Noisy Days in February, 2013

- first 10 days of month -

top / latest diary
topics all / music / book / movie / comp

上旬 / 中旬 / 下旬

<< < 2013/02 > >>
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28
Ganerated by nDiary version 0.9.4

2013.02.02 (Sat)

[movie] 蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜

 澤井信一郎監督作品、2007 年。
 12 世紀、Mongol は多数の部族が生き残りを掛けて鎬を削る戦場だった。少数民族の長 Yesugei (保坂尚輝) は略奪した Hoelun (若村麻由美) を妻とし、一子 Temujin (反町隆史) を授かる。Temujin 17 の歳、彼は許婚の Bolte (菊川怜) と会い、Jamuqa (平山祐介) と義兄弟の誓いを交わすが、その直後に父 Yesugei が毒殺され、部族は散り散りになる。辛酸を嘗めつつ Temujin は部族をまとめていき、7 年越しで Bolte を正妻として迎え、かつて恩を受けた Borchu (野村祐人) を仲間にし、Mongol 統一の夢の実現の為に戦い始める……。

 残念なまでに往年の角川映画であります。Temujin が苦労して部族を広げていく過程が殆ど見えず、合戦でも人の出は多いもののどっちが優勢か解らず、戦争において女は弱いものとか、Temujin は人徳者とか、そういう episode が延々綴られる、そういう映画であります。
 若村麻由美は若作りでも婆さん役でもお美しいですね。反町隆史は熱演だったと思いますが息子が死ぬ場面で号泣の演技しつつも涙一つ落とさないのは仕様ですかね。まぁいろいろと残念な作品でありました。

log modified: 2013/02/03 03:17:46 JST

2013.02.03 (Sun)

[movie] わが青春のアルカディア

 勝間田具治監督作品、1982 年。
 地球は異星人のイルミダスに占領されてしまった。難民輸送艦の艦長だったハーロックは地球に帰還後に司令部に出頭を命じられ、ハーロックの能力を買っている指揮官のゼーダに地球支配に手を貸すよう言われるがハーロックはそれを跳ね除ける。居酒屋でハーロックは乞食な成りをした男が乱闘に巻き込まれているのを見て助力するが、その男はトチローという名だった。揃ってイルミダス軍に捕まったハーロック達だったが、彼らを尋問したトカーガの戦士ゾルは、ハーロックとトチローの脳を scan して、彼らの先祖が第二次大戦期に知り合っていたことを察知する。そうこうするうちに自由交易船のクイーン・エメラルダスが地球に降下する……。

 ハーロックとトチローが出会いアルカディア号が出航するとか、ハーロックが片目を失うとか、エメラルダスが顔に傷を追い、ハーロックが愛する女マーヤを失うとか、変な鴉がハーロックの肩に止まることになるとか、そういう episode が詰め込まれた劇場版映画となっております。松本零士のハーロックサーガの序幕として作りたかったんでしょうね。全体的に安っぽいですけど。松本零士の世界観は基本的に男の浪漫、今風に言えば中二病で前世も立派で因縁ありました系のお話と、愛する女が死なれるとか故郷が滅ぼされて涙とかの演歌なノリが横溢していますので、観ていて腸の捩れる場面は多いわけですが、まぁ仕方ない松本零士の世界観なので。思い返せばハーロック物は軒並み失敗しているような気がしますが、999 は男の浪漫云々の taste が薄くて母性本能全面に押し出したから寧ろ成功、ヤマトは愛国心に訴えるから別の視点から成功、ハーロックは海賊だけど星の海が我が故郷とか言い出すからならず者文化が根付かぬこの国では受け入れられない、という図式になろうか。cowboy の文化ではそれなりに受けるかもね、とか思って imdb の評価見たら 7.0 だって。ちょっと高すぎやしませんかね。終盤のゼータとハーロックの一騎打ちとかの situation は流石に男気溢れまくりでいい感じには見れましたが。
 cel anime としての level はかなり高く、戦艦が地表を割って登場する場面の迫力は CG の計算尽くの演出に比べれば迫力が違います。あと camera 固定で戦艦が頭上を通って行く場面とかも。そういうのもヤマトで見慣れてるのは確かですが、やっぱ観ていておおーってなります。それにしてもマーヤは光りすぎですね。解り易くていいけど。

log modified: 2013/02/04 04:20:03 JST

2013.02.04 (Mon)

