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台風が東京を直撃したらしい。20 時頃に会社を出た先輩は電車が止まって難儀したそうだ。小生は 22 時頃に終業して帰宅したけれど、雨も風も大して強くなくて、電車も動いていた(しかも空いてた)ので問題なく帰ってこられた。外は静かで、普段はうるさい車や電車の音も気になるほどではない。嵐の後だから、か。
で、ふと手に取ったのがこの album。Chick Corea と Gary Burton の 97 年作。Chick は好きな artist ではあるけれど、善し悪しの差がかなり激しいので手放しで誉めることはできない。特に 90 年代の Chick にはかなり幻滅を味わうことになった。だがしかし、だ。この album は久々に繊細な美と激しい latin の熱情との鬩ぎ合いを見せつけてくれた名盤と言えるだろう。
Piano と vib の duo で繰り広げられる、滑らかな音の tapestry。息の合った様を見せつけ、完璧な ensemble で知らず息を飲む演奏を繰り広げる。とても 15 年振りの競演とは思えない。職人芸の粋を見る思い。
完成されすぎているが故に面白みがない、深みがないと嘆く方もおられよう。だが、Chick は一人で立つと暴走してしまう質の才人なのである。彼の solo piano や leader album の多くが、彼自身の気負いによって道を見失ってしまっている。対等に渡り合える好敵手が居てこそ、Chick の Chick らしさはむしろ強調される。移り気が多く安定しない Chick Corea には、自分の立ち位置をしっかりと映し出してくれる鏡の存在が必要だ。この album での Gary Burton はまさにそのような存在として Chick を照射する。Vib と piano の競演に耳を傾ければ、そこには一人の人間が二つの楽器で曲を紡いでいるような錯覚を催す仕掛けが施されている。Gary Burton が没個性的だと言っているわけではなく、そのような役割を演じきっているところが entertainer なのであり、職人芸なのだ。
ここには互いの腹を探り合うような暗い tension は存在しない。ここには触れれば手が切れてしまいそうな危うさはない。ここにあるのは、揺るぎない信頼関係に裏打ちされた、二つの魂の共振だ。tr.11 "Four in One" の目眩く unison を聴きながら、こういう成熟の在り方も悪くはないと思った次第。
なんですと〜〜!!
小生もその存在は噂に聞いていたが、遂に今日に至るまで実際に目にすることはなかった。それが今頃復刊とは……。恐るべし復刊ドットコム。
D'n'B を勘違いした所から Squarepusher の歴史は始まる。その勘違いは "Music is Rotted One Note" で更に変な方向へ爆走し、それ以降は金太郎飴的にひたすら自分の世界へと埋没。んでここ最近は再び初期の D'n'B 路線へと shift してきた。この "Go Plastic" は原点怪奇(ぉ)な感じの album で、2001 年発表。
今 back で流れているのは tr.6 "I Wish You Could Talk"。これ、1st に入っていても全然違和感ないような D'n'B な音。この人の辞書には進歩とゆー文言は登録されてないのか。それで別に不満はないのです。むしろ安心するくらいで。
Van Morrison が絶えず自分の原点を見つめながら歌を響かせるのと、Squarepusher が毎度お馴染みな変妙 sound で自己満足しているのとは、vector が全く異なるように見えて実は根底で繋がっている。そういう人の作る音楽は、強いです。One & Only を実践し続けることの孤独さと苦悩。でもそれが、逆に力となる。てゆか何だかふてぶてしいな。いや最初からそうだったか。いろいろ言ってますが好きですよ Squarepusher。新譜はまだ買ってないけど(爆)。
今日は酔っぱらってるので、例によってまともな文章になりません(って、いつものことですが)。
それにしても今日は暑い。台風が過ぎてからの帝都は連日 30 度近くまで気温が上がるらしい。なんじゃそりゃ。昼間暑いのはまぁ許すとしても、夜暑くなるのは勘弁してほしい。こういう暑い日は trance でも聴いて爽やかに行きたいところ。でもねぇ、小生は trance の album ってあまり持ってなかったりする。そんなときに目に付いたのがこの album とゆーわけで。
2002 年 1 月に発売された、Rez の公式サントラ。wire frame を駆使して、retro な世界と cyber な空間とを心ゆくまで楽しませてくれた Game 版 Rez。その音楽は Ken Ishii や Joujouka などの今をときめく artist が曲提供して作られている。まぁ、それだけなら小生は CD 手元に置こうとは思わない。compilation ってあまり買わないし。
しかし Rez の album は、単なる曲の寄せ集めという感じはしない。制作者側で意識あわせでもしたんでしょうかね、四つ打ちでまったりしつつも trance っぽい波でメリハリを付けてる曲が多い。基本は techno なわけですが。やはり暑い夜は Detroit 風味で決まりでしょう。どうよ、ちったあ涼しくなったかい?
