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Clint Eastwood 監督作品、2006 年。邦題「父親たちの星条旗」。
太平洋戦争末期の 1944 年、米軍は硫黄島に上陸し、日本軍と熾烈な戦いを繰り広げた。その最中、軍事拠点の擂鉢山を制圧した米兵達は、山頂に星条旗を打ち立てるが、その模様を収めた一枚の写真が米国で大きな反響を呼ぶ。戦争で国の蓄えが乏しい中、政治家達は星条旗を立てた兵士達を英雄として祭り上げる事で、戦時国債徴収に一役買わせようとする。かくして旗を立てた 6 人の兵士は戦地から米国本土へ呼び戻されるが、その時には既に 3 人死亡、残った 3 人の John "Doc" Bradley (Ryan Phillippe)、Rene Gagnon (Jesse Bradford)、Ira Hayes (Adam Beach) が茶番じみた国債徴収巡業に駆り出される……。
"Letters from Iwo Jima" の姉妹篇。とはいえこちらは戦闘場面の描写は控えめで、英雄に仕立てられた三人の兵士のその後に焦点をあてた作りになっております。
「戦って死んでいった者、そして今なお戦っている者こそ真の英雄だ」という言葉に偽りはないのでしょうが、それでも時代は偶像としての英雄を欲し、その歯車に乗らざるを得ないことで三人の帰還兵の葛藤も深くなっていきます。Eastwood 監督作品らしい取り残され感や悔恨の情が伝わってくる映画。張りぼての山に登って旗を立てた栄勇たちが、戦争が終わって打ち捨てられる様まで描きこむ辺り、この監督の容赦なさが垣間見えます。誠実な作りが光る良作でありました。
今西隆志監督作品、1992 年。邦題「機動戦士ガンダム 0083 ジオンの残光」。
一年戦争終結から三年後、ジオン軍の生き残りのアナベル・ガトーが連邦の新型ガンダム一機を奪って逃走。地球連邦の新米 pilot のコウ・ウラキは、残ったもう一機のガンダムに乗ってガトーを追う。時を同じくしてジオン残党一派のデラーズ・フリートが連邦に宣戦布告する。ガトーもデラーズ・フリートの一員であった。かくして連邦軍とデラーズ・フリートの戦いが始まる……。
OVA 版も大昔に観ましたが、その時やたらと眠かった記憶が。今回劇場版観ててもやはり眠くなる……。
お話に勢いがないというか、登場人物達の行動があまり理解できんのでのめり込めないというか。コロニー落としをやってデラーズ・フリート側にはどういう得があるのかねぇ。シーマ様はガトーの艦橋ぱんちを逃れた後、何でガトーじゃなくてコウのガンダムに向かっていったのかねぇ。アクシズが中立と言いながらデラーズ・フリートの残兵回収しておるのもアレですが、その回収に時間制限設けている連邦側もどうよ。はい時間切れだから残った奴は皆殺しでよろ、なんて未来の戦場では許されるのか。
連邦の内輪揉めは一年戦争での木馬遍歴でも描かれておったので得に目新しくはないし、髭ハゲとガトーは暑苦しい原理主義者なのでこれまたジオンらしい軍人ですが如何せん頭の中が空っぽすぎる。コウ君も頑張っておるのは解りますが彼を駆り立てるのが何なのかが解らず終い。ニナ・パープルトンは戦場をうろちょろする困ったお嬢さんといった趣き。してみれば今作で面白がれるのは忠誠心低めのシーマ様関連でありましょうが、その暗躍振りもあまり前面に出てこないのでどうにも面白がれん。ということで、観終わってみればアクシズとティターンズの台頭を準備したお話、といった程度の印象しか残らんのです。あとデンドロビウムのでかいごついかっこわるいを拝めて眼福と言うべきか。
富野由悠季監督作品、1988 年。邦題「機動戦士ガンダム: 逆襲のシャア」。
宇宙世紀 0093 年、シャアはネオ・ジオンの総帥として立ち、地球連邦政府と戦いを始める。地球の重力が人を堕落させると信じるシャアは、地球の人類を粛正するため、小惑星 5th ルナを地球に落とそうとする。アムロやブライトの所属するロンド・ベル隊は、ネオ・ジオンの計画を阻むべく戦いを挑むが、結局 5th ルナは地球に落とされてしまう。そのまま戦況は硬直するかに見えたが、地球政府の外交官アデナウアー・パラヤ達が密かにネオ・ジオンと接触、小惑星アクシズをネオ・ジオンに売り渡すことで停戦交渉を成立させる。だが、シャアはそのアクシズを地球に落として地球寒冷化作戦を仕上げようとする。アムロはニュー・ガンダムに乗り、シャアに最後の戦いを挑む……。
