Noisy Days in February, 2006

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2006.02.01 (Wed)

Atomic / Boom, Boom

 北欧の acoustic jazz band、Atomic の 2003 年作。
 北欧 jazz つーたら寒い暗い恐いだよなーという印象が小生は強いのですが、Jaga Jazzist やこの Atomic のような、やたら tension 高い人達もいらっしゃるんですなぁ。CD 山の奥深くに眠らせてて悪かった。
 horn 隊は John Coltrane や Ornette Coleman の影響を感じさせる spiritual な blow を聴かせ、突進力抜群の rhythm 隊が勢い良く前進する。かと思えばまったりした曲も演奏したりして、曲想は幅広いんですが迷いのない突き抜けた演奏なので痛快です。70 年代で一旦終焉を迎えた acoustic jazz が、空白の年月を経つつも地下で脈動し続け、ここに来てようやく時代の歯車を回し始めたような勢いです。単に過去の遺産を受け継いだだけでなく、この時代故の新しい何物かを掴みとろうとしているような。ONJQ の遍歴を思えばまだ保守派と言っていい format ではありますが、久々に現在進行形の jazz を感じさせてくれる良作であります。

log modified: 2006/02/02 01:48:36 JST

2006.02.02 (Thu)

Bon Jovi / Bounce

 US の hard rock band、Bon Jovi の 2002 年作。
 なんでまた今ごろ Bon Jovi やねんと自分でも呆れつつでも聴きたくなったんだから良いではないか良いではないかと。今でこそ metal だの hard rock だのは伝統芸能とか温故知古だとか言うてる小生でありますが洋学事始の一つは Bon Jovi からだったのです。Yes より King Crimson より Van Morrison より John Coltrane より Led Zeppelin より Therapy? よりも先に Bon Jovi を聴いておるのです。まぁその頃てのは何もせんでも "Bad Medicine" や "Livin' On A Prayer" が radio からどかどか流れておる頃だったので小生の歳も知れるというものです。いや知らんでいいから。しかし若かりし頃の imprinting というものは恐ろしいもので、ふと気が緩んだ隙に思わず CD 購入しておったわけです。まぁ中古盤で安かったからというのもありますが。
 しかしあれですね、今にして思えば "Keep The Faith" は名盤だったかもしれんとこの "Bounce" 聴きながら思うわけです。pop な rock band として Huey Lewis 化してもおかしくなかった Bon Jovi が、かくも長命な big band になるとは昔は思いもしなかったのですが、その長命の所以はめりけんろっくらしい明るさのみならず severe な現状認識とそれに見合った heavy な音を生み出せる懐の深さを獲得しているところにあるんではないかと。その意味では "Keep The Faith" の脱 pop 志向てのは彼らが力強く前身するための大いなる助走だったと位置付けることができるような気がする。alternative rock に毒されて heavy 化していき没落していった 80 年代 hard rock 勢とは異なる欲求から彼らは heavy な音像を求め、今ではその音に充分な説得力を持たせることに成功している。
 "Bounce" は 9.11 以後の状況を彼らなりに受け止めた album らしく、思っていた以上に重音が来ます。しかし相変わらずの耳に馴染みやすい melody line と Jon Bon Jovi の枯れ声で前向きな音楽を展開しとります。かつて少年だった人の為の大人向け rock。という感じで良作。うーむ他の album も聴きたくなってきたのぅ。

diary

 dvd-ram への書き込みですがどうも途中でこけることが多くて困る。でもってこけた後に消せない directory が出来ることがあり、また頭からやり直す羽目に陥るのじゃよ。ううむ、udf で直書きしとるからかのぅ。
 ということで今度は ext3 でお試し中。

log modified: 2006/02/03 02:10:04 JST

2006.02.03 (Fri)

京極 夏彦 『嗤う伊右衛門』
 伊右衛門は蚊帳越しの景色を好まない。
 蚊帳越しの世間は如何にも霞んでいて、眸に薄膜の張ったが如き不快を覚える。伊右衛門は取り分け明瞭と目の前の拓けたのを好む訳ではないのだが、がさがさと擦瑕でもついたように世間が擦れて見えるのは嫌いだった。(page 5)

 角川文庫版で読了。
 愚直な浪人の伊右衛門は小股潜りの又市の仲介で、顔半分が疱瘡により爛れた娘のお岩と夫婦になる。かつて又市と按摩の宅悦は、お岩の父である民谷又左衛門に窮地を救われたことがあった。その又左衛門が鉄砲の暴発事故で隠居を余儀なくされお家断絶の危機にあると知った宅悦と又市は、恩返しとばかりに伊右衛門をお岩と引き合わせたのだった。だが孤独な生に慣れすぎた二人の気持ちは毎回すれ違い、又左衛門の死後は喧嘩が耐えなかった。又左衛門の役職を継いだ伊右衛門の上司は御先手組与力の伊東喜兵衛、彼は薬種問屋の娘である梅を妻に迎えていたが、喜兵衛は世の全てを憎む男だった。梅が自分の種を宿したと知った喜兵衛は、事を荒立てずに梅を厄介払いするため、伊右衛門に目を付ける……。

