Noisy Days in November, 2005

- first 10 days of month -

top / latest diary
topics all / music / book / movie / comp

上旬 / 中旬 / 下旬

<< < 2005/11 > >>
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
Ganerated by nDiary version 0.9.4

2005.11.01 (Tue)

Yes / The Ladder

 UK の prog rock band、Yes の 1999 年作。
 80 年代以降の Yes は pop band に成り果ててしまって、大作志向を諦めたわけではないようですが、colorful な sound と耳に優しい arrange でひたすら positive な方向に突っ走ってしまうのです。昔の人は Yes の新譜が出る度に "Fragile" や "Close to the Edge" と比べて溜息しきりな気分になるようですが、Yes の長い歴史から見ればむしろ 70 年代 Yes の方が若さ故の過ちと言えるわけで、各人好き勝手に迷走した 80 年代を経て、歪な形ながらも "Union" してからの Yes はその positive thinking な姿勢に揺るぎがない分だけ Yes 理想像に肉薄しているんではないかと思うわけです。まぁ、小生はその "Union" から Yes 道に入った輩なのでそう思うだけかも知れませんが。
 しかしじゃよ、Stones が抜殻のようになりつつ過去の遺産で生き長らえ、Crimson が幾度となく metamorphose を繰り返した挙げ句に前人未到の境地というか follower 不在の老荘思想状態になっているこの時代に、爺らしからぬぱっぱらーお花畑音楽を繰り広げ桃源郷で尽きることなく遊び呆ける Yes という存在は極めて異質であります。時間を逆に経巡り匠の技で童心の pureness を表現するこのおっさん達の辞書に枯れるという言葉はない。生きる化石でありながら感性の瑞々しさはより一層研きがかかっている。これぞ現代の不思議みすてりー。ここまであっけからんと上向きな音で徹底されると、聴いてるこっちが赤面してくるわい。
 ということで如何にも Yes な充実した一枚。信じる者は救われる。

笹本 祐一 『ARIEL (14)』
「決闘です!」
 一途な瞳でシヴァを睨みつけたまま、シェラは声を上げた。
「あの方の妻の座を賭けて、わたくしと決闘なさい!」(page 72)

 ソノラマ文庫版で読了。
 セイバー追っかけ娘のシェラが地球に戻ってくる。そしてセイバーの下宿には人の気配が。しかしそこに居たのはセイバーではなく、彼の妻と称するシヴァだった。宇宙では大手侵略会社フログレンスの遊撃艦隊と帝国軍第三艦隊が地球に程近い星系で一触即発の睨み合い。火の粉が降り掛かってはかなわんとばかりに調停に乗り出したアバルト・ハウザーだが、第三艦隊司令はハウザーとは犬猿の仲の父親ゲルハルト・ハウザーなので罵詈雑言の応酬に終止、そこにシェラやナミら女子高生軍団が奪った哨戒艇で割り込んだものだから余計混乱。そして戦場にあの男がやってくるのであった……。

 長らく御無沙汰だったハウザー家の御家騒動に加えて、セイバーが嫁さんに一蹴されるという衝撃的一幕もあったりする 14 巻めであります。ARIEL の出番はありませんが tension 高めの slapstick に仕上っていて楽しめる内容でした。最後は引きも持たせて次巻乞う御期待な感じ。

log modified: 2005/11/02 02:42:28 JST

2005.11.02 (Wed)

get
  • INSANITY DVD THE SECOND APOCALYPSE ケツイ 〜絆地獄たち〜 (DVD)
log modified: 2005/11/04 01:26:44 JST

2005.11.03 (Thu)