どさくさに紛れて敵国外交官令嬢のクェスを誘拐し、でもって新型にもほいほい乗せてしまうシャアは凄いというかネジ飛んでるというか。しかし単なるキレた人ではなく、自らサザビーに乗って戦場に繰り出すのも「アムロを倒したら自重する」だし、政治向きの仕事も嫌々ながらも真面目にやっていたり、アクシズ落としにより自分が歴史上の極悪人と言われるであろうことも理解しておったりと、自分の立場を弁えて行動しておる様が描かれております。女性関係もロリに年増に理想の彼女 (最後はお母さんに昇格) と各種取り揃えており正に死角なし。それに引き換えアムロは例によって熱血バカで永遠の少年なのでありました。「ニューガンダムは伊達じゃないっ」と言って隕石押し返すとは何というスポ根。
宇宙に出ると皆命令無視して痴話喧嘩し始めるあたりはいつもの富野節。一番ダメな子はハサウェイで確定。ミライが地球で貧乏生活しておる様子なのが痛い。ブライトの給料はそんなに安いのか。
富野由悠季監督作品、1991 年。
ジオンの反乱が遠い過去となり、地球連邦政府が強い力を持つ時代。平和な space colony のフロンティア IV に、突如として mobile suits が強襲をかけてくる。彼らはコスモ貴族主義を掲げる軍事組織、クロスボーン・バンガードを名乗り、地球連邦に反旗を翻そうとしていた。民間人の少年シーブック・アノーは、仲間とともに逃げるうち、連邦軍の練習艦に拾われる。その艦にあった Mobile Suit の F91 は、彼の母親が手がけた兵器であったことから、シーブックは F91 の pilot として戦うことになる……。
今回初見。主人公は戦いに巻き込まれ、少年少女は難民船呼ばわりされるような連邦軍艦に乗り込み、目立つ女は裏切る、という感じなので何だか 1st Gundam 焼き直し版みたいな印象。それにしてもあまりに展開が性急で、観ていて混乱させられます。まぁ、それもまた Gundam らしいといえるのですが。
最後におっかさんがシーブックを激励叱咤する場面がなかなかツボでありました。
以前も同じネタで書いてますが、今回は補足で。
ffmpeg で avi を mpg 変換する際に次のような文句を言われたのです。
$ ffmpeg -i test1.avi -target dvd test1.mpg
...
[aac @ 0x592a00]FAAD library: cannot resolve faacDecGetErrorMessage in libfaad.so.0!
Error while opening codec for input stream #0.1
patch をあてると対処できるそうですが今回は別の手で回避。
$ mencoder test1.avi -o test2.avi -ovc lavc -oac lavc
$ ffmpeg -i test2.avi -target dvd test1.mpg
$ rm test2.avi
一度 mencoder で変換しなおしてあげると ffmpeg を通るらしい、ということで。
ちなみに mencoder 1.0rc1-4.1.2 であります。ffmpeg は SVN-r8921。
Christophe Gans 監督作品、2006 年。
小娘の Sharon Da Silva (Jodelle Ferland) には毎夜夢遊病で彷徨う奇癖があった。母親の Rose (Radha Mitchell) と父親の Christopher (Sean Bean) は、夢見状態の娘の口から "Silent Hill" という言葉を聞く。それが実在する街の名と知った Rose は、その地に行けば娘の病気の現員が解るかと思い、娘を連れて Silent Hill へ赴く。Silent Hill は数年前に炭鉱の火事で ghost town と化しており、今は閉鎖されていた。Rose は強引に街に入ったが、途中で事故を起こし気絶。気づいてみれば Sharon の姿はない。Sharon の姿を追い求め街を駆け回る Rose、それに Rose を追って街に入った婦警 Cybil Bennett (Laurie Holden) は、不気味な siren の音が響くとき、この街が別の顔を見せることに気付く……。
有名な game の映画版であります。あいにくと静岡は遊んだことありませぬ。怖いの苦手なんじゃよ。
さて映画版ですが、裏世界だの宗教だの魔女狩りだの出てきて雰囲気作りは充分なのですが、horror な世界がどうも浮いてて story とかみ合ってないような。とはいえ、最後に怨念爆発して chaos になるという展開に、むしろ溜飲が下がるというのも変な映画だなぁと。まぁ、普通な出来。