Noisy Days in September, 2013

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2013.09.02 (Mon)

The Allman Brothers Band / Seven Turns

 めりけんの southern rock band、The Allman Brothers Band の 1990 年作。
 Allmans が alternative rock の影響を受けたとは思わない小生ですが、90 年代に復活した Allmans の重音主義は良くも悪くも時代の空気を反映したものだったのでしょう。Dickey Betts Band からの流れで加入した Warren Haynes (g) や Allen Woody (b) ら、後の Gov't Mule 組の加入もそれに拍車を掛けているのは間違いないところ。勿論 Doobies や 70 年代以降の Eric Clapton のように AOR 路線で mild な rock を志向して生き延びるという道もあったでしょうが、guitar で blues なら重音でしょ、という方向でかっちり固めて再出発した Allmans は、むしろここから戦略的な blues rock の再建を目論んだと言っていいでしょう。妥協なき漢節への道を選んだ Allmans はやはり rock な人達やと思うのです。
 まぁそうは言っても Allmans はどこかに contemporary な雰囲気があるというかとっつき易いというか、入り口は広めやと思うのです。tr.1 "Good Clean Fun" からして authodox な blues で、twin guitar がしなやかに交差しつつ灰汁のない vocal が被さるという重音系の blues rock で、初期 Gov't Mule のようなド blues 路線ではなくて AOR 寄りではあります。そういう立ち位置が国民的 band の懐の深さ、なのかも知れませんが。この頃はまだ Dickey Betts (g) がやる気あった頃で、album の大半の作曲に絡み、tr.2 "Let Me Ride" の slide 祭りとか tr.8 "True Gravity" の inst とかで彼らしい軽みのある boogie woogie 調の軽い melody を展開しております。重音主義とはいえまだ軽みのある頃の Allmans ということで、Dickey Betts としてはこの頃が一番居心地良かったのかも知れません。

log modified: 2013/09/03 03:40:26 JST

2013.09.08 (Sun)

[movie] のぼうの城

 犬童一心 & 樋口真嗣監督作品、2011 年。
 戦国時代、天下人として諸国を平定した豊臣秀吉 (市村正親) は、関東一円を支配する小田原北条氏の討伐に乗り出す。秀吉は腹心の石田三成 (上地雄輔) に二万の軍を預け、北条家の支城の一つである忍城の攻略を命ずる。その忍城では、当主の成田氏長 (西村雅彦) が小田原に召し出されるが、城を離れる際に豊富方に内通する旨を家臣に言い渡していた。城で籠城する忍城の面々に、三成の使者である長束正家 (平岳大) がやってきて城の明渡しを迫るが、その尊大な言い分に城代の成田長親 (野村萬斎) は反発し、感情的に戦を申し出る。忍城の家臣たち、正木丹波守利英 (佐藤浩市)、柴崎和泉守 (山口智充)、酒巻靭負 (成宮寛貴) らは普段から農民とつるんで馬鹿ばかりやらかしている「でくのぼう」の名高い長親のその判断に呆れるが、豊臣の言い分に内心不服であったため戦の腹積もりを決める。だが忍城は兵士五百人、農民らを含めても三千人しかいない。石田三成、長束正家、大谷吉継 (山田孝之) らの豊臣軍二万は、圧倒的兵力で忍城を潰しにかかるが、頑強な抵抗に合う……。

 状況的には戦国版 "300" な赴きですが地の利を生かした戦い方で攻城側を退けるという見せ方はさもありなんな説得力で如何にも日本の戦国映画であります。バカ殿のわがままに付き合わされる風の映画ではありますがこういう殿様の元に優秀な部下がくっついてるのは劉邦の殿様の頃からの謎な人徳ですかね。序盤の合戦場面、中盤の水攻めに田楽、終盤の三成と長親の対峙、と山場見せ場も多くて、近年の戦国ものにしてはよく出来た映画と思います。まぁ台詞回しが軽いのはどうかと思いますが今の人向けってことでいいんですかね。そこそこ楽しめる一品でした。

log modified: 2013/09/09 03:42:28 JST

2013.09.09 (Mon)

Juan Atkins & Moritz Von Oswald / Borderland

 detroit techno 野郎な Juan Atkins と、german minimal dub な人であるところの Moritz Von Oswald の collaboration album、2013 年発表。Tresor から。
 ええと、3MB と Juan Atkins の album が 1992 年ですか。21 年の時を経て、すっかり techno も古典芸能と成り果てましたが、それならそれで classical で emotional な minimal techno の姿を顕現させたるわいなー、という二人の意気込みが窺える燻し銀 techno album であります。Juan Atkins はどらんべに浮気したり vocal ものに取り組んだりもして幅広げようと努力した時代もありましたが結局原点回帰の synth ぶりばりな techno に収まり、Moritz Von Oswald はベーチャンの頃から minimal dub の道を只管突き進む剛の漢、相まみえて作られた track は synth 多めのベーチャンな赴き。MvOT で気を吐く Moritz の意向が色濃く反映されているのは間違いなく、べんべん調の太い bass line と square な四つ打ちで空間はがっちり安定、そこにふわんふわんと synth がこそっと refrain かましつつ乗っかってくるというのが主な展開。でもって全 8 tracks ですが seamless な繋ぎで dj mix な赴き。良くも悪くも Moritz Von Oswald の方向性が強烈に打ち出された album であることは間違いなく、Juan Atkins はそこに従来の spacy な ambient 路線を乗っけて minimal dub な detroit techno を志向した、という album になっております。まぁそれはそれで良いんですがやっぱり全体の tone は地味渋の一言に尽きるわけで。上物の素材もそれほど多くはなさげですし。まぁこの二人の collaboration なら派手目に走ることはないでしょうし、ある意味 listener を裏切らない王道な minimal dub ですが、この stoic さが techno をまにあ御用達な狭量主義に押し込めているような気がしないでもない。Moritz も Jeff Mills よろしく宗教の域に向かっておるのであろうか。このご時世に minimal を作る/聴く意味とは何ぞや、なんて思いをついつい巡らさずにはおれぬ album でありました。

log modified: 2013/09/10 03:54:10 JST

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