Noisy Days in March, 2006

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2006.03.01 (Wed)

Lee Morgan / Indeed!

 Lee Morgan (tp)、Clarence Sharpe (as)、Horace Silver (p)、Wilbur Ware (b)、Philly Joe Jones (ds) による 1956 年録音作。
 Lee Morgan の思い切りの良い blow が気持ち良い album です。Lee Morgan にとって初の leader album ですが、初々しさや leader としての気負いなんぞはとっくの昔に超越してしまったかのような堂々たる佇いで front にどででんと構えておるのです。Clarence Sharpe の alto もどんどん前に出る type で、Lee Morgan の trumpet とは相性が良いようです。前衛二人の気合いに押されたか、Horace Silver の piano は若干控えめ。Philly は相変わらずうるさく鳴らしてます。
 古き良き hard bop の名盤ですな。

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  • Glenn Gould / Bach Collection (CD Box Set)
  • T. Jefferson Parker 『The Blue Hour』
  • Sidney Sheldon 『Are You Afraid of The Dark?』
  • Robert Crais 『Demolition Angel』
  • Michael Connelly 『Void Moon』
  • Stuart Woods 『Orchid Beach』
log modified: 2006/03/02 23:01:11 JST

2006.03.02 (Thu)

Michel Beroff / Messiaen: Vingt Regards sur l'Enfant Jesus

 Michel Beroff (p) による、Olivier Messiaen 作曲 "Vingt Regards sur l'Enfant Jesus" (邦題「幼子イエズスにそそぐ 20 のまなざし」) の全曲演奏。1969 年録音、CD 二枚組。
 現代音楽には付いてく気がない小生ですが Messiaen は何故か聴けてしまうのですよ。4 つの主題が循環しつつ展開する 20 の piano 小曲集。1944 年作曲で、既に Messiaen 固有の語法が確立された時期の作品ですので、1940 年作曲の「世の終わりのための四重奏曲」で使われた phrase と似たようなものもひょいひょい飛び出してきたりもします。まぁ、こちらは piano 独奏なので theme がより一層強調されてる印象ですが。
 Michel Beroff は録音当時 19 歳だったそうで、速めの tempo と鋭い attack でこの難曲を弾ききってます。disc 1 tr.1 "Regard du Pere" の荘厳な幕開けも聴きものですが、disc 2 tr.13 "Noel" から tr.14 "Regard des Anges" への喧騒に満ちた音響が、tr.15 "Le baiser de l'Enfant-Jesus" の静謐へ吸い込まれていく展開が個人的には圧巻です。また聴こうっと。

diary

 先日健康診断受けてからというもの、どうも体調不良気味であります。病院行って不健康を貰った感じ。週末には直るかのぅ。

log modified: 2006/03/03 01:13:07 JST

2006.03.03 (Fri)

笹本 祐一 『ARIEL (18)』
「あなたたちの仕事って、いっつもこんな正義の味方みたいな貧乏くじなの?」
「我々の仕事は、悪役ですよ」
 デモノバは平然といった。
「貧乏くじも、いつものことです」(page 133)

 ソノラマ文庫版で読了。
 遂に帝国軍第三艦隊主催のオープンフリートが開幕。第三艦隊も侵略会社も戦争したがっている状況だが、自分の侵略管轄下を荒されたくないアバルト・ハウザーは、シモーヌを伴って銀河辺境お偉方パーティーに出席し様子を窺う。地球代表岸田博士以下御一行様もどさくさに紛れてパーティーに潜り込む。和美はニコラスをからかって遊び、シモーヌはアバルトの親父の前で畏まる。第三艦隊の戦力が電子戦で削がれていることを懸念したアバルトは親父の説得に腐心し、岸田はこの機に乗じて弱者の論理を振りかざして場を仕切ろうとする……。

 どんどん難しい方向に突っ走ってる ARIAL 18 巻であります。辺境オープンフリート篇も佳境に入り、岸田博士による真の敵あぶりだし大作戦なんてのも展開してて結構面白い展開ですな。腹の探り合いばかり続いてましたがようやっと派手目の event が出てきそうな雰囲気です。
 にしても思うのは、この場での岸田博士の立ち回り方てのが戦後日本の外交政策を笹本的に問い直しているような趣を感じさせるってことであります。強大な技術格差のある列強に囲まれつつ、自らの立場を安全な場所に置くには、第一に生き残る側に付くこと、第二に自分が価値ある存在であると知らしめることである、と。アバルトに続きゲルハルトの親父殿も懐柔した岸田の明日はどっちだ、というところで次巻に続くのです。
 そういやニコちゃんて修学旅行のとき何したんだっけ。嗚呼、10 年以上前に読んだ本のことなんて思い出せんわ。

log modified: 2006/03/04 01:25:02 JST

2006.03.04 (Sat)

