Noisy Days in December, 2012

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2012.12.02 (Sun)

[movie] Contagion

 Steven Soderbergh 監督作品、2011 年。
 香港出張からめりけんに帰った Beth Emhoff (Gwyneth Paltrow) は暫くして家で泡ふいて倒れ、搬入先の病院で死ぬ。夫の Mitch Emhoff (Matt Damon) は悲嘆に暮れるが続けて息子の Clark (Griffin Kane) も謎の死因で死ぬ。世界各地では Beth に似た症状での死亡事例が報告されており、その数は日に日に多くなっていた。Centers for Disease Control and Prevention (CDC) の Dr. Ellis Cheever (Laurence Fishburne) は事態の収拾に動くが……。

 ぱんでみっく、な映画。最近この手の映画って多いですね。Mitch Emhoff の一般家庭の視点、全体統括の Ellis Cheever 視点、感染源を探る WHO の Dr. Leonora Orantes (Marion Cotillard) の視点、そして事情通を嘯く人気 blogger の Alan Krumwiede (Jude Law) 視点と、複数の視点を切り分けながら淡々と事象の推移を描く様は Soderbergh 風の documentary touch、と思ってましたが実は end credits 観るまでは Soderbergh 監督作品とは知りませんでした。最後は vaccine 出来てめでたしめでたしなわけですが展開が淡白なのであまり盛り上がりません。まぁ、Soderbergh 映画ですし、こんなもんで良いんじゃないでしょうか。
 Gwyneth Paltrow が吃驚するくらいケバくなっていたのは中々に衝撃的でありました。そうか、"Se7en" が 1995 年ですから、そりゃ歳も取りますわな……。

log modified: 2012/12/05 02:05:47 JST

2012.12.03 (Mon)

My Bloody Valentine / Loveless

 Ireland の rock band、My Bloody Valentine の 1991 年作。
 shoegazer sound の開拓者にして金字塔、と言われて久しいこの album ですが、昔も今も小生はこの album の良さが全く理解出来ず、shoegazer にも psychedelic にも成りきれず徒に資金を浪費した album としか思えないのであります。1991 年と言えば U2 "Achtung Baby"、Metallica "Metallica"、Guns 'n' Roses "Use Your Illusion (I/II)"、The KLF "The White Room"、The Flipper's Guitar "ヘッド博士の世界塔"、Yes "Union"、Primal Scream "Screamadelica"、Pearl Jam "Ten"、Soundgarden "Badmotorfinger"、Nirvana "Nevermind" の年。思えば小生も若かった。80's の終わりを痛感し、そのくせ小生は Skid Row の "Slave to the Grind" を猿のように聴きまくっていた、そういう時代であります。まぁ何にせよ、後世の歴史家から時代の転換点と言われることは間違いない時代でありました。
 で、そういう時代に release された MBV の牧歌 noise album が今作なわけですが、英国 rock の線の細さを melody line とぼそぼそ vocal で示しつつ noisy な guitar で全体を collage するという、顔隠しつつ自己主張ぶりばりな典型的 UK rock の内気な側面を全面展開した album となっており、UK rock の母性愛擽って腐女子に媚びるような弱腰 rock を受け入れ難い小生のような人種は正直敬遠したい album になっているわけです。いや別に小生は Shoegazer 嫌いじゃないんすよ、Manual だって Fennez だって聴けますよ、でも MBV はあかん、Kevin Shields あざとすぎやろ。
 そんなこんなで久々に聴き直してもやっぱり理解不能な album でありました。また 10 年後にでも再会しようかね。

log modified: 2012/12/04 01:45:02 JST

2012.12.04 (Tue)

