Noisy Days in November, 2012

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2012.11.01 (Thu)

King Crimson / USA

 UK の prog rock band、King Crimson の 1975 年作品。1974 年の USA live tour 録音盤、30th anniversary edition CD。一部 over dub ありだそうな。
 Crimson 年史的には "Starless and Bible Black" の後、"Red" の前での live になるそうです。即ち Metal な Crimson の真っ最中。そりゃもうこの live 盤もめたるですよ Dream Theater ですよ (違う)。Robert Fripp (g & mellotron)、John Wetton (b & lead vo)、Bill Bruford (ds, parc)、David Cross (violin, viola, mellotron, elp) の "Red" 布陣が main なのでそりゃーめたるにもなるでしょうよ。"Earthbound" の劣悪録音に比べればこっちは音 clear で、むしろ live 感は薄いのですがそうは言っても tr.2 "Larks' Tongues in Aspic (Part II)" での高揚は押さえ難い。
 jazz 色は薄いが improvisation 度は高い、というこの時期の King Crimson は、Yes に代表されるお気楽様式美 prog rock への反発、一方で jazz rock のテキトー jazz に歩み寄る気は毛頭ない、といった周辺の隘路を汲んだ上でのめたる路線だったんだろうなーと推測。結果、楽曲は終始 systematic なのに拡大してみるとめっさ impro してるという印象になります。80 年代、90 年代の King Crimson への布石が既に窺える album であります。

log modified: 2012/11/06 00:26:46 JST

2012.11.04 (Sun)

[movie] Captain America: The First Avenger

 Joe Johnston 監督作品、2011 年。
 第二次大戦下の USA。Steve Rogers (Chris Evans) は熱心な愛国者だったが虚弱体質が元で兵役志願を毎度却下されていた。だがある日、Dr. Abraham Erskine (Stanley Tucci) にその愛国心と正義の志を認められ軍への入隊を許される。Peggy Carter (Hayley Atwell) と Colonel Chester Phillips (Tommy Lee Jones) を上司とする部隊で鍛えられた Steve だったが身体能力は隊員の中で最低。そんな Steve だったが Erskine 博士の超人計画の中で必要なのは揺るがぬ善人の心、そこに目を付けた Erskine 博士は Steve を超人計画の素材として選定する。やがて Steve は超人計画の実験により筋肉質な体と超人的な能力を身に付けるが、独逸の研究機関 Hydra の spy により Erskine 博士が殺害されてしまう。spy を追い詰めた功績で国民的英雄に仕立てられた Steve は、Captain America としてめりけん各地を巡業、国民の国債投資 campaine に利用される日々を送る羽目になる。だが Italy 巡業時、親友の James Buchanan 'Bucky' Barnes (Sebastian Stan) が Hydra の拠点に連れていかれたと知り、単身で彼を救いに行こうとする。一方、Hydra の首領 Johann Schmidt (Hugo Weaving) は、Norway の寒村で手に入れた power stone を元に帖科学的な力を引き出すことに成功しており、独逸への忠誠心をかなぐり捨て世界征服への野心を露にしようとしていた……。

 いやはや、久々にめりけんまんせーな映画を観させて頂いたというのが第一印象。善人属性 max の Steve 君が悪の german 兵をばっさばっさとやっつけるという映画。最近の hollywood 映画は愛国心を盾にしての映画は作ってなかったのでかなり新鮮でありました。Peggy Carter (Hayley Atwell) もエラ張った古風な美人さんで大いに結構。
 後半の Red Skull との絡みはいろいろと都合良すぎる展開も多い訳ですが、謎展開も含めて marvel ぽい作品には仕上がっておりました。良作。

log modified: 2012/11/05 02:24:13 JST

2012.11.05 (Mon)

