Noisy Days in March, 2004

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2004.03.01 (Mon)

A Guy Called Gerald / Essence

 先週に引き続き drum 'n' bass で。いやなんか聴き直してると楽しくなってきたよまったく。で、A Guy Called Gerald の 2000 年作。
 はい、この album は大好きです。

 Gerald も drum 'n' bass の originator と言われている人ですが、この人の作る track には独特の奇妙なハネ具合があって、小生はどうもそれが好きらしい。あと、複数の rhythm track を幾重にも織り交ぜて、polyphonic な drum 'n' bass を展開する点にも独自色を感じます。
 Can の remix album "Sacrilege" でもズバ抜けて密度の高い d'n'b を披露してましたし、前作 "Black Secret Technology" では Gerald らしい呪術的な暗い image が印象的でした。
 この "Essence" では、そういった今までの Gerald らしい暗い雰囲気を引きずりつつ、vocal track を多く配することで、pop かつ soulful な方向に shift してます。こういう路線、同年に発表された "LTJ Bukem / Journey Inwards" と似ているようにも見えますが、Bukem が過去に光を当てようとしたのに対して、Gerald の視線は常に前を向いてます。melodious な展開になり、female voice が甘い囁きを響かせても、Gerald の生み出す track はピンと張った piano 線のような緊張感に包まれている。Gerald の踏み込んだ領域では、drum 'n' bass 的ではないはずの down tempo track でさえ drum 'n' bass 的に解釈され、未知の pop song として昇華されてしまう。それは、妖しいほどに官能的でありながら、迂闊に近づくとばっさりやられてしまいそうな、絶妙の距離感を listener に突き付ける。この世界観、Gerald ならではの coolness が成せる業です。
 全体的に緩急織り交ぜた隙のない production ですが、特に終盤の tr.12 "Universal Spirit"、tr.13 "Hurry To Go Easy"、monologue の tr.14 "Scalecircle" を経て last track "Landed" に至る流れが素晴らしい。drum 'n' bass にはまだ可能性がある、ってことを信じさせてくれる album です。

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 今日のケツイ、1-5 のナイトメアまで。対コラルマンタ戦、光明が見えてきたかも。教訓は「立ち止まるな、動き続けろ!」。

log modified: 2004/03/02 03:26:04 JST

2004.03.02 (Tue)

Aphex Twin / Richard D. James Album

 Aphex Twin の 1996 年作。とっちらかった electro を方々に振りまきながらも、一応 techno artist と言われていた Aphex Twin が、drum 'n' bass を肴にして遊び興じるの図。
 当然のごとく jungle 〜 drum 'n' bass の歴史性は無視して、drum の音をくっつけたり切り離したり。仕上がった track は Goldie や 4hero が指し示した構築美とは全くかけ離れた、痙攣しまくって反復を延々と逃れていく奇怪な breakbeats と化しました。俗称 drill 'n' bass。
 しかし、この abstract さが実は面白いのですよ。d'n'b は始めのうちこそ複雑な印象を聞き手に与える音楽ですが、base track 自体は loop で作られていることが多くて、そこを見切ってしまうと rhythm の面白さはあまり感じられなくなってしまう。その点、Aphex Twin のこの album や、Squarepusher の 1st とかは、ずーっとずーっと不安定なままなんですな。それを面白がれるか否かで貴方の drill ん度も測れることでしょう。小生は、むしろこのけたたましい予測不能性こそが drum 'n' bass の本質だと長いこと勘違いしてたクチなので、Aphex Twin には胸を張って有罪を宣告しましょう。天罰天罰天罰天罰。
 それにしても発想が子供です。安い機材は Richard の宇宙、cheap な音はむしろ自由化促進剤。作ってる内から偶発性を楽しんでいるのが素直に伝わってくる音です。それは底が浅いってことでもあり、完成されてないってことでもあり、それ故に直情的で自由でどうしようもない pureness を発散しているってことでもある。tr.1 "4" や、tr.9 "Girl/Boy Song" のような胸キュン techno を臆面もなく作ってしまった Richard はやっぱり罪深い男と言わざるを得ないのであります。

