|
detroit beat down といえばこの人、な position に収まっちゃった感のある house producer、Theo Parrish の 2010 年作。
この人の作風は昔から変わってなくて、スキマの多い sound structure で全編統一されてるというのが特色です。house 音楽を突き詰めれば恐らく Blaze のような金ピカ音楽伽藍に行き着くものと思いますが、Theo Parrish はあくまで安っぽい打ち込みと地味で impro 過多な上もので自分の世界に閉じこもる。それでいて黒い情念がどろどろと渦巻くような音像を常に提示してしまうというこの不思議。house の汚れを自らの拠り所として音を紡ぐ、それは時代に対する逆光かも知れませんが、それ以上に音楽の core な部分を listener に突きつけ判断を強制するような、一種の緊張を強いらされる音でもあります。この時代になぜこの音なのか、等と考えつつ酒飲んで気持ち良く意識が飛んでいく、そんなこんなで例によって考えはまとまらず次回に持ち越しとなっていくわけであります。
british rock band、Foghat の 3rd album。1974 年発表。
これで英国 band とか冗談ではありません、な hard rock な楽曲が並ぶ album であります。Foghat が hard boogie woogie な band であることは古来から明白なことでありますが、それにしても斯くも楽天的で野放図な blues rock になるとは誰が予想し得たであろうか。英国の曇り空など何処吹く風の楽天的な rock が全編にわたり展開される快作であります。々の楽曲の吸引力が強くないのは致し方ないにしてもこの前向きな姿勢にはただただ頭が下がる思いであります。いやはや、良い band ですな。
めりけんの hard rock band、Mr. Big の 7th album。2010 年発表。
original members での再結成後、初の studio recording での album であります。解散後も個々の音楽活動は続けていて、それなりの成果も実績も積んでいた Mr. Big の面々でありますが、band としての充実感という意味ではやはりこの band に戻ってくる他なかったかと思われます。何だかんだで売れますしね日本では。
Eric Martin (vo) は今や 50 代なのに babyface で声は往年に比べれば沈んだとはいえまだまだ伸びやか、Paul Gilbert (g) は solo 時代の blus 武者修行で guitar tech に磨きを掛け、屋台骨を支える Billy Sheehan (b) と Pat Torpey (ds) の安定感も抜群、というわけで相変わらずの Mr. Big であります。visual 面でも technic 面でも listener に appeal できる hard rock band なところが老若男女に受ける一因なんですかね。再結成第一弾となるこの album では頭に heavy な "Undertow" を持ってきており、みーはーな気分で戻ってきたわけではないところを appeal してます。まぁ tr.2 "American Beauty" では彼らの image に近いやんちゃな Mr. Big 像を見せてますが。
album 全体の印象としては、AOR 寄りだった後期 Mr. Big に比べると初期の hard rock 寄りな作りになっているかと。べたな blues 色は薄めで個人的には物足りない節もありますが、全体的に重心低めで音圧を前に押し出す感じの作りなので印象は悪くないです。tr.4 "Nobody Left To Blame" みたいな現代版 Free 解釈の楽曲もあったりしますし。この路線で "Lean Into It" ばりの捨て曲なしな album を生み出せれば第二期黄金期を開拓できることでしょう。まぁ、彼らの場合はどこまで band の姿を維持出来るかが重点課題だったりもするわけで、色々な意味で今後も楽しみであります。