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  • Battles / EP C & B EP
  • Kaoru Wada / The King of Beetles Mushiking Soundtrack Best Selection
  • Capcom Classics Collection (PS2)
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 ガルーダ II、らすぼす第二形態まで。やっとこさ羽を広げてくれましたが GB 後の高速弾喰らって終了。何が起こったのか解からんかった……。

 式神 III、零香で 4-1、えみりおで 2-2 まで。前作以上にキャラ性能に差がありすぎな気がするのぅ。

[movie] The Purple Rose Of Cairo

 Woody Allen 監督作品、1985 年。邦題「カイロの紫のバラ」。
 不況に喘ぐ 1930 年代の New Jersey。Cecilia (Mia Farrow) は waitress の仕事に付いているが、職に就かず遊んでばかりの暴力亭主 Monk (Danny Aiello) との暮らしにうんざりしていた。そんな Cecilia の唯一の娯楽は映画を観ること。丁度封切られたばかりの映画 "The Purple Rose of Cairo" に夢中になった Cecilia はその映画を何度も観に行くが、ある時、映画の登場人物である Tom Baxter (Jeff Daniels) が Cecilia を見初めて screen から現実へ飛び出してくる。当然場内は大騒ぎ、Tom がいなくなったことで映画が先に進めないと他の登場人物は大慌て、観客は茶番に booing し、映画館の館長や映画の製作会社は頭を抱える。そんなどたばたはそっちのけで Tom は使われなくなった遊園地に隠れ潜み、夜な夜な Cecilia と会っては愛の言葉を交わす。だが Cecilia の前に Tom を演じた本物の役者 Gil Shepherd (Jeff Daniels) が現れ、また一悶着起きるのであった……。

 小生にも大学生だった頃がありまして、そんときの英語の授業でこの映画が text で使われたことがあるのですよ。ちゃんと映画の場面を観てから text 読みに入るんですが、結局半期の授業では全て見終ることができず、いーところで終了してしまったことを未だに恨んでおった小生でありますが、苦節ウン年を経てようやく観ることができましたよ。いやー死ぬ前に観られてよかった、おしまい。ではなくて。
 映画の登場人物が screen から現実世界へ飛び出してすったもんだする、というどこかで観たような映画を連想させる展開ですが勿論こっちの方が先に世に出とるのでそこんとこはよろしくです。お話としては Cecilia と映画内人物とのどたばた恋愛喜劇ですが着想はどことなく筒井康隆的だったりもします。
 実写映画てのは、虚構の存在であるところの映画内人物が現実世界では役者さんなわけで、その意味ではどの映画も多かれ少なかれ現実と虚構の狭間に位置していると言えるでしょう。芝居という枠でこれを考えると、芝居の役者が途中で舞台を降りて観客の姉ちゃんとトンズラかましたりすればそりゃおおごとやろうという予想は付きますが、これを映画という枠組でやらかしたことで、役者の手を離れた虚構の存在が現実化するという面白さに繋がるんですな。Tom が映画から出ていったことで他の映画内人物たちがおたおたしたり、茶番に文句を付ける観客に向かって言い返したりする場面もあったりして、screen を挟んではいますが芝居的な要素は依然として存在してます。その一方で、映写機を止めようとしたら映画内人物たちが止めないよう懇願したり、他の映画館では Tom が台詞を忘れ始めたりと、ちゃっかり映画であることも忘れてない。映画内世界を screen 向こうの現実世界と措定した時点で idea 勝ちってところでしょうか。
 で、夢見る Cecilia は虚構の夢と現実の夢との狭間で揺れつつ、結局夢は映画の中にしかないと悟るって落ちになるのかのぅ。この落ちの付け方も秀逸。映画の中の役者は映画内人物そのものではないし、Hollywood star と恋仲になるという映画的展開も Cecilia の世界ではむしろ非現実的なお話である。その意味で Gil の選択は虚構のお話である映画の純潔を守ったことになり、screen を観ながら涙目で微笑む Cecilia もそれを受け入れたと信じたいところなのです。
 奇を衒ったように見えて Woody Allen らしい映画愛に満ちた作品でありました。

log modified: 2006/03/05 23:55:44 JST

2006.03.05 (Sun)

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  • Gov't Mule / Life Before Insanity
  • Bon Jovi / Slippery When Wet
  • Geinoh Yamashirogumi / Akira Original Motion Picture Soundtrack
diary