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 今日のケツイ、1-5、エヴァッカニアまで。ええと、4 度目の対決ですか。最初の攻撃で横からちくりと刺され、あっけなく終了。ううう。
 やっぱ縦穴を余力残して越えないと駄目っぽいな……。

log modified: 2004/03/03 03:21:56 JST

2004.03.03 (Wed)

Plug / Drum 'n' Bass for Papa

 Luke Vibert の別名義作、1997 年。
 Aphex Twin を中心とする d'n'b 勘違い軍団 (Mu-ziq や Squarepusher 含む) の中では、一番真っ当な d'n'b を作ってたのがこの Plug です。まぁ、真っ当すぎて地味でつまらんと小生も思ってたりもしますが、改めて聴き直してみると、こういう地味渋な album も悪くはないです。ある意味、d'n'b の死を優しく抱きしめている作りと言えるでしょう。
 ここで展開されている音楽には何ら目新しいものはないし、精緻ではあるけれど暗くて冷たくて怖い track ばかりなので、あまり良い印象は持てないはずなのである。しかし西洋音楽らしからぬ無国籍風の上物をそこここに散りばめ、精密機械を思わせるような規則的な beat を延々と繰り出す Plug の音楽には、d'n'b への枯れきった愛が満ちている。その姿勢は、新しい物に喜々として飛びついた Aphex Twin や Squarepusher の姿勢とは全く異なっている。むしろ、長年連れ添って手の内を熟知している職人が、その内なる秘伝を無造作に披露した風な枯れ具合である。緻密でありながら隙や余裕を感じさせるってことは、それだけ d'n'b の酸いも甘いも知り尽くしたってことなんだろうな。
 それにしても爺さんすぎやしませんか Luke さんよ。若い人がこんな album 作っちゃいけませんって。

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 さむ。

 今日のケツイ、1-5 のエヴァッカニア直前まで。厳しい山を越えたと思ったら流れ弾に当たってしまい……あああっ悔やまれる。
 score は 9125 万で自己ベ更新。

log modified: 2004/03/04 02:58:00 JST

2004.03.04 (Thu)

Squarepusher / Music is Rotted One Note

 drum 'n' bass 裏街道紀行、今日は Squarepusher の 3rd で。1998 年発表。
 1998 年と言えば "4hero / Two Pages" や "Goldie / Saturnz Return" の発表された年でもあり、時流は既に「もうドランベ飽きたよ次行こ次」でありました。2 step なんてのもありましたなぁ。今もあるんかどうか知らないけど。
 で、d'n'b 界の異端児、ドリルン教の開祖、自己中心派 bass 弾きの Squarepusher も新たな局面へと果敢に挑戦して、へろっと出てきたのがこの album。何とドランベ捨ててきました。drum も bass も自分で弾いているという。Squarepusher といえば drill 'n' bass、といった世間の categorize を自らうち破ろうとする果敢な挑戦、しかも舌足らず技術足らず。壮大な自己満足作品で、とてもじゃないが 4hero のように真っ当な進化を遂げたとは言えません。
 んがしかし、この album で展開されている音は紛れもなく Squarepusher にしか成しえないものでもあります。そりゃ曲調は electric 時代の Miles Davis 風かもしれんが、人力なのに見境無く突進しまくって snare 叩きまくる様は、明らかに d'n'b 以降の音楽を表現している。でもって、effect と drum と bass のみという貧弱な構成の中で、狂騒と静謐の狭間を行ったり来たりして、Terje Rypdal の ECM 作にも通じるような得体の知れない soundscape を聞かせます。黒さの欠片もない europian jazz の亜種。
 1st に比べると抽象性というか訳解らなさが増していて近寄りがたい album なので、小生も久しく聴いてなかったんですが、聴き直してみると意外と新鮮で面白い音です。tr.9 "My Sound" の sentimental な melody は秀逸。tr.11 "Theme From Vertical Hold" の abstract な世界観はまるで一人 Mahavishnu Orchestra。んむ、何だかんだ言っても聞き応えは充分です。尤も、ある程度 d'n'b を聞き込んでないとこの音を面白がることはできんような気もしますが、まぁ Warp の artist は大抵そんな感じですからねぇ。

diary

 身体は怠いわ、眼は乾くわで散々な一日でした。

 今日のケツイ、1-5 のナイトメアまで。マンタ気合い避けで眼が疲れ果てました。

log modified: 2004/03/05 02:46:53 JST

2004.03.05 (Fri)

