Noisy Days in January, 2003

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2003.01.01 (Wed)

Buzzcocks / Love Bites

 新年一発目が Buzzcocks ですいません。いや別に謝る必要はまったく無いんですが、普段 jazz やら techno やらの話題ばかりなので、いきなり 70 年代後期のメロメロ punk な連中を俎上に載せるのは問題あるかなぁと。
「日記書いてるのはテメーだろうが。自信持って書きゃいいじゃねーか自分の書きたいことをよ。今まで散々赤面モノのネタ振ってきたんだから今更恥ずかしがることなんて無いだろがこのボケ」
 はっ。言われてみればてゆか言われるまでもなくそのとおり。なんだか知りませんが救われました。何処のお姉さまか知りませんが有難うございました。
「誰だよお姉さんって。勝手なこと抜かすんじゃねーぞコラ。テメーが余計なこと言うからオレがアレに思われるじゃねーか。大体」
 それはともかく Buzzcocks である。"Love Bites" は 1978 年発表作で、hit number の tr.2 "Ever Fallen in Love" を含む全 11 曲。んでこの日本盤には bonus track で 7 曲追加されている。この 7 曲って何ですか〜〜? まぁ、punk の album なんて何曲入ってたって同じよ。どうせ寄せ集めだしさぁ。
「てゆか無視すんな。それから punk を小馬鹿にしくさったその心根が気に入らんわ。テメーに何がわかるってんだよ」
 いやー恥ずかしながらよく解りません。小生、original punk には興味ないんにょ(爆)。melo-core 以降でないと体が受け付けんのよ。なんか beat がモタモタしててさ。聴いててタルいんよ。やっぱ聴くなら All とか SNFU ですねー。
「あっあっ言いやがったなこの野郎。大衆の犬が。時代に迎合しないと生きていけない自律神経失調野郎が。自分で語る言葉を持たない奴に punk を語る資格は無い。聴け。Buzzcocks といえばおセンチな melody をつんのめる様な前向き beat で牽引しまくる強引 & 無謀 & 壊れかけの機械人形ではないですか。当人たちは知的な sound とか思ってたかもしれないが、よく見ろこの jacket に写る四人の顔を。我々はこれを見るたびに連想するのだ」
 わーいサルやサルがおるでぇ。四匹も。うきー。
「そうサルが四匹居るのであるって何言わすんやボケ。お陰で言おうとしてたこと忘れてしもたわ。あほらし。帰る」
 あ、帰りおった。何やったんやろなアレ。まぁいいや先すすも。えーと、Buzzcocks は一時期 melo-core の先祖みたいに言われてたことがありましたが、個人的にはピンときませんね。それよりも英国産 pop band らしいナヨナヨヘナヘナした vocal や、音圧の弱い sound が小生の rock なんて大嫌い症候群を煽るわけです。なんか 10 年経っても思春期ぃ〜な雰囲気が漂っていて、聴いてるこっちが赤面しそうになります。chorus work も見事に英国産らしいヘナヘナぶりで萎え。でもさすがに punk band です、疾走感に溢れた track はてんこ盛り。んがしかし、今ひとつ弾けきらないぞ。なので座布団はあげません。

diary

 あけました。おめでたい。
 相変わらず実家で本読んでます。それから酒を飲みます。数の子とかも食べました。正月の縁起物らしいので。数の子食うときに罪悪感とか感じませんか? えーと、感じません。死肉を食らうようなもの。成仏してください。あれ、成仏てのは人だけが対象なのか? よく解りません。つまり酔っ払いにまともな議論を吹っかけてはいけないという教訓なのであった。では。

log modified: 2003/01/14 01:34:06 JST

2003.01.02 (Thu)

