Noisy Days in October, 2012

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2012.10.06 (Sat)

藤木 稟 『バチカン奇跡調査官 サタンの裁き』

 角川文庫の電子書籍版で先日読了。
 あふりかで腐敗しない死体が出たらしいので調べてこいやと言われたバチカン奇跡調査官の平賀とロベルトは早速現地に飛ぶ。教会で責任者のいけめん司祭ジュリアに導かれ、その腐敗しない死体の調査に入った平賀だが、彼の知識を持ってしても腐敗しない原因が解らない。そして平賀は村人に献身的なジュリア司祭に入れ込んでしまう。一方でロベルトは、教会の蔵書にあった悪魔の書の解読にのめり込んでいく。腐敗しない死体となった人物は、生前は預言者として有名だったらしく、その言葉の中にはロベルトの死を暗示するものもあった。やがて修道士の死体が上がり、平賀とロベルトはここでも殺人事件に巻き込まれる……。

 series 二作目。腐らない死体の秘密についてはそんなんありかよと総ツッコミ必至な展開になりますが、藤木稟の作品をみすてりとして読んではいけないのは訓練された藤木稟読者にはお解り頂けることでありましょう。この人の作風はみすてりというより伝奇冒険物の系譜に連なるもので、半村良や高橋克彦の伝奇小説と同じ俎上で語った方がしっくり来るような気がします。
 前作では平賀の影で目立たなかったロベルトがここで前衛張って大活躍。古書読みで真実に迫るという展開も何だか都合良すぎな気もしますが、平賀にぞっこんなロベルトが悪魔の書に魅入られて平賀と距離を置いたり、一方の平賀はジュリア司祭べたぼめで我を見失ったりで何この BL 小説な趣になっているのは作者狙い通りの作戦であろうか。まぁ別に BL でもいいですよ、面白ければね。

log modified: 2012/10/23 01:54:25 JST

2012.10.09 (Tue)

Creedence Clearwater Revival / Willy And The Poor Boys

 めりけんの rock band、Creedence Clearwater Revival の 1969 年作。2009 年に出た 40th Anniversary Edition の 7CD box set の一枚。
 長年溜め込んでだ 32GB の blues rock 用 SDHC がぶっ飛んでしまい、失意の毎日を送っておるわけですが、それでも Zepp と CCR の箱物は発掘して聞き直して涙しておるわけです。全く SD もうんこですな。まぁ flash memory が SD より信頼に足るかと言われるとそれお微妙なわけですが。こういう目に合うから未だに CD が捨てられん。今時 CCR なんて密林の mp3 dl で何とかできそうな気もしますけどね。
 それはさておき CCR。1968 年に debut して後、1969 年には 3 枚の album を全米 top 10 に送り込んだ化物 band なわけですが、ついぞ全米 top 1 の楽曲を送り出せなかったことでも有名であります。この "Willy And The Poor Boys" でも tr.1 "Down On The Corner" が全米 3 位止まりで涙を飲んだわけですが、まぁこの曲は日本人的にはサザエさんの ED ぽい intro で、まぁ 3 位止まりでよかったんじゃないのと言わざるを得ない。それより聴きものなのはやっぱ tr.10 "Effigy" で、かつて "Born On The Bayou" で見せたような泥臭い swamp rock の息吹を minimal な展開に乗せて繰り広げる様を見れば、やはりこの時期の CCR の異常さというか懐の深さというか、若さや勢いだけではない何やらめりけん rock の呪いのような情念をそこに感じることができるのであります。いやはや、こういう曲を出された日にゃ、日本人は演歌で対抗するしかねーわと思わざるを得ない。勿論 "Effigy" のような deep な曲だけではなく、軽妙な曲もあればど blues もありで album 通して楽しめます。でも小生も若ければ受け付けん音だったかも知れませんね。それはそれでよろしかろう。人の価値観は若い頃にあらかた固まってしまうそうですが、だからといって何も変わらないわけでもないのです。その時々で、身の丈に合った音楽の楽しみ方を知っていくのも音と共にある人生の楽しみであります。

log modified: 2012/10/10 02:26:42 JST

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