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Ronnie Montrose 率いる hard rock band の 1st。1973 年発表。
Ronnie Montrose も今年の 3 月に他界してしまい、古参の豪腕めりけん rocker がまた一人いなくなったかと思うと寂しい限りであります。blues 色薄めで開放的かつ前のめりな riff をがんがん押し付けるという 70's めりけん rock の雛形を作った一人であるという功績があるのはまず間違いなく、小生は tr.3 "Space Station #5" での Sammy Hagar のモタつきつつ howl する歌唱に、The Cult の "Electric" で Ian Astbury が目指していたのは実はこういう世界ではなかったかと気付かされたりもするのです。荒削りで boogie-woogie な rock を突き詰める、というあっけからんとした姿勢には、Zep 的な陰りは微塵もなく、それが後世の好事家からは興味を持たれずさらりと流される要因にもなっているとは思いますが、なかなかどうして小生は結構いい感じに聴いてしまうわけです。Sammy Hagar の歌唱は Van Halen 時代よりもこの Montrose 時代の方が持ち鯵が出ているように思いますね。自由度が高いというかコブシ多用の歌唱で、Van Halen 時代ののっぺり歌唱よりは近親感があります。album total としては、初作としては上出来な部類と思われます。
Ronnie Montrose 率いる hard rock band の 2nd。1974 年発表。
荒ぶる直球めりけんはーどな rock album だった 1st に比べれば blues rock 寄りになった 2nd です。tr.5 "I Got The Fire" は Rock'n Roll Standard Club Band も取り上げた名曲で、多分この曲が小生が Montrose を意識した初めての曲でしょう。hard rock 調の勢いある曲ですが、さびで腰を落として音圧勝負に出る辺り、ただの能天気めりけんはーどではない風格が出ております。
album の展開が middle tempo 主体で、piano や mellotron の装飾も数曲で加味されており、表現の幅が広がったことで major band らしい成長振りが窺えます。tr.1 "Underground" なんて The Doobee Brothers 的な west coast の drivin' music ぽいし。と思ったら produce は Doobees の舵取り役で名高い Ted Templeman なのでした。そりゃ爽やかにもなりますか。
Sammy Hagar の歌唱も blues ぽい曲だと遊び充分でかなり気持ちよさげですが、彼と Ronnie Montrose は promotion tour 中に仲違いして Sammy が脱退してしまいます。個人的には少し残念。