Various Artists / Nativity in Black : A Tribute to Black Sabbath

 1994 年に発表された Black Sabbath の tribute 作。面子は、えー、Biohazard、White Zombie、Megadeth、Ugly Kid Joe、Faith No More と、この辺はみんな解散とか活動休止してますかね。Corrosion of Conformity、Bullring Brummies、Type O Negative、Cathedral 辺りはどーなってるのか小生知りません。最近の metal には疎いもんで。生き残ってるのは Therapy? と Sepultura くらいですかね。いやー、何だか「あの人は今」な展開ですが、Tribute Album にしては統一感のある作品なのでとりあえずお勧めしときます。まぁ面子も面子なので穿った arrange もかましてませんし。Sabbath 初心者もいい感じで聴けるんじゃないでしょうか。ちなみに小生、本家の album は一枚も持ってませんのでそこんとこよろしく。
 先陣切るのは Biohazard。tr.1 "After Forever" を聴いてください。rap と metal の融合とゆー、当時としては先進的な sound approach でありながら、今聴いても付け焼刃な印象は全く受けない。やっぱこの人たちはホンモノですわ。Megadeth の tr.3 "Paranoid" は投遣りで荒削りだが手は抜いてないという小憎らしい展開で 3 分持たない速攻勝負。Ozzy Osbourne with Therapy? の tr.5 "Iron Man" は、back に Therapy? が居るとは思えないほどに Sabbath 色に染まってるなぁ。そこまで完コピせんでも。
 Sepultura 演ずる tr.7 "Symptom of the Universe"、これは guitar の音と Max Cavalera の濁声が響いただけで彼らの音と解るだけの impact がある。Bruce Dickinson with Godspeed の tr.9 "Sabbath Bloody Sabbath" も、vocalist で得してる一例か。それにしてもぴったりですな Bruce Dickinson。んで、Faith No More の tr.11 "War Pigs" は live の勢いも生々しく閉じ込めた感じ。Mike Patton の奇声もそんなに気になりません(笑)。Sabbath らしさを最も体現しているはずの Cathedral は何故か Bonus Track 扱い。とはいえ tr.14 "Wheels of Confusion" などは堂々たる仕上がりで、難点があるとすれば似すぎていることくらいである。
 まぁそんなわけで、驚きもないが不満もないとゆー優等生な出来なのでありました。まぁいいじゃないですか metal なんて演歌だし(暴言)。

get
  • Plastikman / Consumed
  • Satoko Fujii / Junction
  • Ringo / Plantation
  • Yokota / Cat, Mouse and Me
  • 小中 千昭 『ディフェンダー』
  • 皆川 博子 『死の泉』
  • 山本 直樹 『ありがとう(1〜4巻)』
diary

 開運福銭げっとしました。帰省したかいがあったってもんです。

log modified: 2003/01/14 01:34:10 JST

2003.01.03 (Fri)

Freak of Nature / Freak of Nature

 どういう経緯で手に入れたのかまったく思い出せない album とゆーのがあるけれど、この hard rock band、Freak of Nature の Debut album もまさにその手。しかも悪いことに、特別悪い印象を持っていないから思わず聴いてしまうという。recording は 3 週間、ですか。業界的には早い recording 期間なんだろうな。お金が無かったのかも知れないけれど(爆)。でもその甲斐あってか、飾り気のない sound はかえって生々しく響いていて、心に直接届いてくる感じ。vocal の Mike Tramp って人は元々 White Lion とゆー band で一山当てた人らしいけれど、小生は White Lion なんて触ったこともありません。でも、この Freak of Nature 名義の楽曲って、tr.1 "Turn the Other Way" を除けばそれほどキャッチーじゃないし、真っ当な hard rock album だとは思うけれど、売れ線かって問われると売れないだろうなぁと思ってしまう。そういう album なので人様にはあまり薦められないけれど、でも Mike Tramp の声はなーんか癖になるです。変に脆そうな点が point 高いです。よくわかんないけどとりあえずそういうことで。

[movie] Austin Powers Deluxe

 Elvis Costello と Burt Bacharach が揃って一曲披露するというおいしい見せ場もある映画。しっかしお下品な映画には違いなくて、お下品も英国気質で許容できるか否かでこの映画の評価も変わるでしょう。まぁそこそこ面白かった、という程度です。

京極 夏彦 『絡新婦の理』
 警察関係が居なくなるとすぐに今川は立ち上がり、ああ肩が凝るのです、と云い乍ら大きく頸を回し、更に匂いを嗅ぐように椅子に鼻を近づけて、
「ああ、いい椅子だ」
 と妙な調子で云った。
 そこにセツがどたばたと騒がしく這入って来た。
「ああもう何なのあの刑事気持ち悪い。いい加減に帰って欲しいわよ。あらお客さん、腹ぺこ? 椅子食べちゃ駄目だってば」
「食べはしないのです」 (Page 600)