Yes / Fragile

 UK の prog rock band、Yes の 4th album、1972 年発表。邦題「こわれもの」。
 あにめ盤ジョジョはあの濃い眉毛を見るとケンシロウを連想して腸が捩れてしまう小生ですが実は未だに原作未読です。ED に tr.1 "Roundabout" を起用したのは英断でしたね。ジョジョなら rock ねたには困らんでしょうから毎度 ED 変えていただいてもよろしくってよ。licence 料いくらとられるのか知らんけど。
 それはともかく "Fragile" です。同年発表の 5th album "Close To The Edge" 共々、Yes 史上名高い傑作に挙げられる本作ですが、個人的にはあまり手が伸びない album でもあります。つか tr.1 "Roundabout" と締めの tr.9 "Heart of the Sunrise" が強烈すぎて、その間の楽曲が片手間すぎる、という点がこの album を評価しにくくしている要因となっております。本作は John Anderson (vo)、Bill Bruford (ds, perc)、Chris Squire (b)、Steve Howe (ele-g, aco-g)、Rick Wakeman (key) の 5 名編成ですが、tr.2 "Cans and Brahms" は Rick Wakeman の趣味走りまくりな自演、tr.3 "We Have Heaven" は John Anderson の多重録音曲、tr.5 "Five per Cent for Nothing" は Bruford の、tr.7 "The Fish" は Squire の、tr.8 "Mood for a Day" は Howe の作曲による solo taste ぶりばりな小曲となっており、いまいち Yes ぽくない、むしろ solo でやれ系の曲となっており、Yes 即ち band 演奏の prog rock 大伽藍を想定する小生のような listener にしてみれば何だか肩透かしなのです。
 まぁ、そういった寄せ集め感があるのは否めないにせよ、tr.1 "Roundabout" はやっぱ名曲だと思うわけで。Yes が只ならぬ pop sense を持ち合わせていることは後の "Owner of a Lonely Heart" の全米一位を見ても明らかでありますが、その萌芽は既にこの track からも窺えます。個人的にはサビが緩すぎるので今一つぱっとしない楽曲な印象だったりもしますが、多分一見の pops listener さんには受け易い曲なんでしょう。
 しかし白眉はやはり tr.9 "Heart of the Sunrise" で、後の "Close To The Edge" で全面開花する、危うさの中での完璧な様式美、を 11 分という短い (笑) 楽曲で成し遂げている点は、この album の欠点を補って余りあると言えるでしょう。intro のけたたましい riff から静寂へと向かい、冒頭 3 〜 4 分の instrumental で既に高揚へと至りつつ、John の vocal が入った後も狂騒と静寂の狭間を目まぐるしく変転するこの楽曲には prog rock の愉悦が全て詰まっていると言っても過言ではありますまい。chaos と law の狭間で悶える Elric の苦行よろしく、listener も振り回されて愉悦を味わい、終わってみればその予定調和に涙する、そういう楽曲です。全くもって rock とは奥深い世界であることよ。現代から classical music が失われて久しいものの、後世の歴史家はこういった楽曲をこそ classical と称することでありましょう。

diary

 午前半休頂いて耳鼻科へ。左耳の聴力が落ちてるような気がするもので。
 結果は聴力問題なし。とはいえ起きてる時間が長くなるにつれ左耳付近が微妙に痺れるような感覚があるのは変わらず、なので別要因なのかもしれません。まぁ長年不摂生な生活を続けてますので stress やら内臓やらの問題かもしれません。片耳とらぶってももう片方あるし、で個人的にはあまり心配してなかったりもする。
 それにしても耳鼻科は子供連れ一杯で吃驚しましたよ。診察室の中では阿鼻叫喚の悲鳴が耐えない状態でしたが、そんなことお構いなしにそこらじゅう走り回って手を焼かせる子どもはやっぱ強い生き物だなぁと感心しきり。

log modified: 2012/11/08 02:16:50 JST

2012.11.06 (Tue)

藤木 稟 『バチカン奇跡調査官 闇の黄金』

 角川文庫の電子書籍版で先日読了。
 Italy の小村で奇跡申請が行われ、平賀とロベルトが調査に赴く。礼拝時に荘厳な音が響き、christ 像が人色に色づく。だが司祭は奇跡を認めない素振りを見せる。事件の背後に数十年前の首切りぴえろ事件が関係していると踏んだ二人はそれぞれ調査を進めるが、例によって事件勃発、あるびの紛いの白色子供の死体が上がり、司祭は行方知れずになる。めげずに調査を進める二人の前には、前作で二人を貶めたジュリア神父の影がちらつき始める……。

 はめるんの笛吹き男の話は朱雀の時もやってませんでしたっけ。まぁ素材としては面白いネタなので何度やって頂いてもよろしいのですが。今回は笛吹き男の出自が main の展開ではないのでノーカンでも良いです。christ 像の変色はトンデモ理論なので頂けませんが。もうこういう展開は藤木稟だから仕方がない、と言って片付けるのが良いような気がしてます。京極堂なら別の言い口で丸め込みそうな気もしますが、やはりこの辺りの気の使いかたが B 級だからこその藤木稟なので、個人的にはこういう展開でも問題ないと思ってたりもします。
 白眉はジュリア親父がめふぃすとよろしく平賀とロベルトを誘惑する一幕で、この場面は商業路線での heroism と倫理観を度外視した理詰め一辺倒な正論派の攻防として読むと実に興味深い。勿論ここで踏み止まることが series 的には正解なのですが、『イツロペ』『テンダーワールド』 の藤木稟とやはりひと続きなのだなぁと、その再確認ができただけでも大いに結構な一作でありました。

log modified: 2012/11/08 02:55:54 JST

2012.11.08 (Thu)

John Tejada / The Predicting Machine

 米国の trackmaker、John Tejada の 2011 年作。Kompakt CD267。
 techno/house 界隈で、こんだけ constant に毎年 album 届けてくれる人も今時珍しいですね。西の Susumu Yokota、東の John Tejada といったところか。どちらも album 出す毎に燻し銀の安定感を発揮する点に共通するもんがあります。まぁ、どんな genre でも行き着いちゃうと大抵そうなりますけどね、Stones 然り Van Morrison 然り。
 John Tejada も一時期は tek house つか electronica に片足突っ込んで人外領域に走りかけた時期がありましたが、近年は beats 回帰で往年のゆるふわ系 house を展開する方向になっている模様。Arian Leviste との共作時期が個人的には好評価な小生には、これは良い傾向と言えるでしょう。後半曲の tr.9 "Horizon To Horizon" や tr.10 "When All Around is Machines" の緩さはむしろ愛すべき存在。John Tehada さんにはこの路線で頑張って頂きたいと思うものであります。

log modified: 2012/11/09 02:09:01 JST

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