Multiphonic Ensemble / King of May

 連日ドランベばかり聴いてると、歩道橋渡ってるときの雑音の中にも drum 'n' bass を探してしまったりする今日この頃。病んでます。寝不足です。半野喜弘の Multiphonic Ensemble 名義での 1st。1997 年発表。Sub Rosa から。
 この頃の半野さんは d'n'b 作りまくってましたなぁ。Mick Karn との共作 "Liquid Glass" も d'n'b な作りだったし。この "King of May" も真っ当な drum 'n' bass で、今の作風に比べればまだ常人の作品と言えるでしょう。
 とはいえ、こうやって聴き直してみてもやはり orthodox な d'n'b とは言い難い。beat の組み方は一見単純な loop のように聞こえますが、実は微妙な起伏を孕んでいて、drum だけの solo phrase になると jazz の drum solo のように自由な展開を見せます。break の組み方にも強引さと安定感とが同居する奇妙な味わいがあり、踊らせるためだけに作られた track でないことは一目瞭然。そして半野喜弘らしい、緩やかだがどこか緊張と不安を含んでいるような音響が d'n'b の喧噪と共振してます。melody も暗くて変、でもって d'n'b だから尚更暗い。とはいえ、半野喜弘の作品としてみればまだ解りやすい暗さであり、そこが何気なく聴いても何か格好良いと思わせる一因にもなってます。半野喜弘による Metalheadz 解釈、と表現すれば少しは伝わりますか。発想はまず音響ありき、で少しだけ melody 加えてる。
 この後の半野喜弘作品に比べれば、まだ他人の衣装で勝負しているという感は否めませんが、これはこれで筋の通った良作と言えるでしょう。

[news] nDiary Antenna with thumbnail

 こうして並べられると、小生の page は貧弱極まりないな……。まぁ、地味に行きますわ。

diary

 もう金曜か。今週は時の流れが早かったような。

 今日のケツイ、1-5 の縦穴越えた辺りまで。琥珀姫で 3 miss は痛かった……。

[movie] Armageddon

 Michael Bay 監督作品、1998 年。
 地球に巨大な小惑星が迫ってくる。それが地球にぶち当たれば、地球上のあらゆる生命体が死滅することは確実。残された時間は 18 日。NASA 長官の Truman (Billy Bob Thornton) は、地球が危機を脱するためには、小惑星の内部で核爆発を起こして破砕するしか手がないと結論する。そのために必要なのは穴掘りの技術に長けた人物。Truman は、石油採掘の professional である Harry (Bruce Willis) に白羽の矢を立てる。「俺達に掘れない地面はない」と豪語する Harry とその仲間達は、NASA の全面的な backup のもと、地球の未来を守るため小惑星目指して飛び立つ……。