[movie] The Man Who Knew Too Much

 Alfred Hitchcock 監督作品、1956 年。邦題「知りすぎていた男」。
 国際学会の帰りに Africa へ旅行に来た医者の Ben McKenna (James Stewart)、彼の妻で元有名歌手の Jo (Doris Day)、7 歳の息子 Hank (Christopher Olsen)。bus の中で salesman の Louis Bernard (Daniel Gelin) と知り合いになり、彼と夕食を取る約束をするが、Louis は急用が出来たとのことで夕食を cancel してしまう。仕方なく McKenna 一家は彼らだけで restaurant で食事しようとするが、隣席に居合わせた Edward (Bernard Miles) と Lucy (Brenda De Banzie) の Drayton 夫妻と仲良くなる。夫妻は Jo の fun だったのだ。翌日、Drayton 夫妻と共に買い物に出かけた McKenna 一家は、男が警察に追われる場面に出くわす。やがて男は Ben の前で倒れるが、彼は Louis Bernard で、Ben にある政治家の暗殺計画について言い残して事切れる。息子の Hank を Lucy Drayton に預けて警察の事情聴衆を受ける Ben、その最中に掛かってきた電話は、秘密を口外すると息子を殺すと脅すものだった。Hotel に戻った Ben と Jo は、Drayton 夫妻が check out していることを知る。警察に頼れない二人は、Louis の残した言葉を手掛かりにして独自に息子の消息を追うが……。

 平凡な家族が陰謀に巻き込まれるお話。何時の世もこういう映画は出てくるもんですなぁ。
 前半は敵味方が不明な状態で面白いんですが、中盤以降は失速。暗殺計画遂行間近なんだから教会で定例の説教垂れてる場合じゃないだろとか、演奏会長すぎじゃよとか、ええっこれで終わりかよとか、いろいろ突っ込みながら見れば楽しい映画になります。
 Doris Day が歌う "Que Sera Sera" で有名な映画でもありますが、展開上真面目に歌ってません。うーむ、ええ歌なんですがねぇ。

log modified: 2005/11/04 02:05:28 JST

2005.11.04 (Fri)

[movie] Mies Vailla Menneisyytta

 Aki Kaurismaki 監督作品、2002 年。邦題「過去のない男」。
 列車で Helsinki にやってきた男 (Markku Peltola) は、bench で寝ているところを暴漢に襲われ荷を奪われる。男は病院に担ぎ込まれたが間もなく死亡。しかし何故か甦り病院を抜け出す。港湾の container を住居としている一家に救われた男は、しかし記憶を一切失っていた。やがて男は名前がないまま家を借り畑を耕し救世軍の職を得る。救世軍所属の女性 Irma (Kati Outinen) に恋をした男は彼女と幸せな時間を共有し、また救世軍の band に blues や rock を聴かせて演奏曲の repertoire を増やそうとする。そんなある日、港湾の溶接作業を見掛けた男は、その仕事が自分の過去と関係あることに気付く……。

 amnesia な男というとこんなのもありましたが、あれは Hollywood 映画、こちらは Finland 映画、ということで CIA だの暗殺者だのは出てきません。あーでも防犯 camera が銃弾でぶっとびます、元々壊れとったのだが。
 真面目な顔して humorous、とぼけた笑いと人生の悲哀がじわりと滲む作品でありました。自分の身元が解かっても記憶は戻らず、自分に関する情報が一つ増えただけ。今居る自分の背丈で幸せを見付けるのが一番ええ、ってことですかね。
 選曲は素晴らしい。しかしそれだけではなく、音の滑り込ませ方がまた印象的です。暴漢が奪った radio を点ければ悲哀の symphony が流れ、壊れた jukebox が直ったら男三人 soup 啜りながら blues が流れ、元妻と会った後の汽車の中ではクレイジーケンバンドの演歌が車内で流れてます。こういう観せ方もあるのか、と感心しきりでありました。

log modified: 2005/11/06 02:17:39 JST

2005.11.05 (Sat)

get
  • Carl Craig / The Album Formerly Known As...
  • Susumu Yokota & Rothko / Distant Sounds Of Summer
  • Terry Brooks 『The Sword Of Shannara』
  • Robert McCammon 『Speaks The Nightbird volume I: Judgment Of The Witch』
  • Robert McCammon 『Speaks The Nightbird volume II: Evil Unveiled』
log modified: 2005/11/06 02:24:43 JST

2005.11.06 (Sun)