 ガルーダ II、6 面の石まで。集中力が続かぬ日でありました。

 式神 III、薙乃で 4-1 まで。薙乃は初めて使いましたが、強いっすね。
 上手い人の play で最終面の黒ぴかを初めて見ましたが、ありゃあ叩かれるのも無理ないですなぁ。

[movie] Crimson Rivers 2: Angels of the Apocalypse

 Olivier Dahan 監督作品、2004 年。邦題「クリムゾン・リバー 2 黙示録の天使たち」。
 修道院で壁に埋められた死体が発見される。Paris の刑事 Niemans (Jean Reno) は捜査を開始するが、他の惨殺事件が次々と発生する。事件を洗っている内にこの事件が黙示録をなぞっていることを突き止めた Niemans は、別の事件からこの件に足を踏み入れた刑事 Reda (Benoit Magimel)、宗教学の専門家 Marie (Camille Natta) と共に事件の核心へと迫っていく……。

 1 作目の続編。宗教と猟奇殺人という前作の特徴を引き継いでやってこうとしている雰囲気ですが、終わってみれば tempo の悪い Indiana Jones ものみたいな作りだったなぁと。都合良すぎる story 展開は前作以上、常に後手に回る Niemans のおまぬけ振りも前作以上、ということで前作以上に仕様の無い作品に仕上っております。
 堅物の Niemans が最後に冗談言って大笑いする場面がやけに爽やか。そうか、これって笑いながら観る映画だったんですね。Jean Reno に一杯食わされたぜよ。

log modified: 2006/03/06 01:43:01 JST

2006.03.06 (Mon)

Black Sabbath / Master of Reality

 UK の heavy metal band、Black Sabbath の 3rd album、1971 年発表。
 何はともあれ tr.2 "After Forever" です。この曲入ってるだけで名盤すよ。などと言ってると信者な方からは tr.1 "Sweet Leaf" の中盤が神とか tr.4 "Children of The Grave" の simple な riff が最高とか tr.8 "Into The Void" の重低音が良いのだとかいろいろ言われそうですがぶっちゃけそういう Sabbath は他の album 聴いても似たような曲があるんで別に "Master of Reality" 固有の特徴として挙げる必要はないのです。しかし tr.2 "After Forever" に関しては Sabbath なんだけど Sabbath らしからぬ変な爽やかさもあるわけで、heavy 一直線ではない懐の深さを垣間見せる好 track やと思うのです。いやー変です最高です。

log modified: 2006/03/07 00:54:06 JST

2006.03.07 (Tue)

The Jimi Hendrix Experience / Are You Experienced

 Jimi Hendrix の 1967 年作。小生が持ってるのは 1991 年に Polydor から出た US 仕様の remaster 版です。
 1st album なわけですが Jimi のえろえろ声は既に確立されとります。rock で soul でえろえろです。楽曲も後の album に比べれば simple で聴きやすいし。Jimi 初心者に優しい album ですな。tr.1 "Purple Haze"、tr.3 "Hey Joe"、tr.7 "The Wind Cries Mary"、tr.10 "Foxy Lady" と有名どころの曲も揃っております。

diary

 魔鼻水ずるずるです。

 「体格も成人サイズにする」ってのはウェッハ様より大改造ですなぁ。

 ちまちまと鬚の白人形を観賞継続中なのです。「ハリーの災難」つーたら Hitchcock じゃないですか。そんな嬉しそうに「女装が趣味か?」とか言わんでも。

log modified: 2013/02/07 23:30:58 JST

2006.03.08 (Wed)

Helmet / Meantime

 New York の hardcore band、Helmet の 2nd album。1992 年発表。
 90 年代初頭と言えば、Nirvana の break に引っ張られるように junk 系 indies band が major label と契約して、日陰音楽だった alternative rock scene が俄に脚光を浴び始めた時期であります。安い機材と短い納期で noise 振り撒いてた人達が、最新機材で clear な音を放出するようになったことで、indies らしいいんちき臭が払拭されることを快く思わない indies 原理主義者の方々は major への流れを苦々しく思ったことでしょうが、こと Helmet に関しては clear な音で録れるってことが良い効果を及ぼしたんではないかと思うのです。
 Helmet の音と言えば heavy な guitar riff に手数多い drumming でとにかく五月蝿い喧しいわけですが、そういう特徴から単純な loud music を連想すると良い意味で裏切られることになります。楽曲の個々の部分は minimal な riff の組み立てで成り立っているものの、変拍子ぶりばりで prog rock もかくやの趣、そこに絶妙の溜め打ちと鉄壁の ensemble による波状攻撃が襲いかかってきます。外見は noise music ですが、noise が本来含有する非調和的な装飾は徹底的に排斥し、あくまで mechanical で systematic な姿勢を貫き通すのが Helmet 節なのですよ。音の clear さは、そうした Helmet の特徴をくっきり浮かび上がらせることに貢献しとる、ということですな。特に rhythm 隊の音がはっきり聴こえるのが嬉しいところで、John Stanier の drum は音が良ければ良いほどかっちょええのんです。
 という音の印象はさておいてもこの album は Helmet 史上最高傑作なわけでして、Page Hamilton の punk と jazz と progressive rock を越境する song writing は冴えまくっており、Peter Mengede の guitar も絶好調なのです。tr.1 "In The Meantime" と tr.2 "Ironhead" という頭の二大代表曲で既に傑作認定、その後も妥協なき heavy な音塊の洪水に打ちのめされること必至。10 年経っても相変わらず痺れる一枚であります。

