Noisy Days in October, 2006

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2006.10.01 (Sun)

diary

 散髪。

[movie] Fahrenheit 9/11

 Michael Moore 監督作品、2004 年。邦題「華氏911」。
 2000 年の大統領選挙で George W. Bush が勝ったのは Bush 陣営の選挙工作によるものだった、9/11 発生後に Bush は Bin Ladin 一家の出国を許可していた、そもそも Bush 一家と Bin Ladin 一家との間は金で繋がっていた、Bush は 9/11 の捜査を潰すべく裏で画策していた、terrorism への警戒を解こうとしないのは Bush による世論操作の現れだった、Iraq への攻撃は石油目当てだった……等々、Michael Moore による Bush 批判と、悲劇に見舞われた家族や戦地の兵士達の証言から反戦を説く documentary movie であります。

 Bush 批判の為に揃えた情報も、今になってみると説得力がありますなぁ。Bush の施策を金の流れで説明する前半部は見事な出来栄えであります。一方、Iraq 戦争の影響を描く後半部はやや情に流れすぎた感じで、映画ならではの美味しさはあまり感じられません。まぁ、議員に突撃して「自分の息子を Iraq に送って愛国心を示しては如何?」と署名を迫る相変わらずの体当り節を見せるところはいつもの Michael Moore であります。
 Iraq との戦争終結を宣言する Bush の後ろで "The Greatest American Hero" の theme を流すのは皮肉が効いておるし、end credits では反戦闘士 Neil Young の "Rockin' in the Free World" を流すなど、音ねたの使い方は秀逸。R.E.M. の "Losing My Religion" なんて久々に聴いたなぁ……。

log modified: 2006/10/02 02:23:56 JST

2006.10.02 (Mon)

Shellac / 1000 Hurts

 Steve Albini (g, vo)、Bob Weston (b, vo)、Todd Trainer (ds) の trio による 2000 年作 3rd album。
 前作 "Terraform" より一層侘寂度が増した 3rd album です。hardcore と形容される音ではありますが爆裂で奇声で阿鼻叫喚飛んだり跳ねたりで音が偏平になる普通の hardcore とは対極に在るかの如き静謐 hardcore であります。いやまぁわーとかぎゃーとかも言ってますが全体的には simple で荒削りで生々しく且つすかすかしい album なのです。すかすか。いえい。すかすか。
 すかすかと言えば Tortoise も slint もすかすかでありました。故に Shellac を音響派 hardcore と位置付けることも可能でしょう。とはいえ Shellac の音はやはり普通の音響派とは違うわけで、耳に直接刺さる音を突き詰めた挙げ句、すかすかの音場をずばあっと袈裟斬りにするような音に辿り着いたという風情なのです。贅肉の無い音とはこういう音を言うのでしょう。髀肉之嘆なんて言葉とは全く無縁の Albini 節全開な album でありました。

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  • Kou Hayashi & Daisuke Nagata / Radirgy Original Soundtrack
  • Various Artists / Apollon Game Music Box Memorial Sounds of Wizardry
log modified: 2006/10/03 02:48:10 JST

2006.10.03 (Tue)

Miroslav Vitous / Universal Syncopations

 Miroslav Vitous (double bass) の leader album、2003 年作。他の面子は Jan Garbarek (ss, ts)、Chick Corea (p)、John McLaughlin (g)、Jack DeJohnette (ds)。
 みんなで一発録りという形ではなく、Miroslav Vitous と jack DeJohnette の session 録音を元にして、他の面子の音を上乗せしていったらしい。まぁ、ECM 音源といえば抽象的、即ち明確な完成の形が無いので弄り倒しても何だかそれっぽく聴こえてしまうというアレな特徴がありますので、あまり違和感なく聴けます。
 Chick Corea と John McLaughlin はほぼ外野仕様の演奏で裏方仕事に邁進。Jan Garbarek はいつもののほほん節です。で、Miroslav Vitous と Jack DeJohnette はかつて Terje Rypdal と組んで北方辺境音楽をやっておった頃の雰囲気で空間演出。rhythm 隊主導の ECM jazz album でありました。この人達の時間は止まっちゃってるようですなぁ……。そこがまた ECM らしいと言えなくもないんですが。

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 vf5 for ps3 の player data 募集が始まってますな。こっそり応募してみたり。

log modified: 2006/10/04 02:50:13 JST

2006.10.04 (Wed)