 読了。前作の『鉄鼠』が男ばかりの山寺が舞台だったことへの反動か、今回は女性が沢山出てきます。
 何しろ舞台は聖ベルナール女学院なる女学校。女学生の呉美由紀は、親友の渡辺小夜子から秘密を打ち明けられる。小夜子は教師の本田幸三から脅迫され、関係を強要されていた。小夜子は本田を呪い殺そうと半ば本気で考え、美由紀とともに過去にも教師の山本純子を呪い殺したと噂される黒い聖母の噂を追及していく。そこに売春がらみの噂がある秘密組織、蜘蛛の僕から接触があり、組織の裏切り者である麻田夕子を引き渡される。夕子から組織の実態を知らされた美由紀たち。しかしすでに小夜子は黒い聖母に呪殺の依頼をしていたのであった。
 また別の主要な舞台は、蜘蛛館と呼び称せられる旧家・織作の館。この織作の家がまた女系と噂される一族で、一族を束ねていた織作雄之介は毒殺まがいの謎の死を遂げてしまったので、その妻である真佐子が実権を握っている。織作は一大財閥である柴田グループの要でもあり、真佐子はその織作の中心たるに相応しい峻厳たる威厳を身に纏う麗人である。真佐子の娘たちのうち、長女の紫は雄之介が逝く一年前には夭逝しているのだが、ほかの三人はそれぞれ個性派揃い。次女の茜は織作是亮の妻で所謂貞女。三女の葵は機械仕掛けの人形を思わせるような造形的な美人で、女権拡張論者として有名でもある。四女の碧は呉美由紀曰く「天使」のような存在で、人の世の穢れとはまったく縁がないかのような清浄な気配を帯びている女学生である。さらに旧家だけあって、使用人の出門耕作と、メイドの奈美木セツを雇っている。出門耕作は織作是亮の親父さんで、息子の不出来に恐縮してばかり。その耕作さんから「セツ坊」と呼ばれるセツさんは自称「うら若き美貌の家政婦」だが、威勢がよすぎて転んでばかりとゆー。
 もうここまでの素材で、その筋の人ならいろいろできるでしょうねー。京極さんも今回は読者サービスが過ぎるってもんです。って、そういう問題ではないか。織作の館にも不穏な空気が漂います。是亮が何者かに絞殺され、その犯人はどうやら聖ベルナール女学院で事件を起こした犯人と同一らしい。そして碧には蜘蛛の僕との関連が囁かれる。その背後に居るのは絞殺魔、あるいは黒い聖母……。
 しかし物語はこの線だけでは終わらない。文中で「蜘蛛」と称せられる黒幕の策謀は、かの京極堂・中禅寺秋彦でさえもがその全貌を掴みきれず、自分の登場は「真犯人の計画の完遂を早めに来たようなもの」と言わしめるほどのものなのである。それはすなわち、縦横に張り巡らされた蜘蛛の糸によって、そこに絡め捕られた獲物は遅かれ早かれ蜘蛛の餌食となるかの如き周到な罠が張り巡らされているということなのであった。作中で幾度も繰り返されるように、この事件は、ある特定の結論を導くためならばその過程は複数あってもよい、むしろその結論へ至る経路は複数あったほうが良い、そのほうが望んだ結論へ至る可能性は高くなる……という、計算高い策略によって成り立っている。聖ベルナール女学院と絞殺魔との関係は、そのまま目潰し殺人魔の物語、即ち地主の娘だった矢野妙子、聖ベルナール女学院の教師だった山本純子、呉服屋の女将だった前島八千代、これらの眼球を抉って殺した殺人魔との関係にそっくり置き換えられることが看破される。この展開、推理小説という舞台の見立て方を逆手に取っている感じがあって興味深い。探偵が詳らかにする現実とやらも、複数ある現実の秩序化の一つに過ぎない、という……。それならば探偵好みの現実を複数の次元で創出することにより、裏で糸を操る蜘蛛の思惑通りに探偵役も踊ることとなる。京極堂もその点は重々承知していたのだが、結局蜘蛛の糸から逃れることはできず、そこに絡め捕られた獲物たちは次々とその命を散らせることになる。
 シリーズを追うごとに京極堂の憑き物落しは、個人の憑き物を落とすだけでは事件の解決にならないような大きな素材を扱い始めているように思える。個人の憑き物と思われていた素材は、しかしその裏に歴史的な根拠があり文化的環境的な強制力がある。その箍を外されてもなお従来どおりの平穏な人生を送ることができるほど、人は強い存在ではない。前作『鉄鼠』でもその片鱗は伺えたけれど、この『絡新婦』ではより徹底した形でそれが提示されているように思える。また難しいところに歩を進めてしまいましたねぇ。これだと次の一手がなおさら難しくなるでしょうに。それとも、そういう状況を楽しんでいるんでしょうか。
 えー、いつもの面子は相変わらず登場するのでご安心を。榎木津礼二郎は現場を引っ掻き回し、木場修太郎は爆走する。釣り堀屋の伊佐間一成と、古物商の待古庵・今川雅澄も事件に巻き込まれる。今川さんが登場するたびに顔の描写してるのは面白いな。関口さんだけは今回最後の幕引きにちょこっと出てくるだけですが、これがまたおいしいとこに居るんだから心憎い配役といえるでしょう。
 結局正月はこれ読んでおしまいかぁ。まぁ、文庫本にして 1400 頁近い大作だったので、読了後の充実感は格別でした。

