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Tony Scott 監督作品、1996 年。
knife の売り込み屋をしている Gil Renard (Robert De Niro) は、地元の野球団 San Fransisco Giants に大物の強打者 Bobby Rayburn (Wesley Snipes) が加わったことで、彼に大きな期待を抱いていた。だが Bobby は開幕戦で一発放って以降は成績不振に陥る。Gil も会社から解雇され、妻と子にも逃げられて鬱屈する。ある日 Gil は、Bobby と SFG の強打者 Juan Primo (Benicio Del Toro) が言い争っているのを耳にする。Bobby は不振の原因を、彼が本来付けるべき背番号 11 を Primo が手放さないからだと主張していた。Bobby の復活がいつしか心の拠り所になっていた Gil は、Bobby に背番号 11 を着せるべく Primo に近付く……。
De Niro はまり役な psycho thriller であります。そういう De Niro にゃ飽きた、と言ってはいかんのです、汚れ役こそ演技者の腕の見せ所なのです、その意味では De Niro は既に称号持ちと言っても過言ではないのです。とはいえどことなく既視感漂ってしまうのは致し方無いところかのぅ。
映画前半では Gil を取り巻く状況がどんどん悪化していく様を描き、それに呼応するような感じで Bobby も苦境に立たされる。後半、Gil は Bobby を手助けするつもりで犯罪に手を初め、Bobby も復調するが、Bobby は Gil の行いにより自分が救われたとは思っていない。Bobby に自分の存在を認めさせるため、Gil の行いは escalate していく……って話。major league の有名選手とこんなに簡単にお近付きになれて良いのかとか、怪しいおっさんが何で umpire やれるんやとか、突っ込み所はありますがそれを差し引いても前半と後半で話に落差がありすぎて上手く繋がってない印象が残ります。まぁ、Tony Scott 監督作品なので、じわじわ来る心理劇よりは speedy な展開と切れの良い camera work を期待するのが筋、てことで後半の展開に力点が置かれているものとは思いますが、如何せん theme が重すぎた、ってところですかねぇ。それより何より過去の "The King of Comedy" や "Taxi Driver" 等とついつい比較してしまって、あの時代と比べて何と大味で単調になってしまったかと嘆息の一つも吐きたくなるのです。いやそのぶん気楽に観られるという利点もあるにはあるですが。
Wesley Snipes は意外に良い演技。この映画では目元の cut が多くて、終盤の心中穏やかならぬ様子が眼球から伝わります。わお。ぐらさんしない方が良い役者と思いますな。
というわけでここ数日は Soul Calibur III (PS2) ばかりやっておったのです。目標値以下のお値段になっておったところを見掛けたのが運の尽き、ってやつです。
とりあえずの目標は全キャラこんぷ。Story mode は看板娘、Li Long、Hwang が難しかったものの、まぐれ当たりで撃破。Olcadan 先生は対戦回数でひょっこり登場してくれました。先生の演舞には見惚れてしまいました。嘘です。
Lost Chronicle も 1 周終了。Strife は強敵でしたが 2 度ほど場外に蹴落として成仏させました。南無。
ということで初期目標達成したので、あとはちまちまとやらせて頂きましょう。item 集めや character creation には興味無いしのぅ。あ、胸は身体でなくて服に付いてるのですね。見なかったことにしよう。んで、姉ちゃんに soul of Astaroth とかやらせて相手を片手でぶんぶん振り回したりさせるとこれは何の洋げーですかと思わなくもない……って、しっかりやっておるではないか自分。
しかしなぁ、どうも CPU 戦に燃える要素が無さそうなのがよろしくないのぅ。