予備知識全くなし。Soma から出てるとゆーだけで買った一枚。Soma ってゆーと何すか、Envoy な人が CD 出してた label ですね。ええと、良さそうな気がしました(爆)。
音は押せ押せでイケイケな minimal techno。でもキラキラしたシンセ音が妙に気持ちよかったり。路線は違うが Oliver Ho を連想させる瞬間も。夜中に聴くと deep にはまります。
おっと、tr.1 "Interlink" の ambient、tr.9 "Seven Zeros" の Hip な音像もなかなか。単調になりがちな minimal techno だけど、この album は起伏があって耳に優しいなぁ。
平井久司の character でガンダムしてます。てゆかリヴァイアス? な感じ。
冒頭からガンダムセオリー(笑)に則った展開。地球連合とザフト(じおんみたいな輩)が戦争していて、連合はガンダムを中立国家経由で搬送しようとしていたが、そこをザフトの部隊に急襲される。しゃあみたいな人が「私の勘がそう告げるのだよ」とか言ってみたり、歩兵部隊が港に潜入して爆弾設置したり。うーむガンダム。でも今回はあまりロボット動いてません。主人公もガンダムに乗ってません。まぁ、第 1 話ということで。
音楽は佐橋俊彦。この人は「雷童」やら「ハンター×ハンター」やら「フルメタルパニック」やらその他諸々やらで今や巨匠な方ですが、小生は「The Big O」の音楽担当者として脳味噌に刷り込まれてます。Gundam Seed の世界を音で華麗に彩ってくれますでしょうか。
良く知らない人たちだが、「CALM、Chari Chari好きならご存じ」なのだそうだ。へえぇ。そういや小生も同 artist の "Head Music" は視聴した記憶があるな。その時は怖くて買わなかったけど。
でもこの album、とんでもなく spiritual な音世界です。山奥で鈴虫の声を聴いていたら、遠くから祭りの音が木霊しているのに気付くような、そんな音。何処まで行っても所詮 machine は machine、だから thrilling な展開なんて期待するだけ無駄……なんてことはなくて、機械的な音でも soul を吹き込むことはできる。それを身を持って体現したのが Detroit Techno の originater 達だったとするなら、Blast Head が目指す地平は、その soul を人間のそれだけではなく天と地と人との融合体として表現すること、なのだろう。それは "Landscape" と題された album title、それに各曲名が "scene 1" から "scene 5" と銘打たれていることからも察せられる。
静謐な世界と壮大な世界が seamless に繋がっている全 5 曲。脳裏を過ぎる Boredoms の "Vision, Creation, Newsun"。そうか、"Landscape" もまた、旅の途中なのである。
Jim Jarmusch 監督作品。といってピンとこない小生だけど、"Dead Man" は Jarmusch 監督作品なのであった。"Dead Man" てあのモノクロな映画でしたっけ? とりあえず変な監督さんということで。
"Ghost Dog" は、「葉隠」の思想に基づいて自分の生き方を厳しく律している黒人ヒットマン Ghost Dog が、仕事を終えた際に Mafia の Boss の娘に顔を見られたことから、逆に Mafia に命を狙われてしまう話。なんだか "Leon" を連想しますな。堅い話なのにどことなく humorous な点も似ているかも。Ghost Dog (Forest Whiteker) の存在感は、その風貌と人物造形の両方で際だっていたなぁ。Mafia の Louie に命を救われて以来、彼を「主君」と仰ぎ、決して裏切らない。しかし Louie も組織の一部には違いなく、そこには Mafia なりの筋の通し方がある。last scene はそうした主従関係の総括として、Louie と Ghost Dog が真昼の決闘して終わるが、実際には決闘ではなく一方的な処刑に近い。それも Ghost Dog の遍歴を見た後では納得できる。納得できるがしかし、Mafia の隠れ家に一人乗り込んで Boss や手下達を迅速な手腕で片付けた Ghost Dog の末路がこのような犬死にになるというのは何とも悲壮である。