 title を "Die Hard Final: McClane 刑事、地球のために死す" に変えて撮り直してください。
 いや冗談(爆)。

 娯楽映画としては及第点。CG 多用しての災害場面や、小惑星の描写は流石に迫力がありました。お話は単純明快で大風呂敷で危機また危機の連続で飽きさせないし、登場人物も解りやすい性格なので、何も考えずに楽しめます。つか、考え出すと「宇宙で走るなよオイ」とか「結局世界を救うのは USA で、他の国々はそれを指銜えて待ってるだけかよ」とか、いろいろ突っ込みどころがあるような……。
 泣かせる point も満載で、終盤は「さぁ泣けすぐ泣け号泣しろ」と急き立てられているような展開です。でも、ちょっと弱いね。Harry は娘の Grace (Liv Tyler) と、有能な部下である A.J. (Ben Affleck) がいい仲なのが気に入らないため、始めのうちは Grace とも A.J. とも険悪な関係になっている。しかし A.J. が Harry に反抗するのは、むしろ Harry に認められたいという思いの裏返しであり、それを察しながらも A.J. を子供扱いしていた Harry は、自分の判断で大仕事を成し遂げた A.J. を見て得心したのか、A.J. に「娘のことはテメーに任せたぞ、息子よ」とか何とか良いながら自らは最後の仕事に赴く。はい、ここはこの映画最大の泣き所ですよ。これに比べるとその後の Harry と娘の最後の会話とかは今ひとつ盛り上がらない。「私の良いところは全て papa から受け継いだの」とか言われても、Grace の良いところなんて知らないし。まぁ、単純に父と娘の最後の会話だから、ってんで泣きに入ると考えてもいいんですが、父と娘の物語として観るとあまりに stereotype で深みがない。まぁそこはそれ、娯楽映画にそこまで求めてはイカンということで。

 「オレがむかつくのは、誰も Jethro Tull を知らないことだ!」ってとこに笑った。悪いね、小生も聴いたことないよ。あと、「オレの Little Richard に何すんだよ!」とか、どうでもいいところで音楽ネタに苦笑したり。original score は Trevor Rabin が担当。まぁ悪くはないです。

log modified: 2004/03/07 03:12:38 JST

2004.03.06 (Sat)

diary

 起きてみれば 15 時。これで寝過ぎたって感じはしないんだよな。

 今日のケツイ、1-5 エヴァッカニアまで。珍しく残 x 1 で臨みましたが、第二形態のミサイル連弾による挟み込みにやられて game over。うわあああ〜〜っ、って感じ。

 寝間着と靴を新調。

[movie] 牛頭

 三池崇史監督作品、2003 年。
 ヤクザの南 (曽根英樹) は、兄貴分の尾崎 (哀川翔) を車に乗せて名古屋へ向かっていた。南は尾崎を尊敬していたが、最近奇行の目立つ尾崎に警戒した組長 (石橋蓮司) は、尾崎を名古屋の処分場に連れていくよう南に命令していた。だがその道中、尾崎は「ヤクザだけを狙うヤクザカー」と対決するが、尾崎言うところのヤクザカーは、南の目にはただの一般車両にしか見えない。ヤクザカーに銃を突き付ける尾崎を南は取り押さえようとするが、誤って尾崎を殺してしまう。しかも、悲嘆に暮れた南が喫茶店で頭を抱えている隙に、尾崎の死体が何処かに消失する。尾崎の亡骸を求めて彷徨う南は、顔半分に白い痣がある男、能勢 (火野正平) の助力を得る。そして、尾崎捜索の拠点としてマサカズ旅館に部屋を取るが、宿主のマサ (冨田恵子) とカズ (曽根晴美) も独自の世界に住む変人であり、南は彼らの怪しい行動に戸惑いながらも死体尾崎の行方を追い続ける……。

 これは兄貴の死と再生の物語である。だがそれを鵜呑みにしてはならない。兄貴自身が「オレがこれから話すことは全て冗談ですから」と断っているではないか。とにかく全てが nonsense。最低映画。その過剰な最低振りには清々しささえ漂う。
 行き当たりばったりな展開なのですが、その純度が半端でない。あまりの先読み不能性に、牛頭が出てくるあたりでは南と同様に小生もうつらうつらしてました。三池監督作品らしい遊びがいろいろ仕掛けられてもいますが、それでも映画中盤までは冗長に感じます。復活尾崎 (吉野きみ佳) が出てくる辺りで持ち直しますが。それ以降の展開はもう訳解らん。訳解らん割に楽しかったりもする。「兄貴は誰にも渡さん!」って真顔で言うなよ南(笑)。そしてやっぱりというか何というか最低のオチが付いて、end roll で「牛頭の歌」が……。結局これは何だったのだろう。深くは考えるまい。
 とりあえず、えらいもんを観てしまったという感想だけは持てました……。

log modified: 2005/01/24 00:59:49 JST

2004.03.07 (Sun)

get
  • Squarepusher / Ultravisitor
  • Tortoise / It's All Around You
  • Barry Altschul, Paul Bley & Gary Peacock / Virtuosi
[movie] The Lord of the Rings: The Return of the King

