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「ケイロニア王は、ケイロニア王個人の判断において、中原を騒がす野盗を討つことになろう。それで、おぬしは満足か、イシュトヴァーン」
「……」
イシュトヴァーンはじっと、激しく爛々と目を燃やしながらグインのことばをきいていた。
その目のなかにしだいに何かがいっそう激しく燃え上がり、そしてその口もとが、酷薄にほころびてきた―― (page 269)
早川文庫版で読了。
ゴーラ軍はマルガを制圧し、アルド・ナリスもイシュトヴァーンの手中に落ちた。イシュトヴァーンはナリスを連れてゴーラへ戻ろうと考えていたが、その前に目前のケイロニア軍、及び神聖パロの残党を何とかしなくてはならない。かくしてゴーラ王イシュトヴァーンは、ケイロニア王グイン、ナリスの妻リンダ、神聖パロの宰相ヴァレリウスとの交渉に臨む……の巻。
カラヴィアのラン、台詞無しのまま戦死であります。いや哀しいねぇいつのまにかヨナたんに出番を奪われポイ捨てされるとは。そのヨナたんもイシュトヴァーンとの交渉は御粗末千万であれじゃ愚痴りに行ったも同然じゃわい。
グインとイシュトヴァーンの交渉場面は各人の個性が滲み出る好場面でした。伊達に 85 巻も書いておわぬわいと作者も意気込んでおる様子。次巻はグインとイシュトの衝突が拝めそうな感じであります。
Gregory Widen 監督作品、1995 年。邦題「ゴッド・アーミー / 悪の天使」。
神父になりかけたものの信仰への疑問によりその道を諦め、刑事となった Thomas Daggett (Elias Koteas) は、奇妙な殺人事件の捜査にあたる。建物の 4 階から落ちた上に車にはねられて死んだ男、その男には眼球が無く、首筋には奇妙な印があった。その男の持っていた古い聖書には天使達の争いが預言されていた。その頃、Arizona の田舎で少女 Mary (Moriah 'Shining Dove' Snyder) は学校の物置に隠れていた天使 Simon (Eric Stoltz) を見付ける。Simon は先日死んだ退役軍人 Colonel Hawthorne (Pat McAllister) の魂を Mary の中に隠す。Hawthorne の魂は天使復興を目論む天使 Gabriel (Christopher Walken) に狙われており、Gabriel がそれを手に入れると天界の戦局は一変し天国が地獄と化すのは必至だった。Arizona に辿り着いた Thomas は、学校教師 Katherine Henley (Virginia Madsen) と共に Mary を Gabriel から守ろうとするが……。
風呂敷でかそうな話ですが物語の大半は Arizona の砂漠でえっちらおっちらするという超絶 B 級映画であります。良いとこをかっさらう Lucifer (Viggo Mortensen) も強烈ですが何といっても Gabriel 役の Christopher Walken が素晴らしい。黒い衣装に髪も黒染めで怪しさ満点です。
story はしょぼしょぼですが Christopher Walken 好きにはたまらん映画でしょうなぁ。
めりけんの映画音楽家 Cliff Martinez が score を担当した、映画 "Traffic" の OST。2000 年発表。
echo 多用の ambient で minimal な音響であります。戦争ものの documentary で戦時下の資料云々と言ってる narration の裏で鳴ってそうな音です。って、解り難い譬えですいません。まぁ映画の方も documentary touch の秀作でしたので雰囲気は合ってましたねぇ。ambient ですが乾いた緊張感が全編に漂っており、deep な音響空間を演出しております。
tr.14 から tr.18 までは他の artists による寄せ集め。Brian Eno による tr.18 "An Ending (Ascent)" が秀逸。
mikuru で rdic が動かん。
$ rdic
/usr/lib/ruby/1.8/i686-linux/curses.so: /usr/lib/ruby/1.8/i686-linux/curses.so: cannot restore segment prot after reloc: Permission denied - /usr/lib/ruby/1.8/i686-linux/curses.so (LoadError)
from /usr/bin/rdic:2893
なので system-config-securitylevel を弄ります。
$ su
# LANG=C system-config-securitylevel &
LANG=C してるのは文字化けるからです (爆)。
んで、SELinux -> Modify SELinux Policy -> Compatibility 内の "Allow the use of shared libraries with Text Relocation" に check 入れて保存。
Karyn Kusama 監督作品、2000 年。
女子高生の Diana Guzman (Michelle Rodriguez) は、学校では喧嘩ばかりして問題視されており、家では自堕落な父 Sandro (Paul Calderon) と気弱な弟 Tiny (Ray Santiago) を相手するのにうんざりしていた。ある日、弟の通っている boxing gym に金を払いに行った Diana は、自分も boxing を始めたいと思うようになる。Sandro はそんな Diana に取り合わなかったが、Diana は父親の金をくすねて trainer の Hector (Jaime Tirelli) に付いて練習を始める……。
孤独な少女の自分探し物語。上目使いでの睨みがなかなかに恐い。途中で恋愛ものになっていって運命の対決になりますが、drama としてはあまり盛り上がらなかったですなぁ。
音楽が結構良かったです。
David Twohy 監督作品、2004 年。邦題「リディック」。
前作 "Pitch Black" の事件より 5 年後、Lord Marshal (Colm Feore) 率いる狂信軍団は、necro-monger と呼ばれる改造人間による宇宙制服を目論んでいた。銀河のお尋ね者 Riddick (Vin Diesel) は賞金稼ぎ Toombs (Nick Chinlund) の追撃を逃れ、自分の居場所を漏らしたと思しき旧知の男 Imam (Keith David) を問い詰めるべく Helion Prime に向かう。そこで Imam と Elemental 族の Aereon (Judi Dench) から、Riddick は自分が宇宙を Lord Marshal の手から救う Furia 一族の生き残りであると知らされる。その後、Helion Prime は necro-monger の軍勢に制圧され、Lord Marshal もまた Riddick が自分を脅かす存在であると知る。だが Riddick は Helion Prime で Toombs に捕まり、監獄惑星 Crematoria に護送されていた。Riddick はそこでかつて自分が救った少女 Kyra (Alexa Davalos) と再会する。監獄惑星からの脱走を企てる Riddick らだったが、Lord Marshal から Riddick 抹殺の命令を受けた Vaako (Karl Urban) の軍艦もそこに迫っていた……。
悪をもって悪を制す、の anti hero series の第二弾、なんですが、Riddick の悪役度は前作より減退、悪ぶっとるが根は善人という出来の悪い不良みたいな性格付けになっております。戦う相手も異形の creatures ではなくて人間ぽい necro-monger なので B 級度も落ちたかのぅ。とはいえ、強大な敵に一人で立ち向かうという situation には弱いんよ小生。story も前作と若干絡みを持たせてたり necro-monger 内での権力争いがあったりで楽しかったです。