Steve Reich / Sextet, Six Marimbas

 めりけんの minimalist、Steve Reich の 1985 年作品 "Sextet" と、1973 年の "Six Pianos" の marimba 編曲版 "Six Marimbas" の coupling。1986 年に Nonesuch から release されたもの。
 Reich は大編成の組曲も手掛ける人ですが、小編成で演奏する楽曲の方が minimal ぽい響きになって良いですな。marimba や vibraphone といった、attack 強くて melody も奏でられる楽器が主役なのも point 高し。
 自ら systematic な伽藍を組み上げながらもそれを崩していく、その process から Reich の興味が後に歴史へ向かったのは必然だったとも思いつつ、しかしこの album から感じ取れるのは純粋に音の響きとして面白いという素朴な印象だったりもします。考え込まずに聴ける album であります。

log modified: 2006/10/05 02:35:04 JST

2006.10.05 (Thu)

Joujouka / New Asians

 DJ Tsuyoshi とその仲間達による Joujouka の album、2001 年発表。
 rave 華やかなりし頃の 21 世紀初頭、その頃の最強 DJ の一人に数えられるであろう DJ Tsuyoshi が放った 80's new wave 風味な trance music であります。Rez にも曲提供してましたな。
 重たい beat でずんどこ進んで大波作ってどひゃーんでばばーんな展開は如何にも trance でありますが、どっちかつーと rock 寄りで guitar や vocal が目立ってたりもします。景気付けにたまに聴くには良いものの毎日は聴けない album。

log modified: 2006/10/06 01:05:06 JST

2006.10.06 (Fri)

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 お仕事の変動期であります。こんなに急激に変わっていくとはねぇ。

栗本 薫 『運命の糸車 (グイン・サーガ 86)』
「下らぬ一生であった。……一人の男の真実の愛さえ、得ることができなかった。中原の美女、光の公女などともてはやされながら――しんじつ愛してくれる男ひとりさえ、私は得ることがなかった。……私の何が間違っていたのか……だがいまはもう何もかもどうでもよい。私は、父上とミアイルのところへゆく」
「アムネリスさまッ!」(page 84)

 イシュト不在のゴーラではアムネリスが赤子ひりだしてドリアンと名を付けてカメロンに引き渡し、自身はお亡くなりに。中原ではイシュトがナリス担いでマルガを出発、でもってグイン率いるケイロニア軍とぶちあたり、グインとイシュトが一騎打ちするというお話。

 ということでアム公逝く。というかこんなにあっさり逝かせていいんですかい、カラヴィアのランもあっさり退場でしたが、series 初期からの面子で饒舌王女で驕慢尊大のつんつん娘だったアム公が、負け犬なのに疲れたとか何とかの理由で居なくなってしまうのは勿体ないのぅと思うのですよ。まぁ、言うことは猛々しいが実質流され人生な御人らしい最期と言えなくもないですが、パロの騒動が面白いので邪魔なんは都合良く片付けてしまおうという魂胆が見えるようで嫌な感じであります。
 イシュトはグインに軽くあしらわれておかんむり。というか君達は仮にも王様同士なんだから遊んでないで真面目にやりたまへ。

log modified: 2006/10/08 02:38:03 JST

2006.10.07 (Sat)

diary

 よく寝る日。10 時間くらい寝て、昼寝も 2 時間。秋は寝やすい気候ですからねぇ。って、一日の半分も寝とるんかい。

 3 年に一度のガス設備調査日、ということでおっさんに見てもらいましたが特に問題無し。

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  • Susumu Yokota / Triple Time Dance
  • Jeff Mills / One Man Spaceship
  • Nick Drake / Bryter Layter
  • Nick Drake / Pink Moon
[movie] Human Nature

 Michel Gondry 監督作品、2001 年。
 hormon 異常の体質により毛むくじゃらの体になってしまった Lila Jute (Patricia Arquette) は、自然の中で暮らした手記を出版して金持ちになり、今度は都会に舞い戻り全身脱毛の beauty salon に通いながら男を物色していた。そんな彼女が目を付けたのは Nathan Bronfman (Tim Robbins) という研究者で、彼は鼠に table manner を教え込む研究に没頭していた。二人の仲は順調だったが、ある日森へ出かけた二人は裸一貫で生きる野性人 (Rhys Ifans) を見付ける。野性人を捕えた Nathan は彼に Puff という名を与え、Puff を文明社会に馴染ませるべく調教する。そんな Nathan の助手 Gabrielle (Miranda Otto) は密かに Nathan の心を掴もうと画策、やがて Lila の体毛の件も Nathan にばれて Nathan の心は揺れる。そして順調に文明化されていった Puff も、ねーちゃんを見ると欲情するという本能の衝動を抑えるのに四苦八苦する……。