 Peter Jackson 監督作品、2003 年。邦題「ロード・オブ・ザ・リング / 王の帰還」。"The Two Towers" の続きにして三部作の完結編。
 Black Gates を越えた Frodo (Elijah Wood)、Sam (Sean Astin)、Gollum (Andy Serkis) の一行は、いよいよ Mordor の深部へと歩を進める。しかし指輪奪還の夢を捨てていない Gollum は、Frodo に「Sam があんたの指輪を奪おうとしている」と吹き込んで Frodo と Sam の信頼関係に揺らぎを掛けつつ、二人を罠場に誘い込もうとする。
 一方、Aragorn (Viggo Mortensen)、Legolas (Orlando Bloom)、Gimli (John Rhys-Davies)、Gandalf (Ian McKellen) らの一行は、戦いの果てに Saruman を封じた Merry (Dominic Monaghan) と Pippin (Billy Boyd) に合流する。戦勝の宴に酔う戦士たち。しかし、Saruman が持っていた水晶玉を好奇心から覗き込んだ Pippin は、逆に Sauron の瞳に魅入られてしまう。Gandalf によって救われた Pippin は、Sauron が Gondor の美しい都市 Minas Tirith を陥落させるべく動き始めたことを皆に告げる。Gandalf と Pippin は Minas Tirith に向かい、王の執政であり実質上の Minas Tirith の支配者である Denethor (John Noble) に危機を伝えるが、Rohan に助力を頼めば Gondor が Rohan に占領されると思い込んでいる Denethor は、Gandalf の助言に耳を貸さない。そうこうするうちに、Sauron の大軍勢は Minas Tirith に近づいてくるのだった……。

 これが見納めってことで、Gandalf 御代は大活躍です。老骨にむち打って、自前の杖で敵をばっさばっさと薙ぎ倒す。あんた魔法使えよ(爆)。でも最後に見せる微笑みに癒し系爺さんの真骨頂を見る。
 今作では馳夫さんが遂に王様になるってんで、elf の偉いさんから名剣を贈られたり、死人の軍団を使役したりと、こちらも大活躍。Merry & Pippin のへっぽこ二人組も、鎧を身につけ刀を手にして戦います。しかもそれなりに戦況を左右するような重要な働きを見せたりして、小さいなりして頑張ってる姿がいじらしい。二人組といえば Legolas と Gimli の異種族 pair も、種族を越えた友情でお互いに信頼しあっている様がさりげなく描かれてます。Gimli の台詞は笑えるものが多くて、serious 一辺倒になりがちな展開に絶妙の水を差してました。
 しかしやはり本命は Frodo と Sam、それに Gollum の三人の旅ですな。Sam の頑張りにはただただ涙。Frodo に「もう付いてくんな、家に帰れ」と言い放たれて意気消沈、されど主人の危機を救うべく孤軍奮闘し、Frodo が Sauron に睨まれて動けなくなっても、「オレは指輪の重みを背負うことはできないけれど、アンタを背負うことはできるぜっ!」と言って Frodo を背負って歩き続けたり。おおっ、義理人情だよ hobbit は。
 で、指輪の引力とひたすら戦う Frodo の苦悩もまた深い。信頼の置ける Sam に指輪を託すことさえ抵抗を感じ、指輪を奪われると自分の半身を失ったかのように狼狽える。そして最後の最後で、Frodo は指輪の誘惑に負ける。指輪を火口に放るという、ただそれだけのために旅してきて、そのために多くの屍が旅の路上に打ち捨てられているにも関わらず、それら一切を忘れて己の欲望に身を委ねてしまうという怖さ。人の信念の脆さや弱さを突き付けるこの醜い展開、見事です。力を捨てることで未来を開く、その難しさは歴史が証明している。その意味で、この映画には普遍的な message が込められているように思います。って、原作読んだときにはそんなこと全く考えなかったなぁ。

