいんですが、それだけで笑いは取れんわけで。いやボーちゃんの酋長装束はかなりはまってましたが。後半は時間が進み出して動きのある anime になっていきますが、巨大 robot はさすがにやりすぎな感じも。あれやるんだったら西部劇という舞台はいらんやろ。時代考証的にどうなんですかマイクさん。まぁここでは過去の記憶が次第に甦り、春日部防衛隊は一致団結でファイヤー!というところで盛り上げようという趣向なので、そのためには robot くらい倒しておかんといかんってことか。しかし、話を前進させる吸引力が決定的に欠けているので、どうにも間延びした印象。つばきちゃんの存在感もあまり強くないし。真面目に作りすぎた感じですねぇ。

diary

 試験会場下見。うわ、駅から歩いて 30 分もかかるんか。バス乗りゃ早いんでしょうが、車嫌いなんじゃよ。

get
  • Date Course Pentagon Royal Garden / Musical From Chaos 2 CD
  • Offshore Funk / Crome
  • Wild Planet / Transmitter
log modified: 2006/11/20 01:47:24 JST

2005.04.10 (Sun)

get
  • Eric Dolphy / Far Cry
  • John Coltrane / Coltrane
  • John Coltrane / Lush Life
[movie] Insomnia

 Christopher Nolan 監督作品、2002 年。
 LA 警察の名物刑事 Will Dormer (Al Pacino) とその相棒 Hap Eckhart (Martin Donovan) は、Alaska の小さな町で起こった女子高生殺人事件の応援に駆り出される。地元警察の新人 Ellie Burr (Hilary Swank) は憧れの Dormer 刑事と一緒に仕事できるというので大張り切り。手練れの刑事らしく事件を仕切る Will Dormer だが、相棒の Hap は LA 警察内で強力に押し進められている内部調査の方が気に掛かるらしく、Alaska くんだりに飛ばされたのも内部調査の手を逃れるためだと感じている。やがて女子高生の残した bag が見付かり、Will はそれを餌にして犯人を誘き寄せようと計画する。犯人はまんまと餌に食いついたが、見張りの警官がドジを踏んだため犯人は逃走、それを追走する Will は濃い霧の中で怪しい人影を撃つが、撃たれたのは Hap だった。絶命した Hap を抱えながら、Will は目撃者が居ないことを幸いに Hap の死を犯人の銃撃によるものと偽装する。白夜の国 Alaska で Will は眠れなくなり、次第に憔悴していく。その眠れない Will の元に見知らぬ男から一本の電話が掛かってくる。男は Will が Hap を殺したことを知っており、Will に自分の無罪を証明すれば口を噤むと脅しをかける。独自の調査で声の主が地元の推理小説作家 Walter Finch (Robin Williams) だと目星をつけた Will は、単身で Walter の元へ赴くが……。

 これは良い映画ですねぇ。歳取って疲れ顔が板に付いてきた Al Pacino、この映画では普段より三倍増しの疲れっぷりです。そういう役柄やとは解っていても真面目に納得してしまうこの顔。この映画には Al Pacino 使わにゃ、と考えた人は偉い。"Heat" での Al Pacino は格好良さが空回りしてましたが、"Insomnia" の Al Pacino は弱さを抱えた強がり刑事で、これはこれで疲れ顔らしい役回りと言えるでしょう。相手役は普通の悪人じゃいかんよね、と癒し系へらへら親父 Robin Williams をあてがったのも好配役。あ、新人刑事の Ellie を演じる Hilary Swank も、尊敬する刑事を次第に怪しく思い始めるという難しい立場を弁えた演技で良好良好。
 前半では Will の有能振りを強調し、疲れ顔でも tough に真実を掴み取ろうとする男の姿が描かれます。地元警察や田舎の餓鬼に舐められてたまるか、という意気込みですかな。Ellie が Will に向ける視線も純粋な崇拝で、舞い上がっている様子が窺えます。そして Will と Hap の会話から内部調査に対しての二人の姿勢の違いが表現される、と。それが、後の Hap 殺害事件での Will の隠蔽行為に結びつく。しかし、不眠症で混濁していく Will の脳裏には発砲の瞬間が難度も flash back し、発砲したとき自分が何を見たのか、Hap を殺したのは故意か事故か、段々とあやふやになっていく。そして、Will が強がってはいても内面は弱り切っていると見切った Walter は、Will に罠を仕掛けて彼を利用しようとする。Will も Walter を罠にはめようと工作。この辺りの心理戦や偽装工作も見所ですな。んで、Will の罠の張り方が妙に手慣れているところも上手く描写して、後に Will が Hotel の姉ちゃんに「正義を成すという目的のためなら手段は正当化される」と言って、自分の過去の罪を告白する場面に繋げます。clean に生きてきたと思われている名物刑事も、その手は汚れている。その Will の汚れを独力で見出してしまった Ellie、彼女はそこで正義を自問したことだろう。そして見事に Will を出し抜いて自らの狂気を隠蔽した Walter、しかし最後の仕上げが残っている。終盤、Walter の別荘で対峙する Walter、Ellie、Will の三人が迎える結末とは……って、とりあえず観てくださいと(笑)。別荘の下を潜って進む場面、あれは前半で Will が仕掛けた罠から Walter が抜け出した手法を逆に使っていて、良くできた仕掛けになってました。
 様々な糸が相互に影響するこの映画、地味渋ですが良く出来てます。おっさん映画好きな小生のためにあるような映画でありました。

阿刀田 高 『新約聖書を知っていますか』
 福音書は、イエスの言動を伝えるものと思われがちだが……そして、たしかにそういう部分を含んではいるのだが、厳密に言えば、それぞれの著者がイエスをどう捕らえたか、どう伝えねばならないと思ったか、執筆者の主観と立場を反映したものである。事実を伝えるノンフィクションであるより、一つの神学的な見解であり、
「神の子イエスはこんな人だったんですよ」
 と、伝道の中で語られたイメージであった。(page 212)

 新潮文庫版で読了。
 主要な episode を取り上げつつ、独自の解釈で新約聖書の読み方を指南するといった趣の essay 集。episode の語り口が現代口調なので格調は高くないけれど、その分読みやすくて良いかと。

diary

 勉強中。気分的には今回は捨ててます……。

log modified: 2005/04/11 01:50:34 JST

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