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今年で結成 21 年? UK 発 alternative rock の生き残りつーたらこの人達くらいしか思いつかんくらい遠いところまで来てしまいましたが、今なお呪詛まみれの怒れる泣き節は健在な Therapy? であります。これは 2010 年に発表された CD 2 枚組みの live album。彼らにとって初の official live 盤で、2010 年 3 月に London は The Water Rats Theatre で収録されたものだそうな。
初期の楽曲から現時点の最新作 "Crooked Timber" までの幅広い楽曲を取り揃えた、正に結成 20 周年総決算な live になっております。個人的に黒歴史と思っている 3rd 以降の中期 album も、studio 盤での余計な装飾が払拭された solid な arrangement になっており、この album で聴く分にはやたらと良い耳当たりになってたり。tr.1-02 "Sister" や tr.1-06 "Stories" なんて、ありゃりゃこんなに名曲だっけと思わず耳を疑います。tr.1-13 "Diane" も album 盤の ballad 調が嘘のように逞しくなって……
出世作の 2nd からの楽曲はやっぱり live 栄えするし、観客もちゃんと chorus で声出してたりして、相変わらず UK での人気の高さが窺えます。日本盤は久しく出てない彼らですが、再び絶頂期に入っているのは間違いないでしょう。準備中と聞く新譜にも期待してまっせ。
Calm の 2010 年作。
近年熱心だった声ネタや生音強調路線から身を引いて、minimal な phrase の積み重ねによる down tempo な track 作りに腐心した感のある album であります。こういう路線の方がこの人には合ってるよなーと思う反面、従来より世界観の広がりが狭まったような、腹八分にして足るを知るみたいな小奇麗なまとまりもあって、どうにも踏み込めぬ album という印象なのです。lounge 系 sampler の showcase 的、と言っても良いかもしれない。この調子だとそのうち喜多郎みたいになってしまうんでないかと心配であります。
とはいえ聴いて気持ち良い音には違いない。疲れた時に聴くと吉。