 映像的には、城塞都市 Minas Tirith を Gandalf と Pippin が馬で駆け上る場面が印象的でした。いやほんと、息を飲むほどの美しさです。一方、合戦の場面では Goldor 軍がどんどん窮地に立たされているはずなのに、どたばたしすぎてあまり切迫感が無いような感じ。まぁ、この辺りの見せ方の拙さは前作でも感じられた点だし、迫力だけはあるので飽きることはなかったんですけどね。

 というわけで、ずぼらな小生にしては珍しく、三部作全て劇場で観ることができました。嗚呼、腹一杯。
 次は誰か "Elric Saga" の映像化とかしてくれたら劇場に観に行きます。って、そんな物好きはおらんでしょうなぁ……。

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 珍しく早起き。とはいえ 12 時でしたが。早々に身支度して映画鑑賞。で CD 漁って帰路。

 今日のケツイ、1-5 エヴァッカニアの第二形態まで。それなりに手の内は見えてきてるんですが、simulation と実戦は違うんですよセイラさん。

log modified: 2004/03/08 03:11:43 JST

2004.03.08 (Mon)

Yoshitaka Azuma / Virus Original Soundtrack

 Sega Saturn 用 game の soundtrack。音楽を手掛けたのは、初代 Panzer Dragoon の作曲者である東祥高。1997 年発表で、avex からの release。
 game の方は例によって no touch だったりするわけですが、音を聞く限りでは何か horror ちっくです。東祥高、この album では drum 'n' bass やら techno やらに手を染めた様子。とはいえ、合ってないな(爆)。この作曲家は喜多郎病というか Vangelis 病というか、やたらと reverb のかかった synth をふわふわ漂わせながら朴訥とした melody を紡ぐ、って曲が好きそうな人なんですが、だからといって LTJ Bukem のように壮大な宇宙観を描くには至らず、俗悪極安 easy listening に、取って付けたような digital rhythm を乗っけてみました風の soundtrack になってます。d'n'b の曲でもあまり speed 感が出てこないってのは何だかなぁ。それでもまぁ前半 5 曲は聴ける方。それ以降は……うーむ。一つ言えることは、cheap な orchestra hits がジャジャンと鳴るたびに笑ってしまうということくらいです。
 そして最後に Favorite Blue の曲が出てきて、上手い具合に全てぶち壊してくれます。何だギャルゲーだったのか(爆)。

diary

 今日のケツイ、1-5 エヴァッカニアまで。残機 x 4 で 5 面に突入し、ちゃんと 1up も取って、虎も無傷で越え、蟹に辿り着く頃には残 x 0。縦穴は地獄に続いている……。

log modified: 2004/03/09 03:31:26 JST

2004.03.09 (Tue)

Zuntata / Raycrisis

 drum 'n' bass の album と括るには曲調広すぎですが、とりあえず pick up。Taito の STG "Raycrisis" の soundtrack で、1999 年発表。作曲は tamayo。tr.3 "Lavande bleu" は tamayo 流 d'n'b の曲になっていて、ゲセンで初めて聴いたときは背筋が震えたもんです。って、Raycrisis ってあまりやりこまなかったんだよな……。
 tamayo の曲といえば、techno な beat に乗せて、輪郭のくっきりした、しかしどことなく minor 調の melody を聴かせる……という、低血圧 & 自閉症型精神感応音楽といった趣があるのですが、"Lavande bleu" に至ってその style も一つの到達を迎えることになったと思われます。単音主体で紡がれる melody、harmony を避けるように配置された上物、左右の channel で独立している d'n'b part。脆さを含んだ schizoidic な音響の中、無力な光が筋成す世界。幾度となく theme は繰り返され、冷ややかな tension を持続させながら、緩やかに精神の内面へと潜り込んでいく。この solid な構成、d'n'b という format だからこそ表現できることだと言うことは、この後に続く track が従来の tamayo sound の再構成であることからも窺えます。「d'n'b は音を選ぶ format だ」と語ったのは半野喜弘だったか。その意味で、外向きの装飾を外すことで本質の輝きを強調した tamayo は d'n'b を上手く把握しているんではないでしょうかね。
 あ、1 曲 review だけで終わってしまった(爆)。