今のご時世に「葉隠」を引用するのはどうかと思うけれど、日本的な要素を勘違い的なコスプレで表現せずに、内側から表現しようとしたこの映画の試みは、それなりに成功しているように思う。映像も美麗。冒頭、鳩が曇り空の上を飛翔している映像。鳩は、Ghost Dog にとって唯一の連絡手段だ。Mafia の Boss に宣戦布告を突き付ける役目を負ったのも鳩。そして最後、Ghost Dog の最期を看取るように一羽の鳩が舞い降りる。Ghost Dog に随伴していた鳩は、彼の最期を見ながら何を思ったのだろう。
音楽は RZA。Hip Hop を基調としているが、静かな音響処理が映画と上手く match している。家でゆっくり聴きたいなぁ。
読了。実はマクロード氏は(略)。そして悪役ニコライは界児と(略)。全てはミリセントが自分の弱点を克服するための茶番だった。イスティル殿下は塔の正体を説明し、その危険性を訴える。界児らはイスティル殿下の話を鵜呑みにしたわけではないが、目的は同じとして協力関係を結び、ミリセントはイスティル殿下と共に塔へ向かう。のけ者状態の尚顕は、界児と殿下によって動きを封じられていたピュンを解放。すると今度はピュンの説得でやっぱり塔に向かうことになってしまった。そしていざ黒の塔。そして実はミリセントさえもが(略)であったことが判明。そして人類を救える唯一の人物とは(略)。
あー、説明するのも大変な最終巻です。終盤の雪崩のような急展開は六田登『バロン』並の激しさですので、上巻や中巻を「たるー」とか言いながら読んでいた人は、気を引き締めて掛からねばなりませぬ。とはいえ展開を急ぎすぎたような感触もなきにしもあらず。ピュンの「三回縛り」の謎とか、かなり唐突に解決させたような。んでもってそれが追試とか言われても、御都合主義的に聞こえてしまう。でもいいのです。岩本隆雄の話を細かく解析しても仕方がない。それよかむしろ、SF 的に大風呂敷を広げながらも、貴種流離譚として話をきっちり締めくくった点を評価しようでわないか諸君。
そりゃあ『星虫』『イーシャ』みたいな、結晶のような美しさは『ミドリノツキ』にはないかも知れぬ。上巻で出てきた尚顕の友人達が中巻以降で目立たなくなってしまっている点も作品の評価を低くする要因になるだろう。しかしだ、岩本 taste は其処此処に発揮されているのである。それを言葉にすると、「今時 retro な青春 SF で『環境に優しく』とゆー教条的な theme を恥ずかしげもなく appeal して、しかもあの手この手で Michel Schenker 張りの泣きメロを大技小技交えつつ繰り出して読者の涙を誘う岩本隆雄的な何か」である。って、自分で言ってても何のことだか解らないがとりあえずそういうもんだとして話を進めると、この岩本 taste が 3 巻分も読めてしまうとゆーのはそれだけで有り難いことなのである。いや言葉通りの意味で。ありがたやありがたや。
何だか書いてて意味不明になってきたので結論。読んどけ。以上。
仕事が終わって帰る途中、駅でふと上を見上げると監視カメラがこっちを向いておった。思わず傘で叩き落とそうとしてはっと正気に戻る。嗚呼、疲れているな。
こういう殺伐とした気分でこの album に接すると癒されるのである。あーそこの君、嘘やと思ったやろ。えっこら、しれっとした顔しとんやないぞゴルァ殺すぞ! おっと失礼。すまんねこんな気分で。
この album、ずっと 4 曲くらいしか入ってないと思いこんでいたが実は 11 曲も入ってます。まずは tr.1 "Booster" から行きましょう。いきなり Distortion Guitar の爆音が脳天直撃。さながら死にかけの家畜に延々と斧を振り下ろすかの如く、弾ける血と痙攣する筋肉に食欲性欲が励起されるかの如く、Guitar がうぉんうぉんと咆哮する。うひぃ、怖いっす怖いっす。続く tr.2 "Bass, Gestrichen" では tribal な drum がズンダカズンダカ。しかし盛り上がらぬ。むしろどろどろとした情念が生贄の前で堆く積もっていく。以後こんなんの繰り返し。Melody なんてはなから考えちゃいない。ドンデケドンデケ。あああ何だか癒されるでしょ? でしょ? でしょ?