 今は昔、京極さんの小説がまだ新書でしか読めなかったころの話だけれど、そのころ仕事場の先輩が京極夏彦の愛読者で、小生はそんなに面白いんですかぁ??と伺ったことがある。そのときの話で、「繰り返して読みたくなる」という話になって、小生はそういう実感ってわからなかったんですわ。その当時は京極本読んでなかったんだから解らなくて当然だったんだけど、確かに京極本には再読を促すような要素が散りばめられているような気がする。過去の事件に登場していた人物が意外なところで顔を見せたりするし。今回で云えば、『狂骨』で憑き物を落とされた精神科医の降旗弘が娼婦のヒモ役で出てきたりするし。それにところどころで過去の事件が今回の事件への複線になっていたりもする。個々の作品単位で物語を完結させるのではなく、そこから伸びる関係線を時系列に沿って今の作品に結びつけることによって、作品世界に立体的な構造を持ち込もうとしているかのようだ。シリーズ物の推理小説において、この手の視線を意識させる作品はあまり知らないので、かえって新鮮ですね。で、この多重世界を十二分に読み解こうとすると、我々が時間とともに忘れてしまう部品を作品の再読で回収してゆかねばならない。だから過去の作品も読み返したくなる、と。こうして売り上げ部数も伸ばそうという裏の魂胆もあると見た。その手には乗りませんぜ。てゆか既に持ってるし。ええっ。もう騙されてる(爆)。でもいいのです。この世には騙されてるままのほうが幸せなこともあるのです。

diary

 今の b.g.m は "Gin Blossoms / New Miserable Experience"。今聴いてもぜんぜん懐かしくないです。とゆーのは結局 american rock に進歩なんてありゃしねーや 10 年前も今も変わりゃしねーとゆーことです。あ、いかん review しちゃったよ。それは次の機会にとっておかなくては。
 本日の天気は小雨。起床は 10 時過ぎ。起きてからは video 見て、本読んで、酒飲んで、日記書いて、風呂入って、寝る、と。あー自分で言うのもなんですが平々凡々ですな。正月も三日目になるとネタが尽きますわい。例年の正月は映画たくさん見るのだけれど、今年は大した映画やらなかったからなぁ。

 実家の地方は雨があまり降らないので、慢性的に水が不足している。それで、定時の地方 news では毎度のようにダムの貯水率が xx % で、平年は xx % ……と報道されている。これってかなり効果的で、水の貯水率なんぞついぞ意識野に浮かんでこない小生でも気をつけねばとゆー気分にさせられる。普段意識しないネタでも毎回毎回放送することによって学習させられてしまうというまるでパブロフの犬な話で小生は犬だったのかどうせなら猫のほうがよかったなでもシュレディンガーの猫って実は可哀想な猫ではないのかしらんってこれは神林さん風の云い回しで小生が使うと怪しさ満天即ち気味悪いだけじゃボケという感じか。あ、すいません寝てました。
 ええと。つまりネオトーキョーの電力不足も区民一人一人の気配り心配りによって少しは改善できるのではないかとゆー話で、もうすぐ電気が足らんなるとゆー割にはデンコちゃんとか区政とかに危機意識があまりないみたいだなぁと感じていて、それなら定時的にサブリミナル毒電波放送することによって区民の深層意識に「電気欲しがりません勝つまでは」というコードを刷り込ませればよろしいのではないかと。んで電気を使うと罪悪感に苛まれるようになればしめたもの、このまま生活水準を幕末並みに戻して節約行政で日本は安泰じゃよふぉふぉふぉ。あ、すいません寝てました。なんか今日は日記たくさん書いてるせいか切れ味がいまひとつなのでそろそろ寝ようと思います。ちなみに明日には帝都へ舞い戻りますのでそのつもりで。んでわ。