log modified: 2006/03/10 02:11:11 JST

2006.03.09 (Thu)

Battles / EP C & B EP

 New York の post rock band、Battles の EP collection album、2005 年発表。
 Ian Williams、David Konopka、Tyondai Braxton、John Stanier という 4 人の方が演っておられるようです。ふーん。って John Stanier って元 Helmet の John Stanier さんではないですか、うわーんそれ先に言っておくれよというわけで喜び勇んで購入したのであります。
 いや Battles については何か良いらしいという風評は聞いておったものの Tortoise 以降の post rock てそこそこ美味しいのは数あれど跳び抜けた個性を感じさせるものは少ないてのが個人的印象だったので見事に見送っておったのです。不覚でありました。まぁこの盤は CD 2 枚組の国内盤にして定価 2100 円にして Warp からの release なので今頃聴いても良いのです。
 でもって Helmet の頃から顕著だった John Stanier の mechanical な drums が、この Battles では広い音場の中で自由闊達縦横無尽に鳴り響いておってそれだけで充分楽しめるものになっております。やっぱこの人の叩きっぷりはかっちょええです一生もんです。と、そこだけ聴いてもあれなので他の音も聞くのです。
 一聴してすぐ連想するのは Steve Reich と System 7 と Shellac が chimera 化して火吹いておるという構図であります。人力 minimal にして polyrhythmic な音塊が寄せては返し、人の姿をした機械どもがあっちこっちで単調な音を繰り出しつつ局地的な摩擦で予想外の場所から発火している様が描かれておるのです。DCPRG の狙い所を rock の format で表現するとこんな感じか。いやいや "EP C" の bonus track "Fantasy" 辺りは Basic Channel を tribal 解釈で演ってるようにも聴こえる。まーつまりあれですよ、人類が手を変え品を変えつつ延々紡いできた minimal 音楽の系譜を総括した挙げ句に John Stanier の drums ぶっかけて star gate こじ開けようってえ壮大な目論見、それが Battles なのであると。
 根が minimal なので大化けはしないでしょうが、今のままでも充分刺激的な音です。この調子で頑張って頂きたいと思うのです。

log modified: 2006/03/10 02:12:51 JST

2006.03.10 (Fri)

栗本 薫 『ルアーの角笛 (グイン・サーガ 79)』
「お、恐れいりました!」
「どうだ。俺には、わかるんだっていっただろう」
 イシュトヴァーンは一瞬、得意満面の笑顔をみせた。かつての陽気な傭兵をしのばせるような、そのときだけは無邪気な自慢そうな笑顔だった。
「だから、俺を信じてりゃ間違いねえのさ、お前たちは!」(page 256)

 早川文庫版で読了。
 パロの内乱がきな臭いってんで、ケイロニアのグインは自ら軍を率いてナリスに会おうと出立準備するものの、それを新婚生活から逃れるための口実とシルヴィア姫に謗られ弱り顔になる。ゴーラのイシュトヴァーンも何思ったか出陣して一路パロを目指すが途中で太った人に遮られる。神聖パロを名乗ったナリス軍は国王軍が決戦準備中であることを知る、の巻。

 マリウスに逃げられたオクタヴィア姫も喋り長いのぅ。聞き相手がグインだからまぁ良いか。ケイロニアもゴーラも王様が出向いて片付けようとしてます。あわよくばパロ食っちゃおうというイシュトヴァーンの動機は解りやすくて良いんですが、何が起こっとるのかよー解らんのでとりあえず行ってみるべ、みたいなグインの出陣理由は何だか腑に落ちないのであります。そんなに知りたきゃ一人で行け一人で。って、王様の身ではそうも行かんか……。

diary

 仕事行って帰ってきて寝ました。かなりへろへろ。

log modified: 2006/03/12 14:46:58 JST

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