tr.4 "Singvoegel Rueckwearts" とかは何気に音響にも拘ってたり。てゆか psyche です。飛んでます。それは耳に入れたら最後、我々まで飛ばされます。耳からお手軽 drag なのです。合法麻薬です。人間は考えるより先に感じる動物なのです。故に Amon Duul は正しい。自分の感覚に正直になりましょう。嵐の中で叫べ。Trance、Trance、Trance だ。贄は屠られた。捧げよ、感謝せよ、回って踊って平伏すがいい。違う、屠られたのは何だ? 俺か? 俺は牛だったのか? 見れば周囲の連中も腐肉に包まれた死体ばかりだ。俺は最後の生き残りだったのだ。愚かな。最後の通過儀礼を経て、永遠の命を得る。それは蛆と共に生きる道。蠅の羽音と共に冥界の門をくぐると祝祭の場だった。ダカダカダカダカ。とろけたタンパク質が大地に滴り落ち吸収される。遠くなる意識の中に響き渡るのはこんな歌だった。ダダダダダダダン、ダダダダダダダン。あうあうあうあう。
全て幻聴だ。
雨の降りそうな天気だったが、何とか傘差さずに家まで帰ることができた。昨日までは残暑続きすぎな感じだったけど、今日は秋らしい、暑すぎず冷たすぎずの気温で過ごしやすかった。
こういう季節、何聴きますか? Amon Duul ですか? いやぁ流石に昨日で懲りた。半年くらい聴かなくていいや。で、まぁちょっと肌寒くなった記念として Ananda Project です。直球 House な album ですな。
発表当時は大絶賛の嵐だったこの album、実は小生的には凄く嘘臭い album に思えて仕方がなかった。音、clear すぎ。Melody、美麗すぎ。でもって隙のない production で album 全体通して起伏ある作りを為していて、その完璧さが major 感を強烈に打ち出している。Jacket で表現されている南国 resort な風景は、例えば Toh Chisei のような脳内で dopamine がドバドバ放出されてる感じではなくて、あくまで健全な肉体と精神の持ち主が爽やかな夜風に当たってくつろいでいるような情景を想起させる。そして、そうした外枠での完璧さがむしろ内実の空洞を悟られまいとする虚像のように思われてならないのである。
聴き直してもその印象は変わらないが、それでもこの Pop な Melody には否応なしに listener の耳を捕らえる魔力があって、折りに付け聴き直してしまうのであった。tr.2 "Breaking Down"、tr.4 "Cascades of Colour" の、大げさすぎず、しかし引き締まった beat と声と sound make で一気に快楽指数が高騰するあの感覚は、他ではなかなか味わえないものなのですよ。tr.10 "Release" の、minimal な構成の中で快楽の果てがじわじわと引き延ばされていくような作り方にも、この artist の芸達者振りを見る思いがする。tr.8 "Glory Glory" も凄く良い曲。なのに悪評で済まぬ。こればかりは自分に嘘が付けんのでのぅ。
ちょー有名盤。Funky 一直線な album で、御大 Blakey は後ろで腰を据えてズンドコ、Lee Morgan (tp)、Benny Golson (ts) の二管が front でノリノリ。Bobby Timmons の piano も軽快で、軽くくつろぎながら聴ける。でも funky なだけでなく、抑えた tempo に男の美学を滲ませる hard-boiled な一枚でもあるわけで。tr.1 "Moanin'"、tr.5 "Blues March" は pop なメロで jazz 初心者の heart 鷲掴みな曲。やっぱ良い曲ですわ。
なにはともあれ jazz 基本のキに位置する好 album と言えましょう。
Hi-Tech Future Cosmic Jazz album とゆー形容がここまでハマる album も珍しかろう。Ian O'brien の 2001 年発表作。tr.1 "Lucia pt. One" の ambient な雰囲気からして宇宙です。続く tr.2 "Veksel" で、Ian O'brien らしいカキコキした Drum の乱舞と、fusion なシンセとが見事な sound tapestry を紡ぎ上げる。続く track の数々も funky & spiritual な独特の世界観を披露して、もはや techno という genre では括りきれない音世界を見せてくれます。
1st も 2nd も良い album だが、この 3rd で突き抜けた感触があるなぁ。世に jazz を取り入れた techno artist は数あれど、Ian O'brien はその中でも自分自身の世界観を真っ正直に追い求めた孤高のヒトではなかろうか。故に彼の jazz 発現は形式的なものに留まっていない。器としての jazz ではなく、思想としての jazz。その視線は 70 年代の Miles Davis と同じ方向を向いているようにも思える。祝祭の場に響く崇高な音。まだまだ jazz も techno も捨てたもんじゃないのである。
日頃の悪行が祟ってか、local の apache が起動しなくなっていた。原因を追うに、"startup.perl" が無いのがイカンらしい。"startup.perl" は mod_perl に含まれる file らしいのだが、momonga のパケジには入ってなかった。よく解らないなりに httpd.conf を弄って何とか apache 起動。しかし、小生の public_html が 403 食らって見えないとゆー状態になってた。
おかしいのぅ。ちゃんと public_html の permission は通したのに……と思って四苦八苦したがどうにも手詰まり。しかし問題は public_html ではなく、User Directry にあったのである。詳しくはここ参照。
まぁ、そんなこんなで見えるようになりました。あー疲れた。