log modified: 2003/01/14 01:34:14 JST

2003.01.04 (Sat)

Thievery Corporation / The Mirror Conspiracy

 down tempo でゆっくりゆっくり脳味噌を massage するみたいな album。でも音楽的には幅広い指向性がある様子で、lounge な雰囲気を基本に据えながら、中近東ぽい sound collage が施されていたり、whisper voice が bossa nova ぽい空気を演出してたり、と細かい気配りが効いている。小生は Good Looking の "Earth" series を連想しました。控えめなところが良いのです。
 あまり lounge ものには手を伸ばさない小生ですが、net radio で tr.13 "Tomorrow" を聴いてからというもの、密かに狙っていたわけで。でも最近は KJM とか Jazzanova とか Da Lata とか、ゆるゆる club jazz 系の入手が多いような。やはりこの手の音にも興味があるということか。そうやって間口を広げるから金が無くなるんだよ……。

diary

 実家から戦場へ舞い戻ってきました。新幹線は自由席でしたがとりあえず座れてよかった。通路も立ち客で埋まってたからなぁ。

 quatro とゆーのはスペイン語で 4 という意味らしい。ありゃ。シャアもテキトーに偽名使ったもんです。

log modified: 2003/01/05 02:11:19 JST

2003.01.05 (Sun)

[comp] ices と playlist.txt

 ices 2.0 (CVS) では、ices 動かしてる最中に playlist.txt を弄くると、ices 再起動しなくても playlist.txt を再度取り込むようだ。すげー。

diary

 実家から蜜柑が届く。毎年の事だが、ぜんぶ食いきれんのですわ。

 ああっ、Big-O! second series 始まりました。ほんとに 13 話の続きから始まってるよ。あれえっ、地下鉄走ってる。ロジャーって彷徨える浮浪者? 過去の cut が意表を突く timing で入ってきたり、舞台演劇風の flash back があったりと、stylish な演出はここでも健在。ああっ、早く来週にならんかなー。
 サントラは 1/22 発売だっ!

船戸 与一 『午後の行商人』
 タランチュラがマリアの拳銃をこっちに押しつけ、ぼくの拳銃を握りしめて一頭に近づいた。その耳を左手でつかんでしゃがみ込み、銃口をしたから顎に突きつけた。引金が引かれた。炸裂音とともに豚がすとんと大地に沈み込んだ。タランチュラは残りの二頭もそうやって仕留めた。
「どういうことなんだい、これ?」
「戸口の扉は閉まってなかった」
「それが?」
「ヴァルガスはドアルテの死体を豚に食わせる気でいたんだ!」タランチュラが大声で吐き捨てた。こっちに向けられてる眼は血走っていた。「餌をやる人間がいなくなったんだ、豚どもは腹を空かせてドアルテを食う。やつはそう考えやがったんだ!」(page 390)