 心中に闇を抱えた人物たちが、互いの闇を覗き刺激し宥め宥められしている内に、因果と想念が狂気を後押しして不可避の悲劇へと雪崩込んでいく、そういう小説であります。
 解り合いたいが解り合えない伊右衛門とお岩、二人の間を妨げる何物かは蚊帳のように存在感が無く、しかし明瞭と存在するもの。自らの望みを叶えるために罪悪感を抑え込んだ梅、しかし過去が彼女を苛み、自由を願う心は彼女を狂気へと駆り立てる。伊東喜兵衛の非道も、妹を亡くした直助も、闇を抱えて生きたが故にその人格が形成され、欲望も殺意も終端に達するまで抑制が効かない。いやはや、情念の世界は恐ろしい。
 闇が払拭されることよりも、闇を突き詰めることで踊り嗤い泣く人間を描くこと。その醜悪さの合間で、仄かに見える一途な純粋さがじわりと胸を打つ。現代の古典と呼んでも過言ではないでしょう。まぁ古典にありがちなこぢんまりまとまった感じもなきにしもあらず、ですが。

log modified: 2006/02/06 00:44:23 JST

2006.02.04 (Sat)

get
  • Walter Gieseking / J. S. Bach: Das Wohltemperierte Klavier Teil 1 & 2
  • Henry Threadgill & Make A Move / Everybodys Mouth's A Book
  • Bon Jovi / These Days
  • Bon Jovi / Crush
  • 佐々木 敦 『テクノ / ロジカル / 音楽論』
  • Greg Rucka 『A Fistful of Rain』
diary

 ガルーダ II、らすぼす第一形態まで。相変わらず弾筋見えへんわ。

[movie] The Wild Bunch

 Sam Peckinpah 監督作品、1969 年。
 Mexico と Texas の国境近くの町で、Pike Bishop (William Holden) 率いる強盗団が鉄道の駅舎を襲う。だがそれは鉄道警察の罠だった。銃撃戦になるが Pike や副官の Dutch Engstrom (Ernest Borgnine) らは何とか逃亡に成功するが、逃げる際に追手がかつての仲間だった Deke Thornton (Robert Ryan) だと知る。かつてヘマをして警察に捕まった Thornton は、死刑を免れるための条件として Pike の首を挙げることを命令されていた。まとまった金を得ないと生きていけない Pike らは Mexico に逃れるが、そこで権力を握る Mapache 将軍 (Emilio Fernandez) から米軍の武器輸送を襲撃するという話を持ちかけられる。強盗団の一員で Mexican の Angel (Jaime Sanchez) は、故郷の村に圧政を敷く Mapache の手助けをすることを嫌がるが、金に目が眩んだ Pike は Mapache の申し出を受ける。そして Thornton らの追撃隊も、Pike の臭いを嗅ぎ付けて Mexico へやってくる……。

 暴力と殺戮の映画である。男達の絆と誇りの映画である。極めて通俗的で安っぽくてハッタリ先行、しかして見終ると寂寞たる思いと一抹の清涼感が残る映画でもあります。
 登場人物達はどいつもこいつも悪漢で、死んでも天国には行けそうにない輩ばかりです。しかし Pike らの面々、笑顔がええんですな。アホみたいな夢を描いては笑い、Mexico の村では村長も悪人呼ばわりして共に笑い、時に仲間内で喧嘩もするがいざというときには息の合った team work を見せます。そんな Pike らに次々襲いかかる試練。Thornton は猟犬のように Pike らを追い、Mapache は Pike らを使い捨てにしようとする。幾多の試練を乗り越えた Pike 達だが、悪人でも捨てられぬものはある。やがて最後の大銃撃戦が始まる。
 時代遅れの男達が最後の生を輝かせて散る。わお、男ですね男ですね。撃たれたときの reaction と血飛沫も凄い。巻き添え喰ってふっとぶ村人の描写もえぐい。そうやって無駄に無益に死んでいく者達の描写に埋もれるように、Pike らの姿も消えていく。死体の山には禿鷹が寄ってくる。禿鷹は人の姿を借りていることもある。
 滅び系 hard-boiled の極致ですなぁ。遅れて来る男を演じる Robert Ryan の芒洋とした視線が良かったです。

log modified: 2006/02/06 01:39:06 JST

2006.02.05 (Sun)

diary

 ガルーダ II、6 面の石まで。覚聖解除して guard barrier 張ろうとして被弾するという阿呆な当たり方する癖が付いてしまって困っております。そういや前作でも同じ pattern が多かったような……。