 脚本は "Being John Malkovich""Adaptation." の Charlie Kaufman ということで、例によって complex に根ざした自己嫌悪や開き直りや本能や抑圧やらの有象無象を軽妙な black humor で包んで召し上がれな作品になっております。まー解りやすい話にはなっとりますな。
 Puff が文明化を志すのは文明社会で fuck する術を身に着けるためで、結局 nature と civilization の差というのもその程度の差しか無いのかもしれん、ということで Charlie Kaufman の心は果てしなく黒いぜという映画なのでした。鼠の名演に拍手を。

log modified: 2006/10/08 02:07:23 JST

2006.10.08 (Sun)

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  • Westminster Cathedral Choir (conducted by David Hill) / Victoria: Requiem Mass
  • Rage / Perfect Man
  • Bon Jovi / New Jersey
  • Jon Bon Jovi / Blaze of Glory
  • 海法 紀光 『式神の城 III ワールドタイム・トラベラーズ』
  • 霧舎 巧 『ラグナロク洞 あかずの扉研究会影郎沼へ』
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 試験会場を下見。通り道にいろいろ誘惑があって困る……。

[movie] We're No Angels

 Neil Jordan 監督作品、1989 年。邦題「俺たちは天使じゃない」。
 1935 年のめりけん。Canada 国境近くの刑務所で服役中だった Ned (Robert De Niro) と Jim (Sean Penn) は、死刑囚 Bobby (James Russo) の脱走に片棒担がされて一緒に脱走、途中で Bobby とははぐれてしまったものの、二人は国境近くの村へ潜り込んで当面の危機を回避する。Canada まで渡れば身の安全が保証されるものの、国境は既に脱走犯を捕えるべく厳重な検閲が敷かれていた。二人は地元の教会を訪れることになっていた二人の神父に見間違われたことを利用して、神父に成り済まして好機を伺うことにした。やがて Ned は障害者の娘を抱えて生きる村の女 Molly (Demi Moore) に気を惹かれ、Jim は嘘から始めた神父の仕事に生き甲斐を見出していく……。

 どうも低調な comedy。いや笑わせようという仕掛けは解るんですが Robert De Niro も Sean Penn も真面目ぶってるので笑うに笑えんのよ。まぁ、お話はひっくり返しの多いはらはらどきどきな展開なのでそれなりに緊張が持続するものの、Ned と Molly の交流は描き込みが足らず、Jim の開眼も唐突な印象。
 蓮っぱな Demi Moore に萌えたい人向けの映画ではありました。せれぶなお嬢役より下町女の方が色気がある女優さんですな。

log modified: 2006/10/10 02:43:58 JST

2006.10.09 (Mon)

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  • Vladimir Spivakov, Alexander Malter, et al. / Arvo Part: Alina
  • Morten Zeuthen / Bach: The Six Cello Suites (2CD)
  • Federico Mompou / Mompou: Complete Piano Works (4CD)
  • Ulrik Spang-Hanssen / Buxtehude: Complete Organ Works (6CD)
[news] Freedb.org Returns to Life [slashdot]

 一時期の service 停止や core member の分裂で先行きの危ぶまれていた freedb ですが、Magix という会社に拾われたようです。database も同社に引き継がれるそうな。
 Magix が Gracenote 化しないのであれば、project の命繋いだだけでも良かったのかも知れません。既に運用中の freedb2 もありますが、どちらを使うかは考え所ですなぁ……。

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 あにをたにとって 4 月と 10 月は自身のスルーちからが問われる時期であります。れっつするーするー。なんだこの日本語は。
 row さんが酒の席で言っておったと思しき「梁山泊で美少女で格闘」なものは華麗にスルーさせて頂きます。10 月開始組も音的に低調ですなぁ。

[movie] Hannah and Her Sisters

 Woody Allen 監督作品、1986 年。邦題「ハンナとその姉妹」。
 Hannah (Mia Farrow) は主婦と女優を兼任しつつ、4 人の子供と夫 Elliot (Michael Caine) と過ごす日々に満足していた。Hannah の妹 Holly (Dianne Wiest) は売れない女優でクスリを止められない性分。もう一人の妹 Lee (Barbara Hershey) は人嫌いの画家 Frederick (Max von Sydow) と同棲している大学生。Elliot は実は Lee に懸想しており、Lee もそれとなく Elliot の気持ちを感じていた。一方、Hannah の元夫である Mickey (Woody Allen) は TV director として忙しく働いていたが、ある日自分に脳腫瘍の疑いがあると知り、死の恐怖に怯えるようになる。Hannah の紹介で Mickey は、女優業も私生活も上手く行かない Holly と付き合い始めるが……。