 読了。復讐を果たすため mexico 各地を経巡る老いた行商人と、その旅に同行することで自分の生き方を再確認する青年・香月哲夫の旅物語。hard cover でも読んでいるけど、船戸作品は文庫でも読むことを自分に課しているので(笑)。
 船戸のこの手の作品は『夜のオデッセイア』や『炎 流れる彼方』など幾つかあるけれど、『午後の行商人』はその中でも一際乾いた印象を残す。これといった信念も目的も持たずに生きてきた日本の若者と、とにかく復讐を果たす、その一念で生き延びてきた老人タランチュラとが相対的に描かれていて、旅を続けるうちにこの二人の信頼関係が揺れ動いていくのがよくわかる。それはタランチュラが香月を呼ぶときの呼称に端的に現れていて、始めは旦那、次は洟たれ、そして同志、と変化していく。この二人のほかにも、タランチュラの知り合いの売春婦マリア、そしてサパティスタ民族解放軍の若き工作員オテックも一行に合流する。オテックと香月の関係もまた微妙で面白い。民族のために手を血で染めてきたオテックと、オテックより年上だが moratorium の中で生きてきた香月。後に香月は、自分の支えと思っていた camera を事故で壊し、火種の代わりに passport を燃やすことになるが、そのことで過失を痛むよりもむしろ開放感を感じている。自分の生き方を、そういった外的な物質で規定しなくなった、ということか。船戸流ビルドゥングスロマンとしては極北に至った感があるなぁ。

get
  • Planetary Assault Systems / Archives Two
  • John Coltrane / Africa - Brass
  • Grant Green / Am I Blue
  • R.E.A.L.M. / R.E.A.L.M. (Sublime Records Single Series)
log modified: 2003/01/06 03:38:21 JST

2003.01.06 (Mon)

Da Lata / Songs from the Tin

 Patrick Forge とゆー人が中心になってやってる Unit だそうな。これは 2000 年に発表された album らしい。
 brazilian でナマオトで暖かい雰囲気。percussive な曲は club 受けしそうだけれど、それほど beat を打ち出さずに bossa ぽい voice と spanish giutar でしんみり聴かせる曲もあったりするので、album 通して聴いて暖かさにどっぷり浸るような聴き方がよろしいかと。全編に染み渡る smooth な空気感が見事です。
 Bayaka の "Irradiation" や Chari chari 好きな方にオススメ。そういえば Chari chari の "In Time" から、もう一年経っちゃったんだなぁ……。そう考えると、2002 年もあっという間に過ぎていったような気がする。

diary

 そういえば 2002 年の album 総括してないな。remix 誌では "Jazzanova / In Between" が 2 位だっけか。んでもって MM 誌では Jazzanova はコケ組で選外(笑)。何だかんだ言って MM は mania 志向です。しかし十選にココロ図書館サントラを忍ばせた高橋編集長の耳は信ずるに値するのです。
 うーむ、個人的に気に入った album は多くても、愛聴した album となると選びにくいな。愛聴する前に次の CD 聴いてたりしてて忙しすぎるのじゃよ。2003 年はのんびり行きたいもんです。とか言いつつ本日の社長訓話では「2002 年は『癒し』、2003 年は『前向き』が keyword だっ!」とかとか。前向き、か。とりあえず positive 志向で。ポジパン? そりゃ The Cult でしょう。ってそういうネタはやめれ。
 個人十選だと R は入るだろうなぁ。CC の遺伝子が大きく花開いたって感じで。それから minimal 大御所の RH 新譜も流石の仕上がりだったなぁ。AB は賛否両論あったようだけど小生好きだし。JB は二枚あるけど、むー、甲乙付けがたい。それに T の remix 版と KI の Detroit 回帰とかも聴いた回数は多かったし。アニメ系でも IH さんとか YK さんとかいい仕事してましたし。うぅ、これだと 10 枚選べないぞ。
 暫く悩みます。そっとしておいてあげてくださいな。

log modified: 2003/01/07 02:32:47 JST

2003.01.07 (Tue)

Ringo / Plantation

 Ringo というのは Susumu Yokota の別名義。けっこう前に出た album です。ええと、1995 年? 1995 年といえば……みんな若かった(笑)。
 明るい春の日差しが目の前に浮かぶような心地よさ。Yokota らしい腰の据わった bass drum の上を、ゆるーいゆるーい synthe の音が微風のように過ぎっていく。tr.4 "Ringo" のような少し pitch 早めの曲でも、何故か性急な印象はないところが如何にも Susumu Yokota の音。軽い気分で聴けて、じわりと心が温まるような album に仕上がってます。名作。