Tamora Pierce 『In the Hand of the Goddess』
"Not that way!" Mistress Cooper cried in alarm. "You'll rumple your skirts! Sweep them out--like this--and sit with them spread around you. And keep your feet together."
Alanna tried this. It took several attempts before she got it right. "It's going to be as hard to learn to be a girl as it was to learn to be a boy."(page 159)

 男が女になるのはもっと大変なんだぞ、と某赤堀先生なら仰るでしょうか。Simon Pulse 版の paperback で読了。前巻の続き。ちなみに全 4 巻です。
 王子 Jonathan の従者としての Alanna の修行の日々が続く。女神から愛を知るよう諭された Alanna は最初反発するものの、王子 Jonathan や盗賊 George から異性として意識されるようになった Alanna は戸惑う。さらに宮廷で Delia 嬢の華やかな振舞いを目にしてからというもの、自分も女らしい格好や仕草を身に着けねばと思い Mistress Cooper の元で花嫁修行に励んだりも。王位を狙う Duke Roger は、Jonathan に付き従う Alanna の存在を疎ましく思い、あの手この手で彼女を危機に陥れようとする。やがて Alanna は Duke Roger と対決する……。
 やっぱりな感じで romance な展開になっとります。十代後半ともなると色気付くのも当然か。しかし戦争に駆り出されて敵にとっ捕まったり、話せる黒猫 Faithful の活躍もあったりして今回も楽しめます。しかし肝心の衆人監視対決場面で都合良くいやーんな展開を持ってくるとは何とべたな……いやまぁ効果的な使い方で大いに結構。
 はてさて次はどうなるんかのぅ。

log modified: 2006/02/06 02:23:14 JST

2006.02.06 (Mon)

Peter Serkin / J.S.Bach: Goldberg Variations & Italian Concerto

 Peter Serkin (p) による Bach 独奏集。1994 年録音。
 変奏曲なので似たような曲が続きます。なんだかんだ言って prog rock 好きな小生は、Goldberg てのは単調でつまらんと長いこと思ってたりします。Karl Richter の 1970 年録音盤を個人的に辛い時期に聴きまくっていたことから、その時代を連想して嫌な気分にさせられるというのも手を伸ばし難い理由か。しかし Peter Serkin の程よく抑制された Goldberg は、個人的な忌避感を意識させることなく、緩やかに心地よく流れていくのであります。
 Glenn Gould の晩年の演奏を彷彿とさせる柔らかさもありますが、Peter Serkin の touch は透明な清涼感も音の奥底に湛えている。力みのない普通な佇いが良いのです。

log modified: 2006/02/07 01:40:05 JST

2006.02.07 (Tue)

Wes Montgomery / Full House

 Wes Montgomery (g)、Jonny Griffin (ts)、Wynton Kelly (p)、Paul Chambers (b)、Jimmy Cobb (ds) による 1962 年の live 盤。
 jazz の blues feeling てのがよく解からん小生ですが、この album 聴くとなんとなく解ってくるような。全体的に激しめの爆熱 jazz で、Wes Montgomery と Johnny Griffin が黒い groove 放出しまくっております。Kelly trio な rhythm 隊は重厚さよりも身軽さが身上、盛り上げ所をしっかり押さえた芸人堅気な演奏を披露。古き良き modern jazz な一枚。

log modified: 2006/02/08 01:22:16 JST

2006.02.08 (Wed)

Shellac / Terraform

 Steve Albini (g, vo)、Bob Weston (b, vo)、Todd Trainer (ds) の trio による 1998 年作。
 90 年代 alternative rock の洗礼を受けた者なら避けては通れぬのが Albini 道であります。でも避けてました日本盤出ないので。そういうことだからやたらと神格化されるのじゃよ実際聴いてみれば全然大したことあるじゃーんうひゃーんかっちょえええ。
 言うなれば詫び寂び hardcore。Albini 印の rough で simple で solid な sound に、noisy なのに静謐な印象の曲が並んでおります。虚飾を排した stoic な世界は hardcore な Tortoise のよう……って、根は一緒でしたっけ。一聴すかすかな音ですが聴き込めば聴き込む程に音の硬質さが増していく。まさに詫び寂び、いぶし銀。
 minimal な riff が暗黒 trance 感を増幅させる 10 分以上の大作 tr.1 "Didn't We Deserve A Look At The Way You Really Are" から、hardcore punk な爆走で漢を見せる tr.8 "Copper" まで、玄人好みの鋼の音塊が楽しめます。headphone で聴いてるとついつい volume を上げてしまう難聴必至な一枚。