 という感じで Hannah とその姉妹の恋愛騒動が Woody Allen お得意の饒舌調で繰り広げられる comedy であります。
 いやそれにしてもあの超絶舌足らず女優 Mia Farrow が「頼れる perfect お姉様 & 奥様 & 女優」というのはなかなかに新鮮というか miscast と言うか容易に受け入れ難いものがあるのですよ。小生も映画中程でやっとこそういう役回りなのねと納得した次第。まぁ、Hannah 自身は三姉妹の中では一番安定した position に居る人なので、割り切って見ればこれはこれでありかなと。
 お話としては、三姉妹というか Lee & Elliot 組と Holly & Mickey 組のお話とがあまり結び付いておらず、三姉妹物語にする必然性はあまり感じません。とはいえ、二回目の感謝祭 party で Holly の脚本から Hannah 一家の綻びが露見する件は面白かったんですが。
 個々の character が立っていて観ていて飽きないのは流石に Woody Allen 映画といったところですが、全体としてはまとまりきってない印象。期待せずに見るとそれなりに楽しめる映画ではありました。

log modified: 2006/10/10 02:06:12 JST

2006.10.10 (Tue)

Rose Consort of Viols / Dowland: Consort Music and Songs

 John Dowland (1563-1626) の楽曲を主に Rose Consort of Viols が演奏したもので、guest の Catherine King (mezzo-soprano) と Jacob Heringman (lute) が入る曲もある album。1995 年録音。Naxos の 8.553326 番。
 Dowland と言えば先頃、かの Sting 先生が Dowland 歌曲集を出して話題になっております。近場の CD 屋を二件程はしごしたところ、いずれも pops の棚には置かれているものの classics の棚には影も無しでありました。せっかくの Deutsche Grammophon からの release なんだから置いてあげても、と思わなくもないですが、あの声で歌われたのでは pops 棚行きも宜なるかなといったところでしょうか。それとも classics 棚を預る者としては認められんということか。という推測はさておき、Dowland の曲を男声で歌うってのはそれなりに新鮮な響きがあるのですよ。CD だと大抵 soprano の姉様が歌ってますからねぇ。
 ということでこの CD ですが、Dowland の楽曲といえば英国 melancholia の象徴みたいなもので、lute 独奏もええですが Rose Consort of Viols の丁寧な弱音弓弾きも雰囲気に合っていてよろしいです。Catherine King の歌唱も程良く力が抜けていて柔かい耳当たりです。過不足ない作りで安心の一枚なのであります。

柴田 錬三郎 『英雄三国志 四』
 いわば……。
 祝融は、女として、一人の男子に魅せられたのである。
 ――この世に、このような素晴らしい男子がいたのか!
 言葉にすれば、それであったろう。
 孔明の風貌も言辞も態度も、すべて、祝融という女人にとって、心を溶かしてしまいそうな魅力があったのである。
 孔明の方は、その祝融の心の中を、看て取ったかどうか、あくまでも無表情で、側近の者を呼び、捕虜交換の使者を、孟獲の許へ送るように命じた。(page 232)

 柴錬版の孔明もますます眠狂四郎化しておるようですな。集英社文庫版で読了。全六巻の四冊め。
 柴錬三国志は元々『英雄ここにあり』全三巻と、『英雄・生きるべきか死すべきか』全三巻との二つがあったわけですが、それを続き物としてまとめたのが『英雄三国志』全六巻なので、この第四巻は諸葛亮孔明が出師の表を出す前、即ち蜀が呉と結んで魏を斥け、南蛮攻めを行う辺りから始まります。南蛮王の孟獲を七度生け捕りにして七度解放することで孟獲を帰順せしめた孔明は、計略を用いて魏の司馬懿仲達を要職から追い落とし、出師の表を劉禅に献上して魏を討つべく兵を進める。緒戦に連勝し姜維伯約も蜀軍に迎えた孔明だったが、魏では司馬懿仲達が要職に返咲き、孔明と仲達との知略を尽くした戦いが始まる……というお話。

 冒頭から姜維と孔明を相対させたり、孟獲の妻の祝融を孔明に懸想させたり、関興の危機を救うべく関羽の亡霊が青龍刀を振り回したりと、例によって柴錬な展開であります。老いても若者には遅れを取るまいぞと奮闘する趙雲、かっちょええのぅ。

log modified: 2006/10/11 02:29:25 JST

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