[comp] RD2HTMLVisitor の改造

 ndiary での code 記述は


<div class="code"><pre><tt><code> ほげほげ </code></tt></pre></div>

 と、div でくるまれるのだけれど、rd の inline で code 指定、即ち


=begin
{{{ほげほげ}))
=end

 と書いた hoge.rd を rd で html 変換すると、


<code>ほげほげ</code>

 で出力されるので、css で class "code" の指定をかましていても反映されない。
 また、脚注の変換も ndiary と rd では違うようだ。

 そこで、RD2HTMLVisitor を継承して改良を加えてみた。
 具体的には以下のような rd2html-mine-lib.rb を記述したわけだ。


=begin
= rd2html-mine-lib.rb
=end
 
require "rd/rd2html-lib"
 
module RD
  class RD2HTMLMineVisitor < RD2HTMLVisitor
    
    # must-have constants
    OUTPUT_SUFFIX = "html"
    INCLUDE_SUFFIX = ["html"]
    
    METACHAR = { "<" => "&lt;", ">" => "&gt;", "&" => "&amp;" }
    
    def apply_to_Code(element, content)
      %Q[<div class="code"><pre><code>#{content.join("")}</code></tt></pre></div>]
    end     
    
    def make_foottext
      return nil if foottexts.empty?
      content = []
      foottexts.each_with_index do |ft, num|
        content.push(apply_to_Foottext(footnotes[num], ft))
      end
      %|<hr />\n<div class="footnote">\n#{content.join("\n")}\n</div>|
    end
    
  end  # RD2HTMLMineVisitor
end
 
$Visitor_Class = RD::RD2HTMLMineVisitor
$RD2_Sub_OptionParser = "rd/rd2html-opt"

 まぁ、やってることは apply_to_Code と make_foottext の中身を ndiary 風にしてるだけ。殆どは rd2html-lib.rb から流用。
 で、rd 変換するときにはこの library を呼んでやる。


$ rd2 -r ./rd2html-mine-lib test1.rd > test1.html

 これで完了、と。ふむ。上手く行ったはいいが、あまり使う機会はないんだよな(哀)。
 参考文献は、るびきちさんの『魔道編』。感謝。

log modified: 2003/01/08 03:07:40 JST

2003.01.08 (Wed)

Co-Fusion / Co-Fu

 breakbeat の偏執狂と呼ぶに相応しい、Co-Fusion の 1st album。2nd はある意味極まった感じがしたけれど、この 1st は堅めの音ながらまだ遊びが感じられる。funky な bass line が効きます。

log modified: 2003/01/09 03:04:30 JST

2003.01.09 (Thu)

Gin Blossoms / Congratulations I'm Sorry

 俗に泣きメロと呼ばれる音楽様式があって、と言っても口で説明するのは難しいが、それは例えば彼女に振られて落ち込んでいるときに「おぅおぅ同志よ俺にも同じ経験があるぜその心境を歌に込めたぜ共に歌おうぜ傷心は甘い季節の代償だぜでも元気出せよ若いの」などと見ず知らずの酔っぱらいに何故か励まされて思わず泣いてしまうような sound のことなのである。たぶん。この様式は metal 界隈では大いに共感を呼ぶものではあるが、酔っぱらいの戯言と同様、時には諄すぎて鬱陶しかったり、またはわざとらしく同情を引くような素振りを胡散臭く感じたりもするという、まことにやっかいな音であるわけだ。
 何の話だっけ。あぁ、Gin Blossoms。この人達の曲を聴いたときに感じる、胸の奥をきゅきゅっと引き絞られるような感覚に、小生は思わず泣きを感じてしまうわけだ。Alizona 州で結成された、典型的な American 田舎者 band。小生は "Hey Jealousy" とゆー曲でこの人達を知りました。あれはさんざん聴いたなぁ。で、この album は彼らの 2nd album。1996 年発表。
 基本路線は 1st と同様で、Robin Wilson の切ない系 voice (笑)は何度聴いても素敵だ。さらに 1st よりも個々の音が clear になり、すっきり major な音作りになっている。それが嫌みにならずに瑞々しい melody を引き立たせている。
 曲の variation はそれほど豊かではないけれど、speedy な曲も ballad も、Gin Blossoms らしさに溢れているから album の統一感も高い。良い album です。小生もこういう album で満足していれば今でも普通の listener で居られたんでしょうが、その後 techno 魔道に落ちてしまったので……。
 この album 発表後に Gin Blossoms は解散しちゃったらしい。残念。でも再結成したらしい。わぉ。

log modified: 2003/01/10 02:03:08 JST

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