清涼院 流水 『カーニバル 四輪の牛』
「余には余なりの探偵道があるんだよ。素人がクチを挟まないでくれ」
「素人とはなんです、素人とは。あたくしの人生経験推理――亀の甲より年の考を甘くみてもらっては困ります。夜叉ぼっちゃんも昔は素直でいい子でしたのに、いつの間にか不良に育っちゃって。ご両親に将来の夢を尋ねられて『猫になりたい』と無邪気に語っていたあのカワイイ目をした子供が、どうして、こんな不良少年になったんでしょう?」(page 265)

 『三輪の層』の続き。
 さあ下半期……の前に、九十九邪鬼によって動きを封じられていた God of Detectives がこの上半期に何を思っていたのかが、彼に随伴していた犬神夜叉により語られる。そして明らかになる衝撃的事実。即ち九十九十九は馳星周の『不夜城』を「滅法おもしろかった」などと熱く語るような冒険小説オタクだったのである! というのはさておき、探偵神は Billion Killer の犯行の中に、とある因果律を発見する。そして下手人の目星がつき始めた頃に悲劇が彼を襲う。
 で、下半期の物語がようやく開幕。RISE の誇る移動要塞・神聖城に連れてこられた天城漂馬は、行方不明だった九十九音夢や龍宮乙姫と再会する。そして、寝台で死んだように眠りこける男を見て驚愕する。その男は既に死んだと聞いていたからだ。次々に開かされる RISE の秘密。その衝撃的な内容に、漂馬たちは打ちのめされる……。

 Billion Killer の事件は相変わらず続いていますが、そっちの展開は脇に置いて、RISE の秘密がちょろちょろと明かされていきます。んがしかし、何か盛り上がらんなぁ。JDC の面々がひたすら受け手に回っていて、RISE に好きに振り回されている感じ。独尊も表に出てこないし。最終巻でこのもやもやが全て晴れることを期待しすぎないよう注意しながら読んでくとしますか。

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 今日のケツイ、1-5 エヴァッカニアまで。残機 x 4 で 5 面に突入し、ちゃんと 1up も取って、虎も無傷で越え、蟹に辿り着く頃には残 x 0。って、昨日と同じ展開でわないですか。ま、昨日は Panzer Jager、今日は Tiger Schwert という違いはありますが。
 score は 9730 万で自己 best 更新。いや score はいいから蟹食わせてくれ。

log modified: 2004/03/10 03:34:52 JST

2004.03.10 (Wed)

Success / Psyvariar Original Soundtrack

 個人的 drum 'n' bass 特集もそろそろネタが尽きてきた……ってわけでもないのですが、まぁこの辺で締め括りに持っていこうかと。Success の STG の soundtrack、2001 年発表。
 これについては過去にいろいろ書いたような気がするので review は割愛。うわ、手抜き(爆)。
 続編の soundtrack は 3/24 発売らしいので期待して待ちましょう。

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 ISMS かぁ。企業内情報の管理は必要でしょうから、こういうのも考えていかなきゃならんのでしょうな。度が過ぎると、企業内の sect 化が促進されて横連携しにくくなったり、顧客への情報非開示で非難されたりもしそうな気がしますが、その辺は匙加減次第、ってとこでしょうか……。

 今日のケツイ、1-5 縦穴抜けた辺りまで。今日も残機 x 4 で 5 面突入だったのに、いろいろへまをやらかしてこの有り様です。とほー。

log modified: 2004/03/11 02:40:27 JST

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