Kenny Dorham / Quiet Kenny

 Kenny Dorham (tp)、Tommy Flanagan (p)、Paul Chambers (b)、Art Taylor (ds) による 1959 年録音。New Jazz label の 8225。
 Kenny Dorham と言えばこの album を挙げる人も多かろう、な名盤。album title 通り、落ち着いた雰囲気の中で one horn で渋く歌い上げる Kenny Dorham の演奏は地味渋の極みで、おされな jazz 喫茶では持て囃される系の音となっております。まぁうちは五月蝿い音でも一向に構わんのですが。かつて "Afro-Cuban" で hard bop 魂を炸裂させた Kenny Dorham を知っていれば、そのときの激しさと今作の静寂との contrast を思い一層しみじみとした気分に浸れることでしょう。back の面々もあまり前に出ず淡々とした演奏っぷり。流石に解ってらっしゃる。
 tr.8 "Mack The Knife" は、Sonny Rollins の "Saxophone Colossus" の tr.4 "Moritat" と同じ素材です。同じ曲なのに title が違うのは、元が Kurt Weil 作曲の "Die Moritat von Mackie Messer" で、独文か英文かという違いなわけです。Rollins の豪放 Sax と Dorham ののほほん tp で聞き比べてみるのも一興。

log modified: 2012/12/05 02:04:46 JST

2012.12.05 (Wed)

Fudge Tunnel / The Complicated Futility of Ignorance

 UK の hardcore band、Fudge Tunnel の 3rd album、1994 年作。Earache から。
 Black Sabbath、Black Flag、Big Black の三黒組の影響を受けたと公言する彼らの studio album は三枚ありますが、時系列的には初期は Big Black 的なやけっぱち hardcore punk 中心で、次第に Black Sabbath 的な middle tempo の heavy riff 押しな展開を繰り広げるようになっていった感があります。studio album としては最終作にあたる本作では、勢い任せの punk な曲は皆無で、深く重い riff が middle tempo でざくざく刻まれ、轟音と静寂が入り乱れる展開の中で Alex Newport (vo, g) が相変わらずの調子でぅわーとかンぎゃーとか叫ぶ、という趣向になっております。丸くなった、というよりは洗練されたというか迷いがなくなったというか、土着性皆無の乾いた sludge metal 道に邁進していく様が垣間見えるような album です。まぁそうは言ってもこの人たち、基本的に曲調がワンパなので底が見えやすいのも確か。この album 発表の翌年に解散したのも宜なるかな、であります。忘れかけた頃に聴き直すとかっちょええように聞こえますが連日何度も聞き直せるほどのスルメ要素はありませぬ。
 Fudge Tunnel 解散後、frontman の Alex Newport は producer 業に軸足を移し、At The Drive-In や Bloc Party や The Mars Volta を手掛けて騒音業界の注目を集める存在になりますが、それはまた別の話ということで。

log modified: 2012/12/06 01:47:28 JST

2012.12.06 (Thu)

The Dave Brubeck Quartet / Time Out

 Dave Brubeck (p)、Paul Desmond (as)、Gene Wright (b)、Joe Morello (ds) による 1959 年録音作。
 Dave Brubeck は 1920 年 12 月 6 日 California 生まれ。幼い頃から classical piano の教育を受け、その過程で Darius Milhaud に教えられたりもしてます。第二次大戦後、都会的洗練を感じさせる西海岸 cool jazz の pianist として人気を博し、Paul Desmond と組んでからは二人して、変拍子で prog rock ばりの謎展開を見せるくせに一聴では変態性を微塵も感じさせないおされ系 jazz 楽曲を次々と生み出すことになります。本 album の tr.3 "Take Five" は、5 拍子の曲ながら intro の beat で即座にあの曲と解ってしまう程に有名な track で、そのせいもあってか当時の Billboard では最高 2 位を獲得、album は million sales 達成しているそうで、jazz 音楽の中で最も popular な album の一つとされております。でもあまりにこの album の知名度が高すぎて、Dave Brubeck の他の album はあまり人口に膾炙しませんな。かくいう小生も Dave Brubeck の leader 作はこの一枚しか持ってません。いくら楽曲が変態でも smooth jazz には違いなく、小生にはお上品に過ぎるわけで。いや tr.1 "Blue Rondo A La Turk" を初めとする他の tracks も佳曲揃いな album ですので、他の album でも面白いことやっとるんやろなーと思ってはいるんですけどね。

[news] Dave Brubeck, jazz composer and pianist, dies aged 91[guardian]

 そんな Dave Brubeck さんも 2012 年 12 月 5 日にお亡くなりになってしまいました。享年 91 歳。92 歳の誕生日の前日。去り際も cool に締めるとは流石都会派。jazz legend がまた一人消えてしまった。ご冥福をお祈り致します。天国で Paul Desmond とよろしくやってください。

log modified: 2012/12/07 01:35:16 JST

2012.12.09 (Sun)