[movie] The Third Man

 Carol Reed 監督作品、1949 年。邦題「第三の男」。
 第二次大戦直後の Vienna は列強諸国が分割統治する複雑な状況にあった。メリケンの三文小説家 Holly Martins (Joseph Cotten) は、旧友 Harry Lime (Orson Welles) の誘いで Vienna にやってくる。しかし Harry の部屋を訪れた時、管理人の Porter (Paul Hoerbiger) から Harry は数時間前に車に跳ねられ死んだと伝えられる。Harry の葬式に参列した Holly は、Harry の恋人と思しき美しい女性 Anna Schmidt (Alida Valli) を見掛ける。Holly は、同じく葬儀に立ち会っていた英軍の Calloway 少佐 (Trevor Howard) に誘われ共に酒を飲むが、その席で Harry が闇市場の大物だったと教えられる。Harry の死に不審なものを感じた Holly は独自に調査を開始する。やがて Harry が死んだ時、その傍らには三人の男が居たことを知る。そのうち二人からは話を聞くことができた Holly だったが、第三の男が解らない。Holly に協力した Porter は何者かに殺され、Holly と共に調査を進めていた Anna は不法滞在疑惑で当局に連行される。万策尽き、Harry の悪党振りも思い知った Holly は帰国を決意するが、そんな彼の前に意外な人物が現れる……。

 今の目で観れば、これって humor mystery に分類されるんですかねぇ。特に前半の展開は、Holly が Calloway の名前を何度も言い間違ったり、Porter 殺しの犯人に疑われて逃げ出したり、場違いな現代文学講演でしどろもどろになったりと、微妙に笑いを誘います。後半は serious 路線になり、Holly、Anna、Harry の三角関係や、下水道での捕物が見所。お話としてはそれほど面白くは無いと思いますが、まぁ古い映画だから仕方がないか。
 とはいえ、戦争直後の Vienna の風情は印象的で、端正な街並みも裏手は瓦礫の山だったり、独逸語がポンポン飛び出す中で英軍兵士が独逸語で切り返したりしてます。monochrome の映像ながら陰影の操り方も見事で、建物の影に潜んでいる人物が光の移動で闇から表に現れ再び闇に沈む瞬間や、人物の接近が音と影で表現される点など、如何にも古典的で theatrical な演出ですが雰囲気は良いです。古き良き pulp fiction でした。

 あ、あと猫の名演技に拍手を。有名なほのぼの guitar の theme 曲も素晴らしい。

log modified: 2005/11/07 01:30:41 JST

2005.11.07 (Mon)

Roger Sanchez / First Contact

 house の世界では有名な Roger Sanchez の 1st album。2001 年発表。
 tr.2 "Another Chance" を聴いてついつい「Daft Punk じゃねーの」「じゃねーの」「じゃねーの?」と思った人は多いに違いない。続けて tr.3 "Contact" を聴いて「やっぱ Daft Punk じゃねーの」「じゃねーの」「ぢゃねーの?」と思った人も多いに違いない。tr.4 "You Can't Change Me" を聴いて以下略。というわけで Daft Punk 好きは聴くとよろし。小生はこういう音は苦手なんじゃあ。

栗本 薫 『大導師アグリッパ (グイン・サーガ 75)』
「まあ、そういうものではないさ」
 慰め顔にイェライシャが云った。そしてすいとヴァレリウスのそばにより、その肩を叩いた。
「わしとても、その昔は若造だったのだし、それをいったら、失礼ながらこの大導師ほどのかたでさえそうだったのだよ。人間、誰もが昔は若いんだよ」(page 131)

 いやぁ歳取っても人間捨てたくはないっすよ。早川文庫版で読了。
 ヴァレリウスはイェライシャの助力もあって遂に大導師アグリッパと御対面。アグリッパはこの惑星の古い歴史を講釈し、ヴァレリウスは星船や転送装置やヤンダル一派やグインの情報を得る。一方のパロではナリスがジェニュアも見限ってトンズラ準備中。何時の間にやらナリス軍の参謀に収まったヴァラキアのヨナは、ナリスの信頼を得て悪巧みに精を出す、の巻。