VF4Evo (PS2) は CPU 戦でも、空中こんぼは狙ってくるわ、delay は使うわ、確定反撃してくるわ、さらには CPU player 別に動きに個性があるわで、一人で遊んでいても maniac に楽しめる作品だったのですが今や中古屋で小銭で買えます。すまん余計なこと言うた。いやありゃ良く出来てました SEGA 最高。
で、翻って SC3 の CPU 戦はどうかというとこれは昔ながらの CPU 野郎で、difficulty 上げると guard impact と投げ抜け性能が向上するものの攻め方自体はあまり変わらないのでどうも面白くないのです。SC2 の頃から進歩ないと言っても良いでしょう。まぁ、AC での蓄積がある VF4 と比べるのは酷かも知れませんが、Lost Chronicle や特殊課題ばかりの Battle Arena や character creation に力入れるより前に、純粋な CPU 戦の深みを引き出して欲しいと思うのであります。
でもそういう楽しみを求めるのはやはりやりこみ重視の player だけのような気もするのです。むしろそういう maniac な要望を真面目に受け取った VF4Evo を異端と見るのが筋かも知れん。それもまた SEGA 魂の現れか。
話変わって、守銭奴さんにはもっと活躍の場を与えてあげて欲しいのです。つか regular character そっちのけで守銭奴さんばかり使っております。しかし下段にろくな技が無いので対戦では苦労することでしょう。
風が吹くとつるつるの後頭部が拝めますが、見なかったことにしましょう。
ちなみに小生が持っとるのは日本版 SC3 初期型 (data 破損でアレなブツ) ですが、PS2 本体の言語設定を english にしてから SC3 を起動すると英語版になります。んで、sound setting で voice を日本語と英語のどちらかに切替えることも可能。SC series って欧米では結構期待されている title らしいですが、英語声優の質はよろしくないようです。いやまぁ、声優文化てのも日本固有の特異なものかも知れんのですが。
出崎統監督作品、1992 年。TV 映画。
ロマノフ王朝の隠し財宝である 500t の金塊がとある書物に書かれていると知ったルパン三世は、図書館からその本を借りていったジュディという金髪美女を訪ねるが、そこで悪漢ラッキーとジョーの襲撃を受ける。命からがら逃げ出したルパンは本の暗号を解読し、金塊が泥棒御用達の銀行として名高いバンク・オブ・リバティーに隠されていることを突き止める。正攻法で金塊を奪おうとルパンは計画を練る。一方のラッキー達も金塊を狙っていたが、彼らは人の心が読める怪僧ラスプートンの指示で動いていたのだった……。
実は小生的には極めて高評価な作品なのであります。悪役の描き方が良いのですね。特にラッキーはルパンの地下爆破を見破ったり、後にラスプートンと敵対して男を見せたりと印象的。N.Y. mafia の首領カルシオーネがラスプートンに懐柔されるのを快く思わないドンビーノは首領の座を奪ってラスプートンの元に乗り込んだりもするし、一概に敵役と言っても一枚岩ではないところが面白い。
一方のルパン側も、不二子の裏切りはまぁ予定調和としても、その不二子をも利用するジュディ嬢の頑張りが見物です。石川五ェ門はラスプートンの人差指に手も足も出ないし。そういえばラスプートンは次元の銃弾も悉く見切っておりましたな。ルパン一味の敵役としては最強と言えるかも知れません。最後はあっけなかったが……。
最後のジュディのお願いが唐突なところはありますが内容的には充分楽しめる出来でありました。
"You are the terrifying creature," the Voice told her solemnly. "You do not take your place in your father's tent, letting men make your decisions. You ride as a man, you fight as a man, and you think as a man--"
"I think as a human being," she retorted hotly. "Men don't think any differently from women--they just make more noise about being able to." (page 53)