[comp] mkfs.xfs で dvd-ram

 linux での dvd-ram 焼きで、file system を xfs にして使う方法。


$ /sbin/mkfs.xfs -f -s size=2048 /dev/dvd

 mkfs.xfs は default で sector size を 512 bytes で取ろうとするんですが、dvd-ram は規格で 2048 bytes 取るので、わざわざ指定してあげる必要があるようです。

 ということで、小生の dvd-ram 焼き修行も udf、ext3、jfs を経て xfs に辿り着きました。jfs は良い感じでしたが、max 書き込みで error 吐いてからは fsck.jfs しても復旧不可になってしもうたのじゃよ。あううう。
 xfs は max まで書き込みはしてませんが、9 割程書き込んだ時点では快調に書き込めてます。cp 元の file system も xfs なので相性が良い、ってのもあるんかも知れん。

log modified: 2006/02/09 01:17:07 JST

2006.02.09 (Thu)

笹本 祐一 『ARIEL (17)』
「ちょ、ちょっと待ってください!」
 A はあっさり電話を切ろうとした博士をあわてて呼び止めた。
「連絡先の電話番号置いてってください、電波状態が悪すぎてこっちからはもうエリアルもエンデバーも見えなくなってるんです」
『おう、ちょっと待て、ここの電話番号を聞いてくる』
「逆探知!」
 通話相手がどこかに行ってしまった受話器の通話口を押さえて、A は指示を出した。
「所長が、宇宙人の母艦内からだ! 科学捜査研究所の意地にかけて向こうの電話番号を割り出せ!」(page 190)

 ソノラマ文庫版で先日読了。
 宇宙に飛び出した ARIEL と岸田博士一行、上手いことオルクスに潜り込む事に成功する。地球の全権特使を自認する岸田博士はハウザーとの直接交渉に臨み、互いの利益の為にオープンフリートへの参加を要望する。オルクスへの着艦時に損傷した ARIEL は、修復時に宇宙人の廃材流用で強力化。オルクス艦内では岸田が地球食を crew に振舞い俄に宴会となるのであった……。

 研究所員 B 氏は宇宙人との歴史的な first contact の場面でも B のままなんですねぇ。宇宙人の技術についての蘊蓄が語られる場面ではトンデモな理論にももっともらしい説明が為されていて、種々の怪異を overtechnology だからの一言で片付けた某大説とは流石に格が違います。派手さのない説明回ですが岸田博士の話術とハウザーの困った振りが楽しめる一幕でした。

log modified: 2006/02/11 01:58:56 JST

2006.02.10 (Fri)

get
  • Bon Jovi / 7800 Fahrenheit
  • Bon Jovi / Keep The Faith
  • 笹本 祐一 『ARIEL (19)』
  • 笹本 祐一 『ARIEL (20)』
  • 藤木 稟 『黄泉津比良坂、暗夜行路』
[comp] rdic を install

 rdic は英辞郎を linux で使うための tool であります。
 rpm で入れようと思いましたが公式版は tar.gz のみなので、VinePlus から srpm を取ってきて、version を最新の 0.1.8 に更新して rpmrebuild。でけた。
 ruby 用の xselection と mmap も必要なので、これまた srpm から binary こさえて順次投入。最後に rdic 入れて完了。

 英辞郎の cd-rom 版から eijiro81.txt、reiji81.txt、ryaku81.txt、waeiji81.txt を local に copy。
 pdic 風の layout で euc に convert。


$ ruby -Ke /usr/bin/cnv2rdic.rb eijiro81.txt | sort -k1,1 -t: -f > eijiro81.euc ; \
> ruby -Ke /usr/bin/cnv2rdic.rb reiji81.txt | sort -k1,1 -t: -f > reiji81.euc ; \
> ruby -Ke /usr/bin/cnv2rdic.rb ryaku81.txt | sort -k1,1 -t: -f > ryaku81.euc ; \
> ruby -Ke /usr/bin/cnv2rdic.rb waeiji81.txt | sort -k1,1 -t: -f > waeiji81.euc

 できた *.euc は /usr/share/dict/ 以下へ配置。

 実行。


$ rdic -b /usr/share/dict/*.euc

 めでたしめでたし。

diary

 有給休暇取得日。ヒゲばかり観てました。

 ガルーダ II、6 面の石まで。久々にケツイしたらば 1-3 で全滅。いろいろ忘れておるのぅ。

 明日から小旅行です。

log modified: 2006/02/11 02:27:12 JST

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