[movie] Mission: Impossible - Ghost Protocol

 Brad Bird 監督作品、2011 年。
 Ethan Hunt (Tom Cruise) は Moscow の収容所でのほほんと暮らしていたが、IMF の agent である Jane Carter (Paula Patton) と Benji Dunn (Simon Pegg) の工作により収容所を抜け出す。Jane らは、Cobalt と称される人物に渡されるはずの秘密文書を奪う任務についていたが、任務は途中で失敗し、Jane は部下の Trevor Hanaway (Josh Holloway) を女暗殺者の Sabine Moreau (LLea Seydoux に殺されていた。新たな team leader になった Ethan は、Kremlin に潜入して Cobalt の正体を突き止めるとの任務を与えられる。お得意の変装で Kremlin に潜入した Ethan 達だったが、相手は先手を打って Cobalt の情報を Kremlin の file から削除していた。おまけに Kremlin からの脱出の際に Kremlin 爆破事件に巻き込まれ Ethan は気を失い、病院で目覚めたときには警察の Anatoly Sidorov (Vladimir Mashkov) から爆破実行犯として疑われる始末。病院を抜け出した Ethan は途中で IMF の車に拾われるが、中には IMF 長官がおり、Kremlin 爆破とめりけん政府の関与を恐れた大統領は IMF を存在しない組織として切り捨てようとしていた。長官は Ethan を逃して独自に Cobalt の目論見を阻止させようとする。同席していた分析官の William Brandt (Jeremy Renner) の情報から、Ethan は Cobalt の正体が核戦争による人類進化を妄信する terrorist の Kurt Hendricks (Michael Nyqvist) であると確信した Ethan は、仲間と共に Hendricks の思惑を阻止せんと動き始める……。

 いやなかなか良かったんじゃないですかね 4 作目にしては。つか三部作で一区切りと思っていたのに続編が出てきたのが吃驚なわけですが。Tom Cruise にはそんだけこの series への愛着があるんですかね。今年で 50 歳というのにまだまだ若い。今作では Dubai の高層 building での climbing とか Mumbai での自動車工場での一騎打ちとか、action scene で身体張っておりました。とはいえあの自動車工場の取っ組み合いはあまり意味無かったようにも思いますけどね。個人的には Dubai での file 受け渡しでの二重偽装が、すぱい大作戦らしくて面白かったです。はらどきは action にはなくて、こういう予測不能ないんちきにこそあり、ですよ。
 復讐に燃える女 Jane Carter、実働部隊に配属されて受かれる Benji Dunn、Ethan の妻の護衛任務で失態を犯した William Brandt の苦悩等もちらちらと描写されていて、従来作以上に team member の個性付けも成されていて、全体的に丁寧な作りになっています。こういう丁寧さが最後に生きてくる辺り、よく考えて作った感がありますね。近年の Hollywood 映画にしては珍しい、脚本に手を掛けた作品と言えるでしょう。
 従来作品ほどの派手さはないものの、すぱい大作戦な味わいのある佳作と思います。

log modified: 2012/12/10 03:07:50 JST

2012.12.10 (Mon)

The Jon Spencer Blues Explosion / Meat and Bone

 めりけんの alternative rock trio、The Jon Spencer Blues Explosion の 2012 年作。
 じょんすぺなんて小生が聴くのは "Orange" 以来ですよ。あれが 1994 年作だからもう 20 年近く前になるわけですか。じょんすぺも結構長いことやってるんやなぁ。でもって相変わらずのばたばたして喧しい garage rock をやらかしてます。何だこいつら全く進化しとらん。いやこれ褒め言葉だから誤解なきよう。まぁ昔に比べれば大分聴き易い音になっているかと思います。彼らの backbone に blues があるってのも今作は解り易いですし。つーても大半の曲は Ramones が blues で punk しました風のどんぱち sound なわけで、それはそれでよろしいかと思います。なんせじょんすぺなもんで。
 小生とて時にはこういう強壮剤じみた音塊にぶち当たりたくなるわけで、彼らの相変わらずのやんちゃ振りに安心する一方で、この 20 年で一体何が変わったのか、世の中も自分の感性も含めて、と思わされたりもする一枚でした。

log modified: 2012/12/12 01:12:21 JST

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