おっと、辛辣ですね。Simon Pulse 版の paperback で読了。前巻の続き。
Duke Roger との対決の後、Alanna は宮殿を出て南へと向かうが、そこで盗賊に襲われ、愛剣 Lightning が折れてしまう。その後、砂漠の民に助けられた Alanna は、そこで魔法の力を扱える者として一目置かれる存在になり、同じく魔法使いの素質のある三人の若者の先生役になるが……。
今までは男社会の中で女騎士として頑張っていた Alanna ですが、今作では魔法の力を忌む砂漠の民の中で、魔法の専門家のような役回りをさせられてます。とはいえ Alanna 自身が魔法の専門家という訳ではないので何だか危なっかしいですな。
Jonathan 王子とは仲違いして、はてさてどうなることやら。
下に開いた外側のハッチから整備床に飛び降りた B が、整備床ごとゆっくり右側にスライドしていきながら敬礼した。
「我々ができるのはここまでです。地球を、よろしくお願いします」
わずかに開いていく天井から、左右にスライドしていく十数階層の整備床に陽が差し込んできた。
「大袈裟に言わないでよ」
苦笑いして、美亜は B から目をそらした。
「未来に責任持つほど嘘つきじゃないんだから」(page 167)
ということで涙と笑いの最終巻、ARIEL 20 巻です。ソノラマ文庫版で読了。
宇宙から直接国連本部に乗り込んだ岸田博士と ARIEL 御一行。しかし各々の利権に拘る各国首脳と、宇宙人から取る物取ってから未来の見取図を描こうとする岸田との交渉は決裂する。岸田は SCEBAI に舞い戻り、地球人の技術の卑小さを世界に知らしめすべく、ARIEL で合衆国の太平洋艦隊を打ち破らんと画策する。しかし地球人同士の争いを快く思わない三人娘は、岸田の予想を越えた行動に出る……の巻。
流石は笹本さん、よく解ってらっしゃる! 美少女三人娘のあにめ物なら最後に水着はお約束ってぇやつなのです。ARIEL の投げきっすも拝めて service 満点ですな。
というのはさておいて、行き当たりばったりと思わせつつも macho な決闘思想へ突き進む岸田博士は如何にも昔かたぎなお爺様なのですが、その岸田の計算を越えていくのが日本人的能天気非戦論であるという点が面白いです。思えば open fleet でのタレ目の鷹の動き様も強者の間を立ち回る balancer だったわけで、宇宙人が能天気非戦論に加担するという展開も似た者同士な発想で納得できるのです。脳天気が世界を救うという笹本版幼年期の終りだったのですなぁ。うむうむ、面白かったです。
Ireland が世界に誇る癒し系爆音 trio、Therapy? の 2006 年作。original full album としては 9 枚目となる作品であります。jacket も何時にもまして癒し系です。
前作 "Never Apologise Never Explain" は近年の轟音路線 Therapy? 作品群の中でも尖りまくった大傑作だったわけですが、この新作は若干 pop な方向に戻った感じですな。まぁ、middle tempo の重音中心に相変わらずの泣きめろで世間に毒付き絶叫する Andy Cairns (g, vo) がここに居るわけで、長い活動歴にも関わらず気力体力創造力共に充実しておる様子が窺えるわけです。
それにしても良い riff 書くねこの人達は。tr.13 "Walk Through Darkness" の Therapy? らしからぬ胸きゅん青春めろめろ punk に思わず涙ちょちょ切れる小生なのであります。
「どう――なさいますので」
「そうだな」
グインはまた笑った。
「どうしてやるかな」
「ご冗談を……」
「ああ」
こんどは、グインはもっと大きく笑った。
「とりあえず、逃げるか」(page 140)
流石は主役、逃げ腰でも余裕です。早川文庫版で読了。
謎の軍勢に振り回されるイシュトヴァーン率いるゴーラ軍、その先で彼らは竜頭の兵士と戦うことになる。一方、グインはレムスと密談し、レムスを操るヤンダル・ゾッグに向かって出兵の真意を語る、の巻。
イシュトヴァーンをみんなして迷惑視しとるところが面白いのぅ。グインはグインで自分の兵隊ほったらかしにして単身クリスタルに乗り込もうとしておるし。一国の王様にしては腰が軽いのぅ。