Derrick Carter / House Masters

 Defected records の House Masters series の一作、chicago house の第一人者 Derrick Carter の compilation album。CD 2 枚組みで 1 枚目は originals、2 枚目は remixes、2012 年発表。
 正直 chicago house と言われてもその特徴はぱっと思いつかない小生であります。Frankie Knuckles に Larry Heard に Ron Hardy な人たちが chicago 勢でしたっけ。ある意味 house の肝である、cheap で acid で mechanical な sound が chicago house、という理解でええんかなー。まぁ世の中の流れからいって、house の gorgious 志向は止まらんわけですが。
 さて Derrick Carter のこの album ですが、全体的に up tempo の house track が多くて非常にバタ臭い。studio album の house つーと listening 志向に傾いて何やら生真面目な album が多い昨今では寧ろ珍しい、アホみたいに踊らせる系の album になっております。いやー Derrick Carter ってこんなにアゲアゲな人でしたっけ。大きな起伏を作るわけでもなく叙情的な melo に寄ったりすることもないですが、微妙な抜き差しの sense と上物の絶妙な重ね合わせで 1 track の中にも充分な story 性を持たせるのは流石の Derrick Carter 節、とかく聴いていて気持ちいい。現役感充分な一作でありました。

log modified: 2013/02/05 03:00:41 JST

2013.02.05 (Tue)

Bon Jovi / Have A Nice Day

 めりけんの rock band、Bon Jovi の 2005 年作。
 9.11 後の release だった "Bounce" は heavy な音像でしたが、それから間を置いてのこの album では title 通りの全面 positive 路線な王道めりけん rock を展開しております。positive と言っても明るく pop でという意味合いではなくて、相変わらずの alternative rock 経由な hard rock manner な重音主義ではありますが、力強い前向き感というか、喪失を抱えても前に進むことが我々の生き様であるとの主張を押し出した strong style な rock album になっております。結成 20 年以上を経て、なんでこんなに解り易い rock album 出せるのかねぇこの人達は。しかしこういう明快さと力強さと主義主張を同じ line でどどどどどっと押し付けるのが Bon Jovi 流であり、なかなか他の band では成しえぬ彼らならではの identity なわけです。ほんと、"Keep The Faith" 以降の Bon Jovi は力強いですね。
 本作では uptempo な tr.1 "Have A Nice Day" が album の顔として著名な track になるでしょうが、album 全体の流れは緩急付いててなかなか良好。tr.5 "Last Man Standing" の riff も格好良いし、tr.8 "Last Cigarette" も前のめりながら哀愁漂っていて大いに結構、tr.12 "Story of My Life" の挫けても前向きに let's go な歌詞もまた良し、めりけん rock とは何ぞや、との問いへの答えは人によって様々でしょうが、Bon Jovi の軌跡がまさにめりけん rock の体現であることはまず間違いないことでしょう。名作。

log modified: 2013/02/06 03:07:00 JST

2013.02.09 (Sat)

[movie] 2 ou 3 choses que je sais d'elle

 Jean-Luc Godard 監督作品、1967 年。邦題「彼女について私が知っている二、三の事柄」。
 1966 年の Paris。その頃の Paris では首都圏の整備拡大計画が公布され、街の至る所で道路や団地が作られている状況だった。団地住まいの若妻 Juliette Jeanson (Marina Vlady) は夫の Robert Jeanson (Roger Montsoret) や子どもたちとの平凡な暮らしをしていたが、時々は男の客を取る売春婦でもあった……。

 なんか Godard ぽいなーと思ってたら Godard 映画でした。Vietnam 戦争と France との関わりとか、言葉と実存の関係とか、団地妻を売春に走らせる要因とかを断片的に語りつつ進行する、まとまった筋のないつぎはぎの映画。日常的所作を描きつつ急に camera ガン見で monologue をし始めたりするというわざとらしさ、哲学的な章立てを画面に提示する趣向、まさに映画語り mode の Godard です。映像は言葉よりも雄弁、ならばその映像の中での言葉とは何なのか、さらには映像が示唆する意味とは何か、映画は何を語るものなのか、てなことを延々と映画の中で問い続ける風。そういうことはあまり考えても宣なきことだと思うんですけどねぇ、そうそう明快な解を得られるものでもないでしょうに。とはいえ、映像の真実性と虚構性を横断する Godard という監督さんは、その意識がある分だけ写すということの意味合いを考えてる人ではあるので、この映画も面白く観ることは出来ます。享楽乞食な普通の映画の軸では評価出来ないのは確かですけどね。
 戦場作家のおっさんに買われた Juliette らが航空会社の bag を被って部屋を歩き回るという situation があるますが、そこで被ってるのが PAN-AM と TWA の bag。めりけんの象徴としての choice だったのかもしれませんが、どちらの会社も今は存在していないというところに時代の流れを感じますね。

log modified: 2013/02/11 03:46:05 JST

上旬 / 中旬 / 下旬