 大導師と言われる割には人民を導く役回りではない亜久里っぱ様。昔はあんなことやこんなことがあったのじゃよと吹き込んで若造の腰を抜かせておきつつ、「でもちょろっと観ただけだから正確な情報じゃないかもね、何せワシは大宇宙の理りを知るのに忙しいのじゃ、地上のありんこ共のどたばたには興味ないのじゃ」とはまた大したケムマキ君ですなぁ。イェライシャはヴァレリウスがいたく気に入った様子で、彼にくっついて中原に戻りそうな雰囲気。鼻垂れぐらっちーと罵詈雑言の応酬とかしてくれるんでしょうか。
 でもって前巻に引き続きナリスママことラーナ大公妃のざます節が炸裂。そろそろ捨てられる頃合かのぅと思わせつつまだ生き残っております。婆様は生き残ることができるか、乞う御期待 (嘘)。

log modified: 2005/11/08 01:22:33 JST

2005.11.08 (Tue)

Chick Corea Akoustic Band / Alive

 Chick Corea (p)、John Patitucci (b)、Dave Weckl (ds) の trio による live 盤で、1989 年録音。
 jazz standards と original を配分しての set になってますが、曲の情感が云々と言うよりはとにかく upper に持ってく trio 演奏であります。誰も彼も手数が多い。まぁ、そういう人達の集まりですからねぇ。tr.6 "'Round Midnight" でさえ、原曲のしんみりした雰囲気はどこへやら、汗玉飛び散るどんちゃん jazz と化してます。あの世で Monk も苦笑いしとるのではなかろうか。
 小生的に心惹かれるのは standards number より original の方で、tr.8 "Morning Sprite" はやっぱ名曲です。日本盤のみ収録の tr.9 "La Fiesta" の演奏も申し分なし。そこそこ名盤。

diary

 keyboard が大分ガタ付いてきた模様。左の ctrl は押す角度によっては押下できんくらい硬くなるし。家で key 叩いておると指が痺れてくるのはその辺が原因かのぅ。

log modified: 2005/11/09 02:26:40 JST

2005.11.09 (Wed)

Susumu Yokota & Rothko / Distant Sounds Of Summer

 某所のたわれこでは試聴台一面に Harakami 師匠の再盤 "Unrest" と "Opa*q" がずらりと並んでおるのですが小生はどちらも 1st press 版で持っているので bonus track 試聴しただけで買ってませんすいません師匠というのはさておき、一方の Susumu Yokota 新作は stock 棚にひっそりと埋まっているだけでその扱いの小ささには驚きを禁じ得ぬというか 5 年前とはすっかり立ち位置が変わっちゃったなぁこの二人と思ったりして感慨無量なのであります。Susumu Yokota と Rothko による album、2005 年。
 ambient で down tempo な track が並ぶ全 10 曲。Susumu Yokota が skintone で続けていた ambient 路線の延長線上にあるような雰囲気かと言えばそういうわけでもなくて、規則正しい sampling beat や暖かみのある synth には確かに Susumu Yokota らしい音を感じますが、多くの track で feature される vocal や、揺らぎを含みつつ minimal な phrase で広がっていく guitar や bass の音が絡んでいくと、何だか post rock 的な低血圧指向牧歌 sound に聴こえてきます。Susumu Yokota も巡り巡って Jim O'rourke の心境に達したか。それとも相方の Rothko の影響か。Rothko については詳しく知らんのですが、どうも Mark Beazley て人の solo project らしいです。
 なにはともあれ Susumu Yokota らしくない一枚ですが、ええ album です。

log modified: 2005/11/10 00:32:56 JST

2005.11.10 (Thu)

Akino Arai / Natsukashii Mirai

 新居昭乃の 1st album、1986 年作。
 80 年代 idle pop 臭が充満している arrange、高音掠れ気味なのにやたらと clear な mix なので時に痛々しい歌声……ということで、この人にもこういう時代があったんですねぇと昔を懐かしむには良いですが近年の作品に比べれば印象の薄い album と言わざるを得ないわけです。とはいえ全 9 曲のうち 8 曲の作曲を自ら手掛け、nostalghic な歌詞を透明な声で歌いあげる新居昭乃、既にこの頃から隣の不思議ちゃん的小宇宙を作り上げております。歴史の勉強と思って聴きましょう。

diary

「うっうるさいっ、わたしはとまとがすきなんだっ、とまとがあればしあわせなんだっ」
 いやまったくその通りでやんす。先生のくせにいい台詞言うのぅ。

log modified: 2005/11/11 02:04:05 JST

上旬 / 中旬 / 下旬