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UK の prog rock band、Yes の 1971 年作。
70's prog rock の中では小生は Yes が一番好きな band だったりするのですが、今まであまり褒めてきた覚えがないのですよ。Jon Anderson の能天気 vocal と、気の抜けた大仰さが特色の曲展開に、思わず仰け反ってしまい冷静に聴けないというのが大きな理由ではありますが、いやでも 70 年代の Yes はやはり偉大やったと思いますよ。Crimson や Floyd みたいに考え込んで自閉症に陥ったりせず、ひたすら極楽万華鏡な世界を突き進んだその style は、なかなか真似のできぬ original なものだったと思うのです。
"The Yes Album" と銘打たれてはいますがこれが 3rd album。tr.1 "Yours Is No Disgrace" がいきなり能天気節で例のごとく仰け反りますが、tr.3 "Starship Trooper" や tr.4 "I've Seen All Good People" といった複数構成での dramatic な展開、tr.6 "Perpetual Change" での緩急自在な曲調からは、Yes らしい Yes の音が感じ取れます。今作から入った Steve Howe (g) が能天気振りに拍車を掛けてるってのも大きいですな。
この album で道を固めた Yes、この次に傑作 "Fragile" を生み出すことになりますが、こういう成長期の音は Yes に限らず面白いです。
Jim O'rourke の 2001 年作。小生保有は P-Vine の PCD-23192。
1999 年の "Eureka" に続く歌もの series 第二弾。今回は Wilco の Jeff Tweedy と Glenn Kotche も参加、ということで rock な band sound への志向が如実に現れた作品となっております。また、"Eureka" が americana の潜在意識を前景化した album と捉えるなら、この "Insignificance" は 60's 〜 70's の british rock の持つ空気、斜に構えてたり牧歌的だったりするアレ、の夢と幻滅を現代に蘇らせたかのような音になっております。
この album が出た当時、小生はこの album に否定的だったものですが、昔ほど british rock に抵抗無くなった今の耳で聞くと、結構良い album に聴こえてしまうんだよなぁ。まぁ、noise や free improvisation 界隈での暴れはっちゃく振りも有名ですが、元々 pop な sense には定評のある人なので、こういう album もひょいっと作ってしまえるのでしょう。ちゃんと input を消化して output できる、良性の音盤おたくな人であります。
tr.1 "All Downhill from Here" や tr.3 "Therefore I Am" といった electric guitar のべたな riff が突っ走る曲は、この album の highlight になるのでしょうが、終盤に添えられる acoustic guitar での minimal riff からほえほえと歌う数曲には、この人ならではの懐古的な哀愁が滲み出ていて泣けてきます。じっくり聴くと名作ですなぁ。
帰省の切符購入。今回もあっさり入手できて何より、と言いたいところだが帰りは自由席か……。
虫ふたを縦画面でやりたいので、PC 用に使っていた飯山の B2403WS を TV 台の方に移動。B2403WS は縦置き可能だからね。引き換えに、TV 代わりにしていた三菱の MDT241WG を PC 用に set。
B2403WS に Xbox360 を接続して表示させるのは特に問題なくできたものの、HDD recorder の RD-S601 を HDMI 接続して表示させようとすると、"nonpreset mode!" とか表示されて、地デジが 480i でしか表示されない。むぅ。
同じ東芝製の RD-X6 は接続検証済みらしいが、RD-S601 では世代が古すぎるってことかのぅ。にしても、MDT241WG では full HD 表示できていたのだから、quality の差をちょっと感じずにはいられませんね。まぁ、TV 台の方で動画見る機会はあまり多くないので、それほど困るわけでもないのですが。
しかし縦置きで虫ふたやっても例によって変な弾に当たっていかん。虫姫さま series の弾幕って個人的には好きになれんのぅ。ケツイはまだ来ないのかねぇ。
めりけんの blues rock band、The Butterfield Blues Band の 1966 年作。
Paul Butterfield (vo, harm) を中心として結成された band で、Bob Dylan が rock への舵を切った際、この人たちを back に付けたことでも有名です。つか小生は Mike Bloomfield の guitar 聴きたさにこの album を買ってしもうたわけで。60 年代 blues rock を語る上でこの人は外せない、らしいのですが小生は no touch だったので、勉強させて頂いておるのです。
group に blues band と付けてるだけあって album の曲は blues が main ではありますが、Cannonball Adderley の jazz 曲を泥臭く arrange した tr.5 "Work Song" や、13 分にも及ぶ jam session の tr.9 "East-West" 等、ただの飲み屋渡り歩き系 blues band に収まらぬ曲も収録されており、熱い気概の感じられる album になっております。つか、こりゃばりばり guitar 弾きたいがための曲なんじゃねーかとも思ったり。いやかっちょええので文句は言わないが。
とはいえ、後の CCR や GFR といっためりけん rock 本流に比べれば、何だか british blues rock に影響されてやってみました的な小奇麗さ・軽薄さが感じられなくもない。まぁ、良くも悪くも時代を感じさせる音であります。
めりけんの alternative rock band、Pearl Jam の 2009 年作。小生保有は国内盤 UICO 9047。
ありゃ、PJ ってこんなにろけんろーだったっけ。tr.1 "Gonna See My Friend" から guitar ぶりばりなろけんろーで始まり、続く tr.2 "Got Some" から tr.4 "Johnny Guitar" までを疾走感溢れる曲調と Eddie Vedder の straight な歌い上げで固めたこの album は、紆余曲折ありながらも 90 年代の屈折 rock を引きずっていた今までの Pearl Jam とは明らかに異なる雰囲気があります。何より聞きやすい、そして真っ直ぐだ。これを原点回帰と言う人は "Ten" をもう一度聞きなおして見ればよろしかろう。今回は原点どころか別次元に突入している感あり。
album 全体通しても極めて positive な音像で統一されてますが、背伸びしてる感じは全くなく、やっぱり PJ らしい粘っこい groove が底辺をがっちり固めている。長年の経験が足枷にならず、むしろ band の自由度を高めている、ってことか。まさかここに来て更なる伸びしろを見せつけることになるとは、PJ 侮れん。傑作と思います。
孤高の breakbeats 大将、Riow Arai による 2009 年作。dccd-016。
"Electric Emerald" や "R+NAAAA" といった場外乱闘系の album もそれなりに充実しておったとは思いますが、やはり Riow Arai といえば余人を寄せ付けぬ変態 breakbeats が持ち味だよなぁと思うことしきりな今日この頃でありましたが、Illreme との split album "Drag And Drop" で本流に若干揺り戻し、そしてこの新譜では往年の変態 breakbeats 調も復活。ひとりまんねり王などと言われてもへこたれない、これぞ漢よもののふよ。
しかし今までの side project が上手い具合に本流に取り入れられた様子で、rap や女声の歌を立てての track もちらほら。よくよく聴いてみれば変態 breakbeats 調の track も、巧妙な sound collage に翻弄されそうになるところを funky な groove が根っこをがっちり押さえる構成になっており、以前ほど聴き疲れしない作品になっております。着実に先に進んでますねこの人は。
それにしても今年は 80's black groove な album によく行き当たった感じがしますな。小生は詳しくない世界ですが